赤 色 逃 避 行
- 伝 説 で い こ う ! -



07.ここでそのフラグですか!? (中)
『』・・・普通の人には聞こえなかったり理解できない会話。テレパスやポケモンの声など。
≪≫・・・夢主による筆談。









side 主人公








 あれは今からおよそ十年ほど前だろうか。
オレがレッドになった初めの頃は、激しい生バトルに恐怖し、傷ついていくポケモンをみるのが辛くて、怖かった。
だからポケモン世界に生きる人間にはあるまじきことに、バトルなんてさせたくもなかったし、見たくもなかった。
だけど十歳になって旅をして、オレは変わったし、戦う覚悟というのを学んだ。
 ぶっちゃけそうでもしなければ生きていけない――草むらとかで毎回ポケモンが飛び出してくるたびに小心者のオレはびっくりして、心臓がバクバクしていたので、いいかげんそのぐらいで驚かないようにしなければ、いつ小鳥のようなオレの心臓が破裂するかわからない状況――環境だった。
いまだに知らないポケモンや人は怖い。
それでも、怖いけど戦わなくちゃいけなかったから(なぜなら視線をそらしても勝手にバトルを仕掛けてくる)から、“戦う”という覚悟を決め、ポケモンたちばかりに任せず自分でも指示を行えるように頑張って強くなったんだ。
本当はポケモンたちだってみんな生きているから互いにぶつかり合うようなバトルはしてほしくなかったし、戦ってるポケモンたちにはちゃんと痛覚があるのだからやめてほしいとおもう。すぐに治るとしても怪我をしたらいたいのは当たり前なのだから。
はじめはポケモンたちに指示なんてできなかった。
彼らが彼らの意志で勝手に動いて敵を倒していた。
旅をして鍛えた今は、オレが指示をするようになった。

覚悟をきめた。

 戦うという思考にきりかえるため、いつもかぶっていた赤いキャップを普段よりキッチリとかぶりなおし、帽子のつばをひっぱって一度目深まで下ろす。
視界は少し狭くなるが、これが、オレが戦う前の一種の儀式。
トレーナーは指示だけ与えて戦うのはいつもポケモン。傷つけあうのもポケモン。
“バトル”とはそういうものだから。
帽子をかぶりなおすのは、オレの気持ちを切替えるためのもの。

傷つける覚悟。

「ピッカァ!」

 肩にずっしりと重みが加わる。
チラリと横を見やれば、すでに頬袋に電気をためてスタンバイしているやる気満々なピカチュウ。
ってかひとの肩の上で放電しないでほしい。
これがくんとオレという関係じゃなきゃ、間違いなく感電してるからね。
オレが平気なのはぶっちゃけ相棒がピカチュウではなくミュウだからってだけだ。
くんのコントロールが抜群なのか、それともエスパー系の技により守られているのかは果てしなく謎だ。

