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05. 使用人とダアトと退職騒動 |
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side 『夢主1』 「ダアトにいきたいんだが」 オレが暇をもらって、生アッシュや生イオンらをみにいこうと休暇申請を提出したら、屋敷中から悲鳴が上がった。 「が、ガイ…おぬしついに」 「なんです坊ちゃん?」 「ついに導師の座を奪って世界制覇にこぎつけたのか!?」 オレがガイになってから、原作にかかわりたくないがためにこの屋敷から出るべく、よく出家したい亡命でもいいとかは言っていた。 予言じみた発言をやたらとしている自覚はある。 たしかにどちらも身に覚えがあるが、それとイコールでダアトを結びつけるのはどうかと思う。 ひとからみたら特別な予言が詠めて、ダアトの首席総長を日々いじめていて、予言滅びろと常日頃言っていれば、ダアトという発言ですぐに『神託の盾首席総長』以上の地位をほっしていると思われてもおかしくない。 たしかに国王や皇帝に並ぶ導師という地位があれば、世界の乗っ取りなんてたやすいだろう。 そうして導師になり、ダアトを乗っ取り、予言びいきの信者どもをだまし、世界から予言をなくそうということだって『導師』ならできる。 できるし、おかしくはないが、随分突飛な展開である。 「安心しろ。オレは休暇がてらちょっくら世界を見てくるだけだ」 だから休暇くれと言おうとして 「ガイが錯乱した!導師の暗殺を企てようとしている!!みなのものガイをとらえ、ガイが事件を犯す前に止めるのだ!」 なんて大声で叫ぶものだから、屋敷の人々がオレの行く手をはばむ。 たかだか休暇だろう!?と思うが、うちの坊ちゃん(クリムゾン)からしてみたら、そのままオレが帰ってこないと思っていたようだ。 導師になりにいくとでも本気で思ったか、はたまたこのまま本当にどこかに出家というか亡命をしてしまうのではないかと疑ったようだ。 一ヶ月の契約から半年に伸びたので、その分はきっちり働くつもりだったので、本当にただの休暇だったのだ。 しかし勘違いしたままの屋敷の奴らは、オレをこの敷地から出すまいと動く。 とりあえずダアトでもみにいって、いまどんなかんじなのか確認したかったんだっが、それもダメ。 亡命でも出家(シュッケ)でもなく休暇だ。 必ず戻ると一応の説得をしたものの、まだ疑っているらしい坊ちゃんには「いくな。あの開拓前の農業プラントをみすてるのか」とボソリと懇願するようにつぶやかれた。 ルークには「オレをおいていくなぁ!」と足にしがみつかれ、そのままコアラのように離れず…。 しまいには腐女子率の高いメイドさんたち(最近知った)が、ネタがいなくてはこまりますわ」とつめよられ。 執事のラムダスは「あなたがいないとルーク様が勉強をしない」と言ってくるかと思いきや、「あなたがいないとルーク様がいかがわしいメイドたちの餌食にされてしまいます」と青ざめた顔でひきとめられた。 なんなんだお前たちのひきとめるその理由は・・・。 ただの休暇申請がなぜこうなる? それよりも後半の方に聞こえた言葉に、「なぜそっちに走ったメイド」と言葉を返すべきか? むしろなんでみなんそんなにオレにこだわるのかよくわからないんだが。 外見なんかまんま“ガイ”なのに。 結論から言うと、ちゃんと休暇をもぎ取った。 オレを逃がすまいとした坊ちゃんにより、白光騎士団を数名をオレの護衛という名の見張りとして付けることで、国外旅行の了承を得たのだ。 ただの兵じゃなく、もっと実力を備えた白光騎士団…オレもとんだ坊ちゃんに気にいられてしまったものだ。 なお、表向きたやすく兵士を連れて行くわけにはいかないので、旅券の申請の際は、ダアトへの巡礼といういわけをしたらしい。 道中、三人の白光騎士団(武装は最低限にまで解いてもらっている)に、剣を教えてくれと言われたので、暇つぶしにはいいかと了承した。 どうも彼らは、オレと白光騎士団の隊長さんとのお庭での壮絶バトルをみていたようで、「ガイ様のように強くなりたいのです!」と子犬のようにキラッキラッ☆とした目で懇願されれば、そういう子供っぽいものに弱いオレが勝てるはずもなく、つい彼らの要望に応えてしまっていた。 それからしばらくは貴族様仕えの使用人モードを保っていたが、ふとしたときに「素」をだしてしまい、おしかけ嫁ならぬおしかけ弟子三人に自分たちの前では楽な方でどうぞと言われた。 普段はクリムゾン坊ちゃんがひとりのとき以外は常に使用人モードでいたので、喜んでその提案を飲んだ。 ところ―― 「おら。さっさとしろ。護衛で付き添ってるんだ。隊を乱すな」 「ガイ様素敵です!」 「ガイ様の、ためなら…グフッ!だが、まだまだ…」 「ガイ様ぁ〜。ふだんもそのままでいてくださいよ」 「・・・」 ダアトへ行く道中。暇をもてあましていたこともあり、弟子の訓練もかねて、商隊の馬車の護衛をおこなった。 こっちでモンスターや野党を受け持つ代わりに、道中の食事提供を頼んだところ。あっさり雇ってもらえた。 まぁ、うちらのぼっちゃんからただいなお駄賃をもらっているので、金銭的な取引はしていないが。 そうして、馬車の横を歩いていたオレたち四人。っと、他の傭兵たち。 まぁ、周囲をギラギラ警戒しているほかの護衛さんたちはともかく。うちの弟子たちの緩みきったこと。 なぜ周囲ではなくオレを見る? キラキラと目を輝かせる騎士にしかみえない巡礼者の若者が二人。 今にも死にそうな青い顔で、でもふんばって歩いている背の高いひょろりとした――こちらも騎士にしかみえない巡礼者の男が一人。 ――「素」のオレの方をさらに気に入られた。 なお弟子の紅一点が言った一言が、他の二人のやる気を出したもよう。 「ガイ様の素顔…わたしたちだけのものですね!」 いや。ちげーよ。 そのオレの言葉も苦笑も届かなかった。 剣の指導から、旅路の指揮。道中、旅に慣れていない彼らの面倒。 これじゃぁ彼らが護衛じゃなくて、オレが彼らの護衛ではないかと思い始めた。 ただ子供の面倒は慣れているので、苦ではなかった。 なにせ前世の【復活世界】では、今の十代目とであったときから、その十代目を含めみんな十歳も下の子供ばかり。彼らと過ごせば必然的に子守にも慣れる。 まぁ、こちらの世界における、オレからした子供たち(ファブレ邸の全員)は、みんな大人っていう、随分でかいこどもたちばかりだが。 巡礼のほかに訓練という名目の子守りが加わった。 ********** 旅立って、弟子とって、商隊と旅して、道中野党をなぎとばし―――以下略して、ダアトについた。 まずは実地調査だ。 うちの坊ちゃんの本当のご子息であられるアッシュのこともきなる。っというのは名目で、アッシュに関しては想像しなくてもわかる。さぐらなくてもその粗野な行為は民の噂話に華々しくあがっているので調査事態不要だ。 そうなるとまずは神託の騎士だか、盾の動向をさぐりつつ、導師イオンのオリジナルとレプリカがどうなったかを調べることにする。 一ヶ月ほど有給を貰ってはいるが、帰りの道中も計算に入れると、あまり時間は取れない気もする。 さてさて。この期間だけで、どこまで忍び込めるものか。 護衛の騎士三人中一人を噂話から軍事状況にいたるまでの情報収集に向かわせ、二人目には道具や食糧の補給。最後の一人には宿屋で荷物版を頼み――オレは―手薄になった隙を突いて宿を抜け出した。 ダアトの第一印象。 ボロイ。 上が金を横領しすぎているせいか、元は見事な石畳であっただろう道は割れたり土が出ていて、さらには雑草があちこちから芽を出している。 