【お題】 〇〇さんのお部屋におはよう訪問したら |
→ 詳細設定 ※魔法の国(字の世界)…『漢字名称』 ※魔法のない国(零の世界)…「カタカナ名」 <霜月シュン> ・本名「零」 ・魔法のない世界の、隼成り代わり主 ・【ものの怪】の薬売りの弟子→【P4】主人公成り代わり→一つ前の世界は【黒バヌ】の火神成り代わり ・前世の影響で大食い ・口調がまんま「火神」な外見隼 ・魔法?なにそれって感じで使えない ・犬嫌い ・怪奇現象を呼びやすい体質のため、イメージすると異世界へのゲート(inTV)を呼び出してしまう ・“あちら側”では【P4】の技を発動できる <弥生字> ・本名《字》 ・魔法のある世界の春成り代わり主 ・二つ前の前世は【復活】超直感引継ぎ ・一つ前の世界は【黒バヌ】の花宮成り代わり ・魔力豊富な世界で、生まれつき魔力0体質 ・だれも本名を呼べないので、むかしは《花》と呼ばれていた ・芸名「春」 ・前世から変わらず、見えてはいけないものが視える ・世界に嫌われてるのでよく死にかける ・始の魔力で生かされてる ・始は充電器か空気という認識 【おはよう奮闘記@】 〜「春字」世界〜 ::: side 如月恋 ::: 俺の奮闘記録というものはいくつかあるけど、俺以外の人も朝に同じ気持ちを味わっていると被害酷いので、俺達の年長さんの朝について語ろうと思う。 というかこんなことがあったって、吐き出させて!! 一番バッターはこの俺。みんなの愛の使者、恋君からだよ! まずはこれ――― サンドイッチにして潰されかけたあげく、普段は穏やかな人の逆鱗に触れた件!そんな出来事を話そうと思う。 さて、これを話すために。 俺はじつは、毎日同じ寮に住むグラビの仲間たちを起こすことが日課だったりする! え?俺や駆さんの方が、後から起きてきそうだって? いえいえ!そこは勘違いされちゃぁ困るよきみぃ! プロセラだと郁や海さんあたりのスポーツをするひとたち、夜さんのように朝ご飯を作る人は朝が早いけど、それ以外はゆったりしていたりする。 グラビは朝から走るなんてスポーツマンがまずいないなぁ(笑) ご飯を作ってくれる葵さんぐらいしか早起きがいないのが現実。 っで、常に寝ているような新といい、うちのリーダーの始さんといい。言葉は悪ですが寝汚いというか・・・・眠りをこよなく愛する人が多っかたりする(苦笑) そうすると学生をやっている我ら年少組が、必然的に、葵さんの次に早起きになっちゃうわけ。 本当ならもっと寝ていたい! でも遅刻するわけにはいかないから起きるしかないよね! え?春さん?春さんもスポーツマンだし、ご飯作れるから早起きじゃぁないのかって? だめ!だめ! 春さんは日向ぼっこが大好きで、気持ちよさそうな日なたや木陰があるとそのまま昼寝をしてしまうほど、マイペースかつ自由人! 涙のデカイ版の猫要素がさらに強い人とおもっていただければわかるかと。 だれかを起こしに行って、そのまま布団にひきづり込まれたら・・・春さんはそのまま抵抗なく一緒に寝ちゃうんだよねこまったことに。 そんなわけで。 如月恋!本日もみんなをたたき起こして、葵さんのおいしい朝ご飯にありつきたいと思います! 恋『いくよ駆隊員!』 駆『はい!恋隊長!!』 『『今日も生き残るぞ!!』』 そう。朝のこの〈おはよう〉はいつも戦場だ。 そのひの朝は、いつもより早めに起きないとまずいと言っていた新を起こしに行ったら、始さんがパジャマのまま廊下にゆらりと立っていた。 眉間に深い深い皺を刻んで、あげく背後に般若とばかりの負のオーラを背負って。 なんでだよ!? って思った恋くんわるくない! 駆『え!?始さんが起きてる!というかなんかこわっ!?』 恋『え〜・・・なんで朝からそんなに不機嫌オーラ丸出し(遠い目)』 あまりの恐ろしさに駆さんにだきついて、びくびくした俺は悪くない(遠い目) そのままゆらぁーりゆらぁーりと腕をたらしたまま、ドンヨリとした目でこちらを見上げてきた始さんは近寄ってくると腕を伸ばし 始『ね・・・・む・・い』 『『ぎゃぁーーーーーー!!!!!』』 ★言葉をすべて発するより前にこちらに向かって始さんが倒れてきた。 意識のない人間の体(春さんを抜かす)ってすごい重いんだよ。 