も し も 話
[花悲壮] → ツ*キウタ



字春が海賊になりまして




【 ギャグルート その後のその後 】
 〜 side ハル・ヤヨイ 〜






春「も、もうとってもいいよね?」

黒いウサギ耳カチューシャをつけたハルが、困ったような顔をしている。

それを眺めては頷いているハジメの頭にも、黒いウサ耳のカチューシャがゆれている。
なお、それは食堂にいるSIX GRAVITYの仲間全員にも言えることで、苦笑を浮かべる全員の頭上にハジメお手製のウサ耳がヒョコヒョコゆれている。

ただし、ハルの衣装だけがなぜか豪華で、食堂の上座に座らされている。
そのハルの横には、デーンと黄緑の巨大なウサギぬいぐるみが王様の様にすわっていて、二人が並ぶとなんだか兎の国の王妃様と王様のようである。

新「よぉし今日はお花つけましょうお花!」
葵「えーと、ハルさん、ケーキ食べますか?あ、でもウサギさんはたべれないのであげないでくださいね」

なんだかんだで撮影会が行われるのは日課になっている。
無意識、無自覚なのだろうが、ハルがウサギのぬいぐるみを一番大事にしているのは誰の目にもわかるので、ウサギをさきに着飾っておくとあまり逃げないので、ハルは被写体としてよく捕獲されているのであった。

本日は、全員が兎王国の住人という設定らしい。
その耳、そのシッポは、すべて、ハジメの手作りである。
こんなところでその無駄に器用な手先をアピールしなくていい!と叫んだのは誰だったか。
最早。うさ耳カチューシャもなれてしまった彼らには、もうその記憶はない。

春「あのさ。そろそろ、進路とらないといけないかなぁ〜っておもうんだけど・・・あの」

椅子に座ったままのハルのウサ耳をさわりながら、ハジメが眉間にしわを寄せる。
さらにモフモフとして

始「・・・違う」

春「あの、ハジメ?」
始「やわらかくない」

その言葉にプチリとなにかがきれる音が響き――


春「自分で作って、自分でオレにさしだしたくせに文句とかやめてくれるかなぁ!!!!」


ハルによって見事な、パンチがハジメにさく裂した。
これをひとはウサパンチと名付けた。
だが、そのパンチの威力は意外と強い。








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