白と赤色の物語
- 銀 魂 -



18.夏の日の思い出は笑顔で語ろう





* side 夢主1





「あんたに赤と黒が似合っても。
赤のポニテに新撰組の隊服という組み合わせは外道だということがわかりやした」

ものすごい真顔で告げられたセリフとともに、鬘を奪われ、別の鬘を手渡されたオレは、どうしたらいいかわからず、手の上に乗せられたものをまじまじと見てしまった。

「ちなみに土方さんには赤ポニテより、白か黒のポニテの方が似合いますぜ」
『あ、ああ・・・そう』



いつも髪の毛を黒に染めてもらったり(ここでやるとすぐには落ちてこない)髪を切ってもらっていた散髪屋で、悲惨なことになった髪の毛を見てもらったが、そんなひどいものを整えるのは無理だと突っ込まれた。
一番短いのに合わせるぐらいなら、いっそのこと丸刈りにしろと怒られた。
そもそも残バラでぼさぼさな赤毛がのこっているせいで、鬘の下から出てしまうのだと。
もういろいろややこしいことになるから、すべて切れとハサミをひからせやがった。
逃げまくっていたら、散髪屋の主人はついにバリカンを持ち出し、刈られた。
猫姿の時、なんか貧相な裸猫がいて、やっぱりしばらく人前には猫では出ないと心に誓った。
散髪屋のフルロングコートな美猫オトメさんにそのみすぼらしい猫姿を見られて、「うふふ」と笑われて、さらに落ち込んだ。


・・・つまり、今、鬘の下には――ない。

それは、あのハレンチ極まりない変態の事件が解決してすぐのことだった。
寒いわ!!
いや、いま、夏だけどさ。
まぁ、心がな。ヒュゥ〜って風が吹いてる感じ。


そのあとに、アレだ。
総悟からの赤色ダメだし。

どこから持ってきたのか、今度は黒くて短いどこにでもありそうな鬘を手渡された。
赤く染められた鬘は、総悟が白く戻すそうだ。

白いの、まだ使うんだと思った。



そんなわけで真選組の仲間が全身真っ黒けに戻ったオレを見てがっくりしていたけど、落ち込みたいのはこっちだ。
たとえ夏のせいで暑くてしょうがないとしても、もう鬘は手放さい。
ヘアピンでしっかりとめたよ。





**********





さてさて。夏といえば――

わかるよな。
暑さ?海?扇風機?怪談?
ちがうだろバカ!!
そこは違う!!

蚊だ!

フィラリアにかかったらどうしてくれるんだ。
奴らはオレたちネコや犬にとっては死に至るもんを植え付けてくれるので、蚊には特に気を付けないといけない。
だからオレは今年も蚊に刺されないように、KINCH○から発売されているお散歩時に虫をよせつけない装着型の虫除けをしている。
猫だってなるんだぞフィラリア。
それに最近やたらと蚊が多いし。
こわいだろうがよ!
犬より猫のほうがフィラリアの感染率が少ないとしてもこわいんだよ。対策ぐらいするだろ。

【KINCH○ おでかけカトリス】

効くかなんかわからないけどな。


――そう疑っていた時期がオレにもありました。
実は今年の夏、真選組屯所にて幽霊騒動があったんだ。
そのときの犯人はなんと、蚊のような天人だった。

っで。そのとき、オレだけ襲われなかった。

たまたま屯所に居合わせた万事屋一行まで、襲われかけたというのにだ。
思わず、オレはキーホルダーのようなその小さな蚊取り線香もどきに感謝した。

ちなみにあの天人、本当に幽霊みたいだった。
赤い着物といい、長い髪といい、影の濃い顔といいさ。
こわかった。

あと蚊に刺されないですんでよかったよー!
ありがとう【KINCH○ おでかけカトリス】!



**



夏である。

そういえばこのまえ万事屋唯一の冷房器具、扇風機が壊れたらしい。
夏なのに大変だな。

銀時には以前からいい加減、冷房買えって言ったんだけどね。
またまた古い扇風機買ってきたらしくすぐに壊れてた。
あつさで倒れていた万事屋一行を発見したのはオレだ。
お妙からメガネ君の捜索願が出ていたけど、まさか万事屋の二階で死にかけていたとは思わなかったのでそれはもうびびった。
せめてと、屯所にあった古いけどまだまだ動く扇風機を拝借して、銀時に贈った。