『戦いたいというんだからこてんぱんにしてあげるよ』
『お手柔らかにねくん』
『オッケー。そういうレッ・・・は“覚悟”できたの?』
『大丈夫』

赤色のキャップのつばをさらにひく。

うん。大丈夫。
さぁ、覚悟はできた。
おまえたちが傷つけあうのなら、オレも傷つける覚悟を決める。

 リュックにしまっていたモンスターボール六個すべてを腰のベルトにつけなおす。
 一度目を閉じ覚悟とともに目を開くと、しゃべれないオレの目前には、GB時代の戦闘画面そのままのサポート画面に切り替わる。
 オレ以外には見えていないグラフやメニューバー。
そこでオレが腰のモンスターボールにふれると、画面のメニューのカーソルが勝手に動き【たたかう】を選択した。
今回のトップバッターはくんだ。
くんはすでにモンスターボールの外に出ているので、たのむと視線で合図を送れば、オレの肩から飛び降りてバチバチと電気を散らしつつゴールドたちをみやる。
あとの指示は、メニュー画面で技名を触れるしかない。
フォログラフィーかタッチパネルだと思えばいい。
そのまま見えている場所を指で触れる。
それでオレの指示は、オレの仲間に通じる。
声のないオレには、他に指示を出す方法がない。
なので相手の攻撃などをどれだけ早く分析し、メニューから技名を選択できるかが、オレにとっては命綱となる。これがオレの戦い方(バトル)。
 なお、ここ数年で他の指示方法もあみだしている。
ひとはときに目の前で窮地に陥りそうな人を見ると「危ない!よけて!」など声を上げて叫ぶ。それがオレにはできないからこその“とっさのとき”の合図だ。
 それは音を基準としたもの。
音ならば、指などの動きを合図にするのとは違い、トレーナーを注視せずに指示を受け取れるので、戦闘に集中しているポケモンでも余分な動作が必要なくなる。
たとえば「右へ」「とべ」などの合図。
本来これは、ポケモンたちが自己判断で行っていた行動だ。
それをオレが“補う”かたちで、合図を作った。
これらの合図は、手を叩くなどして音をだすだけ。
必要なのは『手で叩くという行為』ではなく、そのリズムや回数だ。
音のならしかたではなく、音の回数ごとに簡素な指示内容を定め、あとは音を聞いたポケモンたちがそれに従うだけだ。
さすがにこの手段は敵の前で何度も使ったら、賢い相手にはリズムの法則までばれてしまうので、あまり使用したくはない。
だからこの合図法は、第三者視点からのとっさの判断が必要なときの、緊急時や必要最低限でしか使わないが、ないよりもあったほうがスムーズなのは間違いない。

 てかさ。
相手やこっちのレベルが戦闘中に常に見えてるってある意味チートだよな。
まぁ見えていたとしても実力が伴わなければ相手にもしてもらえないし意味ないけど。

それにふだんからゴールドの肩の上にいることが多くて、モンスターボールにはいっていないあのパムに、なにげなくカーソルを合わせて驚く。
パムでさえLv40を超えてるとか凄い。
うちのGB世界では、Lv30を超えると、レベルが上がりにくくなるから、ポケモンがLv50近いトレーナーってほとんどいないんだよね〜。
ゴールドの肩で飛び跳ねているパムをみて、その頭上に浮かぶステータスバーを見て、ポケスペは低レベルしかいないとか思っていた自分が恥ずかしい。
これぞ漫画マジック?
いやだってさ。【ポケスペ】って漫画は、元々プニとした2,3等身画だよ。
かわいいし、やってることが、オレの世界よりなんとなくぬるいし・・・・・・本気でごめんよゴールド。

「俺、絶対負けねーっすから!!いけ!トゲたろう!」
『目つき・・・わる』

 相手が出してきたのは、トゲピー。
原作にあったとおり、ゴールドが育てたポケモンは目つきが悪くなるようだ。

だけど相性はいいだろう。

こちらは電気ポケモン(あくまでモドキ)。
草タイプあたりの方がよかっただろうけど、トゲピーならエスパータイプともいえる。
・・・それにあのトゲピー。
なんか物理的攻撃とかハンパな強そうとか、博打とか普通にやってそうだと思うのはオレの錯覚だろうか。
いやいや。外見でひとを判断してはいけないというのはわかっているが、だってあのトゲピー・・・・・・ねぇ。

くん・・・』
『怖がらないで。ぼくらは、今は君の剣であり盾だ。ぼくらを戦わせることで、君は身を守ることになるんだからしっかり指示頂戴ね。
それにあんな子供でも、外見どうり・・・あいつけっこう強いよ。他のポケモンもね』

だから覚悟を崩すな。

弱気の自分が戦うためにしなくてはいけなかった覚悟。
ゴールドのトゲたろう(の目つきにか)に、一瞬たじろいでいたオレをくんがテレパスで叱咤激励してきた。

『うん。頑張ろう』

 さて、一匹目はどうしようかな。
くんをだすつもりはなかったんだけど――なにせ岩でもビルでもなんでも余裕で破壊するくんだ。
間違いなくこいつひとりで全て倒してしまうだろう。
かといって、くんをとめるためとか入れ替えのために強制的にモンスターボールなんかにいれたら、くんと意識下で繋がっているオレがひきずられて意識が吹っ飛ぶ。
くんが本当はミュウだってバレるのが一番困る。
だからくんを戦わせるつもりはなかった。
だけど相手はすでにオレがくんを出すと思って疑っていない。
どんな手でくる?そうキラキラと輝く目は、本当にポケモン世界の住人らしい無邪気な明るさがある。

