ここまできたらぐれたくもなるさ
- 名 探偵コナ ン -



10.電子精霊に羽はない





『あ゛あ!?このオレに銃を向けたこと後悔させてやる!』

「・・・たまに と犯人、どっちをかばえばいいのだろうって真剣に思う。どっちが犯罪者かわからなくならね?」
「いまの っちゃんは犯罪者寄りの顔ね〜」
「あら、男らしくていい顔じゃない。あたしは、くんのああいう顔も嫌いじゃないわよ」
「園子・・・」
「お前、本当に物好きだよな(遠い目)」





 -- side オレ --





新一が、高校生の新一として戻ってから。
まぁ、たまに原作のコナンがからんでいた事件が起きたり起きなかったりしながら、それでもなんとか平凡な日々を過ごしていた。
新一はあいかわらず寝ぎたなくて、事件ときくと飛び出しはしなくなったもののソワソワしてはこちらの顔色を窺ってくる。 呆れて「さっさといけ」と手を振れば、笑顔で事件に介入する。
そんな新一を見続けていた蘭ちゃんは、ちょっと思うところがあったようで、最近では心の変化があったらしい。
いまでは新一LOVE!っという雰囲気はすっかりなりをひそめたし、幼馴染みだからとつねにべったり一緒にいるわけでもなくなった。
彼女は新一やその子以外とも口をきくし、今を前向きに楽しそうに過ごしている。
そんな大人っぽくなっていく蘭ちゃんに、いろんな男どもが彼女を狙ってはアッタクするが、彼女曰く「今は恋はする気がない」とあっさりふられている。
園子は、京極さんと相変わらずの遠距離恋愛を楽しんでいる。
うちにいた盗一さんは、奥さんには生きてることを伝えていて、すっかり夫婦で息子をためしている。いつ父親の生存に気づくか、いまでは夫婦で賭けをして楽しんでいるようだ。
うちの両親は、たまに戻ってくることもある。相変わらずラブラブ新婚カップルみたいで、はっきりいって本気で次会うときにはコナンによく似た弟がいても不思議ではないレベルだった。
塩なら服部に投げつけようとした分がたんまりあるから、口に入れて吐き出してみた。
しょっぱいなー。

っで。
今日は新一と出かけたら、街中で新一がいつもの強運を引き当てた。
FBIが追っていた犯人があらわれたとかで、街中で突如銃撃戦がはじまったのだ。

蘭がいなくてよかったと心の底からホッと安堵の息をつく新一の背中を引っ張って、建物の陰に隠れる。

「あ、ジョディ先生?」
「クールガイとクールブラザー!?どうして・・・・・あ、いえ、なんでもないわ」

建物陰にとびこめば、たまたまジョディさんがいた。
もう彼女も新一をみて、なんとなく察したようだ。
ですよね〜。って、思わず言いたくなった。

うちの兄は縮んでなくても相変わらず、トラブル吸引体質です。

ちなみに彼女が言うクールガイは、新一をさし、意味はカッコイイ男の子。
オレにたいするクールブラザーは、冷たい弟。である。
いや、呼ばれ方なんて別にどうでもいいけどな。
悪かったな家族以外には冷たい態度で。
アイドル的な兄がいて、その兄と同じような顔だといろいろあるんだよ。疲れてんだよ。
ほっといて。

そこから――
さて。どうしたものかなと考えていたら、一瞬頬を銃弾がかすむ。
ピリリとしたそれに顔をしかめる。
ジョディさんがいち早くそれに気づき、「一般人を巻き込みたくないの!」っとかばってくれる。

ふとみると、新一の洋服の一部がさけていて、一本赤いラインが破けたズボンがみえる。
それを見た瞬間、ちょっとブチリと何かがきれる音がしましたよ。
基本働きたくないし面倒ごとはいやだし、幽霊見えるし、電波体質だけど。あ、最期の方は関係なくなってるか。とにかくオレはそんなやる気のないやつだが、一等身内が大事である。

そのオレの身内に、なに、してくれてんの?

一瞬殺気があふれ出てしまい、それにより周囲がひぃっと息をのむ音が響く。
新一以外。
新一は落ち着けとばかりに苦笑している。

これにより銃撃戦が一度とまりる。
いちはやく我に返ったのはFBI捜査官の一人で、顔をヒョッコリみせたFBIのひとがいて―――

『ばか!いまはまだ』

あわてて手をのばす。
かばってくれていたジョディ先生の腕をくぐりぬけ、そいつが撃たれないように



飛び蹴りをくらわしました。



テヘ☆
顔を表に出していた人が、可哀そうなぐらい吹っ飛びました。
だって言葉で説明する時間はなかったんです。
とっさだったので許してほしい。

そんなわけで、飛んできた銃を前世からの経験による勘であっさりよける。
そのさいに武装していたFBIのひとりから盾を奪いとり、それをかかげてジャンプして上から奇襲をかける。
同時に周囲の電子機械を操作して、衛星まで使って周囲の情報を駆使して、敵の陣地の機会という機会に誤作動を起こさせる。
っと、その瞬間、犯人グループの懐やポケットからマナーモードの振動と音楽が流れ出す。
突然のことに思わずオレから視線を離したやつらにむかってとびあがって、ジャンプで上から奇襲をかける。
銃は盾ではじいて、ときには目視してよけた。
人の上に着地したけど武装していたから、まぁ、敵だったということで。
そのまま盾の端をもって回転させながら剣のようにふりまわし、それで敵の急所をどついてたおしきる。

もちろん携帯操作したのはオレだ。
元電子精霊をなめんなよ!

銃に頼ってばかりで弱い敵を、戦争を駆け抜けてきた経験を駆使しあらかた倒した。



そこで。


『うそ、だろ』


オレの殺気に怯えたひとりが銃をむけてきた。
パーン!日本にはあまりふさわしくない乾いた音が響き・・・

ドガッ!とオレが手を離して投げ飛ばした盾がそいつを吹っ飛ばす。
その勢いであいつの手から銃がころげおちる。
だが弾はすでに発射された後で――



いや、ふつうによけたよ。



弾はそのまま背後の機動隊の盾にあたってはじかれていたがね。
オレだって無傷だ。
本当にそこまではよかったんだけど。

問題は、よけたときに距離をとるために背後へとんだんだけど、そこに地面はなくてね。

気付いていたらフタの空いたマンホールにおちていたという情けないわけだよ。

『いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!』

なぁんて、すべての敵を倒したあとの、オレの情けない悲鳴が響いたのであった。





電子精霊は精霊でも、羽があるわけじゃないので、とぶなんて芸当できるはずもなく。
結局そのまま穴の底へと落ちていった。





なんちゅう終わりだ。








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説教ばっかでごめんなさい!推理してなくてすみません!服部さんにシオタイオウですみません!><










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