すべては予言の一言でどうとでもなってしまう世界。 ここダアトの民は、まさに集団詐欺にあっている最中というところだろうか。 その合ってない様であっていそうな自分の想像に思わず顔をしかめる。たが、XANXASなんてキャラに成り代わっていた影響か、あまり表情筋は動かず、眉毛だけが動いた。 「憂さ晴らしでもするかな」 キムラスカ、というかファブレ邸しかしらないが、あまり政者としてはキムラスカとてうまくいっていなかった。 むしろキムラスカは階級制度が厳しく、そのぶん上下関係の差が大きかった。貴族は下の者を見下すのが当然のような場所だった。 マルクトは行ってないからわからない。 ダアトはみたまんま貧困状態。 祈って腹が膨れるわけでないのをいい加減気付けと、ユリアのステンドグラスが壁を覆う巨大な協会に吸い込まれるようには言っていく巡礼者や民たちをみて思う。 つまり世界三大国家ともいえる、キムラスカ王国、マルクト皇国、ダアト宗教自治区。 三つしか国と呼べるようなものがないくせに、この世界はどこも政事で失敗し、荒んでいる。 だから人間もみんな性格がゆがむんだと――これはオレの言である。 なんだか本当に憂さ晴らしに魔物を倒しに行くか、酒でも飲まねばやってられなくなりそうな気分だった。 問題はこの19という若い外見で、誰が大量の酒を売ってくれるかということだが。 案の定―― 「おこさまにはアルコール抜きの牛乳がいいんじゃないか?」 からまれた。 オレが巡礼者らしいマントをはずして酒場に足を踏み入れば、そこにはむさいおとこどもが昼間っからうごめいていた。 どうやら“ガイ”のさわやか笑顔が似合うこの容姿ゆえに、なめられているようだと判断する。 思わずため息をついたら「びびってるんならさっさとママンのところへ帰んな」とあしらわれ、日本語では「ママ」。他、諸外国では「マミー」。イタリア語は「ママン」と最後に「ん」がつくが、それはこっちも一緒なのかと、現実逃避するように変なところを真剣に考え込んでしまった。 それをどう勘違いしたのか、うごめくムサイ群衆のうちのひとりが、ニヤニヤ笑いながら、遠くにあるカウンターに向けて勝手にミルクを頼む。 しかしそこはさすがマスター。 ヒゲも眉も長く、顔の表情がほとんど見えない老人は、酔っ払い相手は慣れているのか、聞こえないとばかりにモクモクと食器を洗っている。 もしかするとあの年だから本当に耳が遠いのかもしれないが、それだと店などやってはいないだろう。 同じようにあらくれその1もあまた、本気ではないのか、それとも本当に酔っているだけで思考回路が働いていないのか、マスターにはそれ以上からむことはなく、オレにだけやたら喧嘩を吹っかけてくる。 傭兵か神託あたりのしたっぱだろう。 昼間っからやることがないのか、それともダアトの住民から予言を盾に金でも巻き上げたところか。 ただでさえ獲物がでかいだけで、本人の実力がその武器に伴ってはいないのだろう。 経験から言って、うちで書類整理に忙しいながらも(若き頃は素晴らしい武芸者だったとされる)今のクリムゾン坊ちゃんや騎士たちより遥かに格下だとわかる。 強くはない。 しかも酒に飲まれていては、さらに使い物になりはしない。 どうせここにいるのも自分の気に食わないことでも言われて上司にたてついたからだろう。 だからしたっぱなんだと、わざわざ助言してやる気なんぞなく、興味もわかず視線をそらす。 相手が何か言ってくるのもかまわず、カウンターの老人に度数がめちゃくちゃ高い酒を頼む。 転生しまくってからは酒に強くなったんだよな。 海賊の世界にいたときは日常的に飲んでたし。ほかもしかり。 生クリームはダメだけど、酒は強い。 マスターがオレの言葉に、チラリと眉毛ごしに一瞬視線を投げかけてきたことから、やはりこの容姿は目立つのかもしれないと思わず苦笑を浮かべる。 だが、そんなオレに彼は問うことはせず、無言で彼はグラスに酒を注ぎ用意しだす。 そんなできたマスターに「あれよりは年上だぞ」と笑うと、さすがに眉の下から今度は目がのぞくほど目を開いて驚かれた。 しかしそれもすぐに、長い眉毛におおわれ、なおかつマスターは無言を貫き通した。 すぐに表情を常時のすましたものに戻すと、何事もなかったかのようにふるまうマスターに思わず感心する。 ここダアトは実力主義。 それにより盾やら騎士団にて位を上げていく。ゆえに原作六神将のようにトップがほとんど子供であろうと、実力がそれに伴えばだれも文句は言わないのだ。 年齢も性別も関係なく上に行くものはいく。逆もまたしかり。下でずっとくすぶっている者もいる。 そういうことだ。 上野階級へ付いた者は、それこそ書類仕事から人員配置まで様々な仕事で忙しく、こんな酒場には訪れない。 だが下っ端は違う。 日々忙しいわけでもなければ、魔物討伐や演習が毎日あるわけではない。 そうそう毎日戦争をしているわけではないし、出番も出世の道もなく、結局はこんな場所でくすぶることとなる。 だからマスターは慣れている。 「せちがらい世の中だな」 カランとグラスの氷がとけたのか、音を立てる。 それがうなずきのようでおかしくなる。マスターもオレが言いたいことはわかるのか、かすかにうなずいた。 ちょっとまじこのひと部下にほしいとか思った。 もしオレがガイではなく、向こうの世界のザンザスのままなら間違いなく年とか関係なくひっこ抜いたであろう。 いまは…予言に対抗できてモースとかヴァンとか陛下と真っ向と向かい合える人材以外は無用なので、残念ながら今回は採用しようとは思わないが…。それにこの地区からこの酒場とこの人が消えたら、ダアトの下町はあれそうだ。 せめて憩いの場として末永くマスターにはこの酒場を続けていてほしいものだ。 「なんだよ。俺たちゃぁ無視かよ」 「学がないって見下してんのかああ?」 ・・・みくだされたのかあんた? 「いつまでもそのこぎれいな顔が無事でいるといいな」 「やだやだ。これだから貴族やらのこぎれいな格好したやつは嫌いなんだよ」 こぎれいも何も、ただのマントだし。 ぶっちゃけそこらの商人にホロのようなものをもらっただけだ。“ガイ”のようなふくでもないし。 金髪ってのはたしかにどことなく品がありそうだよなというのがオレの考えなんだが、なぜかとっさに浮かんだのがダメダメディーノとか初代甘党プリーモとかだったので、金髪=品がありそうというのは今のでなくなった。 金髪=天然という概念はついたが。 そうなるとなぜからまれてるのかわからない。 「なぜオレが貴族なんだ?」 そこが一番謎だ。 たしかにダアトを乗っ取るにしても導師になるにしても品格は必要かもしれないが。 今のオレは使用人で、しかも休暇中のはずでそこらの農民と同じような格好をしているのだが。 やっぱり金髪だからか!?それとも“ガイ”らしさが外見から出ていてあの胡散臭い笑み御浮かべていたとか!?それは嫌だ! 「経験で言うならばオレは間違いなく貴族ではないぞ」 なにせ、あまりの貧困ゆえに、日々の食料にも困り果て、道端で手品を見せて細々と金をかせいぎつつ子供をそだてたり。のまず食わずもざらで。 しまいには今日はご飯はないんだと子供へ言えば、お腹すいてないから大丈夫とこどものほうに慰められるなんてこともあったほど。 いまにして思えば、最初の転生人生は、最も濃く最も波乱万丈だった。 っで、そんなオレのどこに貴族らしさが出ているというのだろう。 どの世界でもほとんど野生児のような暮らしが多かったしなぁ。 このまえなんかマフィアだぞ。荒くれ者の筆頭なんだが・・・。 