有得 [花悲壮]
++ 二人の花 宮と・その後 ++



04.それは魔法ではない
※『』…成り代わりがいる世界側のセリフ
※「」…原作より世界側のセリフ



清『ここって、まだWC終わってすぐの冬だよな。っで、この世界の真は二年生、俺は三年っと』
花「それがどうかしたか?」
清『お前にいまから秘伝を伝授する。俺たちの世界ではとっくに過ぎた話なんだが』
花「未来の話ってことか?」
清『そう。だから言うか言うまいか悩んだんだが。絶対お前は気付かずに後悔しそうだから教えておこうと思って』
花「だからなんだよ」
清『実はな――』


花「な、なんだよこれ。う、うそ」
清『だろ!本当にうそだっておもうだろ!それが実は事実なんだ。未来とネットに感謝だ!』
花「・・・ま、まじなのか」
清『泣くな真!男が泣いてどうする!』
花「で、でも!キョー兄ぃ・・・お。おれ、どうしよう!?」
清『いいか、真。これは誰にも言ってはならない!どうせならこっちの世界の――』





【 side 原作よりの山崎 】





山「・・・・・・」

原「どったの弘ぃ?難しい顔しちゃって」
古「何を見て、ああマコトとキョウさんか。相変わらず二人は仲がいいな」
原「あ!わかった!もしかてやいてる?やいちゃった?」

向こうの世界の宮地さんと、マコトが携帯をいじくりながらなにか話し合っている。
視線を移動すれば、いびきをかいている瀬戸をまくらに気持ちよさそうに寝ている向こうの世界の花 宮もといアザナさんが転がっている。

もう一度、マコトの方を見やれば、宮地さん監修のもと必死に携帯を操作している。
操作といっても先程アザナさんがやったいかにもな儀式じゃない。

とめられる人間がいなそうだから、言うが――

山「なぁ、あの画面、チケットの予約だと思うんだけど・・・いいのか?」

原「え!?」
古「なんだと!?」

どうやらマコトを洗脳した張本人がきたことで、またあの二人はミユミユ応援モードに入ってしまっているらしい。
微かに聞こえてきた内容は、今月あるというミユミユの隠れイベント。
その情報を探し出し、真実だと確認したマコトはそれはそれは嬉しそうに「まだ間に合う!」と携帯を抱きしめていた。

俺のつぶやきに、原はかんでいたガムを割っていた。
古橋は光の入っていない目をカッ!とばかりにひらき、頭を抱えている。

二人は必死な形相でマコトのもとへ駆け寄ると、キャンキャンとなにか騒いでいる。

瀬「ふぁ〜うるさいな。なに?またマコト、洗脳されちゃったの?」

山「ああ、おそーよーさん、健太郎。っで、どう思う?おっかけ魂が再発されちゃったみたいだけど、俺もとめるべきか?」
瀬「はよー弘。まぁ、いいんじゃない?」
山「そっか」

別の世界から、この世界にいる人間の別の人間が来たり。
向こうの世界と電話がつながったり。
痣が実体化したり。
蝶がひとの頭のハネ毛をあみこんだり。
厳格な優等生のような悪童のような、そんな花 宮真がまたアイドルに走ったり。
名前を呼ばれて蝶が近づいてきたり。
外を歩けば空から、釣り糸が絡んだ鳥がおちてきたり。
犬に近づけば脱兎のごとくにげられたり。
猫がなぜかハメルンの笛吹男のごとくゾロゾロついてきたり。


そんな体験をした日。





翌日はバスケなんて忘れて、みんなで遊んだ。
買い物をした。
でも買い物をした後は、結局ストバスコートでバスケをしていた。

花 宮コンビのタッグはめちゃくちゃ怖かった。

やっぱりその日も猫の群れがいて、バスケの最中彼らはずっと見学していた。猫にバスケが分かるのか謎だ。





その後、夕方ごろに、アザナさんがマコトの携帯を掲げてクルリと回ってパンと手をたたいて、あの怪しげな踊り?のような儀式のような・・・をして、向こうの世界と電波をつなげると。
向こうの世界から火神が、俺たちに電話を替われと言い――

彼の指示どおりTVの前に、ミャーズブラザー(宮地さんと花 宮のこと)を誘導し、背中を押した。
瞬き後には、二人の姿は消えていた。

パン!

原のガムが割れる音が、やけに大きく響いた。





 




:: オマケ ::

山「なぁ」
原「ん?」
山「いま、なにがおきた?」
原「めんごめんごwww
っていうか、本当にごめん(真顔)俺も一瞬で実はよくわかんなかった」
古「すまない。一哉のガムに視線が言っていたのでわからなかった」
山「健太郎は・・・ああ寝てるか」
瀬「ふがぁ!?」

花「みゆみゆ・・・」

古「いくなマコト!」
原「行って会場で秀徳の人たちとバッタリあっちゃたりしてーwwww」
古「一哉、それはフラグという」
原「あ」

山「それよりさ」



山「なぁ、“向こうの世界”って魔法かなんかであふれてんのか?」



猫はもうついてきていない。








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