|
07. 貴方の戦い方 |
side 女主人公な『夢主2』「こわ!こわすぎるんですけど!!」 ヒュ「いまさらだろ」 草原でバトルとなりました。 突然草むらから飛び出てきたのはなんと三匹のポケモン。 挑まれたのは、。 何が怖いって? 三体で挑んでくるとかえげつない野生のポケモンの凶悪さ――ではなくて、のバトルスタイルが、だ。 左から〔せんせいのつめ〕を持った“れいじゅうフォルム”のトルネロス。 真中にダイケンキのミー。 右にマラカッチのルー。 ここにめずらしすぎるトルネロスがいるのはいい。 そうでなくて、問題なのは、この並び順といい、彼らの特性とか生かしまくったのバトルスタイルの方。 「トルネロス、”そらをとぶ”!ミー、”なみのり”。ルーくん、回復したところでまだ立ってる奴に”はなびらのまい”!」 始めに攻撃が来るとき、本当は真中の先頭にマラカッチがでていて、相手からの攻撃をすべて受けて仲間を守ってダメージを受けていた。 けど、今ので回復しちゃったの。 そんなこんなでレベルと相性ふっとばして、一撃で戦闘は終わった。 しってますか?マラカッチの中には、『ちょすい』なんて特性をもつ子がいるらしいですよ。 それを知ってて捕まえたわけではなく、が家で育てていたサボテンが今年ついにはなをさかせて、それが二つだったというだけで、このマラカッチはに捕獲されたわけで。 だけどゲットして、わたしと訓練のためのバトルしてるうちに、その子は“ちょすい”ができて、水を蓄えるとHPが回復するとが気付いたわけ。 もちろんHPとか、フラグがみえるわけじゃないよ。 なんとなく攻撃があった。傷ついた。きっとこれぐらいの衝撃を受けただろうっていう、感覚的なものね。 ――それで三体ポケモンをだすときのの戦闘スタイルが“これ”になったの。 まずは、アイテム〔せんせいのつめ〕を持っているトルネロス。 この子は、アイテムのおかげで、だれより早く、いわば1ターン先に行動を開始できる。 ぶっちゃけは、トルネロスじゃなくてもいいって言ってたけ。“そらをとぶ”を覚えているポケモンならなんでもいいらしいよ。 でものポケモン、ほかに飛べる子がいないの。 唯一攻撃としての“そらをとぶ”を覚えているのが、伝説級の一体とか、なにかおかしい気がするけど。 そこはクオリティーってことかしら。もしかするとわたしの体質のせいかもしれないけど。 そうやってフライングぎみに手持ちポケモンの一体を空に飛ばしているうちに、ダイケンキが“なみのり”で広範囲の敵に攻撃を仕掛ける。 そうすれば上空のポケモンは被害をこうむらないから、攻撃はあたらない。 当然のことながら、あの技は広範囲すぎて、マラカッチのいた部分にも水害は出てるよ。 でもね。相手はあのマラカッチ。もちろん“ちょすい”で、傷つくどころか逆に回復して元気になっているので、攻撃とはいわないだろう。 “あなをほる”だと水が穴の中を侵食して、やはりダメージをくらってしまう――ゲームならあり得ないけど、ここは現実だ。 そんなわけで、あとあと残った敵を“はなびらのまい”と“そらをとぶ”の連撃によって、敵は撃退され、大概は一瞬で終わってしまう。 これがのよく使う戦法だ。 ちなみにわたしとのバトルのとき。 わたしはルー(マラカッチ)が、たおれかけたとき、絶対に“こうごうせい”を使うと思ってた。 そうじゃなかったらアイテムを使うかと思って『回復できない』ようにしたら、からそんな回復技は覚えてないと言われて驚いた記憶がある。 きいてみたのポケモンたちの覚えてる技の数々の、なんとあくどかったことか。 回復や補助的な技はすべて捨て去ったそれは、特攻隊か!?とツッコミたくなるような攻撃重視だった。 かわいい系ばっかあつめてるくせに、攻撃主体とかどうなんだろう。 でも訓練と称して常にバトルしてるわたしやヒュウとのバトルで、「あ、無理!死ぬ!」とか騒ぎながら、ちゃっかり最終的には逆転してきて、一気に勝ちを奪っていく時点で、相性はどこに行ったのかすごい気になる。 