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[花悲壮] → ツキウタ



【お題】 舞台オリジン 2・続

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※魔法の国(字の世界)…『漢字名称』
※魔法のない国(零の世界)…「カタカナ名」

【霜月シュン】
・隼の成り代わり主
・真名は「神崎零」
・前世は黒バスの火神大我
・一人称:俺
・前世の影響でとにかくよく食べる。胃袋ブラックホール
・バスケバカ
・運動するのが大好きで、現在は剣術をならっている
・火神の時に犬に襲われて以降、犬が怖い
・ペルソナの能力は、異空間でなら使える
・元、獄族
・獄族としては、氷系の能力者だった
・ハジメの契約者









――高所恐怖症。

新「そんなひとに天使や悪魔になって、空から“君舞い降りる〜♪”なんてのが、まず無理な話ってもんです」

葵「アラタ、だれに何を語ってるの?」
新「いや、なに。解説が必要かなと」





【舞台オリジンの現場にて】
 「太極伝奇・零」






春「無理!本当に無理!!!」
海「な〜に言ってんだか。いつもの要領でやればいいだけだろ?」
春「や、やめて!!無理!!!!!!」

始「いいぞカイ。もっとやれ(ニヤ)」
零「ハジメ・・・そんなだからハルに怒られるんだぞ」

葵「カイさんなんて鬼畜!もうおろしてあげてください!ハルさん泣いちゃってますよ!!ひどいことしないであげてください!」
新「ひどいというか・・・・いつも高いところにいる人がなんであれほどびびるかね〜」
夜「不思議なことにハルさん実は高所恐怖症なんですよ?踏み台とかのれないんです。ふふ、かわいいですよね〜」
陽「いや、でもあれはないだろ。普段のハルさんの身長より今の高度低いぞあれ」

カイがハルを持ち上げ高い高いをするのだが、それに顔色を悪くしたハルは、足を曲げて目を閉じて完全に怖がって震えている。
ハルの腰にはワイヤーがつながっており、頭上を見上げればスタッフが苦笑を浮かべている。

あまりに怖がるその様子に苦笑してカイは地面付近までハルをおろすのだが、ワイヤーがあり、その長さの限界まで引っ張ってもあと50cmほど宙にういてしまっているため、完全には地面におろせない。

しかも怖がって尻尾を丸める犬の様にハルが足を曲げてしまっているので、膝よりも下の位置にいるというのに、地面に足がつかない。
足が宙をさまよっているため、「こわい」「むり」「たかい」とハルはさらに目を固くとじてしまうしまつ。


昂「あの、どうかしたんですか?」

零「あ、Growthの。いや、なんでもないぜ」
海「ちょぉっとばかし高所恐怖症のやつがいてな!ワイヤーで飛ぶのを拒否っててな。でも大丈夫さ!ハルは高いところ慣れてっからwww」

昂「あ、ああ。なるほど」
翼「俺ら、羽根があるって設定だから、そりゃぁワイヤー演出あるよね」
涼「というか“高いところ慣れてる”ってなに?え?身長のこと?」


零「おーいハル。目ぇあけろって。いま50cmも浮いてないぞ」
春「浮いてるとかがまず無理!足つかないよぉ!!!!こ、こ、こわい〜!!」
零「そりゃぁ、ハルが足を下ろさない限り、いつまでもつかないって」
始「ハァール。お得意の高い高いだろw」

春「む、無理ぃ!!!なんかめちゃくちゃ怖い!怖い!!!足がつかないよ!!
思い出す前から、オレがこういうの無理だって知ってるでしょハジメは!!
飛行機も死ぬかとおもうし!観覧車もめまいしたし!!こわすぎる!!」

零「あー・・・あれか。自力じゃないから感覚が違って怖いみたいな?冷蔵庫の氷を見ると、ん?って俺も思うしー。それはしょうがないよな」
涙「あ・・・なるほど。あるある」
陽「だよなー。俺も湯沸かし器とかたまに違和感あるもん。いっそ自分でとか思う思う」
春「それ!自分の力じゃないのに飛ぶとか無理!!いつおちるかわからないんだよ!!ほんとむり!!」

