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06. ミアレシティでの再会 |
| ※キョウヘイの中身は、【復活】XANXAS成り代わりだった夢主1です。 夢主1は転生しまくってる転生者。 XANXAS成り代わり後に、BW2男主人公となりました。 BW2時代は、夢主2が女主人公になりかわり、彼女とは双子でした。 当初、夢主1は【キョウヘイ】という俳優だったのです。 ――これらのことを前提に、お読みください。
:: side キョウヘイな夢主1 ::
![]() オレはキョウヘイ。 たぶん。 目を覚ました時点で記憶喪失で、なんだかんだあって、プラターヌ博士のもとですごすこととなったんだ。 そのときで会ったのが、サトシ。 彼はリーグを目指しているらしい。 そのたびにさそわれたけど。 『サトシはやたらと事件に首を突っ込み巻き込むし、自分のことでていいっぱなオレはサトシと旅をしたくない。あとオレはいそいでるし』 そういう意味合いの言葉でもってサトシを牽制して、ミアレシティーでサトシ一行と別れたはずだった。 その後、傷も完治して、ピジョットとリザードンとも仲良くなった頃、オレも旅に出た。 そのはずだが。 『なぜ、ここにいる?』 記憶喪失で身元もわからないオレは、後見人でもあるプラターヌ博士の言葉には逆らえない。逆らえないというか、あのひとに迷惑をかけるわけにはいかないからと、連絡があってすぐにピジョットに頼んで空を飛んでもらって、この街に戻ってきた。 広い場所を探して、ミアレシティーの手前でおろしてもらったのだが、遠目に見覚えのある人影を目にした。 それがサトシだ。 ミアレシティーにもどってきてみれば、とうに旅だったはずのピカチュウをつれた少年サトシがまだいた。 しかもなぜかサトシの周囲に人数が増えている。 オレがこの街をおさらばしてから、なにがあった? 赤い帽子をかぶった女の子は都会っこだろうか?ずいぶん旅には不似合いそうなおしゃれな出で立ちだ。 それをみてオレが思ったことは―― 『あれがうわさにきくモテダンシ!? これだからアニメ主人公は。地方を回るたびにかわいい女の子と旅するなんて。ズルイ。もてない男へのあてつけか?サトシのくせにオレより身長があるし。そうだそうだ!身長よこせ。むしろそこの彼女に、うちの姉におしゃれとはなにかをご教授願い・・・・ん?アニメ?女の子?姉?』 彼らにはまだ気づかれていないのをいいことに、その場でひたすらひとりでもんもんとしていたら、なんか口からわけのわからない単語がボロボロと零れ落ちた。 普段からこんな感じの口調でありので、自分でも子供らしくないと自覚している。ただきちんと礼儀はわきまえているつもりなので、目上の人がいるときは口に気を付けている。 その言葉から、まっしろなはずの自分の記憶に触る何か、“ひっかかり”を感じた。 〈姉〉と、その単語を舌の上で転がしてみても人の姿さえ浮かんではこない。 かわりになぜかポカブの姿だけが、ぽわわ〜んと浮かんだけど。 姉という存在は、オレにとってポケモンのことだったりして。オレってもしかしてポケモンに育てられていたとか? ・・・いや、笑えねぇよ。 それにしても。 『もしかして・・・オレってサトシのことを知ってる?』 〈サトシ〉という単語には、空っぽの脳みそもなにかヒットしたようで、脳裏にテレビの映像が浮かんだ。自分がテレビをみている姿。自分視点のそれ。 テレビに映し出されるのは、ポケモンとサトシの冒険。それはアニメとしての彼らが映っていて。 『そうか・・・なんでかアニメ世界に来ちゃったりしてるのか?』 どこかで〈トリップ〉とか〈転生〉という意味不明な言葉が浮かんだ。 それにギュウっと胸が締め付けられる。 ふと「×××××」と、【キョウヘイ】とは別の名でオレをよぶ声が聞こえた気がした。 女の子と、男の子。 大事なだれかである気がする二つの声。 単語でゆさぶられて思い出した記憶のなかのだれかたちは、いつも側にあった気がする。 しだいに二人の声以外にもなにか浮かび上がってくる。 しらない誰かが、オレを呼ぶ。 みたことのない光景が交互に不フラッシュバックし、彼らはたくさんの名前でオレを呼ぶ。 ただ強く。強くオレを呼ぶ声は、ふたつ。 けれどその二つの声の映像だけが流れない。 