そもそも俺達は始さんの腕がこちらに伸ばされた時点で理不尽なアンクロをされるとばかり思っていたので、 怯えて二人で抱き合ったあげく目をつぶっていた。 まさかそのまま始さんが倒れてくるとは思ってなかったら、そのせいで逃げそこねた。 結果、倒れてきた始さんにのしかかられ、そのままバタンと床と始さんにサンドイッチされてしまった。 力が抜けきった始さんを支えることもできず、ペシャリ。 もちろん俺と駆さんは、セットで下敷きだ。 なんてことだ。 俺と駆さんは抱き合ったままのたいせいで、しかもその状態で始さんに踏みつぶされて床におしつけられているので、手も足も出ない。 というか、めっちゃ腕や骨が痛い。 う、うごけない。 意識がない人間の成人男性の体はとっても重い(春さん以外)。 しかも呼びかけても始さんはピクリとも動かず、俺が視線を横へ向ければ、同じようにこちらをみた駆さんと視線が合い、 互いに考えてることは同じだとわかった。 身動きできな俺達ができるのはこれしかない。 せーので 『『はるさんたすけてぇ!!!!』』 思わず春さんをよぶよね!! 叫んでもなお始さんが起きる気配がみじんもない。 むしろすこやかなほど気持ちよさそうにスースーと寝ている。 たすけてたすけて!ともう一度悲鳴をあげれば、始さんの横の部屋の扉が開き、部屋の主である春さんがヒョッコリ顔を見せる。 春『あれ?まだ始ってば寮にいたんだ』 俺と駆さんの悲鳴をきいて廊下にでてきた春さんだったが、現状を確認するや「困った子だよねぇ」とふふっと笑みを浮かべる。 まるで我が子を見守る母親のように穏やかに微笑む様は、窓からの光も相まってとても光輝く聖母のごとく神聖でうるわしい。 うるわしい。・・・の、だが。 そうじゃない!!! 駆『わ、わらいごとじゃないですぅー!!ヘルプぅ〜!!』 恋『助けて春さん!!!腕が!うでがぁ!!!』 始さんと俺達の売体重がかかって床に押し付けられている俺の腕が死にそうです! 骨がゴリゴリしてめっちゃ痛いです!このままだと始さんによって俺たちの腕は、ゴリゴリやられて粉になってしまいます! 春『ああ、ごめんね始が。 今日は早く起きなきゃいけないって言ってたから、それで頑張って起きたみたいだね。まぁ途中で行き倒れてたら意味ないけど』 春さんはクスクス笑いながら「よいっしょ」と始さんを持ち上げようとして・・・・・ できなかった。 春『む。たらない・・・・・・まぁ、いいや。テコの原理でならうごかせるよね』 春さんは魔力がないぶん、ほとんどのエネルギーを生命活動にまわしているらしい。それはお肉がつかないこともそうだし、腕力がないのもそれのせいらしく、 始さんの魔力補助がないと誰かをお姫様抱っこなんてできないほど。逆に言うと、始さんからの魔力補助をいつもより多めに得ると、誰よりも力持ちになるらしい。 まぁ、そのできないぶんは、なんか小細工?というか、知恵と技術でカバーするのがいつもの春さんなんだけど。 現に今日も俺たちの上から始さんをもちあげることができず、部屋に戻るとロープと棒をもって戻ってきた。 リキテンサヨウとかナントカテンとか、距離と重さがどうで、もーめんとあーむ(?)やテンソルとかベクトルとかがああだこうだ言いながら始さんのわき腹に棒を突き刺している春さん。 そうやって俺達の上からどかそうとしてくれたのだが、棒をわき腹下に突っ込まれた始さんは、イヤイヤをするように春さんの手を払うと、俺と駆さんをよりギュギュっと抱き締めてきた。 「くろだぁ」と言いながら腕がより強くしまる。 ぎゅぅ〜!!!! ひぃぃぃぃぃ!!!!!! 恋『し、しまる・・・たす・・・・』 駆『ぎ、ぎぶ・・・(バタリ)』 春『うちの王様は腕力だけはあるからねぇ。もういっそ自力でどいてもらおうか。そうだねぇ〜わき腹でもくすぐればいいかな?』 困ったように首をかしげる春さんはとても楽しそうだけど・・・ま、まって!まじでしまってる!しまってるから!!!!! うぇ〜と、もうじき骨がおかしくなるのではと思った頃、春さんが始さんのわき腹をツンツンとつっつき、しだいにブスブスと音がしそうな感じでつつきはじめたところで笑い上戸の始さんのツボをついたらしく、始さんの愉快な声が俺達の上できこえはじめ、ようやく俺たちの傍から腕が外れる。 