ここまできたらぐれたくもなるさ
- 名 探偵コナ ン -



09.元電子精霊は原作にそえず





『時間が流れるのって早いなぁ』
「あなた、じじくさいわよ」
『うるさいよ哀ちゃん』





 -- side オレ --





工藤新一がコナンになってから、毛利探偵事務所に行かなかったので、半分の事件がなかったことになった。

それうからチビっこたちがコナンを訪ねて工藤邸にも訪れるようになった。
こどもたちが遊びに来るようになったので、子供のうちから教育しておくことにして、わがままをすぐに聞いてしまう博士を“いいように使える大人”と認識しないようにしつけた。
あとこどものうちから死体を見て慣れることがないように、あまり怖いこと(事件とか)に興味を持たないように、本当の死というものを疑似体験してもらった。なぁに、殺気をちょこっと当てただけだ。
彼らはそれ以降、面白がって事件に首を突っ込もうとはしなくなった。 あと、なぜかオレの言うことをとてもよく聞くようになった。
うん。いたずらばっかりしていたら、大人になったとき新一みたいなダメ人間になるからね。無茶をしないという心がけはとてもいいことだよ。

そんなわけで、少年探偵団も無茶はしないし、博士もこどもに甘すぎて彼らの行きたい場所を連れまくったりしないし、蘭ちゃんも「新一」「新一」「新一」とうるさく言わないし 暴力的でもない。
毛利小五郎は“眠りの小五郎”なんて呼ばれていないし。

少年探偵団には拾ったものはまず交番へ届けるか、大人に渡せ。という条件をしっかり探偵団は守っている。
なので、イタリア人が金を隠した暗号をうっかりといてしまうような事件も起きてはいない。
映画のサマーキャンプで洞窟の中で強盗団にコナンが銃をうたれかけることもない。

コナンが突っ走りすぎて、いつもひとりで解決する――前に、オレがそれらをいろんな手法を使って叩き潰させてもらったり、とっとと事件を解決させてもらった。
テレビが来る前には退散するし、警察にはオレやコナンのことは口止めしてるし。
うん。情報操作はバッチリだ。大丈夫。たぶんオレたちは目立っていないはずだ。

あと、なぜか犯人たちはオレが「背後に××がいますよ」というとすぐに自主する。これでは推理ショーどころではない。
まぁ、そんなものする気もないがね。


そういえば、哀ちゃんがきてくれたおかげで、薬の開発がはじまった。
オレも前世の「情報の海」にいたころの知識をフル活用して、ちょこちょこ手を貸した。その結果、アポトキシンの完全なる解毒薬が完成した。

数時間、数日しても変化はなかったので、成功としたのだ。
それからすぐ、コナンは転校というあつかいで学校をやめ、代わりに工藤新一が元の姿で高校へと復学を遂げた。
新一いわく、「日付がめちゃくちゃギリギリだったわ!まじサンキューな灰原」とのこと。
哀ちゃんはそのまま、子供の姿のままでいることを選んだ。
まぁ、まだ安全ではないからね。

っで、新一がこのままだと狙われかねないし、哀ちゃんのこともある。
そろそろ黒の組織をつぶそうと考えました。

まずは兄が学校に復学したのを機に、パソコンにはいりこんで、黒の組織の個人情報から扱っていたデータというデータすべてごっそり盗んでやった。
データは消しましたよ。自分が侵入した痕跡も、すべて。
組織のなかには何人かFBIや警察官やら変装の達人の女優やらいろんなものが潜り込んでいて、潜入されすぎに思わず笑った。
その日、組織の建物にいたやつらは、建物という建物すべての電子キーをロックし、空気を調整して空気を抜いたり睡眠ガスやしびれ薬まいたうえで、全員気絶させた。
そのうえ、各対抗組織(主に警察とFBI)に、情報を流して捕まえさせた。
外で逃げおおせたやつらは、空港に行けば、オレが機械を捜査していたので、変装も何もかも無意味で、あわれ彼らはそのまま捕獲されるように手配した。
彼らが所持していたデータでなんか問題なさそうな資料は、整理したうえで対抗組織のPCにぶっこんどいた。
まぁ、そんなわけで、根っこから球根まで全部ひっこぬいたよね。
万事OKというところだろうか。



黒の組織は早いうちにぶっ潰してしまったし。
コナンを含めたこどもたちや、サブキャラたちはおとなしいしね。
平和が結構続いている。
つまり、事件がほとんどありません(笑)


主要そうな事件はたまに起こるんだけど、元電子精霊たるオレにいまのところ勝てた人間はいない。

なんとかテイジというシンメトリー?アシンメトリー?だかの愛好家による、爆弾事件――これは遠隔操作のリモコンを使っての爆破だったので、電波をジャックさせてもらって、爆弾の回路ごと破壊しちゃったから爆発しなかった。
彼の件に関しては、高笑いする彼には悪いが、どこもかしこも爆破音は聞こえないというそういう結果で終わった。
彼の高笑いは次の瞬間には絶望に変わる ・・・爆破ボタンを押してもなにもおきない。 それをみて呆然としていた彼にこっそり近づいて、肩をぽんとたたき『ごめん爆弾全部ハッキングさせてもらいました〜』と謝罪したら、すっごい青い顔をして「そんなばかな」と膝をついて、なにかに絶望していた。
そのままお縄ですよね〜。

