有り得ない偶然 Side1
- 鋼.の錬.金術師 -



02.旅立ち





 -- side オレ --





「母さん。南からオレを呼ぶ声がする」
「今日は南か」
「セントラルからかもしれない」
「まぁ、どちらにせよ気をつけていくんだよ。もし軍の犬どもにからまれたら蹴散らせ。
あたしが許す。
それとどこかしらないけど目的地っぽい場所についたら連絡を必ずすること。
これだけは守ってくれればいい」
「わかった。お土産は面白い顔をした(軍の)犬の写真だね。
あとはいつもどおりその土地の最高料理のレシピをおぼえてくるから!そうしたら母さんと父さんにつくるからオレが帰ってくるのまってってね」

 楽しみに待っているよと笑う母さんに見送られ、オレはいつもの旅行にでかけた。
もちろん軍にかかわる気は母さんもオレもまったくないので、さっきのは言葉遊びに過ぎない。
軍人をみたら身を隠すか逃げるのが我が家の家訓だからだ。

 最近とある軍の炎の錬金術師が名前をあげている。
まだ鋼の錬金術師の名前は出てこない。
どうやらまだ原作は始まっていないようだと、平穏を愛するオレの口は思わず持ち上がる。
いやぁ〜いままでの転生人生では、必ず事件に巻き込まれるのはオレの方だったから、傍観者ってなんて楽なんだろうと、エドワード兄弟やら原作キャラを見に行ってはにんまりして帰るのが今世のオレの楽しみ方だ。
たまに口を挟んだりおちょくりたくなったりするものの、そこはこの病弱な身体のこともありこらえた。
いえいえ。でもおいしいところはしっかりおさえているので問題ないですよ。


「さてセントラルにでもいきますかね」


 ホームにたちつつ、青い空を見上げる。
いまなら楽しい見学会に間に合うだろう。










さてさて。ここはアニメの世界なのか。
それとも漫画か。
どちらでもいいことか。
重要なのは、オレがオレとして生き抜くこと!
さぁ、今日も頑張って生きよう!








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