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08. 世界のズレと私の現実 |
side P4主なのにティアな『夢主2』
世の中本当にうまくいかない。 ライガクイーンの命を助けはできたものの、どっかの陰険眼鏡の攻撃からは完全に守れなかったらしく、クイーンは足に怪我をしていた。 「ペルソナ――『メディア』」 回復魔法を唱え、傷口が癒えるのを確認し息を吐く。 わたしがみんなが正気に返る前にさっさと動いたからか、ライガクイーンは私が近寄っても暴れることはなく、おかげですんなり治療を終えることができた。 「がぅがぅ」 「ありがとうと言ってるですの」 いつの間にかルークの腕に収まっているチーグルが、嬉しそうに訳してくれた。 (…偽善だ) 私がこのイベントを避けたい理由が『ここ』にある。 前の世界もコチラの世界も様々なモノと戦闘した。 正直、生身で対峙するときの怖さ以外は『レベル上げ』という純粋にゲームプレイしていたときと感覚は変わらなかった。 倒して、それが『当たり前』でなければ…前に進めなかったから。 (“アリエッタというキャラクターの母”だから――今回は説得するのが目的だったから。だから助ける。そう思って動いたけど…) ゲームをプレイしている時に、」ライガクイーンを助けられる選択があればいいと思った。 説得を早々に止め退治しようとした“あの展開”がイヤだったからだ。 (これからも“他の魔物”なら平然と戦うくせに) 私はきっと目の前の相手が、キャラの母親でなければ武器を取った。 私が生きるためにはそうしなければいけないのだから仕方ないじゃないか。 そんな行動は……私が散々批判してきた者たちと、どう違うんだろう? 「今から提示されたキノコロードへ向かうそうですの」 「卵が無事で良かったな…?どうしたんだ?」 「い、いえ。なんでもありません夕様」 こんなプレイ初期時期から、“きにかけてくる”ルークはこんなにも優しい。 ああ、覚悟を決める前のルークの優しさがみえるようだ。 これは原作とは違うこと。 わたしたち(ティアとルーク)は、リンゴ泥棒と間違われなかった。 イオンと初めて出会ったのは、森の中。 母子ともに無事のライガクイーン。 不運な事故でなぜかまるこげになっているジェイド。 シナリオは少しずつでもゲームから逸れている。 (それでも…ジェイド・カーティスが介入しなければ、クイーンは動かなかったのかもしれない) そう思ったら、自分の力不足が悔しかった。 私ではどうしようもなかったかもしれない事実に、なんのために自分がいるのだと思ってしまう。 なんため? ここはゲームではないが完全案るリアルな世界ではない。 でも“生きた”世界だ。 そう。そうだ。わたしはローレライに頼まれて、ルークを・・・ ちょっと、待って。 なら、おかしくないか? なんで“ジェイド・カーティスがこなければクイーンは動かなかったかもしれない”んだ? それじゃぁ、わたしがなにをしても助けることはできなかったってことにならないか? そういえば、なぜローレライは、私をこの世界に送るとき、“いとし子を助けてほしい”と言いながらもティアが行動を起こした後に私をこの世界に送ったんだろう。 なぜ? それは――― (…っ!?) とっさに思い浮かんだ単語がある。 それはとてつもなく大きな… 大きすぎてどうしようもないもの。 世界に取り込まれ、世界の一部として動いている“今の”わたしにはどうしようもない・・・ ――― 世界の修正力 ―― 「――顔色悪くないか?」 ふいに心配そうに私を見るルークにハッとする。 いけない、いけない。 なにかおかしな施行に取りつかれ相違なっていた。 ひとまずルークを安心させようと、笑顔を見せた。 それがちゃんとした笑顔になっていたかは、はなはだ怪しいが。 「…いえ、平気ですよ。今行きます」 ―――それでも信じたい。 ねぇ 私の行動は 間違っては いないんだよね? ----------------------------------- ゲームだと思った世界は…… なによりも“今”は、身近に感じる “ここ”で、みんな生きているのだと実感してしまった そして星の記憶がなんなのかも―― わたしは、どうしたら・・・いいのかな? |