有得 [アリナシセカイ]
++ 零隼・IF太極伝記 ++



外伝01 彼らは妖怪よりも奇なり【百鬼夜行】
<詳細設定>
【霜月シュン/シモツキシュン】
真名:神崎零(カンザキレイ)
前世:P4→黒バス→“太極伝奇”→ツキウタ
成代:鳴神→火神大我→霜月隼
一人称:俺

備考:
・転生者
・前世の影響でとにかくよく食べる。胃袋ブラックホール
・バスケバカ
・運動するのが大好きで、現在は剣術をならっている
・火神の時に犬に襲われて以降、犬が怖い
・ペルソナの能力が・・・
・前世がもう一つあって、獄族だと最近判明した



人がなにもなく空を飛んだり。
突然物が凍ったり。
紙っぺら一枚かかげただけで、雷や閃光がはしったり。
手も触れず飲み物が沸騰したり。
現実にあるんですね。

真実は小説よりも奇なりとはよくいったものだ。

たとえばオバケ屋敷で、そのオバケが本物だった場合。
たとえば怪談話をしていたら、本当に怪談のオバケがでてきてしまったりしたら。

そんな御伽噺だけの存在が、現実味を帯びてしまった場合―――どうすればいいんだろう。


むしろ妖怪よりも人間の方が妖怪じみていたら、俺はどうすればいいんでしょうか?
だからツッコミの仕方をおしえてくださーい!(涙)







【彼らは妖怪よりも奇なり】
 「太極伝奇・零」世界 〜side 師走カケル〜








ハイハイ。SIX GRAVITYの師走カケルです。
今回は俺がみたことを語っちゃいますよ〜。

さて、今回もまた衣装合わせでやってきましたスタジオです。

去年はカイさんたちが巨大ホラーテーマパークに行って、本当にいろんなホラーな体験してきちゃったらしいんだけど。
今回は、グラビとプロセラメンバーで、驚かせる側です。
とはいえ、実際はツキノパークでやるイベントのマスコットキャラとして、CMなどに出演するだけ。
驚かせるのは、パーク内のスタッフさんと大道具さんのお仕事となります。
そんなわけで、今回は妖怪になることになりました。

いやぁ〜。うちの社長本当にいろんなことするよね。

ちなみにこの夜のイベントは夏季限定のお化け屋敷。
とはいえ社長は凝り性ですからね(苦笑)
普通のお化け屋敷ですむはずがないんですよぉ。
うん。わかってた。デスヨネェ〜ってぐらい想定外なんです今回もまた!

案の定、オバケ屋敷のくせに詳細な世界観があって――

神をも凌ぐ強大な力を持つ黒白天狐がいる古い社が舞台のメイン。
そこに夜には不思議な生き物たちが宴を開いている――っといった設定で。

なのでオバケ屋敷だけど、あるいみ物語になってる。

入り口は稲荷の石像がある社。そこをくぐりぬけたらもう建物の中で、だけどそこは宴が開かれる会場までいくための『狭間の路』っという設定だ。
その『狭間の路』がお化け屋敷となっていて、迷い込んだ人間を取り込もうとするあやかしたちであふれているという展開。
なのでぶっちゃけその『路』をお客さんは死に物狂いで悲鳴を上げて逃げてくる。
いや、これけっこうマジもの。
本気で死ぬほどこわいんだよあそこ(遠い目)
スタッフの凝りすぎ具合に、思わず体験した俺は目をそらすか遠くを見るよねってレベル。

だけど、そこをぬけたら、もう安心だ。
外は明るい広場で、とても華やかな《宴》の会場。
《宴》の会場は『路』の役目をした建物に連結している小さめのホールで、なかでは妖怪にふんした俺たちの映像が、いろんな手法で流されている。
たとえば人型をした白い造形物に投影して、そこに実際に人がいるように見せて、妖怪な俺たちが会話をしているように見えたり。
グラフィックとのコラボで、物語の中で日常を過ごしている妖怪な俺たちが、水面にみせかけた画面から突然とびでてきたり。
宴という名のミニライブでは、妖怪の術で演出してるシーンもCGが使われたり、風が吹いたり、そこの地面が動いたり――まぁ、妖怪な俺たちの日常を小さなアトラクションにしたような場所になっていて、順路をたどれば現世へ帰れる。という感じだ。

本当に凝りすぎにしてもほどがある。

天狐のいる社に集まる妖怪役は、もちろんツキプロ所属のアイドルたちだ。
実はこれは月替わりで、今月は我らツキウタ。メンバーが妖怪になります。
来月はSolidsとQUELL、GrowthとSOARA。のメンバーが。

