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14. 貴方のためだけに私はいる |
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side 徹野 夢愛 わたしはユメ。トオノ ユメ。 死んだ私を神様が生き返らせるために、三つお願いを聞いてもらった。 神様はちゃんとわたしの願いをかなえてくれたわ。 私は――『徹野 夢愛 (トオノ ユメ)』――という子は、もともとは可愛くもない女の子だった。 だけど神様が間違って殺してしまったとこかで、綺麗な容姿と完璧な能力と異世界へ転生してもらえることとなったの。 さらさらの金髪。それに青い目の可愛い女の子。それが今の私。 “あの人”と同じ色の髪と目。 しかも剣も譜術もできるの。《アビス》世界の技はすべて使えるようにしてもらったもの。 肌も白くてパーティーメンバーの誰にも負けない美人で、強いなんて最高の女の子でしょう。 準備は万端。 ああ、これでやっとあの方に会いにいけるわ。 ガイ・セシル。 私が一番大好きなキャラクター。 わたしが神様に頼んだのは《TALES OF THE ABYSS》の世界へいくこと。 転生かと思いきやトリップだったのは残念だけど、問題はないわ。 しょうがないからそれくらいは妥協してあげる。 *********** 私がついたのは、緑あふれる場所。 どうやらここはエンゲーブみたい。 物語はまだのようね。 まちにいってもまだチーグルの話がどこからもあがっていないもの。 どうせなら着替えをここで調達しないとね。 さすがに向こうの世界の制服は、目立ちすぎるわ。 それにガイに会うなら、よけいよ。 あの人は女性恐怖症だものね。この格好のままではいられないわ。 そういみでは、ここがエンゲーブでよかった。 着替えを得るためにはちょうどいい場所だもの。 男装とか、いいかもしれない。 男なら、ガイもきっと怖がらずに近づいてくれるはず。 そうよ。 それでガイは強いわたしにほれるにきまってるわ。だってこの世界なら私は何でもできるんだから。それだけの能力をもらったもの。 背中合わせに剣とか持っゃって、ライバル宣言をしてもらえて、その思いはやがて友情以上のものになるの。 ええ!ええ!!この想いは止められないわ。 それはガイも私もみんな同じはずよ。 だからガイは男だけど“わたし”のことが気になってくれるに違いないの。 そして・・・男でもいい!お前だから好きなんだとか言われて。キャー!もう夢愛はずかしい!! でも最後の最後で実は女でしたって知ったら、きっと驚きつつも喜んでくれるわ。 それまでは男同士なのにって、二人の仲を勘ぐられたり、ティアたちからの嫉妬も当然来るわよね。でも男の恰好ならそれも避けられるし、お互いが好き合っていたら、ここまできちゃえばさすがにティアもナタリアもアニスも祝ってくれるわよね。 あ、そうそう。そうなるとまずはお金よね。 確かこのあたりのモンスターはよわかったはず。 それにわたしは神様から力を貰っているのよ。 勝てないはずないじゃない。 荒稼ぎするには今のうちかしら。 だってここはゲームの世界。 ――主人公は、私 でしょう? 負けるはずがないの。 それから町の外で、実際に戦闘をしてみたけどやはりたいしたことなかった。 ゲームのコントローラーをにぎってるのとたいして差はなかったの。こういう技が使いたいと思えば、口から勝手に呪文が詠唱されるし、剣技だって体が勝手に動くもの。さすがに移動は自分の意思で足を動かさないといけないけどね。 神様に頼んだ力は――アビス世界の技ならなんでも使えるようにしてもらうことだったの。 つまりわたし第七譜術師でもあるということね。 わたしが最強だっていうのもあるんでしょうけど、魔物なんかはすぐに音素にかえってしまうし、殺したってなにも残らないもの。 これじゃぁ、手ごたえなんか感じない。 殺したという感じ――実感がないんだから、それほど気張る必要もなかったわね。 所詮ゲームだもの、当然よね。 それにヒーラーとしてもティアより上のわたしは、強いことを抜きにしても怪我するわけがない。だって自分のけがは自分で直せるし、強いんだから怪我なんか負うはずないじゃない。 これなら楽勝でルークを助けられるわ。 ここでの私は最強なの。 そしてみんなに好かれるのも当然で。 だってゲームなんてものは、プレイヤーこそが主人公でしょう? だからわたしはここにいるんだもの。 |