次にあったとき倒れていないことを祈ろう。



**



それからしばらくして、ある日、万事屋の眼鏡君から吉報が届いた。
電話で受けた内容は、なんとあの銀時がついに嫁をゲットしたというもので。
よっしゃー!と鬘を抑えて、制服から着物に着替えてあわてて飛び出した。

あわてすぎて鬘を間違って、白いほうの鬘をかぶって行ってしまった。

あとで総悟におこられた。
あんま白いほうで(+ポニテ)で出歩くと、真選組になる前のオレを知るやつらを通して、攘夷戦争にかかわっていたと誰かにばれたらどうするのだと言われた。
それもそうだ。

っで、そのときは、道端でたまたま会ったお登勢さんに「今度は白いのかよ!?」と頭について突っ込まれた。「どんだけテメェは髪の色が変わるんだ」と言われて、ようやく白いほうの鬘を持ってきたことに気付いたものだ。
オレが変えられるのは形だけなので、もともとの色や素材を変えることはできない。
そのため白いままでいるはめとなった。

そこで頭の件は横に置いといてもらって、お登勢さんに銀時の嫁について聞くと、サ○エさんのような独特の頭をした、近眼の女性であるという。
どうやら道端で出会ったようだ。
「あれは風変わりな娘だよ」とお登勢さんが言っていたが、実際は―――

ドSな総悟とタメをはれそうなドMだった。


『あんたが嫁か!?こんな息子でももらってくれるなんていい奴だなぁ』
「いやいや。父ちゃんや、こいつ関係ないから」
『え。そうなのか』

っで。どうも結婚とかは誤解だったらしい。
結婚もお付き合いも何もないそうで。ちょっと残念だった。
せっかく総悟に、「銀時にも恋人ができたよ!オレの育て方法は悪くなかった!」と言おうと思ってたのに。
ちなみに間違ったとはいえ白い鬘であったため、“さっちゃん”という名の忍モドキからは、オレは銀時の家族だとあっさり認めてもらえた。
おかげでそれ以降彼女からは「おとうさま」とよばれている。
別にいいけど。
でも銀時が嫌そうな顔してた。

ついでに気になるんだけど、なぜかさっちゃんは納豆臭かった。



**



夏である。その3。

っで。さっちゃんと同じように、オレのことを父親のように「親父殿」とよんでいた懐かしい奴と出会った。

それは、たまたまチャイナがガラガラであてた宇宙旅行の見送りでのこと。
オレは真選組の仕事があるから留守番だ。
そこで問題になったのが定春で、置いていくのをチャイナは嫌がったが、オレが預かることで納得してもらった。
チャイナは最後まで連れて行くとねばったが、ペットは連れていけないというのだから仕方ないだろう。
それに定春もオレにはなついてくれていたので、しぶしぶながらチャイナは旅行いきのシャトルに乗っていった。

チャイナや銀時たちを見送っている間に定春が消えていた。
よくよくみたら、ソファでたおれていた客の頭にかじりついていた。

『こら定春。人を襲うな』
「あん!」
『アンじゃない。おとなしく・・・あれ?』

「お、急に頭がかるく」
『あ、お前、辰馬か』
「へ?え?おまん、なんでわしの名前」
『オレ。シロウ』

お、親父殿ぉー!!!?

定春が襲っていた人物―――頭をかじられていることに気付いてなかった人物は、なんと、戦争のときの仲間である坂本辰馬だった。
あのモジャモジャ頭は、貿易の利益で地球人と天人の関係を調整しようと「快援隊」なるものをつくって宇宙をかける商売を始めたらしい。

「こんなところでおあいできるとは!ついてるきに。って、髪が黒いぃ!?」
『あー。これには事情が。
っていうか、お前、いいのか?』
「なんじゃ?」
『あの船に乗るんだろ?なんかそろそろ出発時刻とか言ってるが…いいのか?』
「あー!!まってー!!まっちょくれ!!」
『・・・・・・』

いろいろ積もる話はあったようだが、シャトルの出航時間まで時間もなくて、あとで手紙を出すといわれ、定春を頭につけたままいこうとする。

『定春』
「!?」
『“待て”だ』

かまれてる本人たるバカモジャ辰馬が、頭にくらいついている狂犬に気づかないので、思わずため息が漏れた。
それに定春をチャイナたちから預かった責任がある。
オレが声をかけるとキュゥンと尻尾と耳をたらして、定春が辰馬の頭から離れておとなしくオレの横まで戻ってくる。
横にドスンと腰を下ろしたのを見て、頭とのど元をなでながらほめてやる。

そうやって見送り。


屯所に戻ってTVを付けてびっくり。
銀時と辰馬が乗ったシャトルがハイジャックにあって、その後、船がロストしたらしい。

宇宙的迷子かよ!?

