有 り 得 な い 偶 然
第4章 B L EA C H



20.転校という名のトリップ





転校先が記載された紙と学生証を見て唖然とした。

《空座第一高等学校》

どうやら次のトリップ先は【BLEACH】らしい。







::: side 夢主2 :::







わたしのトリップは“目が覚めたら”が鍵というのを確信した―――はずだったが、どうやら違うらしい。
げんにトリップした先の世界では、【NARUT0】が転生者たる先輩だった。
なにより、成り代わり主がいたことこそ、今までとは違うということ。

だからあちらの世界で、先輩たちが、時空忍術でわたしを元の世界に返すと言ってくれたとき、本当は心配した。
なにせわたしは、【モノノ怪】世界からトリップしてきた、所詮異邦人だからだ。

ならば・・・わたしはどこへ“帰る”のか?
否、どこへ帰れるというのだろうか。


しかしたどりついてみれば、“いつ”“どこへ”とぶのかというわたしの疑問は、わたしの予想を裏切る形で判明した。
目覚めたのは知らぬ、町の中。
そのときのわたしは、手に手紙をもっていた。
母と呼ばれる人からの――転入手続きの書類。
軽い近況報告などを綴った文と転校先の学生証を。

(これはだれの母なのだろう?)

当たり前だが、差出人は同じ名字でも “神崎(カンザキ) というわたし”を生んでくれた実の母とは違う女性の名前だった。
たぶんこれはこの世界の本来の“わたし”の母親の名に違いない。
それに違和感がないわけではない。
かといって、わたしの母の名前で来ても驚くのだが・・・

だが、とりあえず行く場所は明確になったことはホッとした。
この先無事にすむかは判らないけれど。


(転校先が決まっているのか・・・)



次の行き先を見て、いつの間にかわたしは世界を超えたことに気付いた。

空座第一高等学校―――
自分の予想通りならこの高校は、たしか【BLEACH】世界の主人公が通っていた学校のはずだ。
そういえば、わたしは転入試験を受けていないのだが、いいのだろうか?
あとで聞いた話だが、どうやらそのへんは今の成績で快諾だったらしい。



そして――


「神崎(カンザキ) です。よろしくお願いします」
「担任の越智だ。よろしくっ神崎」


予想に違わず、【BLEACH】の世界に渡っただけでなく、まさかの一護達のクラスへ転入だった。

また原作の側ですね。
なにがおこるのやら。









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そんな矢先だった。
わたしが先輩とであったのは。








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