有り得ない偶然
++ アルナシセカイ ++



[ツイッター・ツキアニ軸] 04話 孤島編
「春」成り代わり夢主1の世界…『漢字名』。
「隼」成り代わり夢主2の世界…「カナ名」。

アニメ 第6、7話 より





【孤島で!? 前編】
 〜side シュン成り代わり世界〜



恋「えーっと、普通砂浜と言ったらビーチバレーですよね?ねぇ、カケルさん」
駆「そうだねコイ」

「「バスケットボールとゴールはどこからでた!?」」

隼「え?ロッジにあったぞ」

海「ははwwやるなシュン!だが俺もダンクなら!!」
郁「スポーツなら負けません!」

ダムダムと音を響かせてロッジの裏に設置されていた、簡易的なバスケットコート。
そこでは元気と自由が取り柄のプロセラメンバーが、白熱の試合をしている。

ここはとある孤島。
撮影の為にプロセラとグラビのメンバーが勢ぞろいしているのだ。
ハルは優雅に本を読みながらハンモックで休憩中だし、ルイは室内のピアノを拝借中。
大人しい子供たちは好き勝手なことをしているが、元気のいい子供たちは、せっかくのをバカンスを死ぬ気で楽しむ!とばかりに、はしゃげるだけはしゃいでいる。

その筆頭が、このスポーツ大好きっ子たちである。

彼らのこの壮絶なスポーツ大会ははじめはただのビーチバレーであった。
しかし気付けばこの状況。
確かに彼らは砂浜でバレーをしていたはずだった・・・はずだったのだが、バスケットコートを発見したシュンが目を輝かせ、種目がバスケに変更になった。
しまいにはグラビメンバーたちも集まってきて・・・「本気で行く!」「うけてたつ!」とハジメが参戦。
色んな意味で、シュンのハートをさらに刺激した。
前世がバスケバカともいえる火神大我であったときの本能が呼び起されたのだろう。シュンは目をギラギラとひからせ、まっすぐと自分を止めようとするはじめと向かい合う。
シュンは白く儚い容姿で売りであるはずなのだが、このときばかりは犬歯をむき出しにし獰猛な雰囲気を醸し出して、 獲物を狙うようにせわしなくオレンジ色のボールを追っている。

それはそれは楽しげに、“派手”なバスケ演出をしている。

運動神経がよく文武両党のハジメと、前世もちというチートなシュンの戦いはまさに接戦となった。
ハジメなんぞは、スラムダ○クもめじゃないジャンプ力をみせ、キセキの世代といわれた某バスケ漫画の天才プレイヤーもびっくりな優雅な動きで、 いっそのことバスケ漫画にでてくる名プレイヤーのごとく華麗にダンクをきめる。
それに対抗するようにボールを相手を追い越しざまに奪ってとびあがるシュンは、解き放たれた白い虎のごとき猛攻をみせる。
カイやイクなどのスポーツ少年たちの闘志がこれによりさらに燃え広がった。

春「みんな元気だねぇ、でもほどほどにね」

メンバーたちが戻ってきて混雑するよりも前にとシャワーをあびにロッジまで戻ってきたハルが、 あまりにはげしく、本格的にぶつかりあっているシュンとハジメのバスケの光景を見て、「アイドルのやり取りじゃないよねこれ」と苦笑を浮かべて通り過ぎていく。



それからしばらくして、ハルの悲鳴が聞こえたのは・・・

どうしようもない。
これは運命だったに違いない。

歴史というのは時に、変えようがない事態が起こりうる。
それはたとえ原作を知っているトリッパーがきたとしても、変えることができないものだってあったりする。
そう。“ソレ”は必ずどこかに存在するものなのだ。

今回のハルの眼鏡は、まさに“ソレ”にあてはまる事柄だった。

壊された眼鏡。
それはきっと、嵐によって閉ざされたこの場所で、ここにつどったものたちのこれからの娯楽のための最初の犠牲になったに違いない。
彼の眼鏡はここで壊れる。そういう運命だったのだろう。
そして始まる名探偵こいっくの推理ショー・・・
っとなる前に、
始が前に出てあっさり謝罪をしたことでことが明るみになった。