そのすきに春さんが傍に転がっていたゴミ箱を始さんの下に入れつっかえ棒にして、ひっぱられて下から抜け出す。 恋『ぶっはー!!!死ぬかと思った』 駆『ほ、骨がおれるかと』 俺と駆さんは少しむせ込んだ後、始さんの腕が届く範囲から一気にあとずさり、その後を春さんに任せることにした。 俺達は春さんに「ごめんね」と始さんの代わりに謝られた。 春さんのせいじゃありませんよ! 春さんはもう数回始さんの脇腹をつつくと、笑い転げている(でも寝てる)始さんの下からふっとんだゴミ箱を回収し、元の位置に戻す。 うちの始さん、人前だと超Coolなのに、どうしてこんなに笑い上戸なんだろう。 そのあと春さんは笑顔で、始さんの服をつかむと両腕を万歳の状態にさせ、そのわきの下にロープをとおしロープの先には先程の棒をとおし、ズルズルズル「よっこいしょよっこいしょ」と始さんをひきずっていく。 今日は力がたらないようだったのに、大人一人を運んでいるだとぉ!? ナルホド。これがリキテンサヨウテンウンヌンの力か! しばらく引きずっていると、今度はクークーと健やかな寝息が聞こえてくる。 どうやら始さんはひきづられることに安定感を覚えたらしく、また寝始めたらしい。 それに春さんは足を止めると、呆れたようにため息をついた。 なにをするのかなとおっかなびっくりみていると、春さんは始さんの顔の横にしゃがみこみ、始さんの耳をぐぃーっとひっぱった。 春『これでもおきない、か』 くいっと春さんが始さんの耳をひっぱるたびに、笑い声がこだまする。 うひゃひゃひゃひゃ・・・・と、なんだかくすぐったそうな笑い声が、朝の早い廊下に妖しく響き渡る。 グィー うひゃひゃひゃ ぐぃ〜〜〜 うひゃうひゃひゃ・・・ 春『耳が弱い・・・ってことなのかなこれは?』 春さん、言葉の言い回しがなんかエロイっす。 そしてこの場の雰囲気とまったく一致しないです。 始さんはまだ寝ているけど笑いすぎで息も絶え絶えだ。 春『これで起きてないんだからこまったものだよね』 しかたないとばかりに春さんはためいきをつくと、のばした始さんの耳に口を近づける。 いつもの春さんだと、こういうとき困ったように眉をさげつつもそれでも優しく微笑んでいて、こっちまでうずっとむずがゆくなるようなそんな柔らかい声で「はじめ」と聞こえてくるところだ。 っが、しかし。 今日の春さんは、真顔だった。 いつのまにか春さんから表情が消えているときてる。 あ、これはアレだ。いいかげん怒ってる。 思わず駆さんとさらに数歩後ずさった。 しかも春さんは甘い声をかけるどころか笑顔もないままに、そのまま始さんの耳元でボソボソと何かをささやき続け。 瞬間、始さんがカッ!とばかりに目を見開き、青い顔でのそりと起き上がった。 春『もう、寝ない?』 始『あ、ああ』 始さんは血の気の引いた顔を抑えるように顔を抑え、なんだとか頭を振った後、顔を洗ってくると立ち上がり、フラフラと去って行った。 始さんがあんなになるなんてと、春さんを見れば、さっきの無表情はどこへ行ったのかやり遂げた達成感のようなとてもとてもイイ笑顔だった。 ((何を言った!?)) 春『うん?大したことじゃぁないよ。でもさ、人には知られたくないことの一つや二つ誰にでもあるでしょう?ね、みんなもきをつけてね』 たぶんそのとき俺と駆さんの心は一つだったと思う。 普段怒らない人ほど怖い。 俺達は誓った。 絶対寝起きの春さんを怒らせない。と。 ----------------------- 【おはよう奮闘記A】 〜「春字」世界〜 ::: side 如月恋 ::: 『おっはようございま・・・・』 恋『いや!わかってたけどぉ!!!!わかってたけどぉぉ・・』 駆『恋、あきらめよう』 朝、始さんを起こしにノックしてから部屋に入った。 眠るの大好きな始さんを起こすのは、並大抵のことではない。 声をかけてそれで起きない場合は、布団を剥げ!と笑顔の春さん指導をうけている俺たちは、本日も名を呼ぶだけでは起きない始さんに一回ごめんなさいしてから「起きてください!始さん!」「おっはよーございまーす!!!」と布団をはいだ。 ら。 いた。 