06 ユーリではない彼女の退場の仕方 |
そのはじまりがいつで、おわりがいつかくるなんて、想像もしていなかった。 はじまりは、気付いたら宿屋のベットの上で寝ていたこと。 鏡には、自分じゃない姿が映っていて―― そうして気付いたら、原因も何もわからず自分はP4の主人公ではなく、TOVのユーリに成り代わっていて…。 ユーリがでるテイルズシリーズのゲームは、マイソロしかやったことなかったから、この世界の流れなんてさっぱりわからない状態だった。 慣れないことに四苦八苦しながら頑張って、ようやくここまできた。 ここまで、長かったなぁ。 はじめに、エステルとあって。 エステルを庶民らしい服に着せ替えたりしたな。 そういえば、フレンと会ったとき、河に落ちて女だとばれたっけ。 攫われていたヨーデルは、なぜか自力で脱出していて。 悪政を強いていたラゴウには、女装癖があると疑いをかけてさらしものにし、私がスッキリし。 ハートが随分好きらしいキュモールには、ハートが胸にドンと描かれたエプロンドレスをのしつけておくって、 彼の統治する民の面前で踊ってもらったものだ。 私たちを裏切ったレイヴンには、ナース服を着せたかったが、ウェディングドレスがけっこう好評だった。 サウデで囚われたエステルを救うべくアレクセイとバトル!と思いきや、「ウエディングドレス」の単語で暴走したレイヴンが全員を吹っ飛ばしたんだよな。 エステルはちゃっかりアレクセイからも逃げて、レイヴンの攻撃が当たらないようにしていたし。 ああ、そうそう。それでオーバーリミッツ状態のレイヴンの攻撃力が凄すぎて、上に浮いていた巨大聖核がくだけたんだった。 それで―― “終わり”は、“始まり”同様に、突然訪れた。 ** side 夢主2 ** 「マイタケ聖剣」?「政権」? まぁ、なんにせよ。「まいたけせいけん」に聞こえるアレクセイとの腹筋崩壊な戦闘が終わり、星喰みなんていう度肝抜くイベントから数分。 今度は巨大な魔核だか聖核だかが落下し、エステル達と分断されてしまった。 夢「フレン?」 後ろから人の気配がし振り向こうとして――― ドス! 背中からソディアさんに刺されました。 なんぞこれー!? しつこいのは承知で物申す!!!TOVはほぼ未プレイだ!! こんなイベントしらぬわー!!!! 世界存続に関わる星喰みよりショッキングイベントでした。 主人公死ぬの?え?これどういう事ですか? (ちょ、え?痛ッテェェェェ) まさか主人公の親友の部下に刺されるとか斜め上過ぎませんか? いや、ユーリの性別が私のせいで女になったからミラクル展開でも起こしたんでしょうか? ガラガラと崩れていく重力に沿って、私もといユーリの身体は奈落の底に落ちる。 その一瞬ソディアの顔が見えて 「ユーリ・ローウェル!隊長の隣りは渡さないっ」 と、一瞬副音声が聞こえた気がしたが…絶対気のせいだと思いたい。 シリアスな場面なのに私の思考は全力逃避していた。 そして、わたしは意識を失った。 【 オ マ ケ 】 夢「女の嫉妬て怖いねぇ。 それより、この場合、原作ではどうだったんだろう? だってユーリって、原作だと男じゃん。 ソディアさん…まさか、ねぇ。男のユーリも刺しちゃったりはしてないよね、さすがに。 やぱ私が成り代わったという“ミラクル”現象だよね、これって。 ・・・・・・わたしって、ここから落ちて生きれるんだろうか? さすがのパナシーアボトルでなんとかならない。…よねぇ? あ、やべぇ。そろそろ視界が真っ白に〜・・・・(ブツリ)」 |