もちろん出演するアイドルメンバーによって、《宴》のホール内の展示内容が変わるらしいので、来月は来月でこうご期待☆ってとこですかね。
後続グループには九尾とかいるらしいので、 炎の演出があるらしいんだけど、その映像が映し出される時は熱風がお客様にかかるので傍に火の粉がとんでいるように錯覚するらしい。
あとは影法師がいるから陰のゾーンもあるらしくて、そこでグラフィックもまぜての演出になるらしい。

もちろん《宴》をこえて、「現世」に戻れば、そこはお土産コーナー(笑)。
その場でしかゲットできない妖怪なツキプロアイドルのグッズが手に入るわけです。むしろそこまで到達しないと手に入らないともいうかもね。


さて、先陣をきることになった俺たちツキウタ。メンバー。
うちは総勢12人。

配役は、まずSIX GRAVITYからいこうかな。
睦月ハジメ→黒天狐
弥生ハル→雲外鏡
卯月アラタ→かまいたち
皐月アオイ→鬼
如月コイ→鵺(ぬえ)
俺こと師走カケルは、小豆洗い。とはいえたぶんタヌキでもある気がする。

Procellarumは
霜月シュン→白天狐
文月カイ→大天狗
葉月ヨウ→百々目鬼
長月ヨル→土蜘蛛
水無月ルイ→雨降り小僧
神無月イク→狗神

そもそもすでに企画担当の方で衣装や妖怪設定がきまっているので、前の中華企画のように自分たちで選べるわけではないのが残念だ。

というか、天狐もそうだけど、他のみんなの妖怪名がかっこよかったり凄かったりして、俺の小豆荒いってどうなの!?って思う。
あずきあらいって、このなかで一番弱そうというか、品格ないなというか・・・すごい下っ端そう。
もっと妖怪ってかっこよさげなのいるよね!!
たとえばもっとこうかっこよくて!こう!こう・・・
・・・・
って、いってもすぐに浮かばないけど!
なにも役に立たなそうな枕返しよりましってことにしておこう!うん!人魚とかよりはだんぜんいいよね!!足がないせいで、ライブとかでひとりおいていかれるとかよりましだもんね!
うん。泣いてもしょうがないってことで諦めよう。

それにしてもみんな凄い衣装が似合うな〜。
俺?俺の衣装はどこぞの団子屋の店員みたいな感じかな。


陽「おかしいだろ!衣装がかわいかったりかっこよかったり! 超似合ってて!それでいいのかよ!お化け屋敷の宣伝じゃないのか!せめて血みどろとか!おどろかせられねーだろこれ!」

むしろファンが喜ぶだけじゃ・・・とは、あの『狭間の路』をまだ俺たちが知らなかったため俺たちが客を驚かすのだとばかり思っていた―― そんな最初の段階のヨウのお言葉。

たしかに。
怖がるどころか、天狐なリーダズはただイケメン具合がアップしただけですよね。
カイさん、その翼リアルですね。違和感ないッス。
あと、イク、それにコイ・・・ふさふさの耳がとてもかわいいよ。
連動して動く尻尾がハイテクだね。
ところで、ハルさん、その頭からかぶってるウエディングドレスのベールみたいなのなんですか?めっちゃ綺麗でお似合いですね〜(チベスナ目)

あれ?
妖怪イベントって、怖がらせるイベントじゃ・・・

まぁ、結局のところ、怖がらせるのは『狭間の路』だけだから、問題ないと言えばなかったんだけどね。


とりあえず、今回俺たちのコンセプトは妖怪。
《宴》のホールに使う映像撮影のため、現在衣装合わせ中なのであります。

で す がっ

海「おお!ハルのはまさにウェディングのベールみたいだな!!つまりそれは俺のたーーぐっふぁ!!」
春「なんでそうなるのかな(^^)
スタッフさーん、このベールだか羽衣っぽいのなしじゃだめですか?」

零「やべぇ、カイのやつガチできてる(gkbr)」
始「いや、あれはノリだろ」
零「ノリなのかあれ!?すげぇな。ノリで、よくあんな恥ずかしいセリフ言えたもんだな。とはいえジョークのレベルが(遠い目)
あー・・まぁいいや。というか無事かぁーカイ?」

