04.その目に世界はどう映る? |
ああ、どーも。作者です。 このページは過去から来た方の銀時視点です。 できるだけノリは忠実に。でもこのサイトを誰が見てるかわからないから原作通りの下ネタをうまくごまかすようにしてさ。でも騒がしく。 そうおもってかいた銀さんの脳みそは、これであってるのか疑いたくなる。 むずい。 作者にはないアニメやら漫画の知識を総動員してツッコミ頑張ったよorz ネギマが何かわからず。しかも、そういえばトイレにつっこまれて魔王になるって話があったな〜(内容ほとんど知らないけど)とか思って頑張った。 作者がんばったんだよ(涙) なんか銀さん変・・・とか思っても、生暖かい目でスルーしてくれ! それでもいいかたのみ先へお進みください。 では、どうぞ。 いやいやいやいや!おかしいだろ!! だっておれはさっきまで、映画館にいたんだんだからさ! どこだよここ!? しかもなんでおれの墓があるんだよ!!!!!!! -- side 坂田銀時 -- 最近の映画は立体的ですごいなぁ〜。 なんて笑ってみたものの、墓の供え物だった団子は食えてしまった。 ふつうにうまかった。暑かったから腐ってるかと思ったのに。 平気だった。 定番のみたらしじゃなく、ずんだ団子なところがまた“坂田銀時”の墓ッぽいよねぇ。 ってぇ!! 笑えねぇよ! そのあとに墓参りに来た婆さんは、墓に向かって「親不孝者め」とか「親父さん、お前のせいで笑いもしなければ泣かなくなっちまったじゃないのさ」とかわけわからないことを言っていた。 なんの話だ? 父親って・・・おれにとって、そういう人物は一人しか思い当たらない。 松陽先生だ。 だけど松陽先生はとうの昔にこの世にいない。 じゃぁ、どういう意味だと、首をひねって頭をはたらかせるもなにも思い当たることがくなく、せめてヒントをくれ!とお登勢の婆さんの独り言に耳を傾け―― その流れで視界に入った江戸の町をみて、あいた口がふさがらなかった。 あの我が物顔で江戸の中心に建っていたターミナルがボロボロになっていた。 呆然としつつ場所を移動し、町を歩いてみれば―― ビルは壊れてるし、人もほとんど見ないし、みな生気がない。 そこからはどうしようもない展開だった。 時間ドロボウは突然ミラクルヤマちゃんボイスでしゃべるし! ハナクソつけられるし。 タイムマシーンだという時間ドロボウの頭部はゆらしただけであっけなく吹っ飛ぶしよぉ!! あげくヤンキーが吹っ飛んだカメラ形の頭をふむし!! 新八もは眼鏡かけ機じゃなくなってたし、神楽はボインのツンデレになってたし、たまは戦車っぽくなってたし、長谷川君はアル中の爺になってたし、キャサリンは髭がこくなってたし・・・。 第一に。 銀さん(五年後のおれ)、死んじゃってるんだけどぉ!!!! なんなんだよ!?まじでなんなの、この世界はよぉ!!!! ************ そもそもこの荒涼としたこれが五年後の世界だって!? 信じられるか! いや、信じたくないだけなのかもしれないけど。 ってか。おれ、死んじゃってるし。銀さん、死んじゃったよぉ!!!!有り得ん。 もしここが本当に五年後の世界だとして。 過去に戻るためには時間ドロボウの制作者たる爺さんの手が必要だ。 とにかくじっとしていても何も始まらない。 おれは帰るために、時間ドロボウの遺言に従って、源外の爺さんを探すこととにした。 この世界の神楽と新八に協力を頼んで、まずは爺さんの行方を追ってもらうこととなった。 爺さんの手掛かりは、まぁ、すぐに見つかった。 連れてかれたのは、なぜか河原で。 源外の爺さんの公開処刑がおこなわれるのだという。 それじたい有り得ないのに、桂(ヅラ)とか近藤(ゴリラ)とかもおかしな奇跡の連鎖起こしてとっつかまってやがった。 本当に有り得なすぎる。 そのふざけきった捕縛のされ方に、思わず執行人から刀奪って、おれ自らあいつらを本気で殺そうかと思ってしまったほど。 まぁ、神楽にとめられたがな。 神楽に免じて許してやったんだ感謝しろ。 っていうか、役人においだされた。