恋『なんで春さんまでいるんだよぉ〜!!!!!!』 布団の中には、始さんの他に春さんまでいた。 二人とも御熟睡のようで、俺たちが横で叫んでても反応がない。 春さんなんか心底安心しきったかのような表情で始さんに頬を摺り寄せていて、そんな春さんを抱き枕にしてスヨスヨとお眠りになる王様が白いシーツの上にいる。 春さんはかけ布団がなくなって寒くなったのか、温もりを求めるようにもぞっと動いた後、気にせず始さんの胸板にさらに頭すりつけて・・ ふにゃりと「あったかい」と笑みをこぼしてそのままスー。 始さんも春さんが動いたせいでバランスが悪くなったのか、眉間にしわをよせて「う・・」とうなり声をあげたが起きることはなく、春さんの背に手を回して自分の方へさらに引き寄せると、体重のあずけ方が安定したのか満足したようにしばらくすると動きが止まる。 恋人同士ですか? いや、違うのはわかるんだけど。 二人に恋人的な空気なんかありゃぁしないんですけどね!それでもお互い大切ですとばかりにふたりともお互いの背中に手まわしてめっちゃくついて寝てるし! もう周囲にバラが散ってる錯覚しちゃうよねこの二人がそろうとっ!!! どこのお姫様と王子様の朝ですか!って感じなんですが!! つか相変わらずのゼロ距離ぃ!!!! 起きていようといなかろうと、この二人の距離は相変わらずすぎて嫌になる。でも嫌いになんてなれませんけどね!え?大好きですが何か?! そりゃぁ最初の頃は二人の距離のおかしさにびっくりしたけど、さすがにもう慣れましたよ〜。だっていつものことだし。 実はうちの年長さん、起きていようとこの距離感なんです。 それはもう事情を知らない他人様がみたら、ベタベタいちゃいちゃしてるバカップルにしか見えないぐらいの距離感。 だが、しかし。この二人付き合ってない。 というかお互いを空気と認識していて、いるのが当たり前という感覚で、始さんが春さんをエスコートするように手を伸ばすのはいつものこと。手を握って歩こうが、ほっぺったくつけていようと、肌がくっついていようが、相手を踏みつぶそうが、なんのその。もはや距離の近さを気にしてないんです。 むしろ二人の場合は特殊事情がありまして。始さんがある程度傍にいないと春さんに魔力が行かないですからね!大変なことになっちゃうわけですよ。 ――ということが、幼少期あったらしく、触れらるぐらい傍にいるのが当たり前になってしまったようなのです。 そんなわけで、昼間起きているときの二人は、ここまで妖艶な色気は漂ってないので、お二人がイチャイチャしてるときは、まるで猫がじゃれあって遊んでいるようにしか見えない。 ただし美猫二匹という注釈が入りそうではあるけど。 あとたぶん注意位に花が散ってる幻覚が見えるかもしれない。 だが!しかぁーし!! 寝てる時のこの無自覚にムンムンと出ている二人の大人っぽい艶やかな色気は勘弁してほしい! 昼間の二人は大輪のユリのような華やかさで、なんだか綺麗だなとおもわせる。 春さんが笑えば、それだけで周囲の空気までほんわかした感じになる。 のだが、寝起きやおねむの時に二人が目を閉じている姿は、もはや御伽噺にでてくるバラにとらわれ眠り続ける貴人のごとく!!その姿はもう信じられないぐらい濃い赤が似合いそうなほど艶やかで、妖しさがかもしだされる。 清廉な白いユリと情熱の赤い薔薇の差。わかるだろうか? なにか昼間の意識あるときの二人と雰囲気が違いすぎてよくない。 子供が直視してはいけないレベル! というか、ただでさえ華やかな二人がそれはもう穏やかな顔で寝てる姿とか。それだけで眼福です。はい、ファンの皆様は流血にご注意ください。そんな状態だ。常に。 そ・れ・が!さらに幸せそうな表情をうかべて抱き合っているだけでなく、二人ともパジャマですからね! タートルネックじゃぁないので、襟元どうやったって空いてるし!!! なんか白くてきれいなうなじとか、服から除く鎖骨とか・・・チラっと見えるのがヤバイ!!!もうなんかすごい色っぽいんだよ! 十分睡眠をとれたようで、あとお互いのおかげで暖もとれているようで、血液が回り、普段は色白の二人の肌は微かに血色がよく、ほんのりと薄紅色に染まている。微かにひらいた桃色の唇。