00.戯曲開幕の手紙 |
ホグワーツにかのハリーポッターが新入生として入学して1ヶ月ばかりたったころ。 ひとりの生徒が顔を青くし、普段はみせない真剣な顔つきで廊下を鬼気迫る迫力でかけていく。 その生徒は呼び止める周囲を全て無視し、まっすぐに校長室に向かった。 その手には手紙らしきファンシーなカエルの絵が印刷された紙が握られているが、きつく握りしめすぎてぐしゃりと皺がよっている。 「あぁ、おぬしか。待っておったよ」 ギィーときしんだ音をたてて、校長室の重々しい扉が開かれる。 それとともに飛び込むように入ってきた険しい顔の生徒を見て、たっぷりとした髭をたくわえた老人は穏やかに微笑み返す。 そのあまりの穏やかな雰囲気に、生徒は憎憎しげに顔を歪ませるが、言葉は飲み込み、手にしていた手紙をさきほどよりもさらにきつく握り締めた。 そして―― ある日 あるとき。 一人の生徒がホグワーツの廊下を走って注意されたその日のこと。 まもなく怒号と悲鳴がどこからともなく響き、医務室には駆け込み患者が届けられたことがあった。 っが、その真実を知る者は・・・・・・ 焦げた髭をさすって苦笑するダンブルドア以外知る者はいない。 |