ずっと二人はオレを呼んでるのに。 側にあったはずなのに。 思い出せない。 でも、彼らが呼んでいるのは【キョウヘイ】ではない気がして、どうしようもない焦燥感が胸を締め付けあせる。 『オレは・・・“だれ”だ?』 わからなくなる。 オレがだれなのか。 いろんな記憶が混ざり合いすぎて、本当の自分がどういう人間だったかもわからなくなる。 『なんだよこれ・・・』 なんでこんなに複数の人生を歩んだかのようにたくさんの記憶があるんだ。 強要オーバーだ。 痛む頭を押さえていれば、横にいたピジョットが心配そうにオレをみてきた。 リィーー・・・ン。 ふいにそれらの頭痛を弾き飛ばすように、懐かしい鈴の音色が聞こえた気がした。 そこで、さそわれるようにオレは自分の鞄に触れる。 そのなかに溶けない氷につつまれた筒があるのを感覚で感じると、ホッと胸をなでおろす。 これがある限りは、オレはまだ【キョウヘイ】でいられる気がしたから。 自分を少し取り戻せたことに肩から力が抜け、心配してくれていたピジョットに感謝しつつ彼をボールにもどす。 さぁ、プラターヌ博士のもとに行かなければ。 そう思って一歩を踏み出そうとしたところで、背後からパタパタと駆け寄ってくる音が聞こえ―― 「おーい!久しぶり!!ミアレシティに帰ってきてたんだな。 ――――“キョウヘイ”!」 『はい!お久しぶりです。ボクになにか用ですかサトシさん』 「え」 『ん?』 「『・・・・・・・なに(なんだ)いまの』」 【キョウヘイ】とその名を呼ばれた瞬間。 勝手に体が動いた。 もう嬉しくてたまらないとばかりに振り返り、そのままニッコリと満面の笑顔で、丁寧な言葉遣いがオレの口からでた。 しかもなぜか一人称が「ボク」。 思わず、やったあとに鳥肌がった。 無意識の行動とはいえ、絶対こんなの“オレ”らしくない。 【キョウヘイ】ならともかく。 ん?キョウヘイならって、いや、だから、オレがキョウヘイなんであって、この対応の仕方は間違っていないはず。 現にこれはオレがよくしてきた行動のようだ。 記憶はないが、習慣づいているらしい体は筋肉痛などを訴えてはこない。 目が覚めてプラターヌ博士に見送られ、少しの間とはいえ旅をし、その間、口調がきついからあまり表情も動いてない自信があったのだが、もしかするとそうでもないのだろうか。 【キョウヘイ】と名を呼ばれるとなんか思考が一瞬停止して、まろっとふわっと、花が浮いたように思考が停止する。 思考より先に、体が無意識に動く。 周囲に花が飛んでる気がする。 一人称も違うし。 なにこれ? そこまできて勝手に浮かんでいた笑顔が、今度はオレの感情につられてひきつる。 サトシも呆然とオレをみてる。 そりゃぁ、さっきの態度はなんだよ。とか思うよな。会ったときも別れたときもそこそこ口が悪いというか毒を吐いていた自覚がある。 そのオレが「ボク」!?ありえねぇ。 怒りとか周知よりも、なんかへこみそう。 オレはあわてて笑顔を引っ込めて、極力無表情を意識するように顔の筋肉を引き締め、サトシに向き直る。 眉間にしわが寄った気がする。睨みつけるような目になっている気もする。 でも身長がオレより高いあいつらが悪いということにしておこう。 え?身長はそこでは関係ない? いや、あるよ。上目使いになるちょうど10cmの差だよ。 身長高い奴には呪いの言葉を吐くべしと、あやふやの記憶の中の自分が言ってるもん。 そういえば10歳のころって、オレこんなに低かったんだなぁっと、なんだかもうとっくの昔に十歳をすぎてしまったどこぞやの爺さんのように、なんだかしみじみと思ってしまった。 それはまぁおいておいて。 『ごほっ。っで?何の用サトシ』 「あ、ごまかした」 「ぴぃーか」 『うるさいだまれ。自分でも無意識にでたんだ。 それよりサトシたちも博士のもとに?』 「あ、いや。今日はセレナがぶてぃなんとかをみたいって」 『それってブッティクか?・・・でもサトシはリーグのために旅をしてなかったっけ?旅におしゃれって必要?』 「さぁ?」 オレとサトシが首をかしげていると、しばらくして今のサトシの同行者らしきツナギの眼鏡くんと、小さな女の子と、赤い帽子の女の子がやってきた。 それから一緒にプラターヌ博士のところに行くということになり、互いに自己紹介となり―― 「よろしくね!わたし、セレナ!」 