脇役推進委員会
- ハ リー・ポッター -
生まれたときからおれたちは一緒だった
それよりももっと前は一つだったね
いつだかに二つにわかれてしまったから
もう奪い合わないで済む世界にうまれたかったんだ
生まれた世界は前より少しましだったていど
互いをおなじとみることはゆるされず
おまえのことはないものとあれと今回も言われた
ばーか。なにいってんだよ
同じじゃぁつまらないじゃん
生まれた世界にはお前がいて オレがちゃんといたよ
互いに別々の存在としてちゃんといた
それだけで幸せ 嘘じゃねぇーよ
本物と偽物なんて嫌な隔たりはなくなったのに
側にいれるだけでオレはうれしいよ?
お前の体は・・・
大丈夫だっての あんたをおいて消えたりしない
なぁ 室内で遊ぶのにはあきないか?
外で遊びたくないわけじゃぁ…ないんだよ
おまえとおれは同じ存在だった
たったひとつの陽だまりを
それがひだまりだと信じて疑わず
奪い合った
同じなんて有り得ないんだよ
オレにはひだまりじゃなかったけど
信じてたんだ
あそこだけがヒダマリだと
でもオレにはただの鳥籠だった
同じじゃないから
同じだったから
奪い合った
求め続けただけ
ちゃんとかえせなくてごめん
必要ない
今度は共に生きるんだろう?
――のばされた手
オレがその手を取ったら後悔しない?
しるかよ
臆病でひっこんだあいつの手を無理やり取った
手をつなぐ
温かい
生きた者のぬくもりを感じた
けれど
その手はひきさかれた
今度こそ側にいると決めたのに
伸ばされた手 つかんだ手
だれかに伸ばす手
けれどそれはすべて振り払われ――
やがてはお前はオレをおいて世界に飛び立っていくんだろうね
あの光へと
やがておれは はじめからなにもかも忘れてしまうのだろうか
あいつのことも
オレは無に沈むよ
だって オレは
ほんとうは
はじめからいない存在なのだから
だからほんとうは このまま消えてしまってもいいのだろう
だけどおまえが望んでくれたから
オレも望んでしまったから…
二人で一緒に光の中を歩こうと
二人で笑える日を
ずっと夢見てた
一度でいいと思い
いない神に願った
望むは――おれたちの笑える場所
望むは――ともにあれる世界
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