07 ユーリだった彼女の現実世界 |
「知らない天井だ」 いや、うん。 その。もののみごとに、目が覚めたら本当に知らない天井があったんだよ。 これは、あれだね。 強制帰還は突然に。 ――って、ことらしい。 ** side 夢主2 ** 目が覚めると天井 (外じゃない?) 周りを見渡すと病室であることが判った。 ハッと刺された部位をさするが痛みはない。 疑問に思いながら刺された個所を見ようと身体を起こそうとして上掛けが重いことに気づく。 「菜々子?クマ?」 二人が私がいるベットに頭を預けて寝ていた。 久々に見た二人を見間違いかと思った。 が 「おにぃちゃぁぁん」 「センセイィィィ」 私が目を覚ますと知るや否や涙目で迎えてくれた。てか、抱きつかれた。 「おい! が目を覚ましたって本当か!」 そして連絡を貰った陽介達と堂島さんが息を切らせながら病室に駆け込み、同じように迎えられた。 「ここは稲羽市立病院か?」 「そうッスよ。マジ、先輩が目を覚まさなくて俺ら心配したんすからねっ」 現状を聞くとどうやら2週間昏睡状態だったという。 原因不明。 マヨナカテレビの影響ではないかと憶測をさせメンバーに心労をかけたのには平謝りだ。 陽介達でこの状態なのだから菜々子と堂島さんにはそれ以上に土下座をしなければいけない程ではないか。 「ちょ、なにどっか痛いのか?!」 「へ?」 「泣いてる!」 「あ…あぁ皆に久々に会えたから。つい」 (あの濃厚なのが2週間) ないわー。これはひどい。 時間差が激し過ぎる。 私の苦労はどこへ?もう涙ぐらい出るわ。 それにこっちはヴェスぺリア・・・世界一周をして、世界まで救って帰って来たようなものだから、皆とは久々の再会なのだ。 長かった。 なのに二週間の夢オチとか。 やだもう。涙だけじゃなくて、いろんな意味で鼻水まででてきそう。 それから。 その日の内に堂島家に帰りたかったが、身体の都合上1日は病院にいることになった。 肝心のソディアに刺された背中を体をひねって夜確認したら、傷ひとつなくて・・・・あいた口が塞がらなかった。 そして―― 私が強制退場された後のヴェスぺリアが 大変申し訳ない展開になっていたことはまた別の話。 【 オ マ ケ 】 そんなお騒がせから後のマヨナカテレビのダンジョンにて 「先輩、戦い方変わった?」 「りせ?」 「あ、そうだね。なんかちょっと花村君っぽい」 「深く構えるのは変わらないんですが…前は一太刀が重い印象が、今は軽いながらも手数で振り抜くって感じですね」 「そうそう、直斗君が言うように刀の扱いがすごく慣れたって感じ。刀をクルクル回しそうだよね!」 「千枝、いくらなんでもそれじゃぁ曲芸師よ」 ワイワイと私の刀の扱いについて女子陣の感想を聞いて思い浮かぶはただ一人 「・・・・・イヤ、マサカ」 どうやら知らぬ間に彼の肉体(経験値)の影響はあった模様。 |