有り得ない偶然
++ アルナシセカイ ++
[ツイッター・ツキアニ軸] 05話 ツキウサ編
「春」成り代わり夢主1の世界…『漢字名』。
「隼」成り代わり夢主2の世界…「カナ名」。
アニメ 第8話「まるい月」 より
【月ウサガールと】
〜side シュン成り代わり世界〜
「やぁ、かわいいお姫様たち」
「ちがうわ!わたしのことは女神と呼びなさい!」
なぁ〜んて、収録スタジオの廊下。数人の女性と男性が通りすがりの際にそんな会話をしてたが、女神ウンヌンで隠す必要もなければ、「女神のように美しくなるのだ」という意味程度にしか双方思ってはいいない。
なぜなら、この世界に魔法はない。
この世界に、人のエネルギーを調律する女神もいない。
しかし、地球上のツキノプロダクション女性寮では、いま、まさに不可解なことが起こっていた。
それは・・・
「ぎゃーーーーーーーーーーーーー!!!なんなのこれぇ!?」
「ふたつの科学技術と薬品が合わさった結果のようね」
「これは・・・とても。その・・非常識な、展開ね」
「ねぇ?これもどれるのよね」
「ツキウサになる未来は考えてなかったよ」
「ふつうは考えないよ!」
「それで。これ、もどるのかしら?」
「大丈夫。こんなこともあろうかとリセットボタンを・・・と思ったけど、さっきの爆発で必要なエネルギーがふっとんでしまったようだ」
「だめじゃんそれ!」
「いや、だが三日あれば、エネルギーのかわりとなるものを」
「それじゃだめなの!」
「?」
「どういうこと?」
「私の作ったポイズンには定着材が!」
「・・・・・・遺伝子を改造したり肉体を変化させたり。そんな非科学的なものを個人の力で作るから」
トップアイドルを目指す12人の少女たちが、ツキウサの姿になってしまっていた。
マッドサイエンティスト元宮祭莉による謎の光線銃。
聖 クリスによるポイズンと称される謎の物体。
これが本物であるなら、彼女たちの実力は、ノーベル賞科学者たちもびっくりな実力であろう。
世の悲しい胸元の女性たちが泣いて喜ぶに違いない科学技術である。
しかしその出来がいいのか悪いのかわからない技術がぶつかり合い、おかしな化学反応を見せ、その場にいた12人の少女たちはツキウサの姿へと変身してしまった。
戻るためにはエネルギーが必要と祭莉は言う。
祭莉自身が作り直すことは可能だそうだが、時間がかかりすぎるのだ。
このまま祭莉が作り直すのを待っている間に、彼女たちはツキウサ遺伝子が定着してしまい、まっとうな人間の姿ではなくなってしまう。
ならばと、代わりとなるエネルギーをさがすこととなった。
ようやくみつけた代用品は意外と近くにあることが判明した。
だがそれを発見できたのは、ひとえに「エネルギー探知機」なるシステムをくみ上げた彼女たちの努力の結果である。
そして懸命な捜査結果、その代理エネルギーはどうやらツキノ男性寮にあることが判明したのだった。
* * * * *
零「うん?ほしいのこれ?いいよ、はいやるぜ」
寮に行けば、あっさりシュンと遭遇したツキウサ女神たち。
ハジメクラスタでないこの世界の外見と中身のギャップが激しいシュンが、あっさりツキウサとなった少女たちにエネルギーとなる謎の物体Cを手渡したのだった。
物体C――である。
AとBはいわずもがな。
どうやら数日前から、レタスとかかれた段ボール箱の周囲に量産されていたらしく、それを日々ためていたら本日ついに12個ほどはあつまったとのこと。
ツキウサガールたちは狂喜しつつ、謎のボックスDにより量産されたことさら謎のエネルギーの塊を持ち帰り、無事その日中に元の姿に戻れたのだった。
「ん?ねぇ、ちょっと待って!」
「どうしたの?」
「ルイくんにはわからなかったのにどうして?」
「あ」
「言われてみると」
「シュンさん、私たちの言葉通じてる!?」
-----------------------
【月ウサガールと】
〜side 春 成り代わり世界〜
字『探し物は何ですか〜