え?まじかよ!どうしよう!
――と思ったが、すぐに「快援隊」が乗客たちを救ってくれたらしいと知りほっとする。

いやぁ。心配したわマジで。
定春もチャイナのことを心配してしばらく元気がなかったほど。



どうでもいいけど。
土産と称して、ある日辰馬より冷凍でたこっぽいなぞの軟体生物の足らしき肉片が屯所に届いた。
「すなむし」っていう貝にタコが入ってるような生き物らしい。

あれ・・・どっかの星の宇宙生命ってことだよな。

臭くはない。納豆臭くも磯臭くもなかったけど、なんか色が嫌だった。
だから、「たこ」ってことにしてたこ焼きにして、屯所のみんなに配ってみたけど。
とりあえず今のところ誰も腹は壊してないので大丈夫だろう。


ああ、でも。
くれるならイカがよかったなぁ。

以前、小太郎を追いかけたら、小太郎がイカ焼きくれたけど。そのとき長谷川くんにあったけ?あれ?違ったっけ?まぁいい。あのときのイカにつけられたタレに生姜がはいってなくて、ただの醤油味でちょっと残念だったんだよな。

ちなみに。
イカは漢字で【烏賊】と書く。
いや、特に意味はないけどさ。



**



夏の思い出。その4。

そういえば、最近銀時を見ないなと思っていたら、思いもよらぬ場所にいた。
なにをどうしてそうなったのかは知らないが、西郷さんのオカマバーに「パー子」と名乗って従業員に混ざっていた。



あれは時間外空いたので西郷さんと語りたくて、久しぶりに飲みに行ったときのこと。

店に行くと、パー子っていうのがいた。

ツインテに化粧にかわいい着物を着た銀時は、それはそれはうけた。
小太郎まで、オカマバーにいてなぁ。
っていうか、小太郎のほうが銀時よりサマになっていて、西郷さんのお子さんに「おねえちゃん」と呼ばれていた。
オレが笑い死にしそうになったので、あわてて逃げた。

オレにはかまにかまってる時間はないんだ。
真選組は夏でも忙しいんだよ。





――って、いうことにしておけ。





**********





それはきっとまたいつだかのいつかの日のこと。


『ハッセガワ、クーン。仕事終わったらオレと酒を・・・?は?なんで銀たちがいるんだ?』
「あ、シロウあるね!」
「シロウさん?
あ、今日は黒いんですねぇ。“土方さんバージョン”ですか」

『・・・・・・まさか代理か?長谷川君のかわりがお前らか?』

「一日店長と店員を任されたんですよ。
いや、でもこのままだと一日でこの店潰れそうですよ」
『・・・・・・・・・・商品食ってんぜ、そいつら』
「つぶれますよね?」
『つぶれるだろ』
「ですよねぇ。だから僕らには無理だって言ったのに…」
『長谷川君、かわいそうに』


見回りのついでがてら、長谷川君がまかせれてるコンビニにいったら、銀時んとことろのチャイナ娘がレジをうっていて、銀時が代理店長になっていた。
ついでに二人は店の商品を食っていた。
顔が引きつった。
嫌な予感がして思わず逃げようとしたら、どこにいたのかモップを持って掃除をしていたらしいメガネに腕をつかまれた。

そこからはなんか怒涛の勢いで、ジャンプと弁当を買いにきた客の商品をレジでチンするチャイナとか、金髪のリーゼントなのにまげもあるという変なチンピラが商品盗もうとしたり。
そのチンピラがメガネの知り合いだとか。





万引き現行犯で捕まった子を、店舗の中へ連れて行き、テーブルに盗んだものを出させれば全部整髪剤。
それにあきれつつ銀時が説教をしている。
なぜかオレまでつれてこられてしまい、メガネやチャイナが両脇を固めてくれて動けないので、しかたなく入り口付近の壁に寄りかかって腕を組んで、彼らの話をきいている。

「たかやはちべぇ16歳。新八と同じ年か。いい年して恥ずかしくないのか。母ちゃんが泣くよぉお前」

そう尋問を始める銀時に言いたい。
銀。おまえは父ちゃんが泣くよ。

うん。オレ、そろそろ泣いていいかな?