ハルさんが衣装合わせをしている段階で、最近なんだかなにかがふっきれたらしいカイさんのいつものとんでもない残念具合が炸裂し、 ハルさんのかぶっていたベールをもちあげたところで。
ベールの下からのぞいたハルさんの顔は嬉しそうな花嫁――なんてかわいいものではなく、絶対零度のまなざしをした氷の般若だった。
そのままハルさんはカイさんの腕をつかむと、「ふん!」っと鼻息ひとつで、しかも片手だけでカイさんを背負い投げしていた。
カイさんはCGか何かのごとく、見事に吹っ飛んだ。
・・・無修正です。なんて、誰が信じるだろうこの光景。

実はこれ、最近よく見る光景。
スタッフの皆さんはすごいびっくりしてたけど、俺たちからしたら慣れたもの。
うーむ、慣れていいのかちょっと悩みどころだけど。
まぁ、俺たちの寮って摩訶不思議な現象が結構起きるんで、慣れって本当に重要ですよ〜(遠い目)
アッハッハッハ(乾いた笑い)

ちなみに怪奇現象をおこしていたその筆頭は、以前まではシュンさんだった。
あのひとがなんか想像したり口にすると、TVに異常がよく起きたものです。

それが、最近ハルさんも怪奇現象の中心になり始めている。
ハルさんは怪力に拍車がかかり、今まで以上の破壊力を見せるようになり、さらにはなぜかサイコキネシスあたりの超能力に目覚めたみたいで空とかとべちゃえるようになりました。
ああ、そうそう。同じ頃からカイさんもおかしなほうに何かが目覚めたみたいで、ハルさんに激しいスキンシップをもとめはじめた。
むしろハルさんの超能力は、そんなカイさんから身を護るために目覚めたんじゃないかと寮ではもっぱらの噂である。

あと、ハジメさんも少し変わった。
シュンさんによくくっついているハジメさんの姿を見るようになったのだ。
とはいえ、カイさんみたいな愛情による過剰なスキンシップではない。
はたからみると、ハジメさんがああいうときは、なにか不安になったこどもが、親に助けを求めているようにみえる。
そのせいか、シュンさんは呆れたようにではあるが、「よしよし」とハジメさんの頭を撫でて落ち着かせている。
けっしてハルさんみたく投げ飛ばしたり殴り飛ばすことはないので、年長組のやり取りを見ているとまだリーダーズの接触具合はましだろう。

シュンさん限定とはいえ、あのクールな王様がだれかに頼ったり甘えられるようになったのなら、きっとそれはいいことだ。
ただ俺たちでは、ハジメさんの不安を取り除いてあげれないのは・・・少しだけ寂しく思わないでもないが。


春「はーい、なら《宴》の演出で俺がこうヒョイ♪っと風をふかせましょうか?」
始「待て。お前の今の限界は半径1mだろうが」
春「大丈夫大丈夫♪こう風の渦をつくるじゃない?っで切り離せば・・・ほら威力が消えるまでは自分で飛んでくのが風だよ。
今の俺の能力は風を飛ばすためのブースターってところかな」
始「それなら」

駆「ちょっとまって。違う。違うから!!!そうじゃない!!そうじゃないですよね!?ハルさん鏡だから!! 雲外鏡って鏡だから!!!風の能力とか設定ないですよね!?できちゃだめでしょうそれ!キャラがちがうっ!!」

そもそもハジメさん、なんかお札を掲げると最近「フラッシュ!」みたいに光をパッとだしたりできるんだよね。
いや、うん。もう今回の妖怪ノキャラと属性とか能力が違いすぎるけど。
そもそも実際に不思議な能力あるとかしてあんたら本当に人間か!?とツッコミたい。

ヨウなんか、ハルさんとハジメさんの会話を聞いて遠い目しちゃってるし!

ああ、もう。
ツッコミしすぎでお腹すいたぁ。

ところでイクとルイはなんでニコニコ笑顔で、平然と、むしろやんややんやとばかりに手をたたいてこの超常現象コンビを見つめてるの? 俺、もう意味わかんないよ?
おにぎり食べれば落ち着くかな?
スタッフさんすみませーん、お昼まだですか?





