伝 説 で い こ う !
- ポケット モ ン スター -



06.赤色こそ君の色








:: レッドになった主人公視点 ::








 オレは極度の人見知りだ。
くんのせいでポケモンに襲われ続け、半ばポケモンさえも怖くてしょうがないのだ。
マサラタウンは小さな田舎町だけど、仲良くしてくれるのは母さんとグリーンだけ。
なのに母さんは、ジョウトのおばさんと一緒に船旅に出てしまうし。
すねて家を飛び出したらオーキド博士に声をかけられて、 ポケモンが怖くてしょうがないのに博士の研究所に連れて行かれるや否や、 なぜか種を背負った生き物――フシギダネをおしつけられた。

こ、このモンスターボール…中身が見える!!!!

顔が引きつった。
腰も引けた。
モンスターボールの中から、 不安そうに見てくるフシギダネに本気でごめんとあやまったら「だいじょうぶ?」と声が聞こえた。
こ、こいつ。いいやつだぁ〜!!!

でも、モンスターボールに入っていても怖い。

勘弁してくださいと願いを込めて、チラリとオーキド博士みたら…なんかいい笑顔でウンウンと頷かれ、 しまいにはポケモン図鑑まで渡されて旅に出された。
 家の前まで背を押され、荷物を取ってこいといわれて振り返れば、 すでに旅の荷物を準備し終わった母さんがスーツケースとリュックを両手に玄関の前で待ち構えていた。

「予想よりも早めに姉さんがカントーにこれるらしいの。 だからもういくことにしたから。ハイ、これね。れーくんの荷物。 あなたも旅に出るんでしょ?くんから聞いたわ!!れーくんの引きこもりを直す旅に出るんですってね。母さんうれしくてうれしくて。
くんに迷惑かけちゃダメよ。あとたくさん友達をつくってくるのよ!」

母さんはちゃっかりオレの旅支度まで終えていた。
そのオレのリュックを押し付けられ、お気に入りの赤いキャップを頭に乗っけられ、 それじゃぁ〜ねって笑顔で彼女はマサラをさっていった。

母、強し。

「どうやらお母さんの許可も得たようじゃの。気をつけていくんじゃぞー」
『え?えええ!!?ちょっと待ってよ!!決定なのぉ!?』

 オレがレッドであるべき道を行くのは必然らしい。





 赤い帽子をかぶって、背に母が用意してくれた(なにが入っているか不明の)リュックを背負おう。
腰にモンスターボールがみえる。
今日たまたま着ていた赤と白のオレのTシャツがさらに、原作のレッドらしい。
あぁ、なんてゲームの主人公そのものなんだオレよ。

 涙を隠すために、赤い帽子をギュッと目深までかぶる。
念話になれたオレは、パクパクコイキングみたいに口を動かすのをいつしかやめたから、口をキュッとひきしめる形になる。
モンスターボールでも中にポケモンが入っていると分かっているものを直に触るのはイヤというか無理だったので、 鞄の中を漁って手袋を見つけた。
もしかするとこの手袋、冬用かもしれない。
季節はとりあえず無視してそれをつけてから、震える手で腰のベルトのポケット部分にフシギダネのリーフをいれる。
口元がひくひくと引きつったのは仕方がないことだと思う。
だってくん以外のポケモンは苦手なんだぁ〜!!
内心涙を流していると、ちょうどいいタイミングでピカチュウ姿のくんがもどってきて、オレを警戒するような演技をした後、 匂いをかいでからなついたようにピョンとオレの肩にとびのった。
くん、名演技!
こわかったよ〜と訴えれば、ピカチュウに化けたくんがギザギザのシッポで軽く頭をなでてくれた。
それだけが救いだ。
 怖かったんだから!と、とりあえずこの怨みはらさずべきか〜と思って、凶悪の根源であるオーキド博士をキッと睨みつける。
オレがおもいっきり叫んでも聞こえないのが分かってるから、怒気混じりに睨むことで留めておく。

『トキワジムのお店で何か頼まれても絶対戻ってこないから!!』

声が聞こえないのは分かってるけど罵声と捨て台詞だけはいて、 ブンと音が鳴りそうなほどのトゲのありまくる90度の礼をして、くんを肩にのせたまま走り出した。



 うわーん!!!
ポケモン触れないのに、どうやってセキエイ高原までたどりつけと!?
どうやって最高Lvが65をつれてる四天王なんてのに勝てっていうんだよ!!

レッドポジションなんていやだ〜〜!!!!








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