白と赤色の物語
- 銀 魂 -



07.犬と猫は色がわからない!?
アニメ第10話「疲れた時は酸っぱい物を」より





 -- side 夢主1 --





『そういえば長谷川君、最近見ねぇなぁ』
「は?だれでさぁ?」
『だれって…長谷川泰三。入国管理局局長』
「ああ。いやしたね。そんなの。
土方さんと、どんな関係なんです?うちらとじゃぁ部署全然違いますよね?」
『仕事の愚痴をよく聞かされた。まぁ、…たぶん飲み仲間?』
「なんで疑問形でさぁ」
『居酒屋に行くと必ず会うだけだしな』
「・・・今どこにいるかまでは知らねぇですが。
そいつなら、なんか護衛対象のどっかの国の王族を殴って、やめさせられて、あげく切腹から逃げ出したとかで少し前に奥さんにも出ていかれたとらしく――あんないい奥さんなのにヒデェ男だってんで、話題になってやしたよ」
『護衛対象殴ったことややめさせられたことよりも奥さん泣かせたことの方が話題になってんのか?ってか部署違うって言ったの総悟だよな。なんでそんなに詳細詳しいんだよ!?』
「リアジューは死ねばいいんでさぁ」
『あ、なんかイントネーションが微妙に違うような?
それより長谷川君、うちの銀でも仕事してるのに、自ら仕事を棒に振るとは…。
最近の就職難をなめてんのかって感じだな』
「じゃなきゃ、ただの馬鹿でしょ」

ぶらぶら歩きながら会話しちゃってるけど、現在まっただかなで真選組の仕事の最中です。
見回りじゃないけどな。
どんな仕事かというと、ペット探し。
誰かのもとから逃げたペットを探してるんじゃなくて、ペットを飼いたがっているどこぞの国のお偉いさんがいるらしく、地球で珍ペットをみつくろいたから真選組 も協力しろと、上から要請があったのだ。





駐屯にて、初めにその話が上がった時。

「そこらにいる野良猫なんてどうだろう?」

と、近藤さんが言った。
そう言われた時は、《シロウ》の姿になって、おもいっきりひっかいてやりました。

つまり

『猫だとやばいってことを言いたいんですオレは。 わかりますか近藤さん。 もしそのどこぞの国の王族とやらがこ〜んな風にひっかかれたら国際問題に発展したりしかねネェってことです。
ほら、可愛い可愛い猫ちゃんが罰として八つ裂きにされてもいいんですか?
猫だって、この江戸に生きる市民ですよ。それでも市民を守る真選組の局長かあんた!?
なので猫より頭がよくなつきやすいといわれる犬族をぜひ、その王族の下僕じゃなくてペット様としてささげるべきかと。ほら、犬なら。ねぇ?忠犬って言いますし』
「い、いや。実戦までしなくても口で言ってくれれば…痛かったし」
『犬の方が猫より懐くんですよ!・・・・っと、全国の猫の気持ちを代弁してみました』
「あー国際問題は怖いなぁ。うん。そうだな猫以外で探そうか」
『了解です』

「・・・近藤さん。いつものことながら土方さんにいいように踊らされてますぜ?」

その考え方だと犬も市民じゃないのか。
って、発言は聞こえませんでしたが。
な・に・か?



―――なぁ〜んてやりとりのあと、オレと総悟は江戸をぶらぶら散策中というわけだ。





オレに挑んでくるような犬。
他国の惑星に売り払ってくれる!!
力量もわからねぇ屑はしるか。





**********





「副長、本当に犬嫌いっすよねー。自分が猫科だからって」
「猫科って何?ああ、目の瞳孔が開くからか」
「・・・いや。そうじゃないけど。まぁいいよ。とにかく副長って犬嫌いでさ」
「そういえば自分が幕府の狗って言われるのも嫌いだよなぁ」
「そうそう。そういうことを言うとすぐにキレて刃物振り回すし・・・」