どうせ殺すんだから、あんたじゃなくおれがやったっていいじゃないかと思わず思った。 それから。いざ処刑だ!「わー爺さん!?」って焦ったときに、ザバァ!!っと川からあらわれたのは海坊主 ―――ではなくて。どこの流浪人ですかといわんばかりの似非抜刀斎風な沖田君がさっそうと登場したのだった。 沖田君は串を加えて登場した。 そこは刀斎風とは、なんか違うよね。 逆刃刀はしっかり持ってたけどさ。 むしろ、そんな逆刃の刀なんてレアもの、どこで手に入れたのと突っ込みたくなるほどに、沖田は登場演出だけじゃなく、小道具にまで用意周到に準備していたようだ。 そうこうしている間に、ぞろぞろと攘夷志士だという輩が登場してきた。 しかもこの前まで幕府側と敵として戦っていたやつらが、なぜ手を組んでいて、幕府にケンカを売る側になっちゃってる―――真選組もとい誠組がやってきて。 あげく桂一派と手を組んでいて、桂のペット(?)であるエリザベスがめっちゃ化け物に進化してて。 河原はいっきに戦場になった。 おれはそこで“はじめて”、この世界の土方十四朗に出会った。 おれの世界ではみたこともない黒い刀をふるうのは、ちょっとばかりこじゃれた黒い服に身を包んだ黒髪の男。 あいつだけが唯一ここにきておれが知っている顔立ちのままだと思えるのは、その黒い男の横に、まったくもって変わり果てた姿のエリザベスがいるせいか。 あのごっつくて白いのがエリザベスだときいてマジで、顔ひきつったよ!なにあれ?なにあれ!?なにあれぇ!!!!どこからどうみても化け物だったやつが、さらなる進化を遂げちゃって、究極の化け物に変異したようになっちゃてさ!!! ・・・いや。この際、あの白い生き物は見なかったことにしよう。 そんな怪奇現象は横に置いておき、この世界にきて初めて『あいつ』と出会ったのは、河原がみごとに乱戦の場となったそのさなか。 こちらをみたあいつの――その瞳の色に、思わず目がひきつけられた。 視界から“緑色”が見えなくなった後も、なぜか無意識に追いかけてしまっていた。 あんな“鮮やかな色”をおれはしらない。 ―――銀――時――・・・ 『おかえり』 愛しそうに、優しげに弧を描いた緑の瞳に、思わず答えたくなってしまって、手を伸ばそうとしていた。 大切な何かに、呼ばれたような気がしたんだけど・・・。 あれ? “たいせつ”ってなんのことだ? そもそも誰もおれの名前なんか呼んでないよな? だっておれはこの時間軸に来てから、一度も自分が「坂田銀時だ」なんて名乗ってないのだから。 この時間軸では坂田銀時は死んだ人間だ。だから過去から来たのあばれちゃいけないって、この額のほくろ(決してハナ○ソじゃない!!これはほくろだぁ!といいはらせてもらいます!)をつけさせられたのだ。このホクロのせいで、おれってなんか変なおっさんに見えるらしいし。 だけど気づけばおれは“なにか”に手を伸ばそうとしていて。 呼ばれた気がしたんだよ。 でももうそのときには、あいつはもういなくて。 ん? “あいつ”って・・・・だれだ? おれ、なにかをみたのかな? みたような。 みてなかったような? どっちだ!? なぜか何に手を伸ばそうとしていたのかさえわからなくなって、一人、尋問自答を繰り返す。 しかしそれは考えれば考えるほど、あやふやになっていき、しまいには自分が今何に思考を奪われていたのかさえ忘れてしまった。 けれど重要な何かだった気がして、伸ばそうとしていた気がする自分の手を呆然とみつめる。 この手じゃない。けれど別の手がつかもうとしたはずの―― 「こいつだけでも!」 ふいに聞こえてきた声に、ハッと我に返る。 慌てて声のした方に振り返れば、平賀の爺さんがいままさに処刑人によって殺されようとしていた。 処刑人のかなたが振り上げられる。 間に合わない! さっきの“鮮やかな色”が脳裏にこびりついて離れないのを無理やり頭の隅においやり、あわてて走った。 っが、しかし。 神楽と新八がみごとにおれの邪魔をしてくれちゃって、爺さんのとどめを・・・おれがさしてしまった。 コロンと落ちた爺さんの頭。 