チークやらを塗ったわけでもないのに、上気し健康そうな頬とか。瞬きしたら音がしそうな長いまつげとか!顔もすっごい綺麗だし!!!!!!! 意識がないせいか、少しでも動くその動作は普段とは異なりとてもゆるやかで。 はっきり言うとそれがもうたまらない色気となっている。そしてヤバイ空気が二人を取り囲んでる。 小さくこぼれた声や吐息なんか聞こえてみろ。 もう性別とか関係なくドキっとくるから!!! ―――もう!!!!とにかくうちの年長二人がエロイ!!! うちの年長さんは本当にただでさえ大人っぽいのに、それが朝だともう・・・!!!別の意味で色っぽい。 本当に目のやり場に困る! ああもうなんでこんなに、艶やかだよ! そういうのは撮影だけにしてほしい!! ここにお二人のファンがいたらみんな鼻血出して倒れてるわ!!血の海だぞ!!貧血注意報必須だチクショー!イケメン滅び・・・ないで!!春さんと始さん大好き!!! 恋『わかってたけど・・・辛い。鼻血出そう』 駆『匂い立つような色気ってこういうことを言うんだろうねー(遠い目)』 恋『それがダブルとか・・・』 『『おふぅ・・・』』 なんだか眠る二人を見てるだけでこっちまで顔が暑くなってくる。 かけるさんとパタパタとあおぎっこをしてから、もう一度始さんのベットを見て――同じベットで健やかに眠る二人から目をそらした俺達はたぶん悪くない。 恋『かけるさん、俺、バラが見えるバラが・・・・』 駆『恋、それは幻覚だよ。例え春さんをギュっとして寝てる始さんがいて、二人の周りになんともいえない空気が漂っているようにみえようと、本当に甘くていい匂いがしていようと』 駆『俺達の任務を忘れちゃだめだよ恋』 恋『かけるさ〜ん(涙)』 駆『いつものことじゃぁないかアハハハ(さとりきった微笑み)』 こんな状態でも任務を遂行しようとするかけるさんかっこいい!と思っていたら、駆さんはサトリの境地に到達したような――イヤむしろあれは死んだ魚の目だ――をして遠くを見ながら笑っていた。 ああ、うん。わかる。わかるよ駆さん。思わず視線そらすよねーーー。 この二人、いつものことだけど。 そう。 い つ も の、こ と だ け ど !!! いい加減、春さんは、始さんを起こそうとしてそのままお布団にひきづり込まれると抵抗なくされるがままに一緒におやすみしないでほしい。 かなりの頻度で始さんのいる場所に春さんがいるのまではいい。だけど朝は特にやめてほしいなぁと思わなくもないわけで。だって辛い。色んな意味で。 いつもなんか違うパターンの二人だけど。ドキっとさせられるのは変わらない。こちらもいろんな意味で。 もう、起こす方のこっちの心臓が持たないから!! で、これを起こすと、春さんは呼びかけ一発で大概起きてくれる。 始さんは案の定、すこし身じろぎをした後また寝てしまう。 問題はここから。 春さんを起こすことで発生する問題というのが―― 『んぅ・・・あ、おはよ〜う。かける、こい』 わかるかこのとんでもない甘さが!!! 俺と駆さんだとすぐに外れないのに、軽く春さんが押すだけで始さんの腕はあっさり外れ、春さんが上半身だけもそりと起きあがる。 そのまま眠そうにゆるく目をこすりながら、いつもより若干遅い柔らかな声で、かつ、したった足らずな口調で!寝起きならではのとろりととろけるような微笑みがむけられるのだ。それはもう極上の琥珀の蜂蜜をたらしたように甘く。春に咲く小さな可憐な花が蕾から花開くように、ふわりと。一気に咲き誇るよう。 ちなみにもう一つ付け加えるなら、寝起きのせいで若干乱れた服で。といえば、状況がさらに飲み込めるだろうか。 おい、だれか。こんな綿あめのように甘く、言っちゃぁ悪いが、なんだか事後の朝起き抜けかとつっこみをいれたくなるようなエロイひとを前に、 笑顔であいさつ以外の返答できる奴がいたら、今すぐここへ呼んでくれ。ぜひ、変わってくれ!切実に! ちなみに。春さん、これですべて無自覚です。 こういう状態の年長をみせると、うちのおっさんもとい新がうるさいので、やはり朝の起こすのは俺たちのお仕事になってしまうわけです。 なお新の冷やかしは、自分たちに色気があるのを理解していないお二人は意味を理解できず通じません。 『『おはようございます春さん。