君は白でオレは黒 IF2
[有り得ない偶然] ポケモンBW2 × XY






04. カロス一日目
※キョウヘイの中身は、復活世界でXANXASだった夢主1です。口調がゲームとも違うのはご容赦くださいorz







:: side サトシ ::





はしゃぎすぎてぶつかってしまった子。
なかなか目を覚まさない相手に不安になって、なんども病院の先生やジョーイさんに話を聞きに行った。
診察と治療を終えた後は、病室にうつされたそいつについていてもいいと言われたけど、おれがあまりにソワソワとおちつきがなかったせいで、しまには看護婦さんに「あとはまかせて」と病室を追い出されてしまった。
しかたなく街をぶらつくことのしたんだけど、あんなことがあった後だ。
物珍しいはずのカロス地方の景色やポケモンにはしゃぐ気分でも、バトルって気分でもなくなってしまった。

「あいつ、大丈夫かな?」
「ぴぃーか、ぴかちゅ?」
「ん。そうだよな。先生も目立った外傷はないって言ってたもんな・・・あのデカイタンコブ以外」

慌てて運んだ時は気付かなかったけど、あいつの頭に仰天するほどでかいコブがあった。
いや、うん。本当になんというかおれのせいだってわかるから、すっげー申し訳ない感じ。
うー…大丈夫かな。
早く目を覚まさないかな。

「あ、そういえば。おれたちまだあいつの名前も知らなかったんだな」
「ちゃー」

肩の上でピカチュウがコクコクと頷いているのを見て、やっぱり気になってしまう。
病院にもう一度戻ろうかと思ったけど、振り返ったら、病院の受付のおねーさんが怖い顔で首を横に振ってきたのを目にしてやめた。
おれ、そんなに何度も聞きに言ってたのかな。
そこまで挙動不審だったか。
それとも怪我させた本人だからいろいろ疑われてるとか?
どちらにせよあいつの目が覚めるまでは、戻れそうもない。

「どうしようピカチュウ」
「ピカピ。ピーカ」

気分は降下中。肩を落として街中を当てもなく歩いていれば、ピカチュウが建物の合間から見えるものを指差した。
ミアレジムがなかにあるというプリズムタワーだ。

なんか…おれ、相当焦ってたみたいだ。
ピカチュウのほうが凄く冷静だよ。
バトルでもしてみたら気分が変わるかも・・・なんて。さすが相棒。

「そうだないってるみるか」

タワーというからには展望台ぐらいありそうだ。
なかったとしてもジムの見学ぐらいできるんじゃないだろうか。
カスミなんかはジムのほかに、水族館や水中ショーとかやってたし。デントのところのジムはレストランだった。あのタワーもジム以外にも何かがあるかもしれない。
受付があれば聞けば、ジムや街のこととか教えてくれそうだ。
なによりさっきのあいつのもトレーナーならジムに挑んでいるかもしれない。あいつのこと、ないんかわかるかもしれないと。

気分を紛らわせようと、オレたちはプリズムタワーに向かった。



まぁ、そこからは、いろいろあった。

ジムの見学にきた。挑戦は後ですると言った瞬間、ジムバッチ四つの提出を促され。
なぜか攻撃くらうわ。穴に落とされそのまま、かなりの高さから放り出されそうになるし。
ま、そこでシトロンとユリーカの兄妹に助けられて、仲良くなって、二人っていう友達ができたのはよかったんだけどな。
じゃぁ、親睦深めるためにバトルしようってことになって、シトロンとピカチュウでバトルをしたら・・・。
またロケット団がやってくるし。
そのときにソーナンスによって二倍の威力で技を返され、ケロマツが飛び出てきてピカチュウを庇ってくれた。
怪我を負ってたおれるケロマツの姿に、いまは病院で寝ているだろうあいつの姿がダブって、いつも以上にあせった。
ケロマツはこのカロス地方の初心者トレーナーに渡されるポケモンだから、トレーナーに図鑑とポケモンを渡す役目を持つ博士が適任だとシトロンに教わり、ロケット団をなんとかしたあと、ケロマツをかかえてあわててプラターヌ博士のもとに駆け込んだんだ。

