赤 色 逃 避 行
- 伝 説 で い こ う ! -



03.対人恐怖症の赤








side 主人公








 はじめに宣言しよう。
オレはダメ人間である。

 先程のくんの見事なつっこみにより帽子がふっとび、オレの視界がいつもより広がっている。

 オレが“本物のレッド”によってつれてこられた世界では、モンスターボールさえもっているなら、目が合えばそれは合意となりすぐにバトルがはじまる。
ぶっちゃけ話すことができないオレは、筆談をしようとメモをとりだす時間が必要で、それをしようとモタモタしているあいだにバトルはいつもはじまってしまう。
おかげですっかり人見知りになった。
なので家から外に出るときは、できるだけ目を合わせないための策として、常に帽子をかぶるようになっていた。
 それでも帽子とはふきとばされやすいもの。
オレは帽子の下の少し長めの前髪を下ろした。
それはバトルを挑まれるようなことがないようにようにでもあり、家族以外に同じ色彩のいない派手な赤色の目を隠すためでもあった

 ――そんな深い意味を持つオレの赤色の帽子。

 だけどそれも最近では意味をなさなくなっている。
オレがポケモンリーグでチャンピョンになったせいで、ファンだと名乗る軍団には襲われるし、声をかけてきたかとおもったら突然バトルを仕掛けてくるわ・・・。
オレは知らないのに向こうは知ってるとか凄く怖い。
しかももっと怖いのが、バトルをしかけてこない集団の女性たち。
あのひとたちはやたらとオレにベタベタふれるは、セクハラしてくるわで、本気でカンベンしてほしい。
おかげですっかり人見知りが、いまでは対人恐怖症にまでなってしまったほど。

 自分で言うのもなんだけど、オレはものすごい弱虫でへたれだ。
 本当はずっと家からでたくもない臆病者だけど、家は“本物のレッド”が残していった恐怖の記憶を思い出すので外に出るように心がけている。
だけどたぶんOKでれば、間違いなくヒキコモル。
しかもポケモン恐怖症。
ただの人見知りは対人恐怖症に進化し、セクハラまがいのことをされまくったのであんまり触られるのも好きじゃない。



 三重苦――。
好きに言えばいい。
たぶんそのとおりなのだろうし、きっと三つどころじゃないほどオレはヘタレだろうから。

 そんなオレが、見知らぬ人のアップを見て耐えられるか。
答えは決まっている。
否――だ。
顔の筋肉が固くて動かなかろうが、“本物のレッド”の呪いのせいで声を奪われて話せなかろうが・・・・・・オレの心は悲鳴を上げている。



 目の前には、『赤』が印象的な15,6歳の青年。

 そう。帽子がなくなりはれたオレの目の前には、おぼれていたオレたちを助けてくれた人がいる。
おぼれているオレをひきあげるため、彼はわざわざとびこんでくれたのだろう。
温泉水だったからからよかったものの、相手もオレもくんもびしょぬれだ。
その彼が、心配そうにオレを見ている。

『え、えっと・・・あの・・・・・』

 なんとなく助けてくれた赤い目の少年のキラキラとしたまっすぐな視線に思わずたじろぐ。

赤い目。
赤い服。

 はじめに目に入ったのが“赤色”だったからか、とっさに彼と自分が似ている気がした。
たぶんそれは色合いだけじゃなく服装のせいもあるのだろう。
彼の服は、オレとほとんど同じデザインで、赤と白を主としている。
髪は黒で――オレは母親似でくせがつかないけど、色は同じだ。
ただ彼はオレと違って、髪の癖が強いようだ。現に湿気をふくんでかなりしおれて顔やらに張り付いてはいるが、彼自身の明るい性格を体現しているかのようにその黒髪はあちこちつんつんしている。


ん〜。でもやっぱり似てるような・・・。
ほら、目の色だけじゃなく、顔の造形なんかもさ。
なんとなくだけど、似てる・・・かも?

でも親戚にはこんなひといなかったような気がするけど。
ってことは――


『・・・・・・も、もしかして』



オレのコスプレイヤー!?



『いやぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!』
オレ死んだ!

 なぜこうもオレがコスプレイヤーを怖がるか。
それはオレがチャンピョンになったとたんオレに話しかけてくる人種が増えたからだ。
それもこれも、「ファン」とかいうなぞの集団ができて、よくオレと同じ格好をしているひとをみるようになったのも一因。

そして目の前には損な彼らと同じような格好の青年が一人。

まさか目の前の人も“あれ”の一種なのか!!
あの怖い集団の一味!?

ど、どうしよう!?

思い出しただけで体ががくがくと震える。
“彼女達”の怖いところは、洗濯ものとか、ほしていたオレのパンツとかを容赦なくもっていってしまうことだ。
しかも街中で会えば、甲高すぎて耳が痛くなるような高音域で奇声をあげながらオレにせまってくる。
あの迫力はそこらのリザードンに睨まれるよりはるかに怖い。
恐るべき団体の力。
しかも迫るやつらが男ならバトルを挑んでくるし。
女ならベタベタさわってくるけどポケモンを出すわけじゃないから攻撃も出来るわけじゃないし。

対人恐怖症にもなるわ!!



「なぁ。おまえって強いよな!さっきのピカチュウの動きも凄かったし!!おまえのポケモンすごいなぁ!」

 目の前の青年はどうみてもオレより数年年上。
しかもどうみてもオレそっくりの井出たち。
や。髪形はあんまり似てないけどさ・・・。

ってかあんまりこっちみないでぇ〜!

・・・え?
ちょっと待って。
なに、その目をキラキラさせて今にもモンスターボールに手をかけそうなそのそぶりは!?

今度はポケモンバトルですか!?



ねぇ・・・泣いていい?



 なんかもう頭がパニックに陥った。
むしろそろそろ三重苦の本領発揮で、震えそう。気絶しそう。死にそう。
目の前に知らない人がいるだけで耐えられないのに、距離が近い。
いやね、助けられた矢先だからってのはわかってるけど・・・・・・それでも怖いものは怖いんだー!!

も、もう・・だめ・・・。


『たすけてくん!!』

 さすがにこれには、声が出ないのも忘れて口をパクパクなってはたからみたら怪しいのだろうけど、そんなことかまわずに本気で叫んでしまった。
ちょっと離れた位置でぬれてびしょぬれになった身体をかわかしていたくんが、オレの“声”を聞いて振り返る。

『今度は何したのさレッド!?』
『えぇ!?悪いのオレなのっ!?ってか、もう断定!?!』

いやいやいやっ!!まだなにもしてないよ!!
ってか、なにかしたおぼえがあって事件に巻き込まれた覚えは一度もないからね!!

とりあえずうったえてみるも信じてもらえない。


「へぇー綺麗な目だな。ってか、お前ここケガ・・・」
『え?』

そうこうしているうちに目の前のコスプレイヤーさんがオレに手を伸ばしてきて――


ヒィーーーー!おそわれるぅっ!!!!!!





「センパイ!大丈夫ッスか!!」

 そのとき救いの声が響いた――。








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ポケスペのレッドさんはとげとげ頭〜♪
本当は目は黒かった気がするけど、夢主レッドにあわせて赤色ということで。
ポエスペとゲーム番での共通の捏造は「赤い目は珍しい」です。
そんでもって夢主は相変わらずヘタレ具合炸裂中。
しゃべれないぶん夢主の内なるツッコミは激しいです(笑)
ポケスペではだれがどう夢主を勘違いするか・・・こうごきたい☆








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