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03.ポケモンと赤色の関係 |
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:: レッドになった主人公視点 :: レッドに生まれかわった()です。 はっきりいって―― いますぐ助けてください。 毎回毎回違うポケモンに変身して側にいてくれるミュウのくんはともかく、他のポケモンは怖くて怖くてしょうがありません!! 『な、なんでいつも側によってくるんですかー!!』 『そりゃぁ、あれでしょ。ボクが側にいるからじゃん?』 『こわい!近い!!いやぁ!!怒らないでくださいそこ!!』 さすがは世界のミュウ。 はじまりのポケモンとさえいわれるほどの特別な存在だから、 ポケモンたちは彼が"何"であるか本能的に理解して、彼を守ろうとする。 そんな大人気なミュウ様様なので、そんなミュウをひとりじめしているオレはいつもポケモンたちに嫉妬やら 、警戒を抱かれててんてこ舞いだ。 オレがどうなったかというと、怒り狂ったポケモンたちにからまれたわけです。 鼻息を荒く「人間はドケ」と怒っているディグダによって腹に見事な頭突きをくらい、その勢いで倒れたところに、ナゾノクサが顔のそばにやってきてユラユラと葉を寄せてしびれごなをまいてくださった。 ミュウからオレの方によってきてくれているのに、彼らはなにを誤解しているのか、オレがミュウを捕まえたと思い込んでは攻撃してくる。 それが間違いだとしるや、今度は嫉妬?だ。 こないだは博士に預けられていたどっかのだれかのポニータさんが炎の鬣を擦り付けてきたので、焼死しかけた。 おとなしいと評判のポッポまでもオレを目の敵にしたように群れでとびかかってきた。 バタフリーは空からオレにねむりごなをまいてきたりした。 そんなにオレが嫌いかおまえら!! 内心で泣きながら突っ込んだら、全員一致で「嫌いだ」といってきた。 本当にミュウ様はこの世界の至宝らしい。 当のミュウ様は、今日はコラッタに化けてオレの上で腹を抱えてケラケラと笑っている。 おまえ、止めろよ。 この光景をさ! 『ならさっさと旅に出るといいよ。 この町はマサラ。真っ白な空気を意味するここは、ポケモンたちがもっとも力を発揮する汚れのない清浄な地。 ゆえにマサラタウン。 他の場所よりもポケモンたちはボクたちの存在に敏感なるのも当然さ』 『マサラだからマッサラで白くて清浄!?どんなジョークだよそれ! ってか、オレが人見知りなのしってるだろ!!ここでさえ母さん意外と顔を見て話せないのに!! そんな人が多いところいったら死んじゃうよ!!』 『だからボクがいるんだってば』 そういうとミュウはコラッタからバタフリーへと姿を変え、フワリと飛び上がるとオレの頭の上に乗っかった。 『君の魂の半分はボクの。ボクの魂の半分は君の。相棒のサポートぐらいはしっかりやるよ』 『さすがミュウ様、様!ポケモンのくせにかっこよすぎ!』 あぁ、走馬灯が見える。 オレの周りがキラキラしていることから、群れるポケモンのどなたかが技を使っていると思われる。 だれか"あくむ"とか"どくのこな"とかそういった技を使ってないか?と問いたい。 ねぇ、きみたちさ。オレが死んだらくんも死ぬって理解してる? そろそろ、やばいな。 世界が回ってきた。 『…君はヘタレすぎだよバカ』 遠くでくんの声が聞こえた気がしたけど、オレはそのまま意識失った。 *********** ポケモンになぐられ、死ねと言わんばかりの技を複数かけられ、走馬灯がめぐるめぐるめぐる。 ぐるぐるぐる・・・。 思い返してみれば、同じようにグルグルと目が回って走馬灯を見たことがあった。 そう。あれはオレが"向こう"で事故にあったときのこと。 目覚めたらレッドだったオレのはじまりの日。 オレ、たぶん死んじゃったのかな。 事故にあったのは間違いないからね。 ――そう思った。 だけど気がついたら見知らぬ部屋のベッドの上。 病院でもなさそうだし、わけがわからなくて、ベッドからおりて周りを見渡して気付く。 どうやら子供部屋らしい。 そこで目に入った鏡を見て、驚いた。 目が覚めたら黒い髪に赤い目の5歳くらいの子供になっていた。 あれ?オレ、生まれ変わったんじゃないの? なんでもう育ってるの?って、ことは…これは憑依か? じゃぁ、この身体の持ち主はどうしたの!? 『今頃は君の体で好き勝手してるんじゃない? なにせもとから別の世界にいってみたいとか考えてた子だったからね〜』 「(って、だれぇ!?)」 叫んだけど、声は出なかった。 声が出ないけどしゃべろうとする本能が口を動かすので、鯉のように口をパクパクとさせることになった。 出ない声にも驚くが、目の前で浮かんでいる生き物の存在のほうが驚いた。 その白く光る物体は言った。 声がでないのはオレが生き残るための代償だったと。 