春「オ、オネガイシマズ、カ、カイサン、オロシテクダサイ!!!」

海「だからお前は、まずその体育座りなみに縮めた足を延ばせって・・・ピンって伸びて綺麗な。これは見事なL字だな、って、おい! いやいやいやちがうからな!のばすって、横にそうじゃなくて!まっすぐじゃなくて、下に向けてそうやって」
春「まだ!?まだつかないの!!無理!」
零「あ、またもどった・・・」
海「あと5cmだったぞ」
春「言われても見えないからもっと距離ありそう!届かない時点でもう無理!!こわい!!」
海「見えないってwww」
零「目ぇとじてたらそら、みえんわな」

零「ハル、目ぇあけてみ?まじでなんもないから。な?大丈夫だぞー」
春「目を開けるとか無理!!!もっと怖い!」
始「目を開けないとそのアホ毛ぬくぞ」
春「違う意味で怖い!」
始「よし。ぬくか」
零「やめろっちゅうの!」

葵「そうだ、ハルさん!監督ってたしかハルさんの知り合いですよね?この際いっそのこと、自力許可をもらっちゃうとか!」
零「なら俺もー許可ほしい」

「「え・・・」」

零「いや、凍らせるんじゃなくて、演出としてこうキラキラっとダイヤモンドダストみたいにさ。協力できねーかなって」
始「氷をまとわせて飛ぶ天使・・・・俺の天使が天使過ぎる」
零「ハジメは凍っておこうか?うん?(*´▽`*)」
陽「あ、ちょっ!?やめろシュン!お前の氷とかすの大変なんだぞ」
夜「シュンさん、お願いですハジメさんをこおらさせないで!今はお湯がないんです!」
陽「水があれば沸騰させられるぜ」
夜「ハジメさんを解凍するだけの量はないんだって」

恋「却下ぁ!!(真顔)」
駆「そうですよ!そんなことされたら俺たち寒くて死んじゃいます!」

「「俺達露出度高いんですよ!!」」

零「あ、わりーわりーそのへん考えてなかったわ」
陽「俺が空気温めとくか?」
零「いや、それやると俺がまず氷だせないからな」
海「とりあえず西野さんに、ハルの風の使用許可だけでももらわないとなww
このままだと椅子の上にも乗れない系悪魔がひとりできあがる。これはさすがに体裁が悪いだろ」
零「だな」


昂「・・・・・ん?」
涼「ちょっと待って。あの人たちなんの話してるの?え?風ってなに?氷って何?湯沸かし器?え?どういうこと?あれじゃぁまるで本当に何かの能力があるみた・・・・・Σ(゚Д゚)」


横見たら、ハルさんがふわふわ浮かんでいました。
その手を取ったまま、カイさんが苦笑してます。

海「ほーら、ハル。目ぇあけろ。怖いからって自分で飛ぶんじゃない」

ワイヤーたるんですんですよ。
自力で飛んじゃったみたいですwwww





+ + + + +





西「え!?ハルくんが高所恐怖症!?あの風の君が!?お山を三つぐらいひっととびして、行く先に嵐を呼び起こしていたようなあの最高の風遣いというか空間能力者にして暴風の主といわしめたあの風神のお方が!?」
春「なんか中二病っぽいのが増えてる!!!!!もうやめて!!!!!」

零「うわーハルのSAN値がどんどん減っていくなー(遠い目)」

海「はははwwwなんかすげーいわれようだなハル」
西「あ、海の君。ごきげんよ〜。そういうあなたは、怒れる海の雷神っていわれてましたよ?」
海「まじか」

零「ま、まさか俺にもそんな中二病ネームが(汗」
西「“霜月の君”は“霜月の君”でしたね」
零「ふぅー・・・よかったまんまだ。普通だ」



西「あ、ハルくん。OKです」
春「え?」
西「この際、舞台の限界を超える舞台にしましょう。
あとでお客さんが「あれ、どうやって飛んでるの!?」って思わせるような演出にしましょう。
それにハル君の力をお借りできれば、スタッフの苦労も減りますし、なによりリアルな演出ができます。ワイヤーでも小細工でもCGでもなくね。
な・の・で――」