どうしようかなそう思ったらくんと目があった。

『安心してよ。手加減はするよ。
それに、ぼくらはきちんとこの世界の実力を知るべきだ。
まぁ、交代したかったら言って。ちゃんと戻るから』
『そっか。じゃぁ、いくよ・・・ピカチュウ


 スッと伸ばした指先が、ススメの合図を出す。
それとともにオレの肩にのっていたくんが地面へおり、タイミングを見計らっていたレッドさんが「試合開始」の宣言をした。


シロガネ山での――バトルが、はじまった。





 指がオレにしか見えないパネルにふれていく。
たたかう。でんこうせっか。でんじは。10万ボルト。スピードスター。×××に〜のダメージ。
連続して現れる文字の羅列。
うまく読み流して、相手の状態を推し量る。

 はじめの試合。
トゲピーことトゲたろうは、あの鋭い目で“ゆびをふる”をつかってきた。
常套手段だね。
距離もあったし、電撃を避ける判断としては打倒だ。

だけど甘い。

ピカチュウは高速移動でもってあっという間に側に駆け寄る。
たしかにエスパータイプに近く、さらにはゴールドによって鍛え上げられたトゲたろうなら、電撃タイプにそう簡単には負けないだろう。
だけどしょせんトゲピー。
くんがミュウとしてではなく、ピカチュウとしての範囲でしか力を出さずとも、動きの鈍い赤ん坊でしかないトゲピーは―――

ピカチュウの“速さ”には叶わない。

「はやいっ!!くそっ!トゲたろう、“ゆびをふる”!!」
「トゲ!」

『ピカチュウは近距離より、中距離が得意なんだよ』

バトルをはじめたら、なにがあってもけしてあせってはいけない。
あせりは判断を鈍らせる。

“ゆびをふる”ででる効果のそのほとんどはランダムだ。
だけど『孵す者』が育てたポケモン。
さすがにタイミングよく鋭い技が出る。

突進をして最後を決めようとしたとき、あらわれたわざは、リフレクター。
つまり反射だ。

『防御の盾か・・・』

“高速移動”と“たいあたり”だけでたおせちゃうかな?そう思っていたけど、さすがだ。
リフレクターに弾かれ、ピカチュウが小さな声を上げて弾き飛ばされる。
う〜ん。おしい。

『ねぇ。力技でいってもいいかな?』
『ちょ。くん!?冷静って言葉知ってる!?知ってて言ってるのそれー!』
『あのくらいのリフレクターならやぶれる』

わかってはいるけど、わかってるぶん・・・チートでごめんなさいと言いたくなる。

それほどまでに今オレもくんも手を抜いている。
というか、くんをひっとうに、くんの叱咤激励でもって育ったオレのポケモンたち全員最強です。
ごめん。

そう。さっきの手ごたえ、消え具合、そしてトゲピーの状態から計算するに、は確実に崩せるのだ。
たとえばアイアンテール一発でなにもかもが終わる。

やはりトゲピーはこどものポケモンだと思う。
攻撃を受けてもソレを流すことができない。たえたとしても軽い身体ではすべてを支えきることができず、攻撃をこらえたという付加がその小さな身体にダメージとしてあらわれる。
疲労がでるのがその分早く、今も賢明に立ち上がって入るものの、その顔は渋面で脂汗のようなものを流し、肩で荒く息をついている。


だけどそれじゃぁだめ。バトルの意味がない。
だから戦いが続くように、誘導しないといけない。

「ひるんだ!トゲたろう!“ずつき”ッス!!」
「トゲッ!」

『“たいあたり”をそっちのゴールドにむけてやってもいいと思わない?』
くん・・・君って奴は』

たしかにリフレクターではねかえされたけど、それはけっしてひるんだわけじゃない。
なんか、これ以上やるとくんが本領発揮で、とんでもない攻撃を放ちそうな気がして、思わず交代の合図を送る。
くんはしぶしぶというかたちでこっちまで下がってきたので、オレはモンスターボールをだしてラプラスをだす。
同時に、オレの目の前の表記が、【たたかう】から【ポケモン】になり“ラプラス”にかわり、ステータスやつかえる技が瞬時に移り変わる。

