有得 [アリナシセカイ]
++ 零隼・IF太極伝記 ++



外伝05 HappyBirthday!2018.1.8
<詳細設定>
※魔法はないが、前世もちが多くいる世界

【霜月シュン】
・真名は「神崎零」
・隼の成り代わり主
・前世は黒バスの火神大我
・一人称:俺
・前世の影響でとにかくよく食べる。胃袋ブラックホール
・バスケバカ
・運動するのが大好きで、現在は剣術をならっている
・火神の時に犬に襲われて以降、犬が怖い
・ペルソナの能力は、異空間でなら使える
・元、獄族
・獄族としては、氷系の能力者だった
・ハジメの契約者



現在、01/08
日付が変わる瞬間、ハジメの部屋に訪れたのはシュンだった。コンコンと控えめな音を耳聡く拾い、ドアを開けると恥ずかしそうに笑っている。







【HappyBirthDay!!HAJIME】







零「今、いいか?」
始「大歓迎だ」
零「そりゃ良かった…お邪魔しまーす」

部屋に入れるのをすすめるとシュンはゴソゴソと紙袋から和模様の細長い箱を取り出す。

零「HappyBerthday。ハジメ!」
始「サンキュ」
零「あの時と同じく、俺も最短記録の祝いだ」
始「正直…勝手にお前が来ることを期待をしてしまっていた。さながらサンタクロースを待つ子どもだな」
零「期待に添えて安心したわ。どっちも仕事が夜に入ってなくて良かったよな」
始「まったくだ」

組紐を外し、箱を開けると扇子が入っていた。
取り出すと鈴の根付が付いておりシャラリと綺麗な音を奏でる。バッと扇子を広げると中骨と親骨が細かく装飾が入っていて扇面が黒地に雪輪文様と蝶が染め上げられていた。


始「これは…」
零「記憶取り戻してから常に扇子持ち歩いているだろ?これは実戦武器として、だな。鈴は邪気を払うとされるし、扇子は末広がりで縁起が良いものだ。柄に関しては言う必要ないかと思うけど…ライブのときハジメの曲だと雪を降らすし普段持っていても周りから違和感はないと思う」

相手を想って選ぶ品、これほどハジメにとって嬉しい物はない

零「心から感謝を。ハジメ…俺はお前が主で良かったと思ってるよ」



◇ ◇ ◇



グラビの共有ルームでハジメの誕生日会が開かれた。次々と皆からプレゼントを渡され毎回ながら自分のために開かれるこれが嬉しい半面少しむず痒い。どのプレゼントも素晴らしくコイとヨウが二人でデザインしたというピアスはさりげなく雪の結晶が入っていて思わずハジメは2人を見やるとグッジョブのサインをしていた。

葵「今回は中華でーす!」
駆「何故に?!」
夜「シュンさんがメインで作っていたらこうなったよ。どれもハジメさんの好物らしいけど」
隼「腕によりをかけて3人で作ったんだ。たんと召し上がれ!」

灰色のエプロンに包丁を持った姿で得意気に言うシュンが出してきたレパートリーは間違いなく前世でハジメが好んでいた中華料理の品々だった。

新「満漢全席か…!」
夜「あはは…満漢全席ではないかな…量は凄いけど」
郁「問題なくシュンさんが完食しそう」
駆「あぁ、素晴らしき料理の量!!!俺の胃は今日も満たされますっ」
郁「……訂正、カケルとシュンさんで完食しそう」


恋「あれ…ハジメさんの扇子の鈴が違う?新しいやつですか?」

ハジメの腰に携えた扇子を目敏く気付くのは流石オシャレ好きなコイと言える。

始「シュンからの誕生日プレゼントだ」
涙「ハジメ…すごく嬉しそう」
春「清々しいほどのドヤ顔…ちょっと。なんで俺見て( ・´ー・`)な顔すんの!」
始「わざとしてるからな」

ハルに渾身の笑みを送り、コイ達に見せびらかす。

恋「品が良く高そう…!!!」
零「あー、うん。こないだ、家に帰った時に京都でな、特注品なんだよ」
夜「特注…オーダーメイド。しかも京都の」
海「そういやお前…坊っちゃんだったな」
駆「あまり家のこと言わないけど、シュンさんってハジメさんと睦月霜月で年始めの儀に参加したとも言っていましたよね」
葵「普段からスーパーのタイムセールのチラシを3人で打ち合わせするから俺も忘れていたなぁ」
新「外見だと違和感ないのに、シュンさんって考えるとカイさんの坊っちゃん発言に物凄い違和感ある件について」

海「どこまで拘ってんだ?」
零「そうだなぁ…ハジメは術メインだから強度重視の鉄扇でなくて使いやすい竹に。そして扇面の図案描いて生地選んでオーダーした、が拘りか?」
陽「単に扇子のデザインというだけでなくまさか戦闘まで考慮するのシュンさんだ(生温い目)」
涙「キサラギ駅だっけ?色んな怪異に巻き込まれてるから一番使えるものだよね」
始「流石、シュンだ」
春「ハジメはシュンから貰えるならなんでも喜ぶでしょ」
始「当然だ」
春「雪輪文様に蝶…ファンに知られてるシュンの六花の雪花文様じゃなくて雪輪文様を選ぶ辺りシュンらしいさり気ないアピールだよね 」








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