予想外の展開に、さすがの処刑人たる役人まで視線をそらして逃げやがった。 戦っていた攘夷志士どもへと助けを求めるように見やれば、やつらもおれから視線をそらす。 責任はとりたくないとばかりに、神楽と新八が走って逃げだしたので、おれは思わず爺さんの頭を投げつけた。 ―――――まぁ、ぶっちゃけその頭は仕込みカラクリで。 爆発したんだけどな! ははは・・・なにそのギャグ。 銀「・・・・・・」 銀さん、ちょっと泣いてもいいかな? なぁ。 本物の爺さんはどこだよぉ!!!! ************ 沖「気付いてないのなら、そのまま外にでなせぇ」 土『総悟?』 沖「泣いてますぜ。土方さん」 えーっと、なぜか桂と近藤さんを回収した攘夷志士合同連合軍につかまって、そのまま宴会の席に招待された。 襖があいた瞬間、目の前にいた地味〜な奴こと山崎を蹴り飛ばした。 いちゃもんをつけたのに、ゴリラな近藤に軽くスルーされた。 そんなおれは、直線状。正面にある窓の方に座っていた黒づくめの男と目があった。 けれどおれの知っている土方と何かが違う気がして、違和感を覚える。 なにが違うのか。 服装か?それとも髪型だろうか?顔は・・・変わってないし。 なんだろう? 首をかしげているうちに、突如土方が真顔のままボロボロと泣きだした。 それにゴリラと口論をしていた新八や、ツンデレ具合をめいいっぱい発揮していた神楽までも動きを止めてしまう。 けれど本人は気付いてないみたいで、いつもと同じ顔で、いつも通りの切れ長の“黒い”目をいぶかしげにしかめている。 あんだけ涙こぼして視界はゆがんでないのかねぇ。 本人が気づいてないからよけいやっかいだ。 土方の様子に気づいた周囲が騒ぎ始めたところで、沖田君がズカズカと大きな音を立てて歩いていって、 ガッ!と音がしそうな勢いで土方君の顔を隠すように沖田君が手で覆った。 土方は完全にわけがわからないという風だったけど、指摘されて気づいたらしく、沖田君の手が離れるとどこかへ行ってしまった。 なぁ。ちょっといいか? いや、だれもいいんだよ。だれか銀さんの心の中の叫びに気付いてくれればそれでさ。 ちょ!? あいた口がふさがらなかったんですけどぉ!!!! なにあれ?なにあれ?なにあれ?なにあれぇーーーーー!!!!!!!! うっそぉーん!! あの鬼の副長といわれた真っ黒黒助な、マヨラーなあいつが・・・。 あいつがこっちみたとたん泣くとか!? なにこれぇ!? 天変地異の前触れかなにか!?明日は空からマヨでもふってくるの!? 銀さん、もう未来に来たとかだけで手いいっぱいよ!腹いっぱいだっての!! なんなの!?なんなの!? 司会者よこせやおら。解説しっかりしてくれよ。 しかもどこかいっちゃったけど土方君が泣いたりするから、祝賀会モードがいっきにお通夜だよ!? おれになにをどうしろと!? なにも期待すんじゃねーぞ。 おれのライフはもうゼロだぁー!! むしろ今、なにがおこった!?この世界、本当になんなんだよ!?誰か詳しく教えて!! この際、池○さんじゃなくていい!結野アナでもいい!おしえてヘルプミー! 銀「え、えーっと。なぁ沖田君よぉ。おおぐ、じゃなくて土方君はどうしたん?」 誰か銀さんにもわかるように説明して。いや、ホントにまじでさ。 沖「土方さん、でさぁ?あのひとは・・・」 山「・・・あの人はダメですよ珍さん。 あ、土方さん傘わすれてる。自分、おいかけてきますね」 銀「ちょいまった。って!?ジ、ジミー君!?なんでそこで行く!?」 会話途中だよ? なにがダメなのか説明することなく山崎は、二つの傘を持って階段を下りていってしまう。声をかける隙もないとは。 いみがわからんと土方を追い出した沖田君をみやれば、眉間にさっきより深いしわを刻んで視線をそらす。 沖「・・・・・・土方さんは・・・無理でさぁ」 沖田君の様子から、お仲間である真選組のやつらなら土方の事情を知っているだろうと、彼らへ視線を向けてみるも、全員が悔しそうな顔をして握り拳を握ったり、泣くのをこらえている。 っていうか、本当にさっきから、なんなのこのシーンとした空気。 