相性なら、炎タイプや電気、打撃力が強い岩とか格闘タイプの多いわたしが勝つと思うし、よりわたしのポケモンの方が与える一回のダメージは大きいはずなのに…。 のポケモンたちってば、ちゃっかり持ちこたえるの。 水タイプはミジュマルから進化したダイケンキしかもってないくせに。 ひこうタイプは、なぜかいるトルネロスしかいないくせに。 緑系メインのに負けるのよね。 ……こうなるとね、なぜかのポケモンたちのレベルを聞くのが恐ろしい気がしてくるの。 一度、レベルをきいたヒュウがとんでもなく落ち込んで、地面にひざまづいてしばらくドンヨリしていたのを見てるから余計ね。 それにあのマラカッチの“はなびらのまい”の威力おかしいもの。 ダイケンキの“なみのり”より強いってどうなの? うちのサボテンに花が二つさいたからって、愛の傾け方が偏りすぎてない? ――それにしてもアクドイわぁ。 に挑んんだ子たち、まるまる気絶してるし。 アニメのサトシとかをみてると、フィールドを使ったバトルとか『トリッキー』とか『ポケモンをよく知って、彼らの個性をいかしてる』というイイ評価を得そうなんだけど。 なんでかしら?がやると、すごく悪意を感じるの。 悪意っていうか…。 遥か上の人様を高見から見物してほくそえんでいるような神様が、下々にちょっかいだすような―――弱い者いじめ? なんでかしら?そう見えて仕方ないの。 もちろん仙人な――生き物は皆平等。懐に入れた子は大切にする。絶対守る。をモットーにする――がそんな悪質なことを考えているはずがない。 表情とかもバトルジャンキーのような笑みをたたえてるわけでもないし。 ただね。 技の威力が…。 「ねぇ、」 「ん?」 「ポケモンのレベルを急上昇させるような体質でもしてるの?むしろフェロモンでもながしてるの?」 「はぁ?何言ってるんだ?」 「だよね。な、わけないか」 ヒュ「……別の意味で、からは何かしらのフェロモンはでてそうだが」 「それは言ちゃったダメだよヒュウくん!?」 本人は気付いてないけど。 転生回数の多さゆえにってば、すっかり悟りの領域に行ってしまっている。そのせいで大人びた雰囲気とか、外見のこどもらしさと相まって、仕草の一つ一つに物凄い大人の色気が上乗せされている。 ギャップ萌えってやつもおおいに含まれてると思うわ。 無自覚にそれを振りまいてるため、はじめて会う奴らのことごとくが、と相対して一度は顔を赤くするのだ。 一目見ただけではわからないが、人柄に触れるとすぐに“あ、守られてるかも”とか“つつみこまれるよーだ”とかわかってしまう。 それも老若男女とわず。あげくポケモンまで。 あのときのリオルまで、いまとなってはすっかり過去の恐怖など忘れて、に甘えるようにベッタリはりついてるほど。 やばいわ。【大空属性】効果。 そういう抱擁感的な属性って、もうの前世の《復活》世界だけにとどめてほしい。 それにわたし、知ってるし。 貴族みたいに茶を飲んでたが「ふふ」とか笑った時、ヒュウくんまで顔を赤くして、そのあと慌てて首振ってたのみたし。 幼馴染みでもコロっとくるんだ。 かくいうわたしも惚れそうになってしまうことなんか数えきれない。 なにせ元々前世では他人だし、いまさらたかが十年を兄弟として育ってもねぇ。その前世のこととか覚えてるからやっぱり他人に思える部分があるわけで。 だからわたしは、最終手段として“みてないふり”をマスターしたの。 頑張って自分のポケモンとたわむれてスルーするのよああいうときは! 生まれた時からの付き合いとなった今では、あの最強の微笑みが来るタイミングも予想できるしね! どうよ!? ってか、これも一種のバトルスタイルよね。 トレーナーをほれさせて、すきをついて、おとす? やっぱり。ポケモンだろうがひとだろうが、を前にすると、があくどくなるわ。 そんでもってわたしは生贄にヒュウくんをささげて、この場を離脱するわ!青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)とかでないわよ。 |