始「すまんハル。黒田が入っていたんだ」

零「は?くろ、だ?」
恋「うわーん!名探偵コイックの出番が(´;ω;)」
駆「というか黒田がハルさん眼鏡とどう関係が?」

始「俺の鞄の中にいたんだ。っで飛び出してきたところを追いかけたら・・・」

春「まぁ、眼鏡はね、なくてもそれほど問題じゃないし、いちおう予備は持ってきているからいいんだけどね。それで黒田は?」
始「・・・行方がしれない」

春「くろだぁ!!!」


ハルの怒りが爆発する横で、シュンに成り代わった転生者の零は、思わず顔をひきつらせてハジメをみる。
あの細腕で?
あの鞄の中に・・・いたのか?え?まじで?

零「いやいや待て待て待て!ハジメはあの重量に気づかなかったのか!?お前の肩は鍛えあげていたのか!?」

むしろなんで気付かなかった!と、叫ぶシュンにたいしハジメは、キリっと表情をひきしめ

始「ああ、気付かなかったんだ。すこしばかり重いなとは思ってはいたが」
零「もっと早くに中身を確認しろよ!!!」

というか、さすがチート。さすがキング!さすがは人を惑わし魅力を最大限発しつづける、すべての才という才を持つ男。神の申し子。神はニ物をあたえた!!を地でいく睦月ハジメである。
あの重い黒田がもぐりこんだ鞄をそのまま持ち歩いていたなんて。
あの服の下はきっと見事な上腕筋肉があるのだろう。

着やせするたちなのか。そうか納得だ。

その後自己完結した零は、真顔でそっとハジメの上腕筋肉に触れたのだった。
結論。つるっとしてたらしい。

零(さすがは神に愛された申し子!!腕ほそっ!!!体系もしっかりしてない細いのに。むしろハルの方が筋肉ある感じなのに、これであの超剛速球のパスをバスケでみせ、あの黒田を長時間持っても平気なのか!!なんて二次元!乙女たちがここぞと喜びそうな夢と希望がすべて詰まってできた感じだなハジメって)
ハジメがシュンの行動に不思議そうに首をかしげている間にも、たまたま黒田を発見したらしいハルの「くろだー!」という声と、ドタバタとした足音が二人の横を通り過ぎて行ったのだった。

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【孤島で!? 後編】
 〜side シュン成り代わり世界〜



零「時刻は午前0時。外は豪雨。目の前には電源入れてないのにノイズの走ったテレビ」

あれから、落雷で橋はおちるわ、カレーはクロダにくわれるわ、ハルがいつのまにか眼鏡をかけていたとか。
大きな物音がしたとか。
貯水タンクに穴が開いたようだとか。
まぁ、いろいろあったが、彼らはもっとおそろしい物と遭遇していた。

その名も――

駆「なんでぇ!!!(涙目)」
陽「・・・・・・どうしてこうなった(遠い目)」
涙「(うつらうつら…)」
郁「あちゃー。やっぱりこうなったか」
春「うわーリアルだね(苦笑)」
恋「まさかの!まさかのっ!!!ミステリーならぬ実はホラーだったんですか?!gkgkbrbr(顔真っ青)」
新「わぉーびっくりした」
葵「どこが!?むしろ目の前の現象より新の表情筋の活躍のしなさに驚いてるよ!」
海「あー・・・こないだの遊園地思い出すな。というか彼女、あれ以上出てこないけど腰とか大丈夫なのか?いや、まてよ。幽霊には足がないんだったか?」
夜「さ、サダ○さん?まさか腰とかひっかかって?え?下半身大丈夫ですか!?」