さて。なぜだろう? 「何を考えているかは知りませんが、少しそこをどいてもらっても?」 ふいにカタンと隣の椅子がひかれ、この場にはふさわしくない荒れた雰囲気のない青年だった。 彼はオレを一瞥すると、いつものとマスターに酒を注文する。 なじみ客らしい。 一応こんな場所でも彼は一目置かれているらしく、先程まで騒いでいた男たちが静かになる。 オレたちの様子を伺うだけの視線が興味深そうに突き刺さる。 「なぁ、あんたならわかるか? オレはなぜ金持ちの坊ちゃんだといわれている?」 「ああ、巡礼者ですか?なら知らないのも当然ですかね。 その酒はこの酒場ではかなり高い部類なのですよ。 我々ダアト関係者はみんな基本安月給ですから、ダアトの酒場は度が薄く安いものしかおいていないんです。 純度が高いものをがぶ飲みして、さらにその分のGをポンとだせるなんて、相応の身分がなくては不可能です」 肩をすくめて告げられ、思わず手にしていたグラスをみやる。 「まさか…」 「ええ。この店では最高級の部類でしょう」 「……だれか初めに値段言えよ!!」 ちなみに優しい人の助言に恐れをなして手元の酒を見つめながら、長い眉でほとんど表情のうかがえないマスターへ視線だけで値段を伺えば――スッっと4本の指が持ち上がる。 思わず単価は?と尋ねれば… 普通の五割増しでした。 「たけぇっ!!」 なぜに指を四本出して値段は五割増し!? いや、まぁ、お値段の関係と普通の値段の差なんだケロウド・・・。 値段が安いぶん度数が少ないのは、キムラスカの半分以下の値段ではあるがで、水割りしすぎてまずかった。 いや。まだ口をつけてないとはいえ、コップに注がれたからには飲むし、ちゃんと払うけどね。 払うけどさ!! 給料ほとんどもらってないんだよな“ガイ”の尻拭いをしてたせいで。 ああ、懐がいたい。 「ううう…。“あいつ”の借金と、“あいつ”のいままでの損害賠償ってどれくらい残ってたかな?“あいつ”が貴族なんかに喧嘩売るからぁ〜。 はぁ〜〜〜。家帰ったら絶対やけ酒してやる」 ブツブツと呪いのようにつぶやきつつ遠慮して酒をちびちび飲み始めたオレに、先ほどまでからんできていた赤ら顔の男たちまでどこか憐れんだような目を向けてきた。 顔は赤くともさすがに酔っていなかったのかと、酒の値段と度数の割合を聞いた今は納得できた。 それにしても「貴族に喧嘩を売った!?」なんてざわめきが聞こえるが、お前らもさっきオレを貴族と勘違いして喧嘩うってきただろうに。 もし本当にオレが貴族だったら国際問題だぞ。 まぁあいつらのふかっけてきた喧嘩は、“ガイ”のアホがしでかした暗殺未遂とはレベルがちがうがな。 ただのやっかみなんて、“あいつ”の醜態に比べれば可愛いもんだ。 ただし本当に貴族だったなら後がないが。 「なぁ。ダアト、だれか改革しろよ」 「むちゃ言いますねぇ」 「いや。この町の現状けっこうひどいだろ普通に。 予言盲信しすぎて足元も見えないのか信者たちは?石畳なんか割れて一部地面むき出しだし、瓦礫はその場に放置。あちこちで雑草生えてるじゃないか。 噂に聞くキムラスカの階級社会よりなにかがひどくないか? あんなキムラスカの裏町にだってゴミはあるが、さすがに石畳は無事だったぞ」 「たしかにキムラスカの貴族たちはとことん下の者を見下しますよね。 ですが、ダアトはどうしようもありませんよ。唯一それができそうな導師は、一度病で伏せられて以降勢いをなくし、大詠師という名の豚のいいなり。 なんとか予言信者どもから巻き上げる金はすべて、上層部が横着。 民には一円たりとも金は戻ってきませんからね」 ふぅとため息を吐いた青年は、薄い酒をあおりながら「それでも、わたしは…」と小さくつぶやいた。 その決意が何かは分からないが、青年の表情に浮かんでいたのは、真剣な表情。 それは決意というよりも後戻りできないことを、すでにおかしてしまった人間の――“それ”だった。 「そろそろ帰らなくては。わたしはこれで」 「ああ」 オレは青年の姿が扉の外に消えてもしばらく彼が去った扉を、しばらくの間、彼の気配がわからなくなるまで見送っていた。 「ふ〜ん。“あれ”が、ね」 安酒を水と同じような感覚で、手元のグラスの中身を一気にあおると、さっさと帰ってしまった青年の姿を思い返しながら、彼の決意を思う。 「過去は、戻らないと分かっていても。彼はもう“進むしかないところまで”行ってしまったか。なぁ、ディスト」 背を押してくれる人間がいなければ、あいつはあのまま進むことは出来ないだろう。 過去にとらわれ、過去の時間で生きている彼には。 ずっと歩き続けているディストは、疲れてもいるだろう。 歩くのに疲れたら立ち止まって休めばいい。 休んだら一度振り返える。するといままで歩いてきた世界が、今までとは違った視点で見えなかったものもよく見えるようになる。 しっかり休んだら、また歩き出せばいい。 けれど今の彼は、きっと休み方さえ思い出せないのではないだろうか。 「前を向いて歩く。それはどんな境遇にあろうと、“進んでいる”ということ。 この世で生きているものは、みんな一歩歩むたびに未来を生きている。 なぁ、マスター。彼はなんでいつもうつむいているんだろうなぁ?」 オレには想像がつくが、な。 「…わたしにはわかりかねますよ」 「そこで考えるのがひとだ。考えることを忘れてしまえば、それは生きていないのと同じさ」 「あなたは・・・“ダアト”には向かないようですね」 「ああ。それはオレも思う」 オレは酒を飲む。 マスターはグラス磨きを再開させる。 予言なんかくそくらえだ。 この酒場にいるものは、どう思っているか知らないが、ダアトの上級職の連中にオレを引き渡すことはないだろう。 それはここにいるのが、決して、予言がすべてだと思っている人間ではないから。 予言がすべて正しいと思っているやつらなら、こんな場所で苦虫を噛み潰したような顔はしていない。 予言が絶対だと思っている奴らは、きっと家が貧しくとも『予言』に従い、幸せそうにどこかで笑っているはずだ。 おかしくなって笑う。 ダアトは予言を詠めるものがトップ。 予言は世界にはびこるもの。 げんにそれを知りたいがために、金を払って予言をききにくる。 だけど本当に人は、予言に支配されている者たちばかりだろうか? 本当に、予言に一度だって疑問を抱かなかっただろうか? それはこのダアトとて同じ。 予言に詠まれたから〜。そんな理由でここにいる者も多くないだろう。 でも現実はそれだけではすまなかった。 そんな彼らに、“絶望”は似合わない。 「君たちは笑ったほうがいい」 「?」 「なにいってるんだお前」 「泣きたいときは泣いたほうがいい」 「泣きたいのはお前じゃないのか?借金があるんだろ?」 「貴族に喧嘩売ったって言ってたしな」 「たしかに泣きたいときもあるが。借金や貧乏にはなれている。ここに来る前はよく一文無しで旅をしていたこともあったからな」 「あんたもう酔ってるのか?」 「酒に慣れねぇ坊ちゃんが無理はするな」 「安心しろ。オレはザルだ。 だが、何か――たとえば自分の幸せを掴み取るためなら、無理ぐらいするさ」 「“自分の幸せ”を・・・?」 「・・・・・・」 「???」 「説教なら、詠師のでもう充分だぜ」 「オレは【予言】は詠まないさ。 ただ、ひとであるなら、夢を見るのも悪くないと言っているんだ。 足掻きたければ、諦める前に足掻け。 “予言”に足掻いたときの後始末なんて考えるな。自分の意思で行ったことだ。ならば何もしないで後悔するよりはいくぶん後悔はないはずだ。