ここまではいい。

プラターヌ博士は、進化の研究をしていて。
裏庭にはたくさんのポケモンがいた。
夕方ぐらいまで、まったりさせてもらえた。
そこへなにかの研究員を装ったロケット団がきたんだ。
くるのはいい、くるだけなら。もういい加減あきれるぐらいいつものことだから。
そうじゃなくて、問題はロケット団が作った装置が暴走したこと。
それによって研究所のガブリアスが正気を失ってとびでていってしまったんだ。
首にはめられたリングによる操作のせいで、ガブリアスはつらそうで、苦しみながら街を破壊して、ついにはプリズムタワーに飛んで行った。
おれとピカチュウは、とっさにガブリアスの追いかけて、シトロンの手助けを得てプリズムタワーの屋上までたどり着くことができた。

ガブリアスには言葉は届かなかったけど、なんとか首の装置をはずすことができて――

気を抜いたせいで、ピカチュウがタワーから落ちてしまった。
無我夢中だった。
こんなところで死なせてたまるかって!それだけを考えてたおれは、後先のことなんか考えもせず飛び出してしまった。

「ピカチュウー!!!」
「ぴかぴー!」

必死に伸ばした腕は空中でなんとかピカチュウをキャッチすることができた。
だけどあとはどうする!?昼間のように運よくシトロンがクッションをだしてくれるようなことはない。
なら、せめてピカチュウだけでもまもらなきゃ!そう思って小さな黄色の身体をギュっと強くだきしめたとき――――


『行って――― "トモシビ" 』


耳が風を切る音と野次馬たちの悲鳴じみた騒音の中で、凛と響いたそれだけがなぜか耳にするりと入ってきた。
それと同時にバサリ!と翼が空を裂く音が、すぐそばでしたかと思えば、

「え。リザードン?」

グイッとひっぱられる感覚に振り返れば、目にとまるのは赤いリボン。

「グルルル」

首元に赤いリボンをつけたリザードンが、大人しくしとけとばかりに小さく唸ると、呆然とするおれとピカチュウをそのままかかえて飛び、タワーから少し離れたところに立つ少年の前でおろしてもらった。


「助かったよ!ありがとう!」

助けてくれたリザードンのトレーナーは、あのタンコブの男の子だった。
頭に包帯を巻いていること以外は元気そうだ。
荷物も何も持っていないことから、病院をそのまま抜け出てきたのだろうか。
よくよくみてみれば、靴じゃなくてスリッパだ。

「えーっと、もう体はいいのか?」
『ん?もしかてあのときオレとぶつかったのは君かな?
目が覚めた時知らない場所に寝てたから、思わず「知らない天井だ」って言ってみたけど。あれむなしいね』

アハハと楽しそうに笑いながら、そばらのリザードンをなでる姿に、どうやら恨まれてないようだとほっとする。
おれのリザードンより大きな体格のそいつは、猫の子を借りてきたようにおとなしく、撫でられるがまま嬉しそうに目を細めている。
仲がいいんだなぁ。

『ふふ。ああ、でも助けるまでもなかったみたいだ』
「え?」

おれとおなじぐらいかなってずっと思っていたけど、なんだかずいぶん大人びてみえる。
笑う仕草とか、すごくユウガっていうのか?そんな感じ。
デントもなんかすごかったけど、デントはレストランのテーブルマナーってかんじ。
けど、この子はそれが落ち着きを醸し出していて、すごく目を引き付ける。
様になっている。

おれの考えてることが分かったのか男の子はクスリと笑うと、ビルの屋上を見るよう示した。

『あそこ。
君を助けようとしたひとは、バシャーモ・・・“ぽい”のと、飛び出そうとしてたから。
オレはどうやら彼の手柄を取ってしまったようだ』

ビルの屋上付近をしめされ、そこに空港で見たバシャーモっぽいかっこいいポケモンの影がめにとまる。
それもすぐに消えてしまったが。

「あ、そうだ。おれ、サトシ。マサラタウンからきたんだ!こっちはピカチュウ」
『ピカチュウって・・・みればわかるが?』
「いや、まぁ、そりゃぁそうなんだけど。あの…おれからしたらこいつを "ピカチュウ" って呼ぶのは、ニックネームの代わりなんだ。いまとなっては、そこのリザードンに "トモシビ" ってあだ名あるのと同じぐらい、おれにとてっは大事な名前なんだぜ!
えっと、本当にありがとな!あと、昼間はごめん。カロスにきたばかっではしゃぎすぎてて・・・」
「ぴぃーか」
『大丈夫大丈夫。どうせオレも初めての場所に戸惑ってたし。むしろ目が覚めてから十歩しか歩いてなかったし。問題ないさ』

そう、たのしそうにそう言われて。
ふと。
いま、なんか・・・どうしようもなく変なことを聞いたような?

