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01.人間て光るらしい件について |
side [有得] 前世鹿な 夢主1 人間って不便だ。 だって早く走れないよ。 こんなんじゃ背中に人をのせて崖なんか走れないよね。 矢で襲われたらどうやって逃げるんだろう? それに声帯の使い方がいまいちわからん。 足とか手の動かし方もまだ慣れないの。 でもそのかわり人間は、手先が器用だ。文字なんてものも道具を使うってこともする。 はっきりいってオレにはその人間の器用さが難しい。 なんか生まれてすぐのときってのは、親が面倒を見るのはどの生物も同じだ。だからオレもそう。しっかり母乳で育ったよ。 でもね、ほらオレってば元鹿だから、おむつとか母乳とか、普通の人間の転生者より苦じゃないし、生きるためならこんなもんかと思うんだ。 羞恥?そんな感情はわかなかったかなぁ。 前世か何かの昔に読んだような気がする夢物語では、赤ん坊時期を転生者たちは恥ずかしがっていた気がする。 オレとしては生きるためなんだから、何を恥ずかしがるのだろうってかんじなんだけどね。 だけど人間って赤ん坊の期間が以上に長いんだね、驚いたよ。 “ヤックル”って呼ばれてた頃のオレなんか、うまれて二時間後にはおっかっさんの後ろを歩いてたぜ。 《セカイ》といたときは、オレだって人間だったような気もするんだけど……。 こんなに人間って難しかったかなぁ。 まぁ、そのへんはいいや。 それより、びっくりなことがあるんだ。きいてくれるかな。 人間の赤ん坊って光るらしいぜ。 本当にびっくりだ。 赤ん坊生活して、ようやく目が開くようになって、今の母親からごはんをもらっていたとき、「うまいな。しあわせだな」と思ったら――母親の乳房をつかんでいたオレの手が光っていた。 どうやら光っていたのは手だけじゃなく全身そうらしいというのは後で知った。 その光におっかさんが驚いていた。 「あらあら。あなたも能力者なのね」と、オレに乳をやりながらおっかさんが笑っていたから、たいしたことじゃないんだろう。 それいこうもだれかにぎゅっとされると、身体が光ることがあったし、父親も光っていた。 テレビにもよく光る人間が出ているので、どうやら最近の人間は蛍光灯の性質を持っているようだと学んだ。 進化か!?なるほど。 アシタカやサンは光らなかったけど、やっぱり時代が変われば人も進化するんだね。 ――『光る』っていえば、獅子神様は金色に光ってたな。 もしかして蛍光人間にも獅子神様のような何か力があったりして。 な〜んてね。 とはいえ、光ってるはずの当のオレには、なにもかんじないけどね。 光っているのを目の当たりにしなければ自覚はなかっただろうな。 でも夜目もきかない人間にはちょうどいい進化だと思うよ。 これで夜もライトなしで動けるね☆ ああ、でも。夜に青い人間型の光が浮かび上がったらさすがに怖いな。 うん。とりあえず生まれて早速学びましたオレ。 最近の人間は、夜目も利く、自家発電機いらずらしい。 夢主1の前世は『もののけ姫』のヤックル成り代わり アシタカ、サンは『もののけ姫』の主人公ズ。獅子神様は金色に光る神様。 常識というネジがぶっ飛んだ夢主は、人間を誤解している。 |