それとも諦めた方がましか? たとえ予言が原因で全てを失おうと、そこで怒りと悲しみに思考を奪われれば、一番“しなくてはいけないこと”がみえなくなる。 くすぶるならくすぶるだけくぶれ。 そのあとは志を高く持って生きろ。 自分の誇りを胸に、生きろ。 詠まれた石ころのたかだか数行の文章に“すべて”を奪われるな。 人は『自分で考える』ことのできる生き物だ。 それに目の前にある壁を越えようと目を光らせている人間の方が好ましい。 なにも。生きることというのは、階級が全てではないさ」 酒場にいる者たち全員に聞こえるように笑う。 生きようとあがいてこそ世界だ。 その先に自分が笑えていなければ、未来なんてないも同じなのだから。 笑えていたらそれは幸せであるとき。 ならば未来を勝ち取る方法は簡単。 「人生は笑ったもんがちさ」 予言により、初恋を捨てた皇帝がいた。 予言により、息子を“ないもの”とした公爵がいた。 予言により、疑うことをせず自分の娘だと信じ込み自分だけが被害者ぶっていた王がいた。 予言により、世界に『死』を望まれた子供たちがいた。 予言により、あるべき罪が許されてしまう者たちがいた。 予言により、ないはずの罪を背負わされた者達がいた。 ――そんなゲームがあった。 前を歩くと決めた彼らは、下ではなく上を見上げるようになった。 うつむいたらせっかくの青空は見えない。 でもうつむく先でみた世界は、天から零れ落ちた雨がたまりキラキラと輝いていたり、緑が生命を主張していたりする。 それもまた綺麗だ。 しかしそればかりにとらわれていては、もし上から槍とか植木鉢が降ってきたらどうするんだ? だからさ。 今度はしっかり前を見て。 それは未来をすすんでいるということ。 カランとグラスの氷が崩れて鳴った。 「未来ねぇ。オレの未来は―――」 やはり 出家(シュッケ)か。 ********** 世の中にはいくつ偶然があるのだろうね。 偶然酒場で言葉を投げ交わした青年と再び出会った。 彼とは譜業ネタで意見が一致し、譜業やあのニビ色の輝き具合について熱く語り合った。 興奮しすぎたせいか、彼の眼鏡がくもってしまい、昨日会ったときは違って、やたら甲高い声を出して「これこそわたしがー!」「きぃー!おぼえてなさい!」「それぐらいわたしだって!!」「と、ともだち!?いいでしょうなってあげましょう!」など。なんかテンションがマックスになっていたので騒がしかった。 いや。悪乗りして買い言葉に売り言葉と、意見を言い合って喧嘩のような状態にしてしまったオレも悪いのだろうが、彼はもともとそういう感情が豊な人なのかもしれない。 普段は理知的な研究者風でも、興奮すると……なんというか、とまらないのだろう。 でも自粛するときはできるようだ。 ただ本当に盛り上がりすぎて「ああ」なったと。 それがサフィール・ワイセツ・ハラショー…だっけ? えーっと、まぁいいや。 そのサフィールなんとかと、偶然立ち寄った屑鉄屋でのことだった。 「ワイヨン・ネイスです!!」 「あ、ああ。すまない」 「あなたのそれ、わざとじゃないですか!?もう何度目だと…!!」 サフィール・ワイヨン・ネイス。 そういう名前の誰かが、原作のどこかにいたのを覚えているだろうか? オレは忘れた。 というか、だれそれ?っていうのが、あの原作ゲームにいらだつあまり、細かいイベントなんかの記憶が完全に頭から吹っ飛んだオレの見解だった。 そもそもオレは、人の名前と顔を一致させるのが苦手なので、ゲームキャラが三次元に登場してきてしかも雰囲気が違っていたら“同じキャラ”だなんて気付くはずもない。 こればかりはどうしようもない。 昨日会ったのが『ディスト』だってのは知ってたけど、“そっちじゃない方”の本名とか、覚えていない名を名乗られても知らないんだからしょうがない。 元貴族とはいえ、貴族って本当にいやになる。名前長いし。 むろん、目の前でキーキー騒ぎながら地団太を踏んでいるのは、六神将のディスト、そのひとである。 はじめは酒場で軽く会話をした程度で、名乗る必要もなかった。 けれど互いにジャンク屋でであい、機械大好き人間だと同類センサーで理解しあった。 そのあとはもう飽きるまで譜業について語りあった。 別れ際、サフィールと名乗られたが、言い直すように彼は六神将ディストと名乗った。 本名は捨てたという。 けれどなぜかオレには本名を知ってほしかったというから、六神将としてではなく譜業愛好家『サフィール』として接して欲しいといわれ、サフィーと呼んでいる。 なんとなくそういう仲間意識と、自分の中にある『自分自身の区別』がしたいってのはわからないでもないので、それも当然だろうと笑顔でうなずいた。 同じようにオレも“ガイラルディア”と同じ人間だとオは思われたくないので本名の『 』と名乗りたかったが、残念ながらこちらの言語で変換してくれないので、しかたなく「ガイ」と名乗った。 「ガイ?ファミリーネームは?」 「ない。ただのガイだ」 「そうで「ガイ様ー!!」…」 そうですか。また会いましょうガイ。 そんな会話で握手して終わるはずが―――タイミング悪く“なんか”きた。 「お探しいたしましたよガイ様!!」 「げっ」 肩で息をしている二十代後半ほどの男が、オレとサフィールの間にわって入ってきた。 別れの握手だ!と伸ばしかけていたオレの手は、涙目で「心配しましたー」と訴える男モミジによって、ガシッっと両手でつかまれた。 続いてもうひとり、モミジと同じ年ぐらいの女性が姿をみせ、彼女もまた泣きそうな顔をしていた。 「ガイ様ぁ〜よ、よくご無事で」 「あ〜…モミジ。それにカエデまで。なんできた?」 「「公爵様からあなた様の御身を守るように言われています!!」」 ビシッ!と敬礼して、まったく同時に応える二人に、さすがは白光騎士団と思うと同時に、この堅苦しさは間違いなく、あれらを騎士に選出したのがうちの赤毛坊ちゃんであることは間違いないだろう。 なにせかれらの堅苦しさというか頭の固さあたりが、職業にあった…いや、うちの公爵を彷彿とさせるには十分だった。 ちゃんとした騎士という生き物の、頭の固さが垣間見えた気がした。 ハァ〜。 「自分の身は自分で守れる」 「貴方様が十分強いのは承知ですが、お願いですからひとりでふらつかないでください!」 「何かあってからでは遅いのです。 むしろ私たちの首が飛びます!もし首なんかになったら就職先なんてないですよぉ!」 「ツッコムとこはそこなのかカエデ!?」 「「ガイ様なら見事なツッコミ返しをしてくれるのをわかっておりますので」」 つっこんだら、小気味よいテンポで突っ込み返された。 もうそこまで息が合ってるんだから、この際騎士を辞めて芸人として組めばいいと思う。 そうしたら就職先なんてすぐ見つかるんじゃないかと思わず、視線を空へ向けて現実逃避を図る。 しかしそんなオレの状況を無視して、双子のように見事なコントを繰り広げる自称護衛たち。 「そんなセリフばかりハモルなよ」 「騎士ならば規律を守れ、隊を乱すなとわたし達に指導してくださったのはガイ様ですよ」 「足並みをそろえろとも教わっていますし」 「……意味違くないか?」 「「っと、いうわけなので」」 「いますぐ宿へお帰りを」 「ヒイラギが切腹しかねませんのでぜひ帰ることを推奨いたします」 死ぬ気なのかヒイラギ!?まだ逝くには早いだろう三人目の護衛よ!? 護衛任務はどうした!? と、内心叫びはするものの、オレ、まだ帰らないよ。 もちろん屋敷にも宿にもな。 「「さぁ、お戻りを」」 「だーかーらー!ちゃんと屋敷には帰るとクリムゾンにも言ってあるだろうが」 「油断なりません。