『ああ?なんだテメェは。
オレたち真選組は侍だ。テメェはその誇りをいつ捨てたぁ?幕府に従っていても犬と呼ばれるまで落ちちゃぁいねぇだろうが』

どこからか聞こえた声に、秘儀【正論“侍の誇り責め”】でもって言葉巧みに誘導してやれば、すぐに「そのとおりだ!」と暑苦しく賛同され、あげくには泣かれる始末。
そんなに侍って誇りなんかね。
あまりにあつく武士道についてダラダラと語り始めたので、笑顔で「よし!」と素通りした。





**********





「しかし土方さん。
なんでおれらが動物探しなんかせなならんのです?」

そんなこんなで街中になにかいないかと歩いていると、横にいた総悟からだるそうに聞かれた。
そういえば――

『オレにもよくわからん。
ただ今度来日したどこぞのオエライノの顔色疑いだとしか聞いてねぇ』

国際問題にならないようにより敷くと、近藤さんに見送られたから、やっぱり顔色疑いなんだろうな。

この国というか世界と惑星規模の貿易ってスゲェなぁって、改めて、新しくオレが生まれたこの世界に規模デカすぎるだと突っ込みたくなってあきれてしまう。


そうこうしているうちにジャラリと音がして・・・

「そんな顔も知らないお方の顔色疑うためなら、適当なものを見繕っていけば恰好はつきまさー」
『だからよ。その適当なものってのが・・・』

ねぇ、ちょっと総悟君。君の手に握られてるのは何かな?
っていうか、なんでオレの首にさ、オレンジのごっつい首輪がはまってるのかな?


オレかよ!?
てめぇなにやってんだそこ!!!』
「どこぞのオエライノへの献上品でさぁ。
土方さん以上に珍しい生き物はそうはいやせん。胸張って生きて逝ってください」
『ふざけんなお前!一辺テメェが飼われてこい!!ってか間違いなく今感じが違うだろ!!』
「語尾は「わん」にしてくだせぇ」
『するかぁー!!』

「じゃぁ、せめて「にゃぁ」で」

元からオレの言葉は「にゃぁ」だ。今更だろうが。


っていうかこのまま天人ごときに売られるなんて死んでも嫌だ!
勢いとノリと気合だけで首輪を引きちぎって地面に投げ捨てる。
これは早めに“てきとうもの”をみつくろわないと、オレが売られる!?
そうなったらたまんねぇし!
宇宙にいったらすぐには帰ってこれないじゃん!
たとえ宇宙船の乗組員とか星を一つ滅ぼすのが可能だったとしても!
かえれなきゃ意味がないんだ!
地球ラブ!だよ!
地球に居たいんだ!


ってなわけで、どうしてくれようとか思っていたら、ちょうどいい具合に電柱にあった張り紙が目に留まった。

『これは…』
「どうしやした土方さん?ついにオエライノの慰めものになる覚悟ができたんで?」
『お前は少し黙ってろ!ってかなんでそういう話になってんだよ!!違うから!間違いなくならないし!違うから!!
これだよこれ!』

馬鹿な発言しくさってくれちゃう総悟に、電柱に貼ってあったそれを引っぺがして突きつける。

「飼い主募集…ッチ。おもしろくない」
『面白さなんかカケラも求めてネェーよ!』
「あ、土方さん。これ連絡先が【万事屋銀ちゃん】になってますよ」

『……銀は本当にいろんな仕事うけるなぁ』

「でもこれならいいんじゃないですか。飼い主募集ってことは捨てられたか。どちらにせよ飼えなくなったってことだろうし、こいつの方も飼い主ができてハッピーでさぁ。なにより犬だし」
『そうだな。犬だし』