今日もいい天気ですよ(^^)』』 駆さんと声を合わせて笑顔で挨拶をすれば、先程よりは幾分シャッキリしつももいまだほわりほわりとした春さんから「ふふ、今日も元気だね」とふんわりと笑顔が返ってくる。 そんな春さんに癒されつつ「始さんが起きません」と告げれば、承知とばかりに優しい笑みで頷き返される。 あれはまかせてという意味だ。 で、慣れてない人なら、ここでもう部屋から出ちゃった方がいい。 なぜなら―― 春さんは寝起きの乱れていた髪を軽くかき上げ耳にかけ、始さんの頭をひきよせる。 ちょっと位置がかわっただけのそれは、膝枕に近い体勢で春さんが始さんを覗き込むような形になる。 下を向くと髪が下がってくるからいつも耳に髪をひっかけるのだが、その動作がまた何とも言い難い。 スラっとした細い指が流れるように動き、普段は隠れている耳があらわになり、白いスッとしたうなじが空気にさらされる。 日本人というか着物などから除く女性のうなじに惚れるのが分かるほどに、春さんの仕草はつやっぽい。 その状態でそっと伸ばされた春さんの両手が、優しく始さんの額にかかる髪をすく。 『ねぇ、はじめ。起きて』 ふわり。ふわり。 ゆっくりした声がふりそそぐ。 まるで愛をささやくように。 愛おしそうに、切なささえ感じるほどに「はじめ」とその名を甘く優しく呼ぶのだ。 そんな春さんの一声だけで、頑丈に閉ざされていた始さんの目がひらく。 『ん・・・はよ春』 『おはよう、始』 髪を優しくなでていた手がいつのまにか始さんの頬に触れている。その手を始さんはつかんで軽く引っ張って引き寄せる。 春さんは戸惑うことなくむしろなにごともなかったのように、近づいた顔にいつものように「おはよう」と声をかける。 始さんは引っ張った春さんの手から手を離すと、寝そべったまま手を持ち上げ、間近にある春さんの頬をなでる。 しかも動作はゆっくりだ。 しばらく時間をかけて始さんは春さんのほっぺを撫でていたが、春さんはくすぐったそうに自分の頬に触れる始さんの手をやわらかくうえから両手でおさえると、自分からその手に頬を摺り寄せた。 始さんの手に触れられるのが嬉しいとばかりに、また春さんから笑みがこぼれ、だんだんと目が覚めてきたらしい始さんがそんな春さんにこたえるように空いている方の手で春さんの頭を話シャリと撫でる。 そのまま春さんの頭を抱え込むように引き寄せると、ふわふわの春さんの髪の毛が顔に当たってくすぐったいと始さんまで顔を緩める。お互いくすぐったそうにすり寄っては、そこに言葉はないというのに通じ合っているかのようにクスクスとわらいあう。 どこの恋人の朝かな? そのままじゃれてた二人は、互いの額をくっつけると、そっと目を閉じる。 それは、まるで二人だけの神聖な儀式のよう・・・・。 はい。ここまででも十分甘いですよねー(遠い目) だけど実はこの一連の行動。イチャイチャしているわけではなく、ちゃんと意味があったりする。 春さんが始さんの頬を触るのは、寝坊助始さんがまた寝ないように最初に視線を合わせることで、意識がはっきりするのを確認しているのだとか。 始さん的には、春さんの体調はどうか。魔力がちゃんといきわたっているか。その顔色で判断すべく、よく見ようとしての行動らしい。 始さんが春さんの髪の毛を撫でるのは、ただフワフワを堪能しているだけなので論外だが。 最期に額をくっつけて目を閉ざすのは、これは起き掛けでまれに崩れる魔力の循環をよくするためなのだが――― 二人にとっては、ただのおはようの一連の流れの一つ。 そう。これが二人の朝一のいつものやりとりなのだ。 っが、しかし。 やはり事情を知らないと、どうみても恋人どうしの朝のなれそめにしかみえない。 というか一緒に寝た恋人が、朝にも横にいて、その姿が夢ではないかと確認しているかのようだ。 恋『かけるん。今なら俺、ブラックコーヒーも飲めるよ』 駆『わかる』 とにかく朝のうちの年長コンビはとにかくヤバイということを知ってほしかった。 動作の一つ一つがゆるやかで、かつ華があって、色気があって、途方もなくエロイのだ。 そして甘ったるい空気で満ちている。 たとえ本人たちにそのつもりがなくともだ。 あくまで“そうみえる”だけだが、起こしに来た身としては――ねぇ。 