有 り 得 な い 偶 然
第2章 モ ノ ノ 怪



07.うちの師匠が美人なんだが





 異世界道中まっしぐらな神崎(カンザキ) です。
 先輩を探しながら、師匠と旅をしているのですが・・・
ちょっといいかな?

愚痴らせろぉ!!







::: side 夢主2 :::







うちの師匠こと薬売りさんは美人です。
アニメとして見た時から思っていたんですが・・・本当に肌が白磁のようにだなんて見えるんですね。

しかし、その影響のせいですか。

「あらぁ、そちらは弟さんかしら?」

(わたしが男に間違われる確率が増えたんですけど!)

いやね、薬売りさんは整った顔立ちなのは、わたしだって知ってますよ。
それプラス、化粧や服による細さから、師匠が女性に間違われて男から口説かれとか・・・ええ、見たことがありますよ。
その現場を見て吹き出したら、トラウマ級の笑みを薬売りさんから向けられたけど。

それを考えたらわたしの容姿など大したことがない。
せいぜい言うなら、この時代なら高い身長に入るのと父に似た男顔と低い地声。
これで薬売りさんとわたしが並ぶと・・・たまに兄弟(姉弟)と勘違いされる。

「というより、の場合は、胸が“ない”せいじゃないですか」
「??!」

薬売りさんに遠慮もなく胸を、ポンポンとしっかり触られました。
しかも不敵な笑みというオプション付きで・・・って

「セクハラですよ!」
「『せくはら』 とは なんですか?」

真顔で首を傾げられる。
そうだよ!英語が通じないだよ!!

「せ、性的に触るということ・・・です」
「ほぅ、それが『せくはら』ですか。なら、ご安心を。そのつもりで触っていませんから」

でしょうね・・・

「しかし、女物の色合いの着物を用意したというのに・・・」
「そんな残念そうな顔をしないで下さいっ!!!」

「かんざしを挿そうにも短すぎる」

わたしの髪を触って溜息を吐かれた。・・・この時代じゃ女性としてあり得ない長さなんだと判ってはいる。てか、

(女物も薬売りさんの派手な衣装で意味がなさそうなんですが・・・)

それ以降、髪飾りとして仕事で使っていたリボン型のバレッタを使ってみた。

結果

「それでも間違われるんですが、どうしたらいいんでしょうね(泣笑)」









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先輩は中身や言動が男ぽかったが、この世界ではわたしの方が男らしいと勘違いされる。
なんだ。ちくしょう。容姿ですか!?容姿かこのやろう!
現代人なら160cm近くあったって普通だろう!!
でかくないですぅ!!!
わたしは普通だ!!








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