っで、映画の富士山の絵描きさんとツインなんとかビルのお話。
黒の組織はこの段階ではもう存在していないため、これによりやつらによる爆破起きなかった。
つまり原作のように蘭ちゃんが、燃え盛るビルからバンジーするなんて火災もおきなかったし、コナンもいなければ赤い車が宙を飛ぶシーンもなかった。
ただし、そこで富士山の絵描きによる殺人事件は起きたがwww

そもそも証拠隠滅のために爆破するっていう時点で、低能だよね。
爆破したら、警察は何が原因かって艇的にそのフロアを探すよね。 そこに消したい何かがあったんじゃないかと、だれでもよけい怪しむよね。
オレならデータを見事に消すか、システム会社に扮装してスパコンをまるっと入れ替えるわ。
黒の組織ってのはやたらと銃や爆発物をつかうけど、たしかに証拠隠滅にはその方が早いけど、後処理の仕方がずさんだよねっていつも思ってるんだ〜。
死体は基本放置ってどうなの?
っというか、年がら年中黒い衣装を着てたらすぐにばれるだろうと言いたい。あと男の人で腰までのロングってすごい目立つよね。
いや、もう全員牢屋のなかだからどうでもいいし今頃マルハゲにされてるんだろうけどさ。

話がそれたね。
事件のことだよね。
蘭ちゃんが記憶喪失になるパーティーは存在した。
そのパーティーで、逃げ去る途中だった犯人とほんとうにたまたまトイレにいこうとしていたオレが道端で激突。
『いい大人が廊下を走るな!』『医者のくせに人殺しかよ』『背後に死んだ刑事のおっさんがいるんだが』と、説教と事実をのべたら悲鳴を上げられ、その場で犯人はお縄になってしまった。
新一はパーティに嫌気がさしていたようで、蘭ちゃんがお手洗いに行くときつきそってパーティー会場の外にいた。
トイレの傍で蘭ちゃんの帰りを待っていたので、蘭ちゃんが悲鳴を上げた時にはすぐにかけつて、 しっかり蘭ちゃんをささえていた。トイレの中の現状にいち早く気付いた新一が、すぐに佐藤刑事の手当てをしたり、蘭ちゃんを励ましたりしていたのでいたので、蘭ちゃんは記憶喪失にならずにすんだし、佐藤刑事も大量出血だけは阻止できた。
本当なら目の前で人が殺されるようなそんな嫌な記憶は、なくしてあげたいんだけどね。 こればかりはどうしようもない。

あと事件といえば、服部平次関係。
これに関してはやつを調教していないため、原作そのままの性格。
探偵だからととにかく遠慮なく事件に首を突っ込む。そしてうちの新一をそれに巻き込もうとしやがる。
なので、オレは服部が嫌いである。
が、なぜかよく服部は東京に遊びに来る。
彼にはオレが口を酸っぱくして毎度言っていることは理解してもらえず、 まず人の心を理解しようとはしないし、自分から事件には首を突っ込むし、事件解決できれば誰が傷つくとか気にしないし、 他人の金で東京に用もなくくるし、 自称レベルで「工藤とはライバルや!」と言いふらしている。うちの新一は無視してるし、その事実を認めていない。
あとライバルだからっていろいろ許されると思うな。
ピンポンを一回で出ないと、出るまで連打してくるし。
いつしかやつが現れるたびに塩対応をしていたら、新一に「おめーら仲いいよな」と言われた。解せぬ。
なお、このような調子で常にハイテンションぶっちぎり&人の話を全くきかない服部平次が工藤家襲来すると、新一は呆れたような表情で侵入罪の記録を取りはじめた。
うちの探偵さんは最近「冷静さ」を学びました。新一いわく、服部の過激な行動の数々を見ているうちに、事件をとくにしてものめり込みすぎていたと自覚したらしく、なんだか目が覚めたのだとか。反面教師ってすげぇ。
はじめのうちは、あまりのピンポン連打と近所迷惑級の「工藤!おるんやろう!」という大声に蘭ちゃんはびっくりしていた。 だがそれも始めのうちだけ。 いつしか蘭ちゃんも苦笑をとおりこして、彼の来訪をあまりよしとしないようになった。眉をしかめるんですよあのめったに他人に怒らない彼女が。

っというわけで、服部に対しては最近シオタイオウがひどくなってきた。
むしろ塩とはいえ、対応していたのが悪かったのか。なんだか彼が、我が家に来る頻度が激しい気がする。



そういえば―――





 




数年前に、黒羽盗一助けたんだよなぁ。





 




いま?
今はわが工藤邸で変身術を駆使して、親戚のオジサンの振りをして居ついている(工藤夫妻の了解済み)が・・・彼は家に帰らなくていいのだろうか?



『あ、怪盗キッドの予告状がきてるなぁ〜』

二代目の彼は、いつ真実にたどり着けるのだろう?
背後でふふふと楽しそうに笑いながら、工藤さんの親戚のおじさん()は、菓子を食べてにこやかに話していた蘭と園子とオレと新一に優雅に紅茶をよそって、それを優雅なすべるような動作で配ってくれたのだった。





え?次はあのヒマワリを集めた展覧会を開催するって?
へぇ〜。さすがは鈴木財閥だね。

ああ、なら会場のシステム、オレが組もうか?










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