張り紙を見て総悟と視線でうなづき、これをひきとらせてもらって、これをオエライノに献上しようってことに決まった。


さっそく携帯を取り出して、1のボタンを一回。
短縮1は銀の家です。
でもあいつ携帯持ってないんだよなぁ。あの小太郎でさえ持ってるのに。


プルルル・・・プル《――ガチャ。もしもし万屋銀ちゃんで》
『あ、銀?』
《あーシロウかぁ。わり、いま、忙しいんだけど》
《たすけて銀さん!シロウさん!!いぬが!いぬがぁぁぁ!!》
《あん!》
《こっちアルよサダハル!》
《ぬわぁーーー!!!こいつおれのジャンプ(聖書)にちっちゃいほうのデビューをしやがった》
《ギャー!!ぼくの、おつうちゃんのデヴューシン―――ガチャ

ツー ツー ツー ツー・・・

『あ、きれた』

「とりあえず行ってみやしょうぜ土方さん」
『そうだなぁ』

相変わらず銀時のところは騒がしく、今日もなにかが起きているようで、電話は周囲の音を拾いまくってあげく最後にはきれてしまった。

総悟とのんびり歩きながら、手書きの張り紙をみつつ、犬ってのを考えてみた。
さっき電話の向こうで犬が暴れてるような発言聞こえたけど。
もしかしてその犬って、このポスターにかいてある可愛い外見のコレのことだろうか。
子犬ってなってるけど。

「あの様子じゃぁ、その子犬。しつけもされてないワンパクざかりのようですね」
『里親って文字じゃないから、すでに一度は誰かが飼ってたんじゃないかこれ?』
「万事屋の悲鳴が聞こえるぐらいのあばれっぷりってことは、あまりに言うこと聞かないから捨てられたとか?」
『それならそれでヨシ。ひきとったやつの戦艦とか屋敷とかが、やっこさんの華麗な《デビュー》でうまってしまえばいいことだけだ。
あわよくばワンコな一族がペットをさがしているかもしれない“どこぞのオエライノ”であると期待しようぜ』
「土方さん、あんたも相当ですね」
『異臭爆弾とか。あの犬どもに食らわしてやってほしいものだ』

「・・・あんた、なんで真選組で副長なんてやってるんでさぁ?むしろ過激攘夷志士の間違いじゃ」

『今度野良猫仲間に声かけてみようかな』
「どんだけ犬嫌い!?」

どんだけって、猫だかんなぁ。
みただけで虫唾が走るぐらいには。



『んー?』
「あ、なんかくる」
『あれ、銀たちじゃね?』
「土方さーんよけたほうがいいっすよ」

銀の家に向かっている最中に、とんでもない土煙が前方の方からやってくるのが見えた。
視角にはいる前には音が聞こえていたから、人の姿になっても視力や聴力はネコのときとたいさないようだ。
オレは音で気付いたけど、それと同時に目で認識できる総悟ってある意味凄いな。


『あ、銀。ちょうどよか…』
「どわぁぁっぁぁぁぁーーー!!!!!」
「ぎゃぁーーーーー!!」
「あん!あんあん!」

土煙の正体は、巨大な犬に追いかけられた銀時と眼鏡君だった。
ふたりはとんでもない形相で雄たけびを挙げながらご町内を駆け回っているらしく、そのままオレの呼び止めにも気付かず走り去って行ってしまった。
オレはそのまま道の真ん中に立っていたけど、総悟は土煙が見えた段階ですでに道の隅の方に壁に張り付くようにしてよけていた。
万事屋の二人は止まることなどせずオレの脇を左右一人筒通り抜けて行き、白く巨大な“子犬”は、オレを視界に入れるなり直角にいちど曲がってからオレをよけた。そしてコチラを一瞥すると、再びまっすぐまた二人を追って駆けて行った。

ドタドタドタドタドタ・・・・・


「いっちまいましたね」
『いっちゃったなぁ』

「子犬をお手軽にゲットして連れて帰ろう計画はどうなったんで?」
『なにそれ?いつできたのそんな計画さ。
それより。なぁ、総悟。あれ、子犬か?』
「あの犬種では子犬なんじゃねですかい?子犬ってその張り紙にはかいてありやすし。
土方さん。あんたが嫌ってるだけじゃなく、犬自信にも嫌われてるみたいっすね」
『ああ。見事なコの字カーブだったな』