つまりオレがこの肉体でもってこの世界で生き返るために必要な代償であり、もう二度と声は出ないらしい。 いや〜!!っておもったけど、目の前の相手にはオレの心の声が通じるらしいのでOKとする。 (それで君はだれさ?) 『誰ってボクはボクさ』 (だからだれ?っていうかこれどういう状況?) 驚くオレの目の前にはいつのまにか一匹の…ポケモン? ――ポケモンによく似た生物が浮遊していた。 この輝き具合はあれか!? あの超大作ゲームの初期作で幻といわれていたあの・・・!! いや〜。本当によく似ている。 でも本物のポケモンがいるわけないからね。 なにせあれは空想の生物。 じゃぁ、この謎の浮遊生物はなんなんだろう? 『似てるんじゃなくて、ボクは君の予想通りのポケモンさ。 君の体の本当の持ち主がもうこの世のものとは思えないような怪しげな術で異世界にいっちゃってね。 その行き場所が君の身体。っで、あの子の巨大な魔力だか、妄想力の強さのせいで君は魂だけ身体を追い出されちゃったんだよ。 それであの子のかわりに君がこっちにきちゃったわけだけど…。 本当についてないよね〜君。 君は被害者なんだよ、かわいそうに』 (そのこ、何者!?ってか人の体になんばしよっと!!) 『かわいそうだけど君はもう戻れない。あの子はまったく戻る気はないみたいだしね』 (まじかい?) 『まじだよ。だから君は好きに生きればいいよ』 頭の痛い話だ。 なぜか目の前にいるのは、ゲームやアニメでしかお目見えしたことのない架空の生物であるはずのあのポケモンだという。 そしてオレはやっぱり事故にあったらしく、その衝撃のせいで魂が入れ替わってしまったらしい。 それも故意的に…。 驚いたことにそれをやり遂げたのは、たった五歳の子供だという。 話によるとそのハイパーミステリーな五歳児は、本来のオレの身体をのっとってもう好き勝手やっちゃってくれているらしい。 つまりは"向こうでのオレ"は、事故の後遺症で頭のネジが飛び、術やら黒魔術に目覚めちゃった系な人間になったと。 そんな『オレ』いやだ。……あぁ、想像もしたくない。 この際、"向こうでのオレ"のことは何も考えないようにしよう。 せっかく生き延びれられたんだから、生きないと損だと思うし。 あれ?でも、この世界ってなんの世界? 疑問が顔に出たらしく、ミュウはちょっと気まずそうな顔をしていた。 (ねぇ、この世界ってどういう…) 『君なら普通に生きてれば自然と理解するんじゃないかな。 でも今のままじゃパニックおこすだろうから、教えてあげるよ。 ま、まぁ…魔力とかそういうのはあの子しか持ってないから無理だけどね。 ここは額に雷マークの子が英雄だったり、美少女戦士がセーラー服でエイリアンと戦うこともなく、 魔女っ子ステッキをもったバトル少女達が呪文を唱えるような魔法の世界じゃない。 ポケモンと人間の共存する世界。 君の、の記憶を読ませてもらったけど、君がゲームとして知る世界そのものだよ。 ちなみにボクは君の知識で言うなら、初代カントー編で幻の151匹目とされたミュウかな?』 (やっぱミュウ!!) 『ミュウっていっても他にもいっぱいいるし、それ固有名詞だからね。が名前でもつけてよ』 (なんで?) 『だって、ボク。これからずっと君といるし』 (なんだそりゃー!!) 『代償だよ。あの子、魂を入れ替える条件にボクまでまきこんだんだよ。 ミュウの力こそ魔力のそのものだーとかいっちゃってさ』 (念能力のことかな?あとミュウはポケモンの原点っていうし…) 『たぶんね。おかげで君の魂と少し混ざっちゃったんだよボクの魂が。 だからこうしてと話ができるわけだし、君の記憶も読めたというわけだよ』 (・・・そ、そこ笑うところ?) 『よせやい。ここは二人で嘆くところだよ』 (そうだね) ミュウと二人で、うなだれた。 オレはまた五歳児からやり直しか。 いい年した大人が子供からなんて、本当にため息が出そうだ。 でもポケモンの世界なんて、ちょっと楽しそうだね。 『ところでなまえ。ちょうだいよ』 言われた言葉に、ガバリと顔を上げる。 この生きる伝説は今なんと言った? 『名前〜。名前頂戴よ。これからずーっと。君が死ぬまで一緒にいるんだからさぁ』 (ええー!!一緒にいるって本気だったの? 一般人がミュウなんかつれてあるいていたらRな組織とかに集中的に狙われちゃうよ!! いままでただの一般人だったオレに戦闘とか無理だから!!) 『ボクはミュウだよ。そのくらい違うポケモンに変身してにげるさ。 さぁ、名前頂戴な』 (ま、まってよ!名前をここできめたら一生もんだよ!そう安直な名前はよしたほうが…) 『だから、かんがえてっていってるんだよ』 どうやらオレとミュウの魂は、どれほど離れてもどこかでつながっているらしく、離れられない間柄であることが判明した。 この知っていて知らない世界を生きるためのナビゲータとして、運命共同体の彼と仲良くなったその日。 オレは伝説のポケモン、ミュウに""と名前をつけた。 |