言いたいことあるならハッキリ言えよ! ますますわけがわからなくて。 どういうことだと、これまた真選組の奴らと同じような態度を見せたことからなんらかの事情を知っていそうな神楽たちへと、視線をむければ。 新「本当に何も知らないんだな」 とため息をついた新八が、メガネのズレをかっこよくなおしながら、そのスレきった目でこちらを睨んでくる。 新「ふん。おまえのような奴ごときで、土方さんが動揺するとはな。 あのひとは“坂田銀時”に似ているお前が側にいると寄ってはこない」 楽「しかたないわ。そればかりは。あんなことがあったんだもの」 おれの時代だと、土方とおれの仲は悪くもよくもなく、腐れ縁という感じだったけど、こっちのおれと土方君は相当仲が悪いのか? それほど険悪な仲で、おれとは口もききたくないってか。 顔をみたくないほどって。 どんだけだよ。 まぁ、おれのいた時間では、会えばすぐに喧嘩するようなそんな間柄だったけど。 たかが五年でそこまでこじれるなんてなぁ。 人生何があるかわからないもんだな。 あれ?それってつまり・・・。 えーっと。 どういうこと? もしかして顔も見たくないほど坂田銀時は土方十四朗に恨まれてるとか? だから坂田銀時(おれ)が死んでしまって土方の復讐が果たせないから、こうして真選組の奴らが悔しそうにしているのか。 銀「・・・・・・」 この世界のおれはそんなに真選組に嫌われてるのだろうか。 まさかのまさかで、そういうオチなのか?! この世界の銀時君(おれ)はなにしてくれちゃったのぉー!? 居づらいじゃないか。 ってか、このまま残ったらおれがヤバイ。 ならば! 三十六計 逃げるに如かず。 この場からいかにして逃走するかと糖分足らなくていつもより回転が悪い脳みそをフル回転していたが、ふいにうつむいたままポツリとしたつぶやいた神楽の言葉が耳に入ってきた。 楽「あいつは唯一の目撃者なのよ」 それをきいて、逃亡カウントダウンを刻んでいた百八十度回転しようとしていた足を止める。 銀「目撃者?」 新「きのこをたべて苦しんだ銀さん。 コンビニのトイレを借りて、そのまま戻ってこなかった銀さん。 かぶき町のみんなは、不慮の事故で便器に顔から突っ込んで、 スターツアーズの旅にでたと・・・誰もが疑うことなく信じていた。 銀さんのことだから、どこか別の場所でも魔王をハリセンでたたいて自分自身が悪魔のようなドヤ顔をして、その魔王の玉座を奪い取るぐらいには 好き勝手してると―――みんな疑ってもいなかった」 楽「銀ちゃんはいつかヒョッコリ帰ってくると、わたしだって思っていたわ。○○国の酢昆布土産にね。 帰ってくるって・・・信じてたのに!!まだお土産ももらってなかったのよ!お土産は酢昆布でって言ってあったのに!!」 銀「いやいやいや!それのどこに感動的なネタが含まれてた!?なんで酢昆布の土産のシーンで泣くのそこぉ!! むしろそれどんな【○マ】!?渋谷なんてここにはないらね!あるのはせいぜいかぶき町ぐらいで、原宿にも何にも有利にはならないからね二人ともぉ!!」 思わずつっこんじゃったけど。 銀さんがそんなスターツアーズしたら、この物語【銀魂】じゃなくなっちゃうよ!? そうだな。しいていうならあっちが【今日から○のつく自由業】なら、こっちは《今日から銀がつく自由業》――的な?ってことは、略して《銀マ》? ギンマ?えー。なにそれ。 【ネギマ】じゃあるまいし!! 銀さん、魔法なんか使えないよぉ!? そもそもいまのタイトルから“タ”が抜けただけじゃん!?どんな略だー!!!! しかも今日からどころか最初から銀さん、自由業だよ!?そのまんまじゃネェかよ! ゴホン。 しつれい。なんか煮詰まる?てんぱる?そんな感じでね。 銀「話ガソレチャァイナイカネ、君タチ。 えーっと、目撃者がどう乗っていうのはいったい・・・」 楽「そのままの意味よ」 新「土方さんは、唯一銀さんの死を目撃している」 沖「旦那が行方をくらまして半年後。万事屋の旦那はどれだけ探してもみつからなかった。そして今度は土方さんが突然いなくなったんでさぁ。 