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05.父とナルトとうずまきと… |
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飴色ひとつ。 金色ふたつ。 赤色ひとつ。 あなたが怖がるのは何色か。 わたしはそれをこう呼ぼう。 「飴色の子供はあきれはてる」と―― あきれてものが言えぬぞ、父よ。 :: side 並風ミナモ :: 金色と出会ってから、しばらくして「物凄く心配した」とわたしを探しまくってドロドロになっていた花太郎と山田カナタと合流し、無事に家に帰った。 家ではまるっぱげが眩しい父が、職場先の料理店のエプロンをきて台所で軽食を作っていた。 父は木の葉の里にあるしがない料理屋のコックだ。 ちまみに忍びよりメチャクチャ給料が安い。 服装からして、どうやら仕事の合間に、家に帰ってきたようだ。 すぐに職場に戻るのだろう。 とりあえず。うかれていた父に、今日は何があったのと聞かれたので正直に答えた。 「父よ。今日、うずまきナルトにあったぞ。赤くはなかった。むしろオレンジだった」 「う、うずまき…?」 「そうだ。みなが化け物だと呼ぶが、わたしにはただの子供にしかみえなかった」 「ぎゃぁーーーーー!!!!!!いやだ!にげるんだ!ミナモ、マリモ!!クシナが!『赤い血潮のハバネロ』がくる!!」 っと、まぁ、こうだ。 父がナルトを避けるのは、その『うずまき』という姓に恐怖を覚えているからだ。 よほど怖い思いをしたのだろう。 父にとって『うずまき』は心の傷のようだった。 なんか父も哀れだな。 それよりただの日常報告が、傷に塩を塗る行為になってしまった。 すまない父よ。 次からは気をつけよう。 :: side 金色のこども ::
初めてソレを見た瞬間は、きれいだと思った。 オレと同じようで、でももっと透き通った感じの琥珀のような金の髪色。 まっすぐと強い意思を載せた淡い茶色の瞳は本当に強くて、オレもああなれないかなとさえ思ったんだ。 その子はオレにはあまりにキラキラしていて太陽のようで、なにもかもがオレとは違うように見えた。 その子とあったのは、アカデミーの林の中。 目の前のブランコを探していた――迷子だっていう変な女の子だった。 オレが名乗っても、化け物だって攻めることはなった 友達にも絶対に苗字を名乗りたがらなくて、オレのことを『化け物』とは違う目で見る不思議な子。 何度かそのお父さんらしきスキンヘッドにあったことがあるけど、あの人もやっぱしオレを『化け物』としてはみてはいなかった。 それが嬉しかった。 「ん。おや。その子は?」 「父。友達だ」 「え、ミナモのお友達!?それはすごい。こんな口ベタのミナモには絶対ハナ君たち以外の友達はできないと思っていたよ! いやぁ〜、君、うちの娘がお世話になっているね!こんな子の友達になってくれて本当にありがとう!!」 そういって涙を流しながら握手を求められたときは驚いた。 思わず 「お、オレ、化け物で…」 こんなこと初めてで、どうしたらいいのかわからなくて慌てて手を離そうとしてそう言ったら、おじさんはペチンとオレの頬を軽くたたいた。 痛みも何もないほどの優しさで。 そのあと視線をそらさないようしっかり両頬を押さえられて、まっすぐに視線を合わしてきた。 「なにいってるんだい少年!化け物とは貯めたお金もすべて尽きたひもじい瞬間に訪れるあのむなしさのことだよ!君のどこが化け物なんだい!?君は君だよ!」 そう真剣な眼差しで言われた。 そこにはオレを化け物という目は一切なかった。 「周りがなんといおうと、君自身はどう思ってるんだい?」 「……っ!!オレは…オレは……なんかじゃ………ちがう!!」 「なら自分から化け物なんて認めちゃダメだ。最後まであがかくちゃ」 じいちゃんにさえ言われたことのない言葉。 それをさらっと言ってしまって。 あっけないほど簡単にオレを認めてくれて―― 頭が一瞬真っ白になった。 「父はまだあがいてるがな」 「それはそれだよミナモ」 嬉しくて、お礼を言おうとして。 