有り得ない偶然 Side2
++ P4⇔TOV ++




04 ある幼馴染騎士の場合



これから僕は一生彼女に頭が上がらないだろう。

誰よりもユーリの側にいたという自信があるのに。
その僕がユーリの性別を間違っていたなんて!!

再会したユーリはまるで別人と言われた方が信じられた。
だからはじめは信じられなくて――

あ、あの服!いいな。ユーリに似合いそうだ。

そういえば最近ソディアの目つきが怖いんだけど。
なんでだろう?
ユーリもそうだけど、女性って難しいな。





 ** side フレン **





エステリーゼ様が城を飛び出し、ユーリがともにいるときいた。
そうしてようやく僕においついたユーリたち。
そのユーリの姿を見て、はじめだれだかわからなかった。
あの「黒」が代名詞と言っても過言ではなかったユーリが白い服を着ていた。
しかもエステリーゼ様まで、庶民が着るような服で。
なにより、僕はユーリのエステリーゼ様に対する態度に違和感を感じざる得なかった。

(あのユーリが相応に敬うなんて!!!)

明日は嵐か。それとも槍が降るのだろうかと、思わず空を見上げてしまったほど。

時が経てば多少性格は変わるだろう。自分だってユーリが騎士団に居たときに比べれば今のほうが寛容が大きくなったと思うし…喧嘩っ早さもなくなった…と思う。 いや、単に立場上のものもあるが。
それでもユーリは変わらないと思っていた。
いつまでも強情なくらい貴族を嫌悪し、屈せず啖呵を切る姿勢。愚直なまでの正義感。どんな人間にも真正面な態度をするのがユーリらしい長所であり短所だった。

――そう思っていた。


あれだけ上の者に対す態度には気をつけろ!と僕自身が言っておきながら、いざそういう振る舞いや言葉遣いをされると「君はそうじゃないだろう」と言いたくなてしまった。

都合の良いものだ。

(…少し変わったのが寂しいなんて)


だが、それ以前に僕のユーリという認識を根幹から揺るがす事実を知る。





フ「まさか。君が…女の子だったとはね」
夢「あぁ」

現在、宿屋で2人。
偶然が重なりユーリを川に突き落としてしまうという(断じて故意ではない)―――思いがけないハプニングでユーリが実は女性だと知った。
思い出すは一緒に過ごした幼き日。だが、その時期の子供の体型に男女の違いは差ほどない。裸を見ない限り、一人称や服装がせめての判断材料だろう。

思春期も女の欠片を感じられなかったのは、やはり長年の付き合いのせいか。騎士団時は男用の軍服だったじゃないか…とかは思うが百歩譲って個人の希望だとしよう。いや、しかし、

フ「気づかなかった…っ」
夢「――最近になって体が女らしくなってきたから…な。女物の服も悪くないと思えてきたし」
フ「そんな君を僕は殴っていたなんて(※騎士団時)」
夢「いやぁ俺のせいでもあるし」
フ「責任を取るよ」
夢「……ナニイッテルンデスカ、フレンサン?」

今更女の子扱いは遅いかもしれない。むしろ、そういう扱いをすれば対等関係でなくなりユーリは嫌がると思う。でも、これはユーリを侮辱している訳ではない。それは断言できる。



これ以降、女物を見るとユーリに買ってあげたくなるという趣味が出来た。




















【 オ マ ケ 】

フ「ユーリ!いいところに!これはいままでのおわびなんだ。うけとってくれるかい」
夢「途中パーティインご苦労様。そして今すぐ帰れ」
フ「そんな。なにをいうんだユーリ!僕はエステリーゼ様を守るためにいるんだ」
夢「だったらその手のいかにもなレースふんだの白いワンピースは…ちょっと(あなたの趣味なんですねわかります!でも私の趣味じゃないんです!!!)」
フ「そうか、すまない(シュン)やっぱり君は黒が好きだったんだね」
夢「あ、いや…そういう意味じゃ(色じゃない!色じゃない!!趣味が違うんだー!!!)」
エ「かわいいですユーリ!せっかくの好意は受け取るべきです!」
ジュ「そうね。もらっておきなさいよユーリ。あとでつかえるんじゃないかしら」

後日、フレンからもらった衣装をきたユーリ憑依主の鞄をラゴウが盗んだとされ――ひと騒動怒るのはまた別の話。








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