恋『空気がデラ甘い・・・・・・・・・・・・』 駆『無自覚やだ、つらい・・・・(涙)』 『『もう俺達起こす当番いやだ』』 残念かな。 これが、日常である。 つらい。 ----------------------- 【おはよう奮闘記B】 〜「太極伝奇・零」世界〜 ::: side 如月コイ ::: 俺、如月コイは今日オフだった。そんな俺の手には2つのRPGの携帯ゲームソフト…1つはシュンさんから借りたものだ。同じくオフだというシュンさんに借りたゲームを返しながらプレイ感想を熱く語る予定だ。ーーオススメというだけあってクリア後に滂沱の涙を流しながら自分の分を買ったのが先日。 んじゃ朝からプレイしながら振り返り鑑賞会しような!と言ったのに早起きのシュンさんには珍しく未だ起きてきてなかった。あいにくプロセラのメンバーは仕事や学校などで各々忙しいらしくカイさんすら今はハルさんと一緒のサバイバルロケでいない。ヨウに様子みてきたらどうだと言われ来てみたのだが… シュンさんの部屋から呻き声を察知し、慌ててドアを開けて…そうドアが空いていたのだ。 そして 衝撃の光景に俺は口をあんぐりさせていた ハジメさんがシュンさんに後ろからのしかかっていた。…あ、見てはいけないキャ───(*ノдノ)───ァみたいな状況ではない。布団は多少ぐしゃっとはしてるけど 零「コ…イか?」 恋「シュンさん!ご無事ですか?!」 シュンさんは呻きながらも首を縦に振る。 ハジメさんは( ?ω? ) スヤァ…と爆睡しながらシュンさんの胸のあたりから腕をホールドし腰あたりに引っ付いてる。…成人男性が意識なくのしかかりってだいぶ重い気がするんだけど。 零「起きたらハジメがいて…それはまぁいいんだが」 恋「いいんですか?!」 零「まぁ…こういう状況ってことはハジメが不安定なときだからな。ただ、コイとの約束あるし起きるか…ってしようとしたら寝ぼけながらホールドされた。起こすのはしたくないが俺まで動けないのは困るから声かけたり揺すったり叩いたりしたんだがなー」 なんとか這い出ようとした結果らしい。シュンさんは布団派のため畳に這いながら寝床から出ることは出来る…で、その最中に俺が来た感じだ。…これがベッドだったら床に強打しそうな光景である。 恋「………いっそ、蹴るとか殴るとかは?」 零「いや、それはさすがに」 可哀想だろ?と困り顔で言うシュンさん。…ルイが前ハジメさんにお揃いのやつとかで押し切られたシュンさんに対し『チョロ甘』って言ってたけど、俺も浮かんだよ…シュンさん!!うちのリーダーだけどっ、そこは殴っても良いんでは?!とか、うんっハジメさんだけど!ハルさんなら容赦なく壁に叩きつける勢いで蹴ってそうだから余計に…! 零「ま、最近ハジメ忙しかったしこれでストレス減るなら、な…」 そう言ったシュンさんはハジメさんを優しく撫でる、その目は優しげだった。……やっぱり甘いと思っちゃうな 恋「……とはいえどうします?」 零「仕方ないから、このままゲームするか」 恋「でーすーよーねー」 そのままシュンさんはハジメさんにのしかかられたまま胸元にクッションを敷き、俺とゲームプレイしたのだった。 ストーリーに大いに盛り上がったのは言うまでもない。その最中に…既に起きてたハジメさんに気づかず、ハジメさんがぶすくれる程には。 ::: side 霜月シュン(成り代わり主) ::: あれは前世の記憶を互いに取り戻した時のことだ。 ハジメが眠れない事態に陥った。朝早くから俺の状態聞いたり安堵したりでそれほど俺が死んだ時のトラウマが鮮烈だったのを痛いほど知った。ただでさえ仕事の忙しいハジメだ…そこに眠れないとなれば体調は悪くなる一方でしかない。グラビのメンバーが泣きそうになっていく事態になってしまった。 そこで眠れるよう安眠のススメのド定番はちみつ入りのホットミルクを差し入れし添い寝するという実践を試みたら、それはもう見事にハジメは快眠した。が、あくまでそれは俺が添い寝してる間である。一夜でどうにかなるほど甘くなくハジメが安定するまで俺はハジメの部屋に通うことになった。 …ということもあり、ハジメは時々不安定になる。