始「ほう。これはこれは・・・」


始「っで、しゅーんー」
零「!?」

じっとりとしためでハジメに睨まれた零は、肩を揺らし、その後そぉーっと目の前の現象から視線をそらす。
彼らの目の前では停電でおちていこうついていなかったはずのテレビが、電源も入れてないのにはいっていた。
ノイズが走ったかと思えば、そこからにゅぅ〜っと髪の長いナニカがでてきて・・・しかし腰がぬけないのかでれないではまっている。
無言なのかレイ的何かのせいで声が聞こえないだけなのか。バタバタ手を振って助けを求めるナニカ。
優しい心の持ち主であるこどもたちは、助けを求めるナニカを懸命に引っ張っている。

・・・・・・。

まだ
ぬけないようだ。

始「テレビと常々相性がいいとは思っていたが、お前、“あっち側”に自分から行けないかな〜とか考えただろ」
零「い、いや〜そんなことは・・・いや、ごめん。ちょこっと。ちょこっとだけ考えました。 あははは・・・。
でもなんでかな〜変なところとつながちまって」
海「はー。お前も飽きないなシュン。こないだ黒月さんたちとどんだけ迷宮で迷って、抜け出すの大変だったか覚えてないのか?」
郁涙「「(こくりこくり)」」

零「いやぁ〜だってよぉ。食料もないしこれならーー」
始「テレビに入って向こうのテレビ抜けて食料品取ってこようとか考えたわけだ?」
零「ーーーだ、駄目か?」

恋「だめにきまってるじゃないですかー!!!なんか変な場所に繋がってるし変な人でてくるし!!彼女困ってますよ!!」
陽「シュンさんお札くれ!この女の向こう側にヤバイのいる!!!」

零「あ、いいねぇ。お札。その手があった!」



人外ホイホイであるシュンこと零の望みにより、ちょっと異次元とテレビの中がつながってしまったり。
そんなこともあったけれど、彼らは無事に・・・。
無事に?

零「うわ〜ヨウ、この人どうしよう。なんか普通に居座って、普通に食卓ついて朝飯の催促してるんだが」
駆「いやぁーー!!!」
陽「お帰り願え」
始「お前が呼び出すから女性なのに腰に痣ができたそうだぞ。責任とって送り返せ」
海「・・・う〜ん。最近の幽霊にはみんな足があるんだなぁ。お。サ○コさん、サンダル履いて帰るか?つってもここの別荘にあった奴だけど」
恋「ハジメさんもカイさんだけなんか違う!!!」

まぁ、なんやかんやあって、朝になったので、某髪の長い謎の女性は手を振って帰って行ったらしい。
なお、最後まで彼女の長い髪の下の顔を見た者はいない。

な〜んて、テレビからビックリドッキリを体験した彼らは、朝陽が上がったのを機に、ハルがもってきた地図をもとに島を探索することにした。
名目としては、助けを呼ぶ手段を探す。ついでに黒田も探そうということだ。

そしてハジメひきいる山探索チームが出かける間際、零が笑顔で駆け寄ってきて・・・

始「分担はこんな感じか。」
零「じゃあ海沿いに俺達は周る。カケル、これお札な♪」

駆「な、なんで、お札渡されるんしょう?」

零「ささやかな不運退けるためにだ!山や坑道っていったら、ダンジョンだからな!まぁ、念のため!」
駆「お、俺の不運体質がよからぬなにかと一致しそうな嫌な予感が・・・」

ついでにハジメにはこれな!と零から、お札がべったりついた太めの枝を渡された。
零は言った。

零「ハジメは段もちだから安心だな!“わるいもん”はそれでたったき切れ!」
始「・・・シュン、おまえ」

始「また何か喚ぶなよ」

釘を刺された零は、テレビやダンジョン(異界)になりそうなものに近づくことを禁止されたのだった。
カケルはというと、お札を見て、さらに顔色を悪くさせたのだった。

夜ではなく朝日が昇ったことがよかったのか、その後、怪現象は起きることなく、無事に全員が合流することができたのだった。

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【孤島で!? 前編】
 〜side 春 成り代わり世界〜