西「――風の君、どうかこの僕に、お力を」

春「その呼び方本当にやめて・・・(*ノωノ)」
西「で?答えは?(ニッコリ)」
春「ほんと、こういうときだけ強気なんだから。い、いいけど。西野さん本気?」
西「もちろん!」

西「じゃ!早速こことここ変更ね!みんなー!みんなの登場シーンは、天使と悪魔っぽく空から登場してもらうことにしたから!」
春「え!?ちょっとまって!!みんな!?みんなだって!?待って西野さん!オレ、いまはそこまで細かく操れないというか37人分の制御は無理だから!!本当におねがい!待ってぇぇぇぇぇー!!!!」


里「あ、六翼組が・・・ハジメくんがからみにいってるのかな?」
志「ん?」
里「あらら。ハルくんじゃなくて、今度はシュンくんの周りに氷、かな?ハジメくんこおちゃったみたいだね。足が。
シュンくんの周り、キラキラしてる…彼は天狐でなくて俺と同じ雪女で良かったんじゃないかなって今なら思うね」
志「百鬼夜行の話だな。そのときこそこれをやってほしかったものだな。リッカの周りとかぜひに」

翼「ねぇ、みんななんでそんな平然としてるの!?大ちゃんも何とか言ってよ!おかしいっしょ!おかしいよなこの現場!!」
大「さむい・・」
翼「大ちゃーん!?」



結局、ワイヤー演出になったらしい。

世界の違いのせいで、操れる自然エネルギーが少ないから無理だと訴えたのは、前世の記憶があるメンバーで。
風の力で人を浮かすという発言に対し、おおくのひとは現実味がない!というツッコミを炸裂させたのだった。



ただし、とある現場を目撃していたスタッフと出演者はのちにこう語る。


「超能力者、まじでいたわ」と。

それはそれは遠いどこかを見て、視線を合わせることなく語ったのだった。





 




 




 

【オマケ】

衛「こーくーん。みてみ・・って!?わわわ!なにこれふわっと!?ふわっと風が!う、ういてる!!!」
葵「うわっ。風がまとわりついて。う、浮いてる!?あ、ハルさんっていつもこんな感じなのかなすごーい!」

涙「ハル!僕もとぶ!」

春「うー・・・・・・・・いっぺんには2人が、げ、げんかい・・・うーーーーーーーおとさないようにおとさないようにおとさないように・・・」

涙「ハル・・僕も飛びたい」
春「じゅ、じゅうりょーオーバーです!・・っ!!も、もう腕が・・・」
流「なにそれ!?なにそれおもしろそー!俺も!」
星「ここに、ならべば飛べるのかな?」
英「ほらほら、なんだかよくわからないけどちゃんと並んで二人とも」
柊「はは。なんだか家族で遊園地に行って行列待ちをしてる気分だね〜」
志「・・・(無言でスッと並ぶ)」
空「わー!俺も!七番目!!やったねラッキセブン!」
駆「ずるいですー!俺も!」
始「なら、俺も。とばしてもらおうか、なぁ、はぁーる」

春「や、やめて、並ばないで。
というかもう集中力が切れそう(ぐったり)」

新「!?せめてアオイたちを地面におろしてからたおれてください!!しっかりハルさん!はい!糖分!!(苺牛乳をわたす)」

葵「アラタが、アラタが好物をひとにあげるなんて(うるり)」
衛「わーすご〜い。みてみてコウくん!こうやると宙をうごけるよ!」

里「わわわ!?だ、大丈夫!?下でうけとめたほうがいい?(オロオロ)」
大「・・・とんでるな」

翼「・・・わぉ。なんかうちのシキが喜びそうなネタだな。あ、もう並んでたか(チベスナ目)」
昂「ハルさんは風遣い。なるほど」
涼「いや、これ演出の設定とかじゃない気がするんだけど・・・本当に風吹いてるし!!!マモル飛んでるよ!!どうすんのあれ!!」



宗「風、強いな。室内だけど」
守「・・・・・・そっかぁ。あの衣装合わせの時の極地竜巻は、錯覚じゃぁなかったんだね(遠い目)」


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