ですから見張りとしてわたし達がいるのです」 「せめて護衛を一人つけて散策に出ていただかなくては」 「むしろ三日もいたのでそろそろキムラスカに帰るべきかと。ガイ様不在の今、屋敷内がどうなっているかひどく心配です」 見事にそろった敬礼をする男女を見て、オレの方が身分低くなかったっけ?と、キムラスカ…というよりファブレ邸の階級制度について今更不思議に思った。 この状況をどうするべきかと思って視線を周囲に向ければ、なぜか呆然としたまま固まっているサフィールの姿が。 そういえば、モミジに吹き飛ばされていたっけ。 「よし。わかった」 「ガイ様!」 「やっと帰る気になって」 「カエデ、伝言だ」 「「え?」」 「宛先はクリムゾン。 内容は【これ以上、休暇の邪魔をしたり、休暇を受理しないのであれば、貴様が隠していることすべてをシュザンヌにちくる。そのあと貴様に待ち受けるのはヒゲの二の舞だ】と、うちの可愛い赤毛の坊ちゃんにつげてください。 あと余力があったら追伸もよろしく。 追伸【いまダアトにいる。あなたの息子の命が大事ならオレの手を煩わせるな】。 以上。 よろしくなカ・エ・デ」 ニッコリと笑ってポムとやさしくカエデの肩をたたく。 オレが『坊ちゃん』と呼ぶのは、ルークにではなくクリムゾンにだ。 屋敷の皆様は、オレがかなり年上なのを理解しているので、オレが坊ちゃんといえば誰のことかは一目瞭然だ。 「そ、そんなぁ!む、無理です!!」 「いや〜。やってくれるってありがとうカエデ。もしかするといいお土産が手に入るかもしれないから喜んでいって来い」 まるでオレが触れた場所から血でも吸ったとばかりに、カエデの顔からが一気に血の気が引き、青から白へとかわり、音がしそうな勢いでガタガタと震え始めた。 「恐れ多くもわたしごときがそのようなお言葉を主へ向けるなど!? わたしの処刑ルート決定ですかガイ様!」 「…相変わらず公爵様への扱いだけがひどい。御労しい」 モミジがため息をつくようにつぶやいたが、聞こえている。 どっちが労しいのやら。 オレか?それともクリムゾンか? 「なんだモミジ、カエデ。 お前たちも“ああ”なりたいなら初めからそう言ってくれれば、オレも惜しまず尽力を尽くしたのに」 「“ああ”って?」 「なんのことです?」 「なにって『ヒゲの二の舞』になりたいんだろう」 ニィ〜ッコリ。 「ヒゲ?」 「ヒゲのにのまい?」 「つまりヒゲをはやした誰かに、ガイ様が何かをしていた…と?」 モミジとカエデは、始めは意味が解らないとばかりに首をかしげていたが、お互い顔を見合わせ、次の瞬間何かを思い出したように 「「ヒゲいたー!!」」 声をそろえて叫んだ。 そうです。ファブレ邸に来るうっとうしいヒゲ男がいたでしょう。 最近あいつの不幸ネタはご存知ですね。 では、オレが言いたいこともよくわかるはず。 「じゃ、じゃぁ」 「いままでのって」 「ん?」 「上から植木鉢がふってきたとか、ペールが腐葉土の為に作った穴がいつのまにかふさがれていて中におかしなものがはいっていてヒゲがはまったのも」 「木刀がすべて行方不明で仕方なく真剣で訓練をしたり、その際にルーク様にヒゲを毎回毎回かられていっているのも、バナナの皮を踏んづけたのも」 「廊下の滑りが一部分だけ良すぎて危険だからって看板がある時間だけ無くなっていたのも」 「黒猫が前をよぎったのも」 「訓練用の着替えから私服に着替えたら“トゲ”が折れていたのも」 「「やっぱり全部、ガイ様の仕業だったんですか!?」」 ってか、剣はオレだけど、ヒゲとネコは違ゲェ。 どちらにせよ、あまいな。 本当はもっとやらかしている。 たとえば土産と称して、メイドインナタリアクッキーを混ぜ込んだり。 言葉巧みに三つ編みがはやりですよと、あのパイナップル頭を無理やりあみこみにしてみたり。 紅茶には砂糖の代わりに塩をいれたり。 ルークとのけいこ中に別の場所に置かれている奴の真剣とりだして、海水をぶっかけてひそかに鞘の中に戻したり。 ひたすら陰湿に、偶然を装って、やることはやっている。 あとメイドさんによるヒゲと害虫のめくるめくな物語の出版許可を出したから、キムラスカではヴァンをみる皆様の目が半端ない。 本人は全く気付いてないが、こないだマルクトでもついにシリーズ第二部が販売されたときくし、そろそろあのシリーズはダアトでも発売されるんじゃないかね。 とりあえずオレが気に食わないと判断したら、徹底的に痛めつけるか、裏から精神的に追い詰めるか、混乱させるような言葉を残すかのどれかなので、かなりあくどい自覚がある。 それをしてほしいかいと、優しくカエデとモミジに問えば、二人そろって顔を真っ白にして脱兎のごとく去って行った。 お使いはしっかりやってくれるといい。 そうしたらオレの休暇は十分優雅に過ごせるだろう。 「……あなた、何者ですか?」 カエデとモミジのメイプルシロップコンビが去った後、しばらくして、サフィールが険しい表情でこちらをみてきた。 キムラスカっていうので警戒されちゃったかな。 オレはあいつらに向けたのとは違う笑顔で、笑い返す。 「ただのガイだ」 間違ってはいない。 でもそれじゃぁ、サフィールは納得してくれないみたいだ。 赤っぽい紫がかった眼が眼鏡の奥で細まる。 こちらを見定めようとする目に、オレの何を彼は見ているのか気になった。 「ただの…ですか。そのわりには【様】付けされていましたが?」 「あ…しまった。いつものことなんで忘れてた。 今度からは兵士たちにも外にでているときは口調を改めさせるとしよう。感謝するサフィール」 「……さっきの方たちは、巡礼者にふんしてはいましたが兵士ですね。 それもただの兵士にしては隙がない。 たぶんある程度上の階級をもつ騎士ではありませんか? そんな方たちをあなたは三人も護衛としている。 それに赤毛のクリムゾンといえば、キムラスカの公爵ただひとり。 そのような王族筋、いえ、貴族でも同じですが、普通の一般人は、キムラスカの公爵を呼び捨て(しかもかわいそうなほどひどい扱い)などしません」 たしかにな。 普通は使用人には護衛ってあまりつかないし、敬礼されたり、様づけされたり、ましてや国のNo2の貴族の男を軽く脅したりあしらったりなんかしないしな。 でも―― 「オレはただのガイだ。(前の元祖“ガイ”には山のような肩書があるだろうが)オレにはそれ以外に名乗るべき肩書もない。 クリムゾンには愚痴を言っているうちに仲良くなっただけだ」 これがすべて真実だというのだから、オレがサフィールの立場でも絶対怪しいと疑う。 とりあえずオレもそろそろ宿ぐらいには戻らないとだめだな。 何も言わずに出てきたし。げんにさっきお迎えがきちゃったし。 だけど帰るにはやっぱりちょっと早い。 実はほしいものがあるんだよね。 実物を見たら余計欲しくなったし。 “それ”をもらってから、ダアトをでよう。 それまでは何が何でも居座るだけさ。 「っと、いうわけで」 「なにがとういうわけなんです?話に脈絡がありませんよ貴方」 「オレには金はないが、借金はある!あ、っと。じゃなくて、金のあるところには金がある。 研究を続けるにしてもやっかいなことに、サフィールはマルクトで亡命者として指名手配がかけられているというし、ダアトではすぐに予言などの制限がかかってしまう。やれ予言にはなかった。だから金は出せないとか。 だが、しか〜し!うちでは予言を盾に金を渋ったりしない! もちろんちゃんと成果を出してくれればだ。 なので好きな研究をしていいので、オレに雇われる気はないか? あ、ついでに赤毛の『完全同位体』をプレゼント! オレに雇われれば、あなたの最高傑作レプリカドールの研究&育成つきです。 