有り得ない偶然
++ 花火乱舞 ++




花宮字と刀の出逢い (小狐丸編)
※時の政府事情。審神者について。刀剣男士と霊力について。などにいろいろ捏造設定あり!!

<こまかいこと>
花悲壮の花宮は複数の前世もちである!
※すでに二ケタ分は転生しているが、↓は必要な個所だけは抜粋
・【大神】チビテラス 成り代わり
・【銀魂】土方十四朗 成り代わり
・【家庭教師ヒットマンREBORN!】XANXAS 成り代わり
・【黒子のバスケ】花宮真 成り代わり
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<小狐丸一振り目 の場合>



花宮の本丸の刀剣男士はとある事情により人数が少ない。
こないだ顕現した岩融と三日月宗近Aも含め、いまだ8振りしかいないときている。
そのため本丸をまわすために刀剣男士たちが活躍すると、出陣できるメンバーが二人か一人となってしまう。
そしてこの花宮、元アマテラスで異世界のシンセングミ副隊長であったり、トキノセイフをコテンパンにして、調教中だとか・・・・まぁ、普通という言葉では収まらない審神者であった。

つまり――

花宮はただいま近侍の山姥切国広とともに、戦場に“出陣中”であった。
危険なので、本来審神者は戦場に出るものではないので、普通の感性の持ち主は彼のまねはしてはいけない。

花『あ、これ刀の残骸だな』
切「主、あんた、まさか・・・」

刀剣男士を超える気配察知力を持つ花宮のおかげで敵とのエンカウントがさけられているため、 山姥切国広はゴミ拾いをするどこかの慈善団体の一人とばかりに、もってきた袋へさくさくと資材を拾っていた。
花宮との言葉に、ピタリと足を止める。
まさかとおもうがそこまでがめつくないだろう。いや、自分の主がここまでケチでがめつくなくていてほしい。
しかしそんな山姥切国広の願いはかなわず、花宮派ニヤリと口端を持ち上げた。

花『わかってるだろキリ』
切「主、まさかとおもうが」
花『オレらの本丸の財政状況が笑い上戸どもの散らかす花びらのせいで圧迫されているのは』
切「つまり・・・」
花『資材も素材も無限ではなく有限だ。使えるもんはすべて持ち帰る!! すべて再利用だ!!日本人のもったいない魂をみせつけるとき!!』
切「やっぱり」

戦場で折れた刀の先端部分を発見花宮は、それを資材としてではなく“刀剣男士”としてドロップしたのだった。
花宮のノリと勢いで、付喪神の欠片がいまだ宿ったままの刀身はあっけなくお持ち帰りされたのだった。





* * * * *





鍛刀部屋では、自分で刀を打つことのできない審神者にかわって人工的に生み出された式“妖精さん”に依頼をして、 付喪神の憑代となる術式の刻まれた刀をうってもらう。
彼らは火を使い槌をふるって刀を作成する本来の鍛冶屋とは違い、一種の術でもって刀剣を鍛え、ときに修復を行う。

花宮いわく『やろうと思えばできると思うぞ』っと、小さな刀の先端を手に、おのれで打ち直そうとしたのだが、 それにああわてたのは妖精さんたちである。
さらには刀剣たちに危ないと止められ、しぶしぶ刀の破片を妖精さんに託し、折れたそれを打ち直してもらうこととなった。

どのような素材がどのような割合で混ざられ作られているかわからないため、 継ぎ足すのはよくないと判断し、そのままの刃を加工しようという話になったので、 おそらく出来上がる頃には短刀ほどに短い刀になってしまうだろう。
金属などは素材の違うものを混ぜ合わせた場合、性質が合わず、刀は逆にもろくなってしまうこともあるのだ。
そう判断した花宮は、そのまま刃を素材に戻すでもなく、そのまま手のひらサイズのナイフのような小刀に打ち直すよう指示を出した。

切「普通は打ち直しなんか無理だと思う。というか折れた時点で死んでいる」
花『さぁてどうかな?あれは少しといえど分霊の残滓が残っていたが。それでも無理だとお前は言うのか?』
切「だが心は・・・」
花『フハッ。だめなぶんはオレの霊力で補うさ』
切「霊力!?あんたのは神力だろ・・・はぁ〜、横暴な。でもそれをやってのけるんだるなあんあたなら」

鶯「さすがは主だ。大包平も今頃きっと驚いているだろうさ」
月「俺たちはまっとうに鍛刀されてよかったな」
伏「で、あるな」
堀「あれ?全員集合?」
兼「主が、主ならではの面白そうなことをしてるからな」
鶴「というか、刀剣男士を復元しようなんて・・・本当に君はただびとのくくりに収まらないなwww」