そこでもう一度勇気を振り絞って声をかけた。 「あの…」 「あぁ!うっかりしていた。わたしはなみ…じゃなくて、ミゾベ。きみは?」 「そういえば父にはまだ紹介していなかったか」 「オレ?オレってばうずま…」 「ひぃ〜!!!!!!!」 「「あ…」」 ミゾベさんはオレを認めてくれてるんだと思った。 だけど名前を言った瞬間おびえられて、またかと泣きそうになった。 でも…なんだろう? いつもと違う感じの“拒絶”に違和感を覚える。 そもそも『化け物』という単語ではなく「ハバネロが〜!!」と叫んでるとこからして、何かが違う。 泣きながら去っていくスキンヘッドが遠くでキラリと輝いた。 結局、ミゾベさんは最後までオレを化け物とは言わなかったし、そういう目はしなかた。 だけど。やっぱりオレを拒絶されたのは痛くて。 名前を名乗ったから? でも『うずまき』の途中段階で悲鳴を上げて逃げられたのはなぜ? もう頭の輝きしか見えないほど遠くに行ってしまったミゾベさんをみて、やっぱり嫌われたのかとおもって泣きそうになったら、ポンと隣にいたミナモに肩をたたかれた。 「すまんわたしの父が。あれは『うずまき』というものが怖いんだ」 オレじゃなくて『うずまき』が怖い? どういうことだろう? ミナモはオレの考えてることがわかるのか、いまだ聞こえてくるおじさんの悲鳴が遠ざかっていく方を呆れながら見つめつつ教えてくれた。 「たとえば水に渦を撒いているのを見ると震える。父の前で『うずまき模様』なんて単語を言えば絶叫を上げる。赤いトマトをみると「殺さないで!」と土下座する。ハバネロをみると気絶する」 「ううわぁ…。それ、共通点どこだってば?」 本当に共通点は何処だ? 聞いててなぜか冷や汗が出てきた。 なんでこうも申し訳ない気分になるのかはわからない。 ミナモは肩をすくめて言った。 「父いわく、すべてが昔のいじめっこたった一人につながるらしい」 「へ、へぇ…(汗)」 「とりあえず。父の前で苗字を名乗らなければ問題はない…と、思う。たぶん」 翌日、なんとなくいつもとは違う何かを訴えかけるような痛いほどの視線を感じてふりかえると、壁に隠れるようにミゾベさんがいた。 顔だけのぞかしていて…あまりの眩しさに目が離せなくなった。 な、なんかいたー!!! 「あ、あの…ナルト君。き、きのうはごめん、ね。 あ、あとその。俺の前では絶対にフルネームでなのらないでください。お願いします」 しかも逆に泣きながら謝られた。 ミゾベのおっちゃんは本当にオレじゃなくてうずまきが怖かっただけみたいだ。 ―― よ か っ た ――…。 :: side 飴色のこども ::
「うちのお父さんが申し訳ありませんでした!」 並風マリモは三代目火影の執務室で、ペコリと頭を下げた。 「そうか。おぬし達は“ナミカゼ”の…」 「はい。クシナちゃんとは出産前日まで一緒でしたし、私は彼女とは仲良しだったんですけどね」 「おぬしらは口が堅いから信頼が置けるとミナトも言っておったから彼女を任せられた」 「いえいえ。さすがに上層部にクシナちゃんのことばれるのはだめでしたからね当時は。 それより、うちのお父さんが本当に申し訳ありません。 あのひと本当にクシナちゃんが苦手みたいで。 そのせいで火影様の可愛がっているお子さんを傷つけてしまったようで」 「どうせミゾベのことだ。あやつの中の九尾の存在よりクシナにおびえたのだろう? なら、ナルトにとっては救いじゃよ。 おぬしらはナルトをナルトとしてみてくれておるのじゃから」 帰り際、彼女は爽やかな笑顔で語ったそうな。 「10月10日がきたら…」 「マリモ?」 「ナルトちゃん攫いに行きますんで」 「は?」 「いやですわ火影様。うちの子も誕生日なんですよその日。 っでもって、クシナちゃんの子を傷つけるような火影様なんて嫌いです。それではごきげんよう」 マリモはそれはそれは普段と変わらない笑顔でもって、里の長を切って捨てたのだった。 2010.08.02. 改 2014.04.01. リンク復帰 マリモ母さん最強伝説。 クシナさんとマリモは10月9日までは結構側にいたという―――捏造。 |