有り得ない偶然 Side2
++ P4⇔TOV ++




03 一人二役を頑張ったある男の場合



俺はこのときをまっていた。
せいね・・じゃなかった。 嬢ちゃんたちが殺してくれるのを。

こんな死人でしかない俺を受け入れてくれた凛々の明星。
いつのまにか彼らの側は居心地が良くて、ドンの死後にアレクセイから“役目は終わった戻ってこい”という命令書が届いたときにはもう声も出ないぐらい笑った。
わらってわらって――
人形は命令通り、エステリーゼ様を主のもとへと連れて行った。

そして今、彼らは俺の前にいる。





** side シュヴァーン **





騎士の格好をした俺は、シュヴァーン。彼らと旅をしたレイヴンではない。
もうレイヴンはいない。

ああ、俺はここでようやく死ねるのだ。
そう思っていた。

シュ「犬の鼻はごまかせんか」

ラピードを見て、次いでせいね 嬢ちゃんたちの顔に視線をやって、俺は思わず何も考えることができなくなって固まった。

そこには――
とても綺麗な笑顔のユーリ・ロウェル嬢がいた。

夢「〈セクシーなのっ?キュートなのっ?〜♪〉」

場違いな歌とともに彼女は――

夢「〈どっちが好きなの?〉」

出されるは、鮮やかな色彩を誇る2種の・・・


シュ「っ!!?」


夢「さぁ選べシュヴァーン!ジュディスが持つはセクシー系ドレス」

ジュ「付属はピンヒールブーツと長めの手袋よ。
小柄なおじさまだもの。シュヴァーンだったことをごまかせるぐらい変装がじょうずなんだからこれぐらい簡単に着こなせるでしょう?
それにやっぱり紫はおじさまのトレードマークよね」

ろ、露出部分が多い。
ジュディスが着るにはさぞ美しいのだろう。
だが、男が着れば視界の暴力。甚だしい。

なんてことだ。“あれ”を俺が?

冷や汗が止まらない。


そんな俺にユーリはニタリと笑みをむけ、今度は反対の脇に立つリタをさす。

夢「対してリタが持つは!キュート系のふんわりワンピースだ!!」

リ「普段のアンタなら可愛い方がいいと思ったのよ。だっておっさんこどもっぽいじゃない?
今も丁度オレンジで、お似合いだし。あ、そうそう髪は黄色の髪飾りでもどう?わたしは緑もいけるんじゃないかと思うけど」

リタがかかげていまいちデザインがうんぬんと、魔導器を見るとき同じように語るのは――露出は前者より少ないとはいえ膝丈のスカート。ひらりひらりふわり。レースがすごい…カレンダ。
ああああああ・・・・・さり気なく可愛らしい花の飾りが凶器に映る。


(まさかまさか)


思い出すのは、旅をしたときの2つの女装事件


夢「俺はおっさんと戦う気はない。シリアスなんて場面もゴメンだ。
あんたがシュヴァーンでも俺たちと居たときのレイヴンも一部だ。
勝手ながら俺はアンタがどんな形でも仲間だと思っている」
レ「え、えっと…ユーリちゃん?そのてにあるのものはなにかなぁ?」
夢「やぼだなぁ。わかってるだろ」
カ「あ、シュヴァーンモードからいつものレイヴンにもどった」

カロルがつっこむが、さすがにこんな状況で平静(騎士モード)をよそおってられるか!

だってユーリの目はマジだ。
否、この場の全員の目がマジだった。
とくにユーリ。

普段は「レイヴン」と俺を控えめに呼ぶ彼女が俺のことを〈おっさん〉と呼び、さらに“敬語ではない時”は大体何かのストッパーが外れてる証拠。
女性のはずなのに、今の嬢ちゃんは何故か超男らしい。
なにその低音ボイス。
怖い。こわすぎる。

夢「もしもアンタが敵だといいはるのなら――わかっているとは思うが、俺たちは全力でこれらを着させる。
なに、安心しろ。おっさん用のサイズの服や小物は豊富に用意した。
もちろんコスプレらしいナースもあるぞ。好きなのを言え」
レ「なんでそこまで楽しそうなの!!ってかユーリちゃんいつもより饒舌過ぎ!
前半感動もんなのに、キリッとした顔で後半ぶち壊しよっ!!というかなんでコスプレでナース!?なんでナース!?茄子ならまだ紫つながりでわかるけど!!いやそうじゃないでしょ俺!!!なんでナース限定!?おっさんとナースなんていたいわよ!っていうか本当になんなの!他にもあるでしょ?青年の趣味なわけっ!?」
夢「だっておっさん回復役だから」
レ「まさかの一言回答!?それ青年も当てはまるよね!」
夢「女の俺が着たってダメージはない(※トリップ生活で服は様々なジャンルを着用して慣れたとも言う)」

リ「っで?どっちの色にするのおっさん?」
カ「レイヴンも着てよ!僕なんかお色気作戦の時、ピンクのひらひらだよ!!」
夢「さぁ、どうする?俺的には白が萌えだと…」

レ「いつのまにか“着る”しか選択肢がなくなってるし!?」


ジュ・ユ・カ・エ・リ「「「「「さぁ?何色にするの?」」」」」



レ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」




















【 オ マ ケ 】

夢「さぁ、エステルかえしてもらおうか!」

レイヴン「ごめんなさい大将。俺は俺は…」
アレクセイ「はっ。私を裏切るか。人形ごときが」

夢「あ゛ぁ!?マイタケごときが、俺らのかわいいおっさんをばかにすんじゃねーよ!!」
ア「ふぬけたことを。あと、言っておくが、私はマイタケではない」
夢「何言ってんだよ、マイタケのような頭をして、さらにはマイタケ聖剣つかってんじゃん」

ア「・・・・シュヴァーン、たかが若造にほだされたか」
夢「あ、話そらしやがった」

ア「シュヴァーン、たかが若造にほだされたか」
夢「あ、テイクツー」

レ「当然よっ!!なんだって裏切るわよ!いまならドンだって裏切れるわ!!! そもそも大将が俺様をはやく殺してくれないからあんなめにあっちゃったじゃないの!!二度と着るか!!白い服なんて嫌いよー!!!!! どうしてくれるの!!もうお婿にいけないわよ!!」
ア「しゅ、シュヴァーン?(汗)」
レ「なんで選択肢の中にウェディングドレスがいつの間にか入ってるのよー!!!!!!」
ア「は?」
カ「泣くことないよ!綺麗だったよレイヴン!」
夢「俺としてはやっぱりオレンジのミニスカかナースが」
ジュ「あら。なら次はやっぱりすねげもヒゲもそらなくちゃね。それならユーリ好みでしょう?それにおじさま私やユーリよりも背が低いから、なんでも似合うもの」
リ「ま、まぁよくにあってたんじゃないの?でも次はネコ耳で」
エ「レイヴンが女装です!?わたしもみかったです!!みんなずるいです!!」
カ「あれ?エステル?さっきまでつかまってなかった?」
エ「素敵なお話を耳にしてつい」
ア「…ついで術式解かないでください姫様」
夢「そっか。で、エステルはどうおもう?」
リ「やっぱり猫耳よね」
エ「そうですね。ならしっぽと肉球つきの手袋が必要ですね。でもわたしは白のウェディ…」




レ「っ!?いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!ききたくないぃぃぃぃぃぃ!!!!!!全員ふっとべ!!ハヴォックゲイルゥーー!!」








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