字『シャワー浴びるの、そんなに長かったかな?』

浴びてでてきたら、なぜか眼鏡が廊下で割れていた。
たしかシャワー室に入る前は、洗面台付近に置いておいたはず。

字『すごいや。眼鏡が、自分で動いていったのかな?』

駆『んなわけないでしょーが!』
字『あ、駆。みてみて。眼鏡が歩いたんだよー。付喪神にでもなったのかなオレの眼鏡!すごいよね〜(*´∨`*)ニコ…』
駆『あ、えっと・・・そ、そのすみません!』
字『ん?』
駆『眼鏡割ったの俺なんです!俺が帰ってきたとき廊下の枕の下にあって・・・でもあんな場所においてないんですよ!』
字『ああ、うん。そっかぁー付喪神じゃなかったんだ〜。なら、移動の原因は始かな?駆は気にしなくていいよ。 それよりあらかたのメンバーが眼鏡の移動に参加してたんだよね?だれも怪我はしてない?』
駆『春さん!なんてやさしいんですか』
字『はいはい、けがしてるひと〜手を上げてね』
陽『大丈夫っすよ』
駆『だね』
字『そっかぁ。それならよかった。
誰も怪我してないなら眼鏡ぐらいいいよ。予備なら家にあるしね』

字『それにね。
最初に割ったのはたぶん、“やつ”だから。
あと、勘だけど、始は発端知ってると思うんだよね〜というか元凶?』

新『やつ?』
駆『うわ〜ん!!はるさぁ〜ん!!本当にごめんなさい』
葵『・・・ん?ちょっとまった駆。いま、春さん元凶が始さんって言わなかった?』
字『うん。だからね、駆たちが謝る必要はないよ。
もちろん勘だよ。勘、なんだけど。ねぇ。今日の晩飯は、うさぎのシチューとうさぎのカレーとうさぎのソテーどれがいい?(*´∨`*)ニッコリ』

駆(ひぃー!!!さっきと同じ笑顔なのに・・・こ、こわいgkbr)



字『っで、始。黒田はどこ?』
始『なんだもうバレたのか』
字『うん。最初から初めのバックの中に生き物が入ってる気配があったから何かいるのは知ってたよ。だから今日は陽のつくったご飯の肉にうさぎを狩ろうかと思って』
始『知っていたなら出かける前に言ってくれ。おかげで肩はこるし、替えの服が一枚もなかったんだ』
字『なんで重いと思ったくせに中を見なかったの』
隼『じゃぁ、ここは僕が!始、着替えなら僕のを使って!』
始『断る。ところで春。お前いい加減その包丁おけよ。あぶないだろ』
字『え。でも今日はウサギの肉をカレーに追加しようと・・・』
隼『いやはや、春がサバイバル得意なのはしってたけど、う〜ん。僕らはそういうのはあまり慣れてないから、僕らの目の前でうさぎの皮をはぐとかはやめてくれないかな?(苦笑)』
始『中学の林間学校を思い出すな。キャンプでさ、材料は現地調達。あれ、きちんと買い物はできるかっていう授業のはずが。春の奴、現地の山で罠をしかけて・・・あの時は猪がとれったっけ。鍋だったな、俺たちの班だけ(しみじみと)』
字『でもちょっと黒田の肉じゃぁ・・・固そうなんだよね(ヤレヤレ)。固いお肉を柔らかくするのにビールとかいいんだけど、俺以外はみんな未成年だしー』


新『わお。なんかいろいろスルーされてナチュラルに会話が進んでるけど・・・え?春さん、マジか』
恋『ひぃ!?黒田にげて!超絶にげてー!!!』
陽『なんか・・・見かけに似合わず春さんってアウトドア派?・・・え、なにそれ怖い』
葵『眼鏡の大移動事件よりも、春さんの過去の方が謎なんですけど』
海『お、いいねぇ!春!今度俺と一緒に無人島にいかないか?((〃・∀・)ノ{ワクワク』