むしろレプリカの研究はこちらから願いたいほどなので、うちに来た場合はなにがなんでもやってもらいます。予算だしますよ。 どうです?お買い得でしょう」 「は?え?レプリカドールって…え?なぜ?だってヴァンは“誰も気づいてない”と」 「アッハッハ。ヴァン?あのヒゲデルカがどうかしたんですか。あまいですよ彼。 すでに奴を陥れるための駒はすべてそろっております。 というのは冗談で。 キムラスカのルークはレプリカ。オリジナルはダアト。な〜んてことはクリムゾンにとおのむかしにちくりました、オレ。 あ、オレのことはきにせず。オレはただ情報通なガイさんでしかないですからね。 もともと自分はなにもするつもりはなかったんですが、自分の居場所を居心地良くしようとしたら、ルークがレプリカだってわかっちゃっただけなんで(もちろん嘘。すべて原作知識に基づいている)。 ルーク自身は知らないですが、ね」 そう。オレの幸せなる華麗な出家計画には、ヴァンが邪魔だった。 だってキムラスカやファブレ邸がおちぶれると、オレの退職金が出なくなるので無一文になっちゃうんだもんよ。 それは勘弁とキムラスカの発展を願って、クリムゾンにまず感情を出せと脅し、シュザンヌ様には「いつまでなよなよしとんのじゃわれ」と元気づけ――。 そうしてファブレ邸は、“オレ好み”な居心地の良い屋敷へと改革したのだ。 もちろん金にがめついオレが、ザンザスだったりナルトだったりトップとして身に着けた事務処理能力をふんだんに使って管理してるので、クリムゾンの金はオレのものともいえるようになってきた。このままうまくやりくりをしていけば、いつかくる出家のときもガッポリ退職金をもらえるだろうし、何とか生きていけるだろう。 つまりオレの完璧なる老後の平和な計画。 それを邪魔するのが、ヴァンデスデルカだった。 オレにとってヴァンとは、“なにしにくるのかわからない他国の軍人”だ。 追い出しても抗議ビンをダアトに送りつけてもなにをしてもファブレ邸に舞い戻ってくるから、うっとうしくてしょうがない。 孫みたいにかわいいルークが、あいつによてまた変な知識を植え付けられたらオレは泣く。 純粋無垢っていいよ。 教えるだけ吸収するから楽しい。 特に料理を覚えたいなんて言ういいこは大好きだぜこのやろう! まぁ、そんなこんなで、うちに居座ってばかりで本当の仕事をしない軍人ヒゲにかわって、ただいまファブレ邸は、完全にオレの支配下、意のままです。 ってなわけで 「なんて口車に乗せられ、ディスト買収されました〜」 「されていません!」 「いや。残念ながら拒否権はない。 なぜならもうクリムゾンへの伝言にさっき“いいお土産が手に入るかもしれない”とすでに報告してしまってあるからな」 「は、はめられた」 「でもサフィール。レプリカはいいのか?いうなればお前の子供だろう?」 「……はぁ〜。だからこそですよ」 だからこそ断れない。はめられたのだ。 彼は深いため息をついたあと、「まぁ、いいでしょう。あなたと組んだ方が条件はよさそうだ」そう言ってしかたなしにだが、ダアトを辞めることを決意してもらった。 でもそのときの彼は、困ったようでありながらも泣きそうな情けない顔で、それでも笑っていたのは・・・・・・オレだけの秘密である。 銀髪眼鏡な笑顔が意外と似合う美人な譜業博士、ゲットだぜ。 「あ、紫の口紅と、エリマキトカゲのような服は禁止な」 「……」 「ん、なんだ?」 「あなた、本当にどこまで知ってるんです?」 さあてね。 クスクスと笑っていたら、随分長く話し込んでしまったせいか、護衛の三人がそろって迎えにきた。 「一週間後、むかえにいく。首あらってまっておけ。サフィール・ワイヨン・ネイス博士」 「一週間。やりのこしたこともありますし丁度いでしょう。 しかたありません。とりあえず楽しみに待っていてあげますよ」 しょせん何の保証もされていない口約束だけの雇用。 それでも君はうなずいた。 だから『またね』と笑って手を振ってわかれた。 「“また”、ですか…」 さよならって言葉は嫌いなんだ。 サフィールも同じだったのか、小さくつぶやかれた彼のくすぐったそうにはにかむ声が、風に乗ってオレの耳に届いた。 「ええ。“また”会いましょうガイ」 ********** はいはい。皆さんお元気ですか? ダアト三日目で素敵なお土産をゲットした“”ことガイです。 約束の一週間後までに、しっかりクリムゾンに報告書は出してあります。 サフィールの受け入れはばっちりでしょう。 サフィールという名は指名手配がかかっている。 ヴァンが嗅ぎつけてきそうなので、ディストと名乗るわけにはいかない。 とりあえずオレがとっさに思いついた「リンヒットカーン・イキシテ・ヨウマン」という名を名乗らせることにした。 なぜ「リンヒットカーン・イキシテ・ヨウマン」かというと。 表上は医者としてのオレの助手兼譜業博士。 メインはレプリカルークの育成というか家庭教師。 いつかオレがいなくなってもそのままルークの傍にいてもらうための策だ。 よって、オレの中でとっさに連想ゲームが行われた。 家庭教師=家庭教師ヒットマンREBORON! オレの脳内がとっさに思いついた単語が“それ”で、深く考えるのも面倒だったので、サフィールには「カテイキョウシヒットマンリボーン」の順列を変え、アナグラムで「リンヒットカーン・イキシテ・ヨウマン」となった。「ボ」はごろが悪いのではぶいた。 たしかオレのおぼろげな記憶では、『イキシア』って花がどこかの世界にあったきがするので、「イキシテ」って響きは悪くないと。 一人押し問答の末“ああ”なった。 それ以外の名前や肩書については、いまは割愛させてもらう。 報告書の内容?もちろんダアトの市場調査もしたよ。あと予言の浸透具合、アッシュの短気と部下との関係、ダアトの階級への不満。導師イオンがちょっとかわいそうなことになってるとも追加した。 運よくカンタビレに遭遇することができたので、ヒゲのことをきいた。 「嫌い」だ、そうだ。 なるほど。参考になります。 そんな感じでお土産のことも明記して、準備を整えているうちに、あっというまに約束の一週間目が来た。 サフィーには巡礼者と同じようなローブをかぶせて、そのままキムアスカに連れ帰った。 すでに“凄い鳩便”で、予備の旅券をクリムゾンからしっかりもらってるので、スムーズに彼を誘拐することに成功した。 そのままやめるなんて真っ正直に申請を出すと、これより行うレプリカ計画の要であるディストを手放したくないヒゲがさらにうるさそうなので、うさ晴らしに旅行に行くといって休暇申請を出させ、キムラスカについてから「ココが気に入りましたので探さないで下さい」と辞表を郵送で送らせることにした。 この世界で便利なのは、前の世界と違って何処から何日に手紙を出したかなど、細かいことは簡単にはわからないことだ。 技術の進歩が変なところで遅いからこその利点である。亡命者や出家者には好都合だ。 だから退職届を例え受理されなくても、ダアトにあさえいかなければ問題がない。 なぜなら簡単に見つかったりはしないからだ。 なにせそのままキムラスカのファブレ邸に、ルークの主治医兼家庭教師(オレ推薦)としてつっこみ、譜業にも詳しいとシェリダンとベルケンドをいったりきたりさせている。 これでみつかるほうがおかしい。 ヴァンにしてみれば、灯台元暮らし。 サフィールは、はじめはだまされたとか文句を言っていたが、最近は譜業開発に行くのさえ、その顔は想像以上に生き生きとしている。 なおルークと初めて会ったサフィールの第一発言は、「わたしの最高傑作!無事でしたか」だ。 