数週間たってももどってこない。必死に探している間に、今度は山できのこをみつけ、そのそばに万事屋の旦那が書き残していったと思われるメモがみつかった。 それでようやく旦那の足取りがつかめたんでさぁ。 そうしてある日、突然土方さんはもどってきた。“坂田銀時”をつれて」 銀「え?それって(おれは)生きてたのか?」 沖「連れ帰ってきた――というには語弊がありまさぁ」 新「あのひとは銀さんの死んだ現場を目の当たりにし、そこにあった何かしらの“脅威”から銀さんを、“坂田銀時という肉体”かぶき町まで連れ戻してくれた。 それこそまさに命がけで。遺体は江戸を見渡せる丘の上にある墓地に」 銀「・・・うそだろ(おいおいまじでこっちの世界のオレ死んでるのかよ)」 沖「嘘だったら、あの時、あの強い土方さんが血まみれでもどってはきやしませんよ」 銀「・・・・・・は?ちま、みれ?え?誰が?」 沖「さっきあんたの顔見てでていっちまった土方十四朗、そのひとでさぁ」 新「言ったはずだ。土方十四朗は命がけで坂田銀時を連れ帰ったと」 新八くんクールだねぇ。っていうか、お前雰囲気変わりすぎだよ。 ハッ!?いや、まておれ!何現実逃避してんだよ。 問題はそこじゃないだろ。 眼鏡じゃなく、現実をだなぁ―― 銀「な、なにがあったかは?」 沖「――白詛」 銀「まさか!?」 楽「たぶんあんたが考えてることではないわ」 銀「ピンピンしてるようにみえるが、まさか土方君もウィルスに感染して?」 沖「違いまさぁ。感染はしてはいない。 けれど真実に近づきすぎたんですしょうよ二人とも。 白詛――当時はまだそんなたいそうな名前もついてなかったんですがねぇ。 世間がその殺人ウィルスにそう名前を付ける前から、土方さんも坂田銀時もまた、白詛の正体に行きついていた。 旦那が残したメモに書いてあったことから、二人が事実に行きついたことは、ある範囲の奴らはしってまさぁ。 二人はあれがなんなのか知っていた可能性がある。 そうしてあれのもっとも根源に近づきすぎてしまったために、広まるのを防ごうと抗った。 それがゆえに殺された。土方さんは九死に一生を得はしましたが、あのときの・・・血まみれのあのひとの姿なんて、俺らはもうみたくないんでさぁ。 いまはなんともないですが、目を覚ましてしばらくは人が変わったように荒れていたんですぜ」 銀「・・・・・・」 ごめん。 重い。 なんかこの世界以上に重いんですけどぉ!!! ************ 追伸。天国のいるかわからないお父様、お母様。 おれ、なにかわることしたのでしょうか。 むしろ親の顔なんか知らないしいるのかも不明ですけどね。 あ、そうだ。 親といえば、松陽先生だな。 とりあえずいなそうな神様ってのより、松陽先生に祈っておこう。 天国の松陽先生。おれ、いまピンチです。 あのあとあらかた話を聞いて、打ち上げのやり直しとばかりに、近藤勲を筆頭に宴会はテンションをもりあげていき、その場にいる奴らがしけった空気にヤケ酒とばかりに酒をあおり始め、そのまま盛り上がっていった。 こういうときに、くらい雰囲気を一掃してくれるゴリラはいいね。 こっちでもおれの時間でも、近藤さんが慕われるのがわかる気がした。 途中、近藤さんがポカをやったようで、クール眼鏡な新八を怒らせてしまい、続いて神楽まで宴会を出て行ってしまった。 そのふたりと土方が不在のまま宴会は続き、帰るタイミングを逃してしまってその場にいたおれは、ふとベランダにいる桂(ヅラ)をみつけて、いろんなことがありすぎて痛む頭を冷やすついでにとヅラに声をかけた。 やはり会話は、今のこの時代についてとなった。 そうして話は進み、やはり白詛の話になる。 ヅラとはなして、ここにきてようやく新しい情報がきけた。 白詛について。 あれがまさか十五年前の攘夷戦争のときにすでに、なにかがあったなんて―――思いもよらなかった。 当時《星崩し》とよばれた存在のことを思い出す。 赤い目。包帯のようなものを巻きつけた身体。 不思議な札をつかった術を使うこと。 