徐々に小さくなっていく土煙を見送りながら、足元の地面を見れば急停止した車のごとく黒い線がオレの部分だけよけるように見事な『コ』となっている。

それにしても

「『絵そっくりだなぁ』」

まさにまんま絵の通りのワンコだった。

万事屋のだれが書いたんだろうなぁと総悟と話しながら、猫の友達にやつらの目撃情報を聞きながら後を追った。
もう土煙派はみえない。





**********





『なぁ、ちょいときくが、白い子犬をみなかったか?』
「ニャァ〜」
『あ、わり。オレたちには色なんてわからないよな。そうだったな。わるいわるい。
えーっとな。探してるのはバカでかいやつだよ。馬鹿でかい犬』
「にゃぁぉん」
「ニャァ。ンニャ〜ン」
『そっか。ありがとな』
「「ミヤァ〜」」

『いくぞ総悟。あいつら今度は公園にむかったらしい』
「・・・・・・」
『総悟?』
「あんた、なんで人間やってるんでさぁ?」

なんかひどいこと言われた!?
そもそもオレ、元は人間だよ!?
そうだよ猫になる前はちゃんとしたにん……あ、チゲェ、鹿だったわ。
うーんと、うーんと。きっとその前あたりまでは人間だったよ!たぶん!
最近物覚えが悪くて忘れかけてるけど。

「みゃ〜ん」
『この子が途中まで案内してくれるってさ』
「もうなんだっていい」





**********





公園についたらすぐに銀たちはみつかった。
ベンチに寄りかかるようにしてぐったりしている、包帯で半分ミイラ化した銀時と…銀時とえっと眼鏡君?
それで目的のワンコは・・・っと。
ちょっと遠くであの白いワンコと赤いチャイナ娘が激しいバトルをしている。

『あ、いたいたギーン!・・・・・・っと、眼鏡!』
「め、眼鏡ぇ!?僕の認識ってソレなの!?しかもなんか“ついで”みたいだし!?そもそもだれぇっ!?」

わー。すっごいキレのいいツッコミ。
真選組にはここまでの奴いないからなぁ。

それにしてもひどいな。どうやら眼鏡君は、オレがだれかはわからないらしい。
まぁ、そりゃぁそうだな。
始めに会った時と比べると印象が違いすぎるから、気付かないのも仕方ないのかもしれない。

《シロウ》という名で人の姿であったときは、赤い髪で黒い着流し着てたしなぁ。
ちなみに洋服?基本のベースが猫なので、オレの妖術?的ななにかです。
あ、でも今回はちゃんと着てるよぉ。服だけ脱げるとか、どこのアニメですかって感じだ。ついでにいうと毛皮が変化してるわけでもないから。そうしたら赤い服しかオレは着れないってことになるからねェ。
これでも高性能な猫でしてね。なにせ転生しまくってるし!ここでは二百年生きてるし!
着てる服を自分の身体合わせて変化させるぐらいできるってものよ。
そんなわけで、現在、オレが着ているのは、まぎれもない土方十四朗ようにつくられた制服なわけです。
こないだは着ていた隊服を着流しに変えたんだぜ。

ついでに今日の髪の毛は黒。
眼鏡君が気付かないのも仕方ないけどねェ。


「新八ぃー。あれはな・・・多串クンだよ。オ・オ・グ・シ・ク・ン。
小さいのは沖田なんとか」

「土方さんはともかく、俺とはこないだ池田屋であったじゃねぇですかい眼鏡」
「え?池田屋?って桂さんたちの………あー!?」
「ようやく気付いたんですかい」
「そ、その制服は…ギャー!真選組ぃ!?」
「真選組一番隊隊長沖田総悟でさぁ。っで、あっちの真っ黒けが」