育て方間違ったか?
っていうか、なんでオレまでこの尋問に付き添わねばならない。
万引きは管轄外だこの野郎。

「だいたいよぉ。こんなたくさんの整髪料どうするつもりだったんだ?
心配しなくても髪はちゃんときまってるよ。
おまえ自分に自信を持て」

オレはいろんな意味で自信がなくなりそうだ。

っていうか。
たしかに。タカチンと呼ばれている金髪君のリーゼントはみごとにきまっている。
やっぱりこんなに整髪剤はいらないよな。
なににつかうんだろう。
むしろあんだけ立派なリーゼントができるなんて、あの髪の量がうらやましい。
オレ、まだ鬘の下、ちょっとやばいのに。

「これ、全部。おれが使うわけねぇだろうが!」
「じゃぁなんだ?かけるのか?ご飯にかけるのか?そこの土方君のスペシャル丼みたいにか!?よせ。おまえ、それだけはまねしちゃぁいけねぇ!人として終わりだ!」
『るっせんだよ銀!うまいだろうが土方スペシャル!!お前も小さいときくっただろ!』
「記憶にないものはないのと同じだ!」
「いや、シロウさん。体に悪いですよあのマヨネーズの量は」
『まずくはないよな?』
「姐御の卵料理と同じぐらいマヨはどうでもいいネ。
新八ぃ。そいつ新八の知りあいなら何とか言ってやるよろし」


「そう、だね。ねぇ、タカチン・・・」
「なんだよ」

チャイナが相変わらず酢昆布を食べながら眼鏡をうながせば、落ち込みぎみの眼鏡がタカチンとやらに声をかける。

「タカチン。こんなことするやつじゃなかったじゃないか」
「うっせぇ。あれから何年たったと思ってるんだ。おれはもうオメェのしってるタカチンじゃねぇんだよ。
もういい!番所でも奉行所でもどこでも連れてけや。張付け、拷問、じょうとうじゃゴラぁ!!」

タカチンはドン!と机をたたき、その勢いで盗んだ品物がたおれていく。
オレはとっさにそれらのビンやらスプレー缶やらが落ちて割れたり傷がつく前に空中キャッチして、ほっと息をつく。
っが、なにやら。その間も銀時たちから無言の威圧じみた視線が向けれている。
なぜか万事屋一同が、オレを見てるのに意味が分からなくてとまどう。

「警察ねぇ・・・」
「番所アルか」
「シロウさん、あの、お願いです」

オレの腕には抱えた整髪料。
何とも言い難いとばかりに、こちらを見るチャイナと銀時。
目の前で頭を下げる眼鏡君。

『は?』

「今日だけでいいんですタカチンを見逃してください!タカチンを張付けにはしないでください!!」
「は!?え?そいつまさか警官なのか!?」

ああ、そういうことか。
先程、たしかにタカチンとやらは、警察にでも突き出せば云々と言っていたな。

ちなみに、オレらは十手の代わりに武装してますが、警察ですね。
おもに大捕りもの専用だけど。


『あー…真選組やってます。土方十四朗。えっと、・・・よろしく?』


お、鬼の副長ぉ!?


びびられた。
それはもう悲鳴を上げて、涙目になってびびられた。
いや、商品返してもらったみたいだし、何も盗らないなら捕まえる気もないけど。
タカチンはそれでも万引きには理由があったのか謝る気はなかったようだが、とにかくオレが一言言葉を発するたびにおびえられ、しまいには眼鏡君が捕まえる気はないといったオレの言葉にほっとして彼を今日は見逃すようにと――そういうことになったようだ。
最後までビクビクとオレをみながら去っていくのはやめてほしいものだ。

それからわかったことだが、眼鏡君とさっきのタカチンは寺子屋仲間らしい。
銀時にとっての小太郎や晋助と一緒か。


それからお妙がきて、お妙の言葉に眼鏡君がふるいたった。
そうして友達を助けに“ブルドック”っていう暴走族に乗り込みに行って。
彼を追って、お妙、銀時、チャイナが、店を出て行った。
残っているのは定春だけで。
残されたオレは呆然と店舗にたたずんでいたのだが、定春になぜか心配そうな視線をよこされた。
店舗にまかされてんのにほうりだしていくとは何事だ。
しかもさっきまで捕まれてたのに今は存在も忘れられて放置されるオレっていったい。





『いらっしゃいませー』
「あらぁ。店員さん見たことない顔ねぇ」
『ええ臨時バイトですよ』
「ふふ。あなた、すてきねぇ。好みだわ。・・・ねぇ、今夜どう?」
『はい、紅茶とサンドウィッチで352円になります。夜の仕事は大変ですよね。頑張ってくださいね。サンドウィッチより栄養のあるものを食べたほうが肌にいいですよ。サラダかフルーツはいかがです?』
「あら。つれないのね」
『またのおこしを〜』