どうもキムラスカで耳にしてしまったらしい、ヒゲと害虫のめくるめくで危険極まりないアブナイ話や、ヴァンがルークをねらっているらしいという噂を耳にして心配していたようだ。 サフィールをキムラスカに連行した当初は、さすがにしばらくはネビリム先生のことをあきらめきれなかったようだが、屋敷の中でルークを見ているうちにこれはさすがに“ダアトのルーク”とは『違う』と、今度こそ断念したらしい。 もともとは導師イオンのレプリカをみていたので、“同じ”なんてありえないと、わかってはいたそうだ。 それでもあきらめきれなかったのは、また“みんな”と笑いあいたかったら。 っが、オレがそんな「あまっちょろいもの」を考えるような隙を与えるはずもない。 そう告白して、自嘲気味に積むくサフィールには 「分かってるなら。もうネビリム先生をやすませてやれよ」 「あなた、やっぱりネビリム先生のことまでご存じだったのですね」 「なんだっていいさ。 そもそもルークたちとちがって、お前らいい大人なんだから、子供のように一緒に遊べるわけないだろ」 「わかっています。わかってはいるんですが。それでもかえりたかったんですよ、あの場所に」 「だめ。帰らせない。 いまもまだレプリカの譜業を研究していたからこそ、オレはお前を捕まえたんだ。 そうでなきゃうちの子とダアトのニワトリの大爆発がとめられないからな。 感謝しているよその低迷なる思考に。 お前がまだ譜業に携わっていたからオレはルークに会えた。 ルークはわらえるようになった。 だからオレは、過去にもどれたとしても――お前をオレの前に引きづり出す道を選ぶ。 それが道徳に反するものであってもな」 「それは…もしわたしがネビリム先生を完全に復元させていた場合は、どうするつもりだったんです?」 「言っただろう。“道徳に反しても”って」 「つまり」 「オレが絶対にネビリム先生を完成させない」 「…まいりましたよあなたには」 「それにお前をのこして、もうお前の周囲は全員変わったんだ。大人になったんだ。 つらい記憶を、過去を、思い出に変えた。 お前も歩き出せ。 お前の中には笑顔の思い出だってあるだろう? ならそのままもうネビリムさんは眠らせてやれ。 ジェイドやピオニーに笑ってほしいなら、お前も同じ未来という土俵にあがって、自分から一緒に遊ぼうと会いにいくぐらいしろ。 もしかすると前とは違って、もう幼馴染にはなれないかもしれない。でもそれはそれで、また別の関係を築けるかもしれない。 新しく友達としての別の笑顔が見れるだろうさ。けっして、全ての笑顔をネビリムさんひとりがくれたものではないはずだ。 お前が望んでいた笑顔の場所は、彼女の笑顔だけではなく、たくさんの人々に囲まれていたからこそできた場所だ。 お前もそこに居てこその幸せの空間だったんだよ。 だから楽しかったんだしな。 そろそろ違う笑顔を見つけてもいいんじゃないか?」 誰もお前を責めたりしない。 それは互いが、違う道を選んだ結果だったのだから。 「ほら。たとえばお前の腕の中で猫みたいに嬉しそうに笑っている“そいつ”からでも、お前の記憶に笑顔の居場所は出来るんじゃないか?」 「なぜこの子はわたしなんかに」 「“なんか”禁止ー」 「ですが」 オレが指さすのは、サフィールに膝枕されて気持ちよさそうに寝ている朱色の子供。 サフィールは、会ったときからベッタリなついてくるルークに、びっくりしていた。 いまだって戸惑いつつも、起こさないようにその前髪を優しくなでている。 「答えは簡単だ。そいつがいままで一人だったから」 「ひとり?ですが聞くところによるとあなたは随分この屋敷の者に慕われている。 長い間いなければこうはならないでしょう。 それにガイは以前からルークの側にいたと、この子が言っていましたが」 「オレはほんの数か月前に来たばかりだ。 “ガイ・セシル”は別人。オレはその“ガイ”から人生を奪ってこいつの居場所に居座っているただのガイ」 「まさかあなたもレプリカ?」 「いんや。でもオレは“ガイ・セシル”じゃないのは間違いない。 まぁ、幽霊見たいものでな。そのまま“ガイ・セシル”をくらって、のとったんだ」 「途方もない話ですが・・・・・・信じましょう。あなたがわたしにそのような嘘をついてメリットがあるとはおもえないですからね。価値のないことはしないでしょう貴方なら。 それにしても、まるで被験者から居場所を奪ったレプリカみたいな話ですね」 「オレはもうずいぶん生きたからなぁ。そういうの気にはしないんだが。 てもルークは違う。 被験者から居場所を無理やり押し付けられたルークには、そこに“この子自身の居場所”はなかった。 だがそんなときに現れたのがお前だ。 お前は始めから、この子を被験者と比較しなかった。 そいつをそいつとしてみてくれたから。 だからルークは、お前になついた。 そいつを“前のルーク”と比べず、この子がこの子でしかないと、初めて会ったとき、そいつだからこそお前は抱きしめた。心配したのだと言って。 たとえばダアトの被験者が同じ目にあっていても心配はしまい?」 「ええ。あのデコッパチがヴァンとできていたといまさら噂されようが、稚児趣味とヴァンがいわれようが、もう耳タコですからね」 「……ま、まぁ。なんというか。簡単にいえばそういことだよ。 自分を自分としてのみ、みてくれた。 それはこいつにとって、なによりも欲しくてしょうがなかったもの。そしてこいつにとってはどんなものよりもかえがたいもの。 いままで本当の両親でさえしなかったことをお前はしたんだサフィー。 だからこの子は、お前の存在を心から喜んでるんだよ。 そんなこいつにお前は生みの親としてきっちり愛情を返してやれ」 とかなんとかてきとうなことをいって、サフィールをルークを餌に懐柔中。 ルークもすっかり“味方”としてサフィールを気に入っているし、サフィール自身も徐々に人間らしく笑うようになってきたので万々歳だ。 なにせオレ、【アビス】キャラでは、一番好きだったんだもんよディストって。 こうなったら死なせたくないし、そもそも不行儀術の権威である彼がいると国も少しは豊になりそうだったから万々歳だ。 ルークと仲良くなったサフィールがレプイオズを心配し始めたけど、シンクの心を動かせればシンクは長生きすると思うよ。 それにしても――もうイオン生まれていたのか。 ・・・・・・・・オレ、PMメンバー(ミュウ以外)ぬかして、次に六神将(ディスト以外)本気で嫌いだからなぁ。 シンクはまだそこまで嫌いじゃないけど、イオンはだめだ。 ルークよりもあれがいちばん我侭な気がするって、だれか気付いてるだろうか? まぁ、そのへんは好きじゃないしダアトはよその国なのでかかわる気がないので、きっとあのまま原作どおりの性格に成長するのだろう。 まぁ、あのレプリカな緑っ子たちなら間違いなく、命の保証はされていると思うんだよ。 導師をやっているセブンスは導師として必要だから生き延びさせられるだろうしね。 あ、そういえば。フローリアンは・・・いつ生まれたんだろう? 本当はセブンスやシンクとは別にもっとあとに生まれたという可能性もありなんじゃないかとも思うけど、もしすでに生まれているのならば当分は『予備』としてあのモースも彼には手を出せないから安全だろう。 それにレプリカ情報は情報さえあればいくらでも作れるのは、レムのとうの一万のレプリカ騒動で分かりきっている。 すでに被験者から情報を抜き取ってしまえば、被験者は不要ということだ。 そのひとつの情報を元にいくらでも量産できるから、フローリアンって本当はレムの塔の騒動のあとイオン既にわくせいよげんをよませようとしていたモースが予備にと作り出していたんじゃないかってオレは思っていた。 