記憶を取り戻した頃に比べれば頻繁ではないが、仕事が忙しくなったり不意打ちで不安定なのは人間だから理屈ではない。そして俺の布団にいつの間にか潜り込んで安心を得てるのがデフォになってきた。まぁ流石に初めてのときは朝起きて自分の布団の中でイケメン偏差値高い面を間近で認識して悲鳴をあげそうになったのは、笑える思い出だ。幼馴染であろうと前の晩いるはずのない人間がいたら目覚め直後では驚きでしかないからな。うん。 長年の人生で気配に敏感なほうと思われた俺も気づかず爆睡なあたり如何にハジメ相手に気を許してるか実感してなんとも言えなかった。 零「甘々かー……」 てなわけで、本日も絶賛ハジメに抱き枕扱いされた状態で起きた俺です。とりあえずハジメの顔に隈が消えてることに安堵し、さてどうしようかとも考える。 (今日はコイが来るんだよな) 一緒にゲームプレイし、その後そのゲームがアニメ化された円盤も見る予定だ。起きねばなるまい。 零「………ハージーメー。朝だぞー」 始「( ?ω? )」 なんとか起こそうとしたがハジメは起きず、揺すったり肩を叩く。が、起きない。 零「…這い出でるか…っ重っっ?!」 起き上がろうとしたが、ハジメの腕がまったくもってホールドしたままだ。変な体勢になりのしかかられて呻く。 少しだけ布団から出れたがハジメが寝たままのため上手く動けない。…本当に馬鹿力だな! コイが俺の部屋に来て事情を話したらボソッと遠い目で「チョロ甘」って言われた。…返す言葉もない。最近のプロセラメンバーですらチョロ甘と呼ばれてることが度々あるからだ。何故か!弱いんだよ! 仕方ないからそのままゲームをし楽しんでいた。 いつの間にかハジメは起きてて、目が据わった状態でブスくれていた。 そうここまでなら可愛いもんだった。 恋「ここ!ここですよ!主人公に仮面を託して親友が塩になるシーンが!!!」 そう…ゲーム最大の山場、涙腺崩壊シーンをハジメが見てしまったのだ。 零「あ」 始「」 この後はまぁ大変だった。コイの前では何とか体裁を保てたハジメだったが、二人きりになった途端腰のホールドが強くなった。 迂闊としか言いようない。ゲーム前半のコミカルな流れの時に起きるかはたまた寝こけてるかと思いきやよりにもよってのシーンで起きていたのだから。いちおう補足としてこの続である完結編の結末もハジメに教えた。が、すぐに浮上するわけでもなくーー 零「ハージーメー!」 始「…なんだ」 零「俺は生きてる。今、ここにいる」 始「…分かってる」 零「ーー」 ::: side 睦月ハジメ ::: 忘れられない。あの雪の中の光景は 出逢いも雪の中であれば別れも雪の降る中だった。 寿命が延び人間としては長いながらも変わらない日常を送ると思っていた。事実、術者としては例に漏れず獄族との契約してから老いは緩やかとなりあの世界の人間の平均寿命をとうに越えても外見は遥かに若い青年のままだった。 人間としては永く生き、獄族と伴に歩む術者としては他に較べ短い人生だった。 唐突に訪れた別れ。俺に掛かった呪術をシュンが無理やり己の身に移した忌々しい出来事。 半身を削られたーーあの衝撃は鮮烈で、だからこそ今世ではシュンに依存してる自覚はあった。 たまたま目にしたゲームのシーン。解ってはいる。だが、あまりにも近しい光景だった。 死を悟った者の最後のゲームの男の微笑みと獄族のシュンが俺に向かって『 よかった…』と言って微笑みながら霧散した瞬間が ゲームの結末もシュンから聞いた。悲しくも切ない…が、皆が前に進むハッピーエンドだとも。 零「俺はいるから。此処に」 始「ーーーそうだな」 ーーーお前は、たしかに今此処に存在している。 バン! 「うあっちー!!すずませてくれぇ!」 「こげるぅー!!しゅーん!」 穏やかな会話は数分ともたなかった。 ハルとカイがバン!と遠慮もノックもなく乱入してきて、いつもの日常となてしまった。 いや、確かにこの部屋涼しいが。 お前らサバイバル中じゃ・・・ 「え、撮影ならもう終わったよ」 「おう、なんか突如すっげぇ嵐に見舞われてな(笑)いやぁ〜、心配性のお母さんにも困ったもんだよな。ははは」 「「・・・・・・」」 なぁお前ら。 もう少し、空気を読め。 ----------------------- |