花『ふん。そんなこと、会った時点でみんな承知だろう?』

「「「「「そりゃぁそうだ」」」」

花『フハっ。まぁ、人生だろうが刃生だろうが。生まれたからには楽しんだもん勝ちだろ。ようは勝てばいいんだよ』
切「そうだったな。あんたはそういうやつだ」

花『いいか、みんな。これはあくまで“手入れ”だ。忘れるなよ』

堀「だね。まさか折れた刀から刀剣男士を顕現させようなんて面白、じゃなくてそんなヤバそうなこと、政府が許すはずないもんね」

鶯「うむ。おれはなにもみてはいないぞ主。そろそろ八つ時。こないだいい茶をもらってな。用意するとしようか」
月「それはよい。ならば俺らも手伝うとするか。のぅ、山伏の」
伏「うむ。ではケーキでも作るとするかな。いまから作るとして物によってはそこそこの時間でできたはず」
鶴「けぇきか!?あれはいいな!うえからたっぷり甘い蜜をかけよう!とっておきのしろっぷっとやらが棚にあったはず!(キラキラ)」
伏「シロップ・・・ならばパウンドケーキが妥当であるかな。ああ、そうであった。チカ殿はふれてくれるなよ」
月「あなや(@_@。」
堀「あはっはwwwそうだねぇ。チカさんが触った料理って、なぜか漫画の様に本当に動き出すからねwww 料理オンチというより謎の生物生産しちゃうなんて、料理オンチのレベル超えちゃってるよ」
兼「それもそうだ。ああ、チカさんのかわりに俺らが手伝うぜ爺様方」

伏「ではな主。拙僧らはみなの八つ時の準備でもいたそう」
花『ああ』

余計なものを見ないに越したことはないし!と、ばかりに近侍である山姥切国広をのこしてさっていく仲間たち。

本丸の仲間たちをみおくり、山姥切国広は深くため息をつき、炉で打ち直された“それ”をみやる。
会話の間に鍛刀はおわっており、妖精さんがそっと出来立ての刀を審神者である花宮に掲げている。
不安そうな顔はあるものの妖精さんたちは、むしろいつくしむように“それ”をみつめている。

花『何を聞かれても黙っておけよキリ』
切「はいはい。言い訳は勝手にしてくれ」

飽きれる山姥切国広。そんな初期刀に花宮はうっすらと笑い、死にかけの“太刀だった”それに霊力を注ぎ込む。


ふわり。

花宮から注がれる霊力が、光となって鍛冶場を飛びかった。
その光景はまさに幻想的で、光の多さから、花宮字の異常なまでの霊力の多さが身に染みて分かる。
目覚めるとき自分に注がれた暖かな、けれど大きな力の気配。それとと同じものが、今周囲を舞っている。
この本丸で目覚めた者たちはみなあれを一度は感じている。
ゆえに、山姥切は、有り得ないことであろうが、目の前の審神者ならやり遂げてしまうのだろうと納得してしまう。
霊力を注がれるあの感覚を覚えているからこそ、その圧倒的な力がそそがれていく“太刀だったもの”を辛抱強く見守った。
きっとうちなお浅れた刀から、新たな刀剣男士が顕現するのだろう。

やがて蛍のようにとびかっていた小さな光の粒子たちは、意思をもったように、花宮の持つ刀に集いはじめた。
そして光が、“小さく打ち直されたソレ”にまといつき、柔らかな光はそのまま吸い込まれるように“ソレ”にしみこんだ。
しばらくして光が収縮すると、今度はいっきに光が弾けるように部屋中を照らし出し、 眩しさに目が慣れてくるとそこには一つの人影があった。


狐「大きいけれど小狐丸。いや、冗談ではな・・・」


花切『「いや、小さいぞ」』

狐「え?あ、あれ?ほんとだ・・・・・ぐす」

切「!?」


狐「ぅぇえええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!」



“太刀だったもの”から顕現したのは、小狐丸だった。
ただし大きさがおかしい。

ちょっと大きめのぬいぐるみぐらいの小ささで顕現した小狐丸は、自分の身体&本体の刀を見て目をまん丸にしたあと、 その大きな目からボロボロと大粒の涙を流して泣き始めた。
その泣き声に、何事か!?と、本丸の刀剣たちが、部屋になだれ込んできたが、部屋の中にいる人影を見て動きを止める。

子供の扱いには慣れていると、 花宮が“小さくなってしまった”小狐を抱き上げ、ポンポンとその背をたたき、ぐずる刀剣の子をあやす。

小狐丸が落ち着いたころに、優しく語りかけるようにして、話しかける。
聞けば、小狐丸には、自分がなぜ戦場で欠片として放置されていたかもわからず、 自分が折られるにいたった記憶はなかった。

花宮の本丸の刀剣たち、とくに鶴丸はそれにホッとしたような表情を見せた。


花『ま、よろしくな “ココマル”』

「「「「「ん?」」」」

狐「あ、あるじ?いまなんと」

花『だから小狐丸(ココマル)だから、ココさんな。って』



「「よみかたちげぇー!!!!」」」


しかしそのまま掌刀な新生小狐丸は、“ココ”で定着したのだった。
小さな刀剣の誕生である。

否、良く切れるペーパーナイフ、ココマルの誕生であった。








なお、この刀剣男士(再利用品)もとい刀剣男は、 非売品であり、偶然の産物である。
同じようなものを戦場でみつけたとしても、どれほど力を注ごうが、手には入らないので要注意。
――といった御触書を、政府はあわて審神者にくばったのであった。

なにせこの花宮といえば、ふつうにココをつれて演練に行ったため、それによる苦肉策であったことは、政府しか知らない・・・・・・かといえばそうでもなく


花『フハッ!オレからのお礼参りは気に入ってもらえたかな?いい顔しろよ。人攫い政府ども』


慌てふためく政府陣営を見て、不敵にわらう存在が一人。
なお、花宮が小さな刀剣男士を見せて回った審神者は、彼の協力者であり口の堅い人間たちであったため、基本的に攻められはめられたのは 時の政府だけである。







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