なんかオレそっちのけで、総悟と眼鏡君の間で話が進んでるようだ。


あ。デカワンコがこっちきた。

チャイナはどうしたんだろう。
え。素昆布を買いにいった?
しょうがないなぁ、遊んでやるよワンコロ。
よし!ふせだ!
わー。いい子じゃんこの犬。
どこぞの野生の本能をなくした、お空のお星さまから来たアホ面かましてくれちゃうどこぞの犬族とは違って、やっぱ四足歩行の子はかわいいなぁ。犬でもこういう順々な子はかわいい。
オレの前でクゥ〜ンと鼻をならしてすりよってくる姿とか甘えん坊っぽくて凄くかかわいいな。ふせといえばちゃんとするところをみるに、躾けはできてるじゃないか。
オレの言葉に従ってふせっているわんこの頭をなでてやる。
総悟よりは撫で方はうまくないけど。自分が獣であるため、たとえ相手が犬でも撫でてほしいところがわかる。というか動物の言葉がわかるので、顎を撫でてそのあとみせてくれた腹もわしわしとなでてやる。
二百年生きていれば猫語以外にも言葉はわかるようになるものさ。
時間ってすごいよねぇ。

「あん!」
『あはは。可愛いなぁおまえ。サダハルっていうのか。そっか。よろしくな!
あーでも悪いなぁ。いまあげられるようなもんネェんだよ。こんどクッキーもってきてやるからな。あとブラッシング!あれ気持ちいいよな。綺麗になるぜぇ?』
「きゅぅ〜ん」


「うっそぉ!?あの定春が腹出してるぅ!?」
「あー…ありゃぁ、完全に降参ポーズか。
大概の動物は、あいつを前にしたら、即座に“降参ポーズ”になるんだよなぁ。
あーあー。定春のやつ、すっかりあまえるような声出しちゃってさ。なんでおれには懐いてくれないんだろうなぁー」

「っで、改めまして。あっちでデカイのとたわむれてる全身真っ黒けの奴が、うちんとこの副長で土方十四朗でさぁ。ちなみに多串ではありやせん。
ところでなんでおめぇさんたち、そんなに傷だらけなんでぇ?」

「聞くな」
「定春と神楽ちゃんやられたんだよ」

「…ってぇ、ことは。あの犬は人を噛む?」

「「それはもうガブリと」」

「ああ。それは都合がいい。あれこそ俺たちが探していた理想の犬でさぁ。
あいつは旦那の犬ですか?」
「ちげぇよ」
「なら。その犬、真選組でひきとらせてもらいてぇんですが」
「あ。でも神楽ちゃんが可愛がってて」
「沖田クンよぉ。なんであいつを欲しがるわけ?」
「それはですね。幕府の上のつながりでその手の動物を欲しがっているお方がいやしてね」

「……おれの記憶違いじゃなかったら、多串クン。物凄い犬嫌いなのに犬探し?」

「だからあいつがいいんでさぁ。
土方さんがとある犬族の大使館に、動物たちの《デビュー》による異臭攻撃したがってやして。
そんなときにこの依頼。でも俺たちはオエライ方の名前も顔も知らなくて。
犬嫌いの土方さんとしては、そのオエライノが戌威族(いぬいぞく)だったらいいのにという願望をかかげていて、やつらに一泡吹かせられるような生き物をさがしてる。というわけで」
「どんだけ犬嫌いなのぉそれ!?ってか、そんなんで政府の役人っていいのか!!」
「ってかよぉ、そんなに天人嫌いで、政府の役人になるための面接よく通れたよなぁ。おれには理解できない芸当だわ」
「本当に。それは俺らもいつも言ってるんですがねぇ」

『は?理由?そんなもん攘夷戦争にかかわるよりも心配なことがあったからに決まってるだろ。
近藤さん、ひとがいいからさ。いつ壺の押し売りされて騙されるんじゃないかと心配になって、ついて行こうかなぁって…っで、今に至るが』

「「「そんな理由かよ!!」」」





**********





そんなこんなで。
結局ワンコはチャイナのためにと、銀時が引き渡しを却下したため、オレたちはまた別の生物を探すこととなった。

「ここはやっぱし土方さんが語尾を「わん」にして」
『するか!!』

オレの語尾は付けてもせめて「ニャァ」だ!