ただいま大江戸マートの制服を着て、営業スマイル貼り付けてレジ打ちしているオレです。
どうしようかなと思っていると、すぐに入り口の自動ドアがあくんだ。
さすが24時間経営のコンビニである。
人がひっきりなしに入れ替え入れ替えに入ってくる。

人を今にも切り殺しそうな顔とはよく言われるが、今日のオレは、始終笑顔が張り付いていて取れなくなりそうだった。

「すいませーん店員さん。ジャンプ、まだありますか?」
『はい。いらっしゃいませ。まだありますよ』
「わー。よかったぁ」

またきた。
しかも今日は月曜日。ジャンプ発売日のせいか、人がひっきりなしだ。

ついでにソコぉ!!
立ち読みしてんじゃねぇよ!!


『はぁー』



思うに、オレはここでなにをしているのだろう。

なぜ、オレは巻き込まれてる?




















【後日談】

夢『いらっしゃ・・・』

長「・・・あれ? おっかしいな。俺、万事屋が土方君にみえるわ。目が悪くなったか』
夢『グラサンとって確認しやがれ。あと、これ今日の分の売り上げな。それとジャンプ完売したからな。あと』
長「あ、そのキマジメさ。見間違えじゃなかったんだ。
・・・え!?土方君!?
君なにしてるの?」

夢『しるか。オレにきくな』





******





夢『いま、帰ったぜー・・・つかれた。死ぬ』

山「副長ぉ!!どこに・・・」
沖「土方さん、いってぇどこいってやがってんでぇ。仕事がたまってや・・・」
隊員「おかえりなさい。っていうかいままでど・・・」
近「あっれぇ。ようやくトシ帰ってきたのか・・・」


「「「「・・・・・・」」」」」

「「「「なにがあったぁー!?」」」」」


夢『は?』

山「こわっ!こわすぎます!!副長がすっごい爽やかに笑ってるぅ!?」
隊「ふ、副長が怒ってるんですか?怒ってるんですか!?ヒィー!殺さないで!!」
沖「なんかいいことでもあったんでさ?って、そういう笑い方じゃないか。
きもいからやめてくださいその笑顔」
近「ど、ど、どどどどどうしたんだぁトシぃ!?俺なんかしちゃったぁ!?そんなに笑うほど怒ってるのぉー!?」


夢『・・・・・・』

怒ってはいないが、疲れてはいる。
疲れているが――

笑ってるつもりはねぇわけで。



沖「これは・・・あれですかい?仕事押し付けすぎたの根に持ってるんですか?
いやですね。あれはすべて土方さんのためを思ってで」

隊「も、もしかしてこないだ書類にコーヒーこぼしたの俺だってばれたか?」
隊「いやちがって、沖田隊長が自分の書類をこっそり副長の書類にまぜたのがつにいばれたんじゃ」
隊「マヨネーズがきれてたとか?」
隊「怒って仕事っほっぽってでていったとか?あまりに仕事させすぎた!?」

「「「「いったい正解はどれなんですか副長!!!」」」」



夢『おまえら、最低だな』

沖「ほめてもなにもでやしやせんぜ」
夢『ほめてねぇよ』





疲れた。
なんかよけいにドッと疲れた。

さらには自分の部屋に戻ったら、机の上がひどいことになっていて。
見ただけでさらに疲れた。
しかもその山積みになった書類を片すだけで、もっと疲れた。

ってか。
コレ。まじでオレの仕事内容じゃないし。だれだよ混ぜ込んだの。



その後、しばらく営業スマイルが張り付いた顔はなおらなくて、顔が筋肉痛になった。
あげく出会う真選組隊員一同にひどくおびえられた。

なんだよもう。
笑っても笑わなくてもおびえられてんじゃん。

泣くぞ。





いろいろ痛い思い出が多い日々である。









第19話 海の水がなぜしょっぱいかだと?オメーら都会人が泳ぎながら用足してるからだろーがァァ
第20話 ベルトコンベアには気をつけろ
第21話 扇風機つけっぱなしで寝ちゃうとお腹こわしちゃうから気を付けて
第22話 結婚とは勘違いを一生涯し続けることだ
第23話 困った時は笑っとけ笑っとけ
第24話 カワイイ顔には必ず何かが隠れてる
第26話 恥ずかしがらずに手を挙げて言え








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