『“うたう”ね』

 パネルをさくっと操作し、指示を出す。
ボールからでたラプラスがチラリとこっちをみて小さくうなずいたのをみて、ほっとひといき。
オレの横ではくんが、不満と雷の不発によりブスブスとくすぶっているが、そこはゆるしてほしい。










「ま、負けた」

 すべての手持ちポケモンをたおされたゴールドは、呆然としたままガクリと力なく膝間づいた。
相当オレの反撃が予想外だったのか、ブツブツいいながらかなり意気消沈している。
 本当は六匹すべてを出そうか出すまいか悩んだ。
たぶんピカチュウだけでもなんの問題なかったから。
それでもラプラスをだした。
フシギバナのことはこの一週間の間に何度もモンスターボールから出してるから、ゴールドとレッドはしている。
それでもラプラスをだし、ピカチュウとラプラスだけでクリアしてしまったオレ。
オレが弱そうなチビだとでも?
あながち外れてはいないし、さらに三十苦背負っちゃってるヘタレだけど。

実力はありますよ。
ええ、そりゃぁもう。

まがりなりにもポケモンチャンピョンですからね!

それでも、まだ手持ちをすべて魅せるわけにはいかなかったんだ。
これはオレの勘。
それに、みたらみたで・・・ゴールドはショックを受けると思うんだよね。

だって・・・
オレのポケモンは、くんをぬかして全員身体が馬鹿でかい。

ポケスペ世界のゴールドのもつポケモンは、バクフーン以外はみんな小さい。
パムにトゲピー、ヒマナッツ、ニョロトノ、ウソッキー、マンタイン。たしかに大きめのポケモンいるが、うちのやつらにくらべれば小さいんだ。
だってオレのもちポケモンは、ミュウのくんを筆頭に、フシギダネ、リザードン、ゼニガメ、ラプラス、カビゴンだ。

うん。本当に、なんかごめん。

自分でもどんだけでかいもの好きなの!?とたまにツッコミたくなる。
まぁ、このメンツを今所持しているのにそれなりのわけがあってなんだけどね。

しばらく前なんか、オレのポケモン・・・ぶっちゃけあれだよ。
サンダー、フリーザー、ファイアー、ミュウの組み合わせだったからね。
だってカントー一周しちゃったし。
会話をしたら懐かれたんだから仕方ないだろ。
ちなみに神様級と名高い三匹のポケモンをみせたときの伯母と母の喜びようは凄まじかった。
なんというか普通に笑ってスルーで「よくやった!こんな珍しいやつらを我が家に迎え入れられるとは!」と伯母には手放しで褒めちぎられ、母には「まぁ、かわいい」っと伝説のポケモンは我が家ではすっかり哀願動物と同じ扱いをされている。
唯一まっとうな精神構造をしていたイトコのゴールドだけが、有り得なすぎると顔をひきつらせていたのが記憶に新しい。
うん。ふつうはそういう反応だよね。
オレもそう思う。

『・・・・・・』

そういう意味では、もしかするとまだ今回の六匹のてもちは打倒な選択だったのかもしれない。
 今頃、そこそこ広大な敷地をもつイトコ邸、ポケモン屋敷では、優雅にファイヤーが空を飛んでいることだろう。
フリーザーあたりは母が毛並みの手入れをしていそうだ。
サンダーは豪快なあの伯母とバトルでもしているかもしれない。

 やっぱりとんでもないな。恐るべきは『ポケモン屋敷』



「はは。本当には強いな〜」
「・・・先輩〜。あれは強いとか言うレベルを超えてるっす!!というかさん半端なさすぎ。むしろ強すぎっす!!」

 困ったような顔でわるいわるいと笑っているレッドさん。
それに激しく突っ込みを入れているゴールド。
二人のやり取りに、飛びかけていた意識が現実に引き戻される。

 慌ててそちらへ視線を向けると、なみだ目でチクショー!と暴れているゴールド。
あーあ。手にしていたキューを地面にたたきつけちゃって・・・。
らしくないよ。
それをなぐさめるようにポンポンとゴールドの肩をたたくレッドさんは、何か言いたげにオレを見てくる。

いや。えっとなんですかその視線!?