「あたしはユリーカ!こっちはデデンネだよ」 「でぇーでぇ!」 「ぼくはシトロン。よろしくお願いしますね“キョウヘイ”くん」 『みなさんサトシさんの旅仲間のかたですか?素敵な方たちでうらやましいですサトシさん。 ボクは【キョウヘイ】です。よろしくお願いしますね、みなさん!』 「は、花がとんでるぅ!おにいちゃんキープ!キープぅ!!」 「こらユリーカ!キョウヘイくんはポケモンじゃないから!」 「か、かわいいー!!!」 「キョウヘイ・・・お前、また」 「ぴぃーか」 『・・・・・・無意識だ』 ふわりと笑ったあとのまま、自分がやったことに思わず顔が固まった。 どうやら【キョウヘイ】と呼ばれると、何かスイッチが入ってしまうらしい。 オレの素を知るサトシから苦笑がむけられ、その肩にのっていた黄色の生き物からは呆れたようなため息をつかれた。 いや、やめろよその憐れむような同情のまなざしさぁ!! 「これってさぁ。キョウヘイも今知ったんだよなぁ?」 『そうですね。もう、ボク、どうしたら!・・・・・ぅぐ』 「・・・・・・いや、もう“それ”いいって!そこまで苦しんでまで無理して直そうとしなくていいから!」 「えっと、名前を呼ばなきゃいいんだよな。 んーっと。あれ?なぁ、それじゃぁ、いままでプラターヌ博士のところでどうしてたんだ?」 『どうもこうも、ないかな。目上の人には丁寧語。目上の人は敬うもの!これ必須。 それにこどもによびとめられるときは名前じゃなくて“そこのおにいちゃん”とかでよばれてたから・・・』 「ばれなかったし、違和感もなかったと。 ・・・だから今知ったんだ」 『・・・・・・』 もう言葉も出ないよ。無意識に丁寧語を使っていたわけではなく、名を呼ばれたから無意識が発動していたとか。 落ち込むオレに、サトシからご愁傷さまといらぬ言葉がかけられた。 そのなぐさめいらない。 本当になんなんだ自分。一番自分がなんなのかわからなくなるんだけど。 なぜいままで気付かなかったか、自分で自分を締め上げたいぐらいだ。 「なぁ、キョウヘイ」 『どうしましたサトシさん?』 「・・・」 『・・・もう。いやだ』 思わずその場で落ち込んでいるオレに、サトシが困ったような笑みを浮かべたまま肩をポンとたたいてきた。 っが、これまたその呼び名につい《一人称ボクモード》が発動してしまう。 なんだこれ? なにこの身に染みた習慣的なスイッチ。 うますぎる自分の演技に、さらに挫折しそうだ。 そんなオレにサトシは苦笑をやめない。 「・・・いや、もういっそ【キョウヘイ】って名乗るのやめたら?」 『っく!!・・・他に名前があったら、最初から名乗ってない!』 「・・・・・・・ガンバレ」 素のお前だとなんかシンジと話してるみたいだ。とサトシが背をさすりながら、笑っていた。 だれだよそいつ? どうでもいいけど、しばらくオレは《一人称ボクモード》の【キョウヘイ】でいることになりそうだった。 『プラターヌ博士、ただいま帰りました〜。キョウヘイです。用件はな「ぴっかー!!!」ぐふぉっ!!!!?』 博士の研究所に足を踏み込んだとたん。なにか黄色いものがどこからともなくかけてきて、そのままおもいっきり腹に直撃した。 「キョウヘイ!?」 「ぴっかぁ!?」 「「「キョウヘイくん!?」」」 あまりの苦痛にその場にたおれうずくまっていると、サトシたちの驚いたとばかりの声が上がる。 なんか顔の付近でピカピカピカとかわいらしい声が聞こえて、モフモフとした何かが頬にふれてくる。 ただし、そのかわいらしい何かとサトシたちにこたえるだけの気力はオレにはなかったが・・・。 「おかえりキョウヘイくん。って、もう〈ピカ〉と仲良くなったんだね。よかったよかった」 「プラターヌ博士、それちがうから!キョウヘイしっかりしてくれ!!」 「あわあわあわ!!しっかりしてくださいキョウヘイくん!」 『・・・・・・ぼ、ボクが死ぬ前に、〈だれか〉に、これを』 鞄の中に入っている筒をしめすように鞄をしめしたところで、オレの意識はとぎれた。 【キョウヘイ】と呼ばれて、こんなときまで《一人称ボクモード》になるとは。オレの演技はもう演技じゃない気がする。 ところで。謎の黄色さん、あんたどんだけ威力がある頭突きをくらわしてくれたんですか? ********** 『また記憶が吹っ飛んでたらどうしようかと思った』 ソファの上でピカチュウとイーブイを膝に乗せて撫でつつもオレの意識は遠くにある。 