20.転校という名のトリップ |
転校先が記載された紙と学生証を見て唖然とした。 《空座第一高等学校》 どうやら次のトリップ先は【BLEACH】らしい。 ::: side 夢主2 ::: わたしのトリップは“目が覚めたら”が鍵というのを確信した―――はずだったが、どうやら違うらしい。 げんにトリップした先の世界では、【NARUT0】が転生者たる先輩だった。 なにより、成り代わり主がいたことこそ、今までとは違うということ。 だからあちらの世界で、先輩たちが、時空忍術でわたしを元の世界に返すと言ってくれたとき、本当は心配した。 なにせわたしは、【モノノ怪】世界からトリップしてきた、所詮異邦人だからだ。 ならば・・・わたしはどこへ“帰る”のか? 否、どこへ帰れるというのだろうか。 しかしたどりついてみれば、“いつ”“どこへ”とぶのかというわたしの疑問は、わたしの予想を裏切る形で判明した。 目覚めたのは知らぬ、町の中。 そのときのわたしは、手に手紙をもっていた。 母と呼ばれる人からの――転入手続きの書類。 軽い近況報告などを綴った文と転校先の学生証を。 (これはだれの母なのだろう?) 当たり前だが、差出人は同じ名字でも “神崎(カンザキ) というわたし”を生んでくれた実の母とは違う女性の名前だった。 たぶんこれはこの世界の本来の“わたし”の母親の名に違いない。 それに違和感がないわけではない。 かといって、わたしの母の名前で来ても驚くのだが・・・ だが、とりあえず行く場所は明確になったことはホッとした。 この先無事にすむかは判らないけれど。 (転校先が決まっているのか・・・) 次の行き先を見て、いつの間にかわたしは世界を超えたことに気付いた。 空座第一高等学校――― 自分の予想通りならこの高校は、たしか【BLEACH】世界の主人公が通っていた学校のはずだ。 そういえば、わたしは転入試験を受けていないのだが、いいのだろうか? あとで聞いた話だが、どうやらそのへんは今の成績で快諾だったらしい。 そして―― 「神崎(カンザキ) です。よろしくお願いします」 「担任の越智だ。よろしくっ神崎」 予想に違わず、【BLEACH】の世界に渡っただけでなく、まさかの一護達のクラスへ転入だった。 また原作の側ですね。 なにがおこるのやら。 -------------------- そんな矢先だった。 わたしが先輩とであったのは。 |