有 り 得 な い 偶 然
第6章 夏 目 友 人  帳



39.朱金の九尾





転生を繰り返していると。
なかには、オレというイレギュラーを嫌う世界もあった。
またあるときはいることを許され、寿命が来るまでいれる世界もあった。
今回のオレはひとつまえの【NARUT0】世界が、まさにそれだった。

長く生きたオレは九尾とまざり、そして――。







::: side 夢主1 :::







 ナルトになっていろいろやって、いままでにないぐらい笑って、生きて、死んだ。
楽しかったと思う。
大往生なんて初めてだったから凄、く満足した人生だったはずだ。
でも目を閉じても意識は途切れず、相変わらず目はひらいて、オレの物語は続いた。

 そうして今度は地球の現代日本に生れ落ちた。
始まりの世界に、帰ってきた。そんな感覚は―――なかった。
なにより生まれたオレは人ではなかったから、へたするとここもなにかしらの原作のある世界かもしれない。
たとえば妖怪がメインのなにか。
なぜ妖怪化というと、だってオレの背後には、ゆらゆら揺れ動く見事な朱金の九つの尾があるわけで。
これはどこからどうみても九尾の狐だろうって感じなのだ。
 なぜこうなったかといえば、ナルトとして死ぬときに、そのまま九尾をつれてきてしまい、転生する際に魂が見事に混ざったためだ。
それが原因で生まれながらに九本の尾を持つ狐として生まれた。
なお体毛は、みごとにオレの赤毛に九尾の金色がまざった感じの、朱金色の体毛だ。
以前でさえ派手な金髪に赤メッシュで、オレンジの服というカラーだったのに、こんなんイヤだ。
妖怪という者は闇にひっそりと生きるものだろう!?
ただしオレのつっこみに帰ってくる答えはない。

 そんなこんなで、しかたないので常日頃からがんばって気配を消すようにして、目立たないように目立たないようにって生きてるけどさ。
さすがに限度があってだな。
人に見つかる前にとオレは山の奥へと引きこもったんだ。
 っで、そこにはわんさかと妖怪やら魑魅魍魎がいて、目立つどころかあっけなくオレはやつらの一員に加わることができたりした。

 オレ、ただの色が派手な尻尾の数が多いだけの狐ではなく、本当に妖怪になったらしいです。
オレを生んでくれたのは、普通の狐だったんだけどなぁ。
世界の神秘は果てしなく理解不能のなぞである。



 数百とちょっとを狐と過ごしてしばらく
オレは酒が湧き出る森に辿り着いた。
空気の澄んだそこで昼寝をしながら過ごしていれば――

あれ?

なんでか、オレは森の主と呼ばれていた。


あれれ?
なんぞこれ?











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転生しました。
今度はどんな世界かさっぱりわかってません。
だけど今度の自分が、ひとではないことだけはたしかです。

前世で混ざったからか?

混ざったから。
だから今世は、狐なのだろうか。
ってかもう普通の狐でさえないし。
現段階でしっぽ九本もあるんだけど!?








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