見つけ難(ニク)い物ですか
カバンの中も 机の中も
探したけれど 見つからないのに
まだまだ探す気ですか
それより僕と 踊りませんか
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと 思いませんか
Woo woo woo-- Woo woo woo--』
新『お〜みごとな美声で』
恋『春さん、なんで井上陽水?』
海『“夢の中へ”だな』
郁『あれ?それってもうちょい違ったリズムで女の人が歌ってなかった?』
涙『・・・リメイク?』
陽『それ斉藤由貴のだなw』
葵『春さんのリズムだと斉藤由貴さんのバージョンですね』
始『なまじいい声したアイドルがノリノリで歌うともう・・・・ぷっwwww』
隼『始、春がかわいそうだよ』
字『隼。今日何か拾ったでしょ?』
隼『さすがは春。なんだいもうわかってしまったのかい。ああ、だから“その歌”なんだね』
駆『うわー不思議ちゃんな二人が謎のトークしてますよぉ〜だれか翻訳機を!』
始『おちつけ駆。大丈夫だ。なにせ
―――おれもさっぱりわからんからな』
駆『それ大丈夫じゃないやつです!!!』
隼『まぁまぁ、おちつきなよ。なぁ〜に、今日の朝にね、僕はちょっとした拾い物をしてね』
涙『拾い物?』
夜『え、隼が拾い物・・・』
陽『!?ま、まさか』
新『またデイアボ・・』
葵『わー!新、それ以上は言わないで!』
隼『ふふ。そんなんじゃぁないよ。そうだねぇ、しいていうなら・・・“女神さまの涙”ってところかな。全部で12個だよ』
字『みんなも朝寮でなにかみつけたら、わかりやすいように共有ルームの机の上にでも置いといてあげてね。
特に隼。面白がってスタジオとかに持ってちゃだめだからね!』
隼『おや、そこまでばれていたのかい。さすが春』
字『しゅーん』
隼『はいはい。ちゃんとおいていくさ。僕だって彼女たちを困らせたいわけじゃぁないからね。ただ彼女たちと出会うチャンスがなくなるのは惜しいと』
字『めっ!ちゃんと落とし主に返しなさい!
まったくこれだから愉快犯は・・・ちょっと始!その石どうするつもり!!』
始『いいじゃないか春。今拾ったんだ。拾ったからにはもう俺のも・・』
字『その手のものを放せと・・・・言ってんだろうがバァーカ!!!!!』
始『お!春の「ばぁーか」いただきました!ひさしぶりだな』
字『なっ!?もういい加減にしてよ!!!!』
字『・・・・・ん、もう。始はなんでこりないんだろう』
海『おーおー朝から王様たちは元気だなぁ』
字『いい、みんな。あんな黒と白の愉快犯みたいに人を困らせちゃだめだからね!!
始がみつけたみたいなああいう石をみつけたら、机の上においといてあげてね。ちゃんと持ち主が取りに来るから』
恋『はい!了解ですっ!』
駆『まかせてください』
夜『なにかよくわからないけど、春さんが言うなら』
新『右に同じく〜』
涙『うん。わかった』
字『ふふ、いいこだね。愉快犯たちと違ってうちのこたちなんてかわいいんだろう!じゃぁ、そんないいこたちにはオレ特性のタルトをあげちゃうよ。
今日はみんな予定が入ってるからね、その前に食べちゃおうか。―――おいで』
『『『やったーー!』』
隼『(キラキラ)』
始『(よだれじゅるり)』
字『もちろんそこの白黒コンビにはないから!!!』
王『『!?』』
* * * * *
あれ?
どうしたの?
机の上に、・・・9,10,11,12。全部揃ってるよ!
ふわぁ!やりましたね!これでみんなもとにもどれますよ!
あら、まって。
どうしたんです?
石の横にお菓子と・・・これはわたしたちあて?
おや、メッセージカードだね。
なんてかいてあるの?
《かわいいお客様へ
ウチのKING'sがすみません。
お詫びにお持ちください》
何かしでかしたのかしら隼は。
どうやらこのお菓子は、私たちがもっていってもいいようだね。
うわーおいしそうです!
-----------------------