◇ ◇ ◇ ◇ ◇





春「はーい、今回俺は鏡の付喪神、雲外鏡だよ。よろしくね」
涙「眼鏡の付喪神だね。うん、ハルらしいね」
春「か・が・み!」
始「眼鏡の付喪神。なるほどな(笑)たしかに鏡という漢字は入ってるな。まぁ、本体がそれだしな当然だな」
春「雲外鏡です!付喪神は付喪神でも違うからね二人とも!!もう!本当にみんなその本体ネタ好きだよね」

海「っと。お♪俺は烏天狗か。翼は部分的にCGだな」

零「メインは百鬼夜行か。俺とハジメは狐か。お揃いだな!」
始「正確には天狐だそうだ。・・・お揃い。シュン対のお前を大事にするからな!!」
零「お、おう?」

春「は〜じ〜め〜く〜ん?うちの子になにしてんのかな?ん?(*´▽`*)」

新「わぁお。笑顔のハルさんの周囲に風がとぐろまいてますぜ(棒読み)」
葵「ひぃ!?ハルさんまって!小道具の鏡にひびが入りかけてるから!!!!」
夜「小道具がぁ!!!ハルさん怪力なんだから力おさえて!おさえて!」

春「ちょっとハジメ。シュンに抱き着かないで。
これから撮影なのに。邪魔。ハジメ、すっごい邪魔!スタッフさんが迷惑してるでしょ。
しっしっ。ほら、対の天狐はわかったけど早く離れてくれる?」
始「うるさい。お前は姑か!」
海「ははwwハルは昔っからシュンの世話してたからなぁ。たしかにハジメにとっては姑になるかwwwじゃぁ、俺は舅ってことで♪」
零「カイまで!?つか、お前ら本当にひきずりすぎだっつってんだろ!!!」

陽「ホント、どこの時代、どこの世界であろうと、嫁(婿)と姑の戦いは免れないものなんだな(遠い目)」

恋「あのぉ・・・気のせいでなければすごく足元が寒いんですけど。え!?足元凍って!?ちょぉ!?冷房効き過ぎてない?!」
陽「これはなコイ。冷房以外の涼しさだ・・・」
駆「冷房以外ってなに?!」

新「氷・・・霜・・・霜と言えば」

零「あ、わり!原因俺だ!ちょっとハルにつられてつい感情高ぶっちまった!」
陽「部屋の温度一気に上げて溶かすか(遠い目)」
始「やめとけヨウ。湿度がすごいことになるだろうが」
春「そういうときの俺じゃない?一気にぶっわ〜っとするよ」
海「むしろハジメがなんとかしろよ」


涙「ねぇ、みんなの能力すごいね。僕もなにかできないかな」

海「あーでもこの力って、撮影のCGには負けるよな(苦笑)」
春「俺もー。さっきハジメが言ってたように今は半径1m以内の風にしか干渉できないから、あまり自分の意志で操れないんだよね。
演出の手伝いになればよかったんだけど、ちょっと無理かなぁ。
あ、でもハジメの光とかは、いい演出効果になりそうだよね」
始「黒天狐のコンセプトは“天候の力を操る。空も大地も、世界を構成するそのものを司り、自ら民を守る” だから、目に見えずらい能力ばっかりだ。 俺の能力もあまり役にはたたないだろうな」

零「イクなら、スタントマンなしでいろいろできそうだよなw」
郁「たしかに、体術なら自信あるんですけどね〜。狗神にそんな設定ないですかね」

涙「ヨウは?」
陽「俺?俺は・・・いちおう水を沸騰させるぐらいなら・・・なんとかできるけど」

零「凍らせるならできるぜ!」
涙「シュンはTVをゲームのなかみたいにできるよね」
零「ゲームっつか、ダンジョン化な。これはただの怪異を引き寄せやすい体質ってだけだぜ」



恋「・・・・・・・カケルさん」
駆「なにかなコイ」


恋「なんか妖怪より妖怪じみてるひとたちがいっぱいいるんですけど」
駆「・・・錯覚だよ。お腹がすいているから何かおかしな声がきこたんだよ(*´ω`)。コイ、一緒に向こうでご飯でも食べてこない?」








葵「あのぉ〜」

始「ん?どうしたアオイ?」
春「どうかした?」

葵「あ、はい。あの、気のせいでなければ、ハルさんの鏡に映ったハジメさんとシュンさんの姿が」



葵「ハロウィンの時の中華衣装なんですけど………」



夜「え?あ、本当だ」
新「わぉ。おっどろきー」
陽「ほんとだおもしれぇ。なぁ、スッタフさん、これどんな仕組みになってるわけ?つかなんであの衣装の映像?」
郁「へーおもしろいなこれ」


葵「え?ただの鏡?・・・・でも姿が」




年長組「「「…………………」」」







春「ふふ。もしかして俺に新たな才能が開花したかな( *´艸`)」








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