そしてあのやろうが最後に言った言葉の意味を考える。 そうして〈魘魅〉について桂と語っていれば、沖田君が「土方さんが調べた話ですが」と前置きして話に参加してきた。 なんてこった。 あのときの、〈魘魅〉の生き残りがいたなんて――。 銀「っ!?」 ふと視線を感じてそちらをみれば、“赤い目をした笠をかぶった人物”が屋根の上にいるのを見た。 すぐに姿をくらましてしまったが。 間違いない。 あれは――― 桂「どうしたおぬし!?」 沖「ちょ!?どうしたんでぇ!?」 ヅラと沖田君にとめられるのも振り払って、おれは無我夢中で走った。 だって、あそこにいたのこそまさしく〈魘魅〉だ。 あの赤く光る眼こそ、その証。 外は雨だったが構わず門をくぐりぬける。 逃がすかっ! つかまえないと。 あいつが・・・ あいつがこの五年後の世界を狂わした元凶なんだから っと・・・ 土『・・・メさぁぁーーーーーーーーぁん!!!』 銀「へ?」 ドォン!! 聞いたことあるような声が聞いたことない叫び声をあげているなと思ったとたん、なにかが激突してきて、さらにその勢いのせいで派手にしりもちをついた。 相手にも同じ威力の余波がいったらしく、あちらからもドスンとしりもちをつく音が聞こえた。 いまの衝撃からいって定春か!?それとも猪か?と、打った箇所をさすりながら顔を上げれば、そこには予想外なことに真っ黒い塊があった。 あ、土方君だ。 どうやら元気になったようだ。 っと、思ったおれが甘かった。 銀「え?えっと土方君、どうしたの?」 土『オレの名を知っているということは貴様か!!テメェがいままでの呪いの手紙の差出人でストーカーだな!!!!』 銀「へ?え?ちょっ!ちょっと待って大串くん!!勘違い!!勘違いだからぁ!!!人違いですぅ!!! ぎゃぁぁぁーーーー!!!」 土方の瞳孔がこわいほどガッ!って感じで開いちゃってるし! 焦点が合ってなかったんだけどぉ!! しかもそのまま刀を抜いてきたよ。 白い呪い、白詛・・・じゃなくて、“呪いの手紙” キター!! って。え?なんだそれ? ドーイウコト!? 銀「本当にまってぇ!!!うわっ!ぎゃ!か、刀しまってぇ!!ほらほらおちつこうよひじか・・・」 土『問答無用!!!』 銀「いやぁ!俺様死んじゃうからーーー!!」 ひー!と悲鳴をあげてよけるも、普段から銀「斬る」が口癖だけあって、その斬撃は躊躇がなくなった分ものすごく速くて重い。 ちなみにそのあともなにかにおびえるように周囲をもみまわしたり気もそぞろな土方君が、“何を見た”のか悲鳴を上げた。 それを聞きつけた真選組一同が鬼の形相で駆けつけてきた。 一番初めに派手な足音とか気にせずダダダダダ!と、勢いよくとびでるようにかけつけてきたのは、沖田君だ。 そこからは獲物を振り回す土方君に、みんなてんやわんや。 真選組の奴らは、気が狂ったような状態であろうと、土方君に彼方を向けるのは嫌だと、防戦一方で。 好かれてんなぁと思うゆとりはなくて。だって攻撃しかけられてるメインはおれだもんよ。 それからその場に居合わせた神楽がその怪力で土方を抑え込み、隙をついて沖田君が彼を気絶させたことで、ようやくこのちゃんばら劇は幕を閉じた。 あとから追いついてきたジミー曰く、最近土方君はストーカー被害にあっているらしく、そのストーカーが近くにいたことで錯乱していたらしい。 いや。それおれ関係ないでしょうに。 理不尽じゃない? えぇ、そうだとだれか頷いてほしい! 同意見のモノがおらず、銀さんひとりとか、さみしすぎる。 さみしすぎて死んじゃうぞ? とはいえ。さみしいから死ぬのではなく、さみしいからこそ“帰りたい”と思うわけで。 けれど現状は、どうしようもなく、最悪で。 この時代では死んでいるといわれるおれだけど、おとなしく死んでいるというわけにはいかないようだ。 やらなきゃいけないことができた。 【オマケ】 とりあえず。 まずはっと・・・ ごらぁ!ストカー!てめぇっでてこい!!! どうしてくれんだよぉ、なぁ?銀さん、間違われて殺されそうになったぞ!!! 責任もって出て来いってんだこのやろう! |