有 り 得 な い 偶 然
第4章 B L EA C H



26.未来と過去を飛ぶ魔法の絨毯





 ただいま謎、いや、失礼。時空の歪みから空中へ放り出され、即席魔法の絨毯(四隅にはしっかりふさふさの飾りがついている)でゆっくり落下中のオレたち。
)は突然のことに、はじめは、状況を理解できていないらしく驚いていた。
ああ、そういえば、オレの能力のこと言ってなかった気がする。







::: side 夢主1 :::







 は、別の世界で別の時間軸のオレに会ったことがあるらしい。
だが、オレ自身は知らない話なので、もしかすると今のオレにとっては未来の話なのかもしれない。というか、興味なし。
たぶんがオレの能力を知らなかったのは、彼女が会ったという“あちら”のオレは、能力をみせなかったか、見せることができない(使うことができなかった)状態だったのだろう。
それでも“以前”のように世界に拒絶されていない状態の今のオレならば、きっと前向きに生きて、彼女を別の世界でみつけたら、オレのことだからニヤニヤしながらをおちょくって遊んでいたのかもしれない。
可愛そうな
そんでもって“あちら”のオレよ。楽しかったか?
さぞ楽しかっただろう。

 事故で死んで転生やらトリップをしているが、あのとき死んでから〈今のオレ〉になってから、と会うのは初めてである。
しかし【モノノ怪】から【NARUT0】と、別の世界からトリップしてきたは、その世界のどこかで“オレ”に会っているという。
つまりトリップを続けている彼女と、転生をしていたオレでは、行く場所のせいなのか、時間軸がずれているということ。
ならば、オレの時間軸でも…時がたてば、やがてオレは彼女と出会うのだろう。
ここではない別の世界で。
が“あちらのオレ”と出会ったのは、彼女の言曰く、彼女が二番目にたどり着いた先の世界。
その出会いは、彼女にとっては過去。
オレにとっては、きっと未来のことだ。

―――ナンテオモシロイ。

 オレがオレのままで生きていい世界は、あのロジャーの側以外にもあるのだ。
この先、それにまためぐりあうことがあるということ。
ナンテ、ウレシヤ。ウレシキカ・ナ☆
ならば《夜宴》がいうように、“世界”をシナリオから外すのもありかもしらない。

 オレを生かすため。
そしてオレが楽しむため。
オレがうさをはらして前向きにならないと、元の世界にかえせない――とは、なにかを知っている《夜宴》の言葉だ。

 の言葉を信じるなら、オレは遠い未来に、別の世界に飛ぶ。
ああ。ならば、ならばならばナラバ、ナラ、バ……
“オレの世界”が死に、シャンクスしかいなくなったあの【0NE PIECE】世界以外にも、オレが生きていていい世界がどこかにある。
それはこの先の「死後」の希望になりうるほどに、オレの壊れかけた心に大きく響く。
 ならば楽しもうじゃないか。
そうだな。【BLEACH】での傍観はもうやめよう。オレがトリップしたこの世界がまだ始まりの序章であれ、そこから介入して壊していこう。
世界にはまだまだ面白いことであふれているようだ。

 ――生きよう。
オレは、生きていこう。

たとえ世界に見捨てられても構わない。
どうやらオレにはまだ未来があるようだから。



『楽しく行こうぜ☆』

「先輩?」
『うん。オレはどうやらこんなところじゃ死なないらしいね』
「は?突然どうしたんです先輩。頭でも打ちましたか?」
『君もうちの夜宴のように辛口の舌をお持ちで』
「本当に意味不明なんですけど」
『オレは未来で過去の君とであわなければいけないらしいからね』
「はぁ?」

まだまだ 死ねないってことさ。


 クスクスと思わず声が漏れた。
そうしたらから嫌そうな視線を向けられた。

「向こうの世界では、その節はずいぶんお世話になりましたっ!金輪際お世話は結構です!」

 それはそれは嫌そうに、まるで数十匹の苦虫でも食べたような顔をした後、何を思い出したのか遠い目をして――顔を青くして黙り込んでしまった。 あらら。ずいぶんといじめちゃったようで。
やっぱり“あちらのオレ”は君をいじくりまくって楽しんだようだ。

『あっはは☆ごめんて』
「くたばれ先輩」

『…いやだちゃんてばぁ〜。そんなこと言うから、オレに報復されるんだよ』


 アッハッハッハっと楽しくなって笑い続けていたら、「それをやめろと言ってるんだ!!」と青い顔して叫ばれた。
あら。本気になっちゃった?
いやいやいや。忘れないぜオレはさ。


 だってオレたちは〈今〉を生きてるんだ。

 そこにはシナリオなんてない。
あるのはオレたちの意志だけ。
後でシナリオの上で踊らされていたと言われても“今”という選択をしたのは、〈今〉を生きている自分自身なのだから。

だから自由に生きて何が悪い



 あ、でもね。
ちゃんと節度はわきまえてるから。“その世界の”常識は知らないけど。
わきまえてるからこそ、君だけをつっついてるんじゃないか。
この世界に来て、オレはまだ原作に介入してないし。
主人公に絡んでもいないしな。
もともとオレって原作に巻き込まれるのは嫌いなんだよ。面倒だから。
それでも巻き込まれれば開き直るけどね。
そうしたら介入して、完全に全部ぶっ壊す。そう、今、オレが決めた。
これがオレ流の意思の表し方だ。
 そういえば浦原さんとは茶飲み友達だったっけ。
だけど原作には触れてないはずさ。
一護に声をかけたことさえないぜ。
原作崩壊はこれからの予定。
そう、原作には

・・・・・・ふ れ て・・・・・・





「ない、はず…なんだけどなぁ」


 なぜだろうね。
雲が晴れた真下、空飛ぶ絨毯からみえた景色に、物凄い見覚えがあった。

いやだ〜さん、目が悪くなったかな。
あ、もとからだっけ。アハ☆

『・・・・・・オレの日ごろの行いはいいはずだ。に対する態度以外は』
「おいぃ!」
「マスター。あんた最悪だなメェー。マァ、お前もガンバレヨ、
「え!?最終的にはそうなるの!?」

 つっこみ、漫才、万歳三唱?上等だ。くそくらえ。
オレの真剣な顔に文句があるならのようにつっこんでこい。こんちくしょう。

『オレ…いますぐ浦原さんとこで鉄裁さんのおいしいお茶菓子食べに帰りたいわ』


 はっきり言おう。
空の下に、和風な都がみえた。

ありえねぇー











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グッッドラック平和な日々よ。
こんにちわ波乱万丈の瞬間よ。
こうなったからには、もういいよね。
壊してやんよ!世界のシナリオとやらをさ!
覚悟しやがれ。笑うのはオレだ!








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