近藤さんにでも首輪渡して頼めよ。
思わずつぶやいたら。


総悟のやつ、まじでやりがやがった!?

しかもいままでとは違う三つ目の首輪に「近藤」ってかいて。
いったいいくつ首輪持ってんの!?
それが道端でも出てきたぐらいだから常備してんの?
――っと、いう疑問はさておき。
駐屯に帰って報告!と思いきや。首輪を近藤さんにわたしてくれちゃったときは、どうしてやろうかと思ったよ。

近藤さん御免!
そんでもって

『なにしてんだよぉ総悟!!』
「いや、土方さんがやれって」
『冗談だよ!?冗談だっての!!なんで本気にするんだよテメェは!!!!』
「ち」
『そこで舌打ちって何がしたいのお前!?』




















【後日談】

あのあと。オレたちが公園を後にしてすぐに、銀時と眼鏡が交通事故にあったらしい。
ちょっと離れたその隙に何があった!?
ちなみに銀時はかすり傷で、眼鏡君が病院行きになったとか。
そのうちお見舞い行くからな!
もちろん休暇もらうための口実に使おうと思ってるけど。それまで病院にいてね。

あ。そうそうペット探しはどうなったかっていうと、ペット探しに来ていたオエライノが、風邪をひいたらしく急遽帰星したらしい。
ざまぁ。
おかげで近藤さんは、いまだに我らが真選組局長である。
よかった。よかった。





**********





夢『それにしてもさ。
ねぇ、眼鏡君。どうして銀はオレのこと《多串クン》って呼ぶんだろうなぁ。
あれ?それでもう定着しちゃったけい?え。ひどいなぁソレは。オレにはちゃんと土方とう』
新「ってかアンタもいい加減人の名前覚えろよ!眼鏡じゃねぇよ!!ってか、なんで僕に相談するんですか!」
沖「・・・似たもの親子でさぁ。こればかりはどうしようも」
新「親子?なんのことです?」
銀「それはさておきだ。
あきらめろ新八。お前は眼鏡だ」
神「そうアルよ。お前から眼鏡を取ったら…」
新「とっっても僕は僕です!」

『「「「「やっぱ、眼鏡君は眼鏡だろ」」」』

新「それが嫌だっつってんだろぉーがこの天パとアホどもがぁ!!
全国の銀魂ファンの皆さんに眼鏡で認識されたらどうすんだよ!!」

沖「眼鏡をとったらだれも認識してくれないなんて…あわれな」
神「この様子なら、もう遅いアルね」
夢『今の段階で、他に眼鏡キャラ少なくてよかったな〜』
銀「まぁまぁ、おちつけって新八。そんなに騒ぐと血糖値あがるぞー。そういうときには甘いもの」
沖「旦那ぁ。それより効率よくこのガムテで縛った方が早く静かになりやさぁ。それとも・・・この赤い縄でしばりやしょうか?」

新「なんなの!?なんなのあんたら!?」

夢『なにって、総悟はSなんだ。だからつねに赤い紐を持っている』
新「ひとり普通にボケてるひとがいるー!!」
沖「・・・まぁ、土方さんですから」
銀「うん。大串クンだからねぇ」
新「いいのかそれで!?」
神「ガンバルアルよ眼鏡。私、応援しないけど。お前、いいツッコミの才能アルヨ!」
新「いらねぇよ!!」









アニメ 第10話「疲れた時は酸っぱい物を」より








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