やりすぎ・・・って感じじゃないな。
なんか“感謝”されているような・・・。
なんで?

――全力じゃないんだろ?

口パクだけでの言葉。
レッドから伝わってきたそれに、思わず渋い顔を返してしまう。
そんなオレに苦笑を浮かべるレッドは、15歳という年齢以上に大人びて見えた。

「ほらゴールド。いつまでひねくれてんだよ。おれが悪かったって。まさかがあそこまで強いとは思わなくてさ〜」
「コテンパンす。俺の心もボロボロっすよ〜」

≪ご、ごめんゴールド!オレには悪気はないんだ!
ただちょっとばかしあいつら過保護で戦闘狂なだけなんだ!≫

必死にメモ用紙に言葉をつづるオレに、ゴールドとレッドさんの顔がひきつった。
あれが『過保護』というレベルなのか・・・。
二人の顔にそうありありとかかれていたが、実際もっとオレに依存している奴が今の手持ちにはいるので、返す言葉が浮かばず思わず視線をそらした。

「さ、さすがはあちらのレッド先輩っすね。まったく歯が立たなかった・・・」
≪あ、相性の問題もあるし・・・ごめんね?≫
「あ〜・・・もうどうでもいいっす。とりあえず次は絶対まけませんから!!」
≪げんきになってくれたならいいんだ≫

こっちのゴールドは随分と前向きのようで、と思想の子供のようにすぐにガバリと起き上がるとうおー!と叫びながら次のバトルにそなえて修行だと騒ぎ始めた。

っが、しかし。
そこへ少しなにかを考えるそぶりをしていたレッドさんが、爆弾を投下した。

「あ。そうか!もしかしてもポケモンリーグチャンピオンになったことあるとか?」

その言葉に自分のポケモンたちと騒いでいたゴールドの動きがピタリととまる。
ギギギギと壊れたロボットのような鈍い動作で、青褪めたゴールドがオレをみる。
そのあまりの不気味さに内心「ひっ!」と悲鳴を上げたがなんとか顔には出さないようにして、なんか幽鬼のようなゴールドから視線をそらしつつレッドさんに頷くようにメモをとる。

≪はい。十歳のとき迷子になってさまよってたらなぜかリーグ戦登録されててそのままなぜかチャンピオンに・・・≫
「はは。そりゃぁ強いわけだよなぁさすがは“おれ”だな。
わりーなゴールドあいつの強さを読み間違えちまったみたいだ。だいじょ・・・じゃなさそうだなゴールド」
「レッド先輩。俺には無理っす!!レッド先輩にも叶わないし、ジム戦やってバッチ集めてたわけでもないし。ましてやさんって“別世界のレッド”先輩っすよ!
しかもチャンピョン・・・・・サーセン。無理ッス俺。
再戦?いやいや、マジで無理だから。せ、せめて・・・実力差をわかってたなら手加減を・・・」

ひゅ〜

ああぁぁぁーーーーー!!!
や、やばい。
なんかゴールドの魂が抜けていく音が聞こえるようだ!

『ひー!!ゴ、ゴールドぉ!?しっかりしてー!!オレのはただ世界のレベル差で!強くならなきゃいきていけなかったからで。この強さは必然というかなんというか!!そんな絶望しないでー!!君だって強くなれるに決まってるから!!』

そのままよろよろと力なくしゃがみこんだままのゴールドに、オレは必死になって言い募るも、うっかりしていて、口でしゃべってしまった。
紙に書かなかったせいで、オレの言葉は音として響かない。
それにハハハとゴールドから今にも魂が抜けそうな空笑いが漏れ――

「すんません何言ってるかわからないっす」

ガクリ

ゴールドは倒れた。



「『ゴールドぉーーーーー!!?』」










 こうしてオレは、シロガネ山にて、ゴールドとの戦いを終わらした。

って
あれ?

これってゲームでもあったシーンだよね?
山頂の吹雪の中にいた半袖のレッドさんにつっこんだ記憶があるし・・・。

ってことはなにか?

これが“ゴールドVSレッド”のフラグだったとか。
いつのまに終わってたフラグよぉ!?
やっぱし、オレは半袖でした。

どこまでオレの人生はゲームに忠実なんだぁーーー!!








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つづく・・・








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