そのまま盛大にため息がでた。 だが、それはオレだけが思っていたわけではないようで、うんうんとばかりにプラターヌ博士や助手さんやサトシが頷いた。 あの衝撃はすごかった。 ただし面倒なので、オレが記憶喪失だと事情を知らないやつらに言わないでもらっている。 それでもセレナやシトロン、さらにはユリーカまでが、それぐらいの威力があったとばかりに頷いた。 研究所に入った途端オレの腹を直撃したのは、どうやらこのピカチュウだったらしい。 赤と緑のクリスマスカラーのふんわりとした大きなリボンが印象的だ。 横にいるイーブイはモフモフな毛の下に、緑の細いチェーンアクセサリーをしている。 こちらの二匹は常に一緒にいるらしく、離れようとしない。 そしてなぜにオレにベッタリくっついて離れないのだろう? 「そのピカチュウとイーブイはキョウヘイくんの?」 『ちがう・・・と思う』 セレナの疑問に首を横に振る。 こうやって撫でていても懐かしさはない。 “オレ”の手持ちには、ピカチュウとイーブイはいないと記憶がささやく。 どこかで会ったことはあったかもしれないが、やっぱり思い出せない。 「博士、その二匹。以前来た時にはいませんでしたよね?どうしたんです?」 「そういえば」 ナイスシトロン!ナイス援護サトシ! オレもしりたい。 なぜこいつらはなついてくるのだろう。 この場にいたサトシ一行と、オレの視線が博士に向けられる。 ユリーカだけは、うらやましそうな目でじーーーっとオレの膝の上にいた二匹をみつめていたけど。 「ああ、実はキョウヘイくんが街をでてから少しして保護されたんだ。 リボンや首輪をしていたからトレーナーがいるだろうと思ったんだけどね。しらべたら案の定すでに誰かにゲットされているみたいでボールは反応しない。 なにより、二匹とも“親”が〈グリーン〉だったからね。 これはキョウヘイくん絡みじゃないかなぁって思って呼んだんだ」 『また〈グリーン〉ですか』 「そうなんだ。それに二匹とも君の名前に反応してたし。状況的にピジョットたちと同じだろ?関係ないとは思えなくてね。 どうかな。ボールはこちらで用意するから、その二匹も君の旅に連れてってくれないか?」 手持ちもあいてるし、たまごを孵した“親”が、オレがあづかってるピジョットと同じだ。 これはオレが記憶を失ったことと何か関係があるのだろうかと思えたし、視線を向ければキラキラとこちらを熱い視線で見つめてくるピカチュウの姿。横のイーブイはあきれたようにピカチュウをみながらもオレと目が合うと、嬉しそうにしっぽをふった。 まぁ、いいか。 なんだかうれしそうな二匹の姿を見ていたら、心がほわってした。 自然と笑みがあふれて、二匹を抱きしめる。 ふわっとやわらかな感触がきもちい。 『・・・・・・』 よし。 これ、オレのものにしよう。 トレーナー不明で、あげくオレになついてるんだからいいよな。 どうやらオレはモフモフしたものが好きらしい。 【オマケ】 サ「あっちもピカチュウかぁ。 キョウヘイともっと仲良くなれそうだよな。な、ピカチュウ!」 サトピカ「ぴっかっちゅう」 セ「ちょ!また花がみえる!花が〜!!ほわ〜んって!ほわ〜んって!かわいいキョウヘイくん!サトシは素敵だけど、あの空間にとびこみたい!!」 ユ「ずるーい!あたしもぎゅー!ってしたい!イーブイとピカチュウさわってみたい!」 シ「・・・キョウヘイくんって不思議だね。 なんだか会った時は感じが違う。ニコニコして明るくて、サトシみたいにやんちゃなのかなぁって思っていたのに。いまのキョウヘイくんは、すごく・・・えーっと優しい?おとなっぽくみえるよ」 サ「いやぁ、本当はあっちが素なんだよ。あいつ」 サトピカ「ちゃぁ〜」 シ「え?」 サ「まぁ、いろいろ事情があんだよ」 プ「それは慈愛だね〜」 シ「プラターヌ博士?」 プ「キョウヘイくんは基本周囲に優しいんだよ。 わけへだてなくポケモンでも人にでも手を差し伸べるしね。あの子がこの研究所にいたころはね、それはもうおばあさんや子供によく囲まれてたよ。本人きいたら、おばあさんまでこどもにみえてしまったとかで。あの子が大人びて見えるのはそれだね」 シ「大人がこどもにって・・・キョウヘイくん、何者ですか!?」 |