“十歩”?
“目が覚めてから”?


違和感の正体はなんだろうと、うーんうーんと首をひねってるおれをよそに、あの子はなでていたリザードンに視線を向けている。
なんどかなで心地を確かめるように、すりよるリザードンの頭をなでる。
そのあと不思議そうに首をかしげて―― 


『ところで。君はだれ?』


「ガウ!?」
「はぁ!?」
「ぴ!?」

その疑問を浮かべた視線は間違いなくリザードンをみつめていて。
言われたリザードンは口をガバリとあけて固まってしまい。おれとピカチュウも思わず呆然としてしまう。
なにげなく話を聞いていたらしい周囲のやじうまからも、俺たちの驚きの声と同時に「はぁ!?」とばかりに声が上がっている。

「 "トモシビ" じゃないの!?さっきそのリザードンのことそう呼んでたよな!?」
『え?さぁ?いつオレは君の名を呼んだんだ?』
「がぅぅ!!!がるぅー!ガウ!ガウガウ!!!!(マスター!!!おれですよ!おれぇ!姿が変わってもあなただけがオレのマスターだ!)」
『いや。ガウガウ言われてもなぁ…』
「ぐるわっ!?」

本当にわからないのか。しまいにはリザードンなんか泣きながら、自分の首元のリボンをひっぱって、そこに縫われてる《トモシビ》という名を必死にアピールしている。
しかしあいつは『へー。君はトモシビっていうのか。かっこいいんじゃないか』と、ニコニコしてるだけ。

「ウォォォォォォーーン!!!!」

あげく。リザードンは男泣きしながら、男の子のポケットから勝手にモンスターボールをとりだし中に入ってしまった。
その様子にキョトンとしながら、音の子はカタカタカタとゆれつづけるモンスターボールをてのひらにのせて感心したような表情をしている。

ああ。
なんかあの揺れ具合・・・物凄く哀愁漂ってるような気がする。


『そういえば病室で突然飛び出て来たってことは、これがお前のモンスターボールだったんだな。《RED》ってかいてあるからてっきり違う奴のかと思った』


なんだろうこいつ。
なんか。
なんかやばくないかこの状況?

誰か助けてくれ!
おれの頭じゃ、理解のはんいをこえてるぅ!
こういうときのタケシ様頼みだ!
ってぇ!?したくてもタケシいないし!!
頭脳派ならデントだー!って、おれしかいないのに。
ど、どうしたら!?


『えーっと《RED》ってだれだろう?むしろここは?』

これって。ひょっとしてひょっとする?

どうしようピカチュウ!?
おれ、なんかすごい奴に助けられちゃったみたいだよ。


ピカチュウに助けを求めたけど、なんかリザードンの様子を見て何とも言い難い顔をしたまま微動だにしない。
ピカチュウはポケモンだからリザードンの言葉がわかる。だからだろう。
つまり、それぐらい、どうしようもない会話があの雄叫びの中にあったということかな。



そうだ!
ここはひとつ気を取り直して自己紹介だ。

どうせ荷物を取りに病院に行くだろうし。おれも昼間のお詫びがしたいし。

それにタケシやママが言ってた。
第一印象は重要だから、しっかり挨拶はしなさいって。
そういえば、まだおれはあいつの名前さえ聞いてなかった。


「あのさ名前はなんていうんだ?いつまでもおまえじゃ言いづらしさ」

タンコブクンと呼ぶわけにはさすがにいかないから。
でもあいつからしたらオレの言葉は予想外だったらしく、キョトンと大きな目をしばたかせて、そのあとようやくおもいあたったようにニカと笑った。

『ああ、オレ?名乗ってなかったっけ。
オレの名は【キョウヘイ】。たぶん

え。たぶん?

「っていうか、自己紹介それだけ?出身地とか、なんでカロスにいるとか」
『さぁ?目が覚めたら、サトシとぶつかったあの場所から十歩離れた路地の奥にいたな。そういえばオレはだれだろう?』

「「!!!!!!」」


“十歩”ってそういうことだったのか!?
おれとぶつかるよりも前にこいつ記憶喪失だったみたい。


あのタンコブって、もしかしておれのせいじゃなかったのぉー!?





おれの新しいの旅。
カロス地方。
はじめてのばしょ。

その一日目は波乱万丈で、おわった。



そして新しい旅ははじまったばかり・・・








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