だからおれはフローリアンのことはサフィールにはだまっていた。 彼自身、レプリカイオンの処分の光景は知らないようだったし、フローリアンがいつ生まれたか分からないから。 ま。みんなが幸せならそれでいい。 その後。 ファブレ家の新しい家庭教師リンヒットカーン・イキシテ・ヨウマンが、屋敷内で一番初めにしたことは、ルークの言葉の修正だった。 「お、オレ、様は、る、ルーク・フォン・ファブレだ・・・で、えっと、あります?」 「はじめからダメです。やりなおし。 なんですか『オレさま』って。それではどこぞの色黒皇帝のような傍若無人なヤクザとおなじです」 「え?えっと? “ぼうじゃくぶじん”ってなんだ?あと皇帝ってのはヤクザ?にもなれるのか?副職していいものなのか?」 「ルーク様。まずは『言葉のあや』というものを覚えましょう」 「あやとり?う、うん」 「・・・・副職って言葉は知っていて、ヤクザはしらないんですね」 「あ、ガイがよく父上に言ってるのをメイドに意味聞いたんだ」 「・・・・・・・・ガイ。あなたってひとは・・・」 どこまで出家のことと、退職後のことしか考えてないんですか。 「大丈夫かリン先生」 「“大丈夫ですか”です」 「あ・・・」 夢主使用人歴、半年目 一カ月契約は延長になったのさ 『家出』を「イエデ」とは読まずに「シュッケ」とよむべし! 〜 今回のゲストでポン♪ 〜 ■ ガイ ・一カ月契約のたかが使用人だったはずが、半年契約に伸び就活に困っていない使用人 ・職には困ってないが、でも休暇がほしくて、一カ月の休暇をもぎ取る ・この半年間でファブレ邸ではすっかり地位を築きあげる ・ファブレ邸の人気者 ・クリムゾン唯一「坊ちゃん」呼びしているため、ファブレ邸では一目も二目もおかれているかなりできる人 ・別に導師の暗殺をたくらんだわけじゃない。やってもいいかもとは思った程度だ ・元どっかのボスであったがために、下々が苦しんでいるのをほっとけなかったため、政治案に口を挟むようになった ・ただいま植物の育たないキムラスカに農業プラント確立を目指す ・「ハ」の字ヒゲ信仰者 ● クリムゾン・ヘアクォーツ・フォン・ファブレ ・屋敷の中で唯一、夢主の口の悪さと本性と本当の年齢を知るがゆえに仲良くやっている公爵 ・夢主からは完全に「坊ちゃん」と呼ばれるのが定着している ・まだ誰にも“原作知識”のことを告げていない ● 導師イオン ・国と同等の巨大さと権力を持つ宗教組織のトップ ・『導師』っていうのはさ、夢主が暗殺をたくらむぐらい凄い地位なんだよ ・ガイにその地位を奪われそうになったとか、なってないとか ● ファブレ邸の人々 ・ガイによっていろいろ根本から変えられたがゆえに常識を持つようになったいい人々 ・ガイが、あくまで“ガイ・セシル”似の別人であることを二日目にはみんが了承させられた ・ガイを尊敬している ・ガイ大好き。ファブレ邸からでていってほしくないと思っている ・ガイのことをクリムゾンより年上で、凄腕の剣士で、凄腕の料理人で、医師で…と、 とにかくクリムゾンが幼い頃から知っているのだろう教育係か それ以上の『凄くて尊敬できて信頼できる人』ぐらいには認識している (←これに対して夢主は企んでいたわけでも手を出したわけでもなく、夢主の言動を見て周囲が誤解しただけ) ・ファブレ邸の実質の権力者はガイだと認識を改めた ● ファブレ邸のメイド ・腐女子率が異常に高い ・集まれば白光騎士団さえ手が出せない口達者な脅威なる女性の集団 ● ルーク ・ガイにべったりコアラのようにしがみつくほどにはなついている ・甘えんぼ ・教えれば覚える子らしくガイもぞんざいにせず可愛がっている ・最近は勉強が好きらしい ● ラムダス ・ファブレに仕える古株の使用人 ・夢主はずっと執事だと思っていた ■ ダアトの酒場のマスター ・髭と眉毛がロングでいい味を出している老人紳士 ・無口だがしゃべるときはしゃべる ・いろいろと物事をわきまえている ・無言で、あのガイに“舌鼓的なこと”=“部下にほしい”とせ言わせた凄いひと ・そのまま末永くダアトの下町を見守っていてください ● ディスト ・本名「サフィール・ワイヨン・ネイス」 ・神託の盾騎士団の団長…らしい ・酒場でガイに声をかけたひと ・学者っぽくて、ガイとは譜業オタク仲間 ・ガイが唯一気に入っていたゲームのキャラだったため、ガイによって誘拐される ・夢主に気を許したのが運のつき ・ルークがレプリカであるのを知っているため、きちんと個人として扱っているし、 自分の作品の中でも最高傑作だと思っている ・レプリカイオンズの政策には携わっておらず。 その存在は知っているものの勝手にヒゲに技術を使われた ・ルークにはしょっぱなから抱きついて「私の最高傑作大丈夫ですか!?」とイタイことをしてしまっている ■ モミジ ・クリムゾンがガイ逃亡防止のためにつけた護衛1 ・白光騎士団のそこそこ力ある剣士 ・ガイの剣舞にほれて、護衛を機に距離を縮めようと、弟子志願をした ・カエデとは気が会うらしく、双子のように意見が合う ・よくカエデと共にいるので、ついたあだ名が『メイプルコンビ』 ・暇つぶしという名でガイに剣術を教えてもらえることとなり、 そのまま白光騎士団の中でも実力をあげていくことになる ■ カエデ ・クリムゾンがガイ逃亡防止のためにつけた護衛2 ・白光騎士団のそこそこ力ある剣士 ・数少ない女騎士である ・ガイが発行騎士団長を県で負かしていたのを目撃し、 弟子志願をしたモミジに嫉妬して弟子志願 ・カエデとは気が会うらしく、双子のように意見が合う ・よくカエデと共にいるので、ついたあだ名が『メイプルコンビ』 ・勢いに負けたガイにより剣術を教えてもらえることとなり、 そのままカエデと切磋琢磨しつつ、女性の地位向上をめざし頑張っていく ・あこがれの女性は、ジョゼット・セシル ■ ヒイラギ ・クリムゾンがガイ逃亡防止のためにつけた護衛3 ・白光騎士団のそこそこ力ある剣士、ただし精神面が弱い ・ガイの『理想の高潔な騎士』らしきふるまいに惚れ、 その自分の理想に追いつこうと、技を磨きさらなる力をつけたいと弟子志願 ・メイプルコンビのストッパー兼尻拭いを任されている保護者的存在 ・バランスがいいせいかよく三人で組まされるため、ついたあだ名が『プラントリオ』 ・根が物凄いまじめで、逆にすぐに責任を感じては、自己犠牲的欝になってしまう ・みてくれはどこにでもいる普通の紳士 ・髭が素敵なダンディー紳士でいかにも騎士らしいが、 内心はちょっとしたことですぐに胃薬を必要とする ・「どうせならもうこの三人に徹底的に戦い方というものを教えてやるよ」と、 ガイに剣術を教えてもらえることとなり、 そのまま白光騎士団の中でも実力をあげていくことになる ● ヴァン ・ひげ ・足元が見えておらず一番大切な技術者を外に奪われた哀れな男 ■ リンヒットカーン・イキシテ・ヨウマン ・ガイがダアト旅行後、どこからかつれてきたルーク専用家庭教師 ・家庭教師=“カテキョウヒットマンリボーン”の発想より、一部抜粋して命名された ・本名「サフィール・ワイヨン・ネイス」 ・ただいまガイもやらなかったルークの言葉遣いの指導中 ・譜業にくわしい ・クリムゾンにはダアトの盾騎士団ディストであったこと、レプリカに詳しいことなど一通りガイによって話されていた ・身分は医者ガイの元助手、現ルークの家庭教師にしてできる使用人 ・ガイが信頼していることにより、ファブレ邸ではあっという間に信頼されるようになる |