涙『それより、春。眼鏡なくて大丈夫なの?目、みえないの?』
字『うーん。あんまりよくないけど、予備なんか持ち合わせてないからねぇ』
陽『あ!そうだ。その目、どうかしたんすか春さん。壊れたのはほんた・・・じゃなくて眼鏡の方でしょ』
郁『そうそう。あれからずっと春さん目をとじたままだし!大丈夫ですか?』
始『包帯でもしてみるか?』
陽『眼鏡ないせいで、どっかに目というか顔をぶつけたとか?』

恋『そ、そうですよ!黒田なんかおいておいてです!!(汗)大丈夫ですか春さん!ち、治療しましょう!!!』
駆『そ、そうです!大丈夫ですか春さん!さぁ、包丁はおいて!(汗)』

始『年少組が本気で黒田を食おうとしてる春におびえてるな』
隼『そうだね。さすがにこればっかりはね〜(苦笑)』

海『ん?なんだ。春はいたいのか?だいじょうぶかー春?』
字『ああ、これ?大丈夫、大丈夫〜問題ないよ』

始『だな。こいつ、目は悪くないぞ』
隼『良すぎるだけだよね。ね〜春♪』

『『『『????』』』』

始『見えちゃいけないようなのが視えるから、眼鏡で制限駆けてるんだと。ぶっちゃけこいつ勘とか気配とかすごい敏感だから、目を閉じてる方が動きがいいぞ』
隼『そうなんだよね〜。バスケの試合の時とかけっこう目を閉じてやってること多いしね〜』
葵『そういえば春さん現役バスケ選手だった』

新『ところで春さーん。目を閉じたまま包丁振り回すのだけはやめてください。みてるこっちが心臓に悪いんで』
字『あ!そっか。うん。気付かなくてごめんね。じゃぁ、目は開けてるようにするよ』
海『包丁奪えばいいんじゃないか?・・・はい、没収ー』
字『しょうがないね。黒田を許すのは今回限りだよ』

隼『うんうん♪やっぱり春の目は綺麗だねぇ。眼鏡をしてるのがもったいないかな。まるで濃い森みたいだ』
始『森・・・森なら、ほらこの建物の外は森だな』
夜『春さんの目がきれいなのはうなずきますし、森もけっこう好きだけど。外の森にはあまりこの状況でいきたくはないかな』

字『あ。気配外に出ちゃったな〜。ま、いっか。
ところでそっちの子にお願いがあるんだけど、一緒に黒田をさがしてくれるかな?
え?ああ、もちろんもう食べたりしないから大丈夫だよ。
そうなんだよ。さっきの停電にびっくりして外に行っちゃったみたいで、気配が遠のいてくんだけど』

恋『・・・・・・・ふぁ!?』
駆『だれっ!?だれに話しかけてるの春さん!!』
陽『アウトーーーーー!!そっち誰もいないんですけどぉ!!』

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【孤島で!? 後編】
 〜side 春 成り代わり世界〜



字『もう。目隠しの布をなびかせて〜なんて、これじゃぁ、なにかの古い映画のヒーローみたいじゃないか』
隼『うんうん。よく似合うよ春』
涙『“The Legend of Zorro”?』
恋『わー涙、発音いいー(遠い目)』
駆『春さんヒーローみたいでかっこいいですよ!』
字『えー。あんまりうれしくないかな。正義のヒーローとかあんま好きじゃないのに。それにオレはオレは悪役らしいよ?』
始『しかたないだろ春。恋とか陽とかが、お前の“みてるもん”に怖がるんだから』
陽『たのむ!たのむから春さん、そのメカクシ外さないでくれ!!』
字『あ〜あ。ひらひらしててじゃまくさいな。もう!早く眼鏡にあいたい』

弥生字、もとい春は、眼鏡なしであるくと余計なものを見る。
っと、いう理由で、その目は現在とじられ、その上から布をまかれている。

それでもなお平然と、いや、むしろ普段よりもはるかに機敏に動き回り、どこにもぶつかることなく過ごしている。

そのため、落雷の影響で停電になったときひとり平然としていたが、 “もの”はよけれても、書かれた文字がええるわけではない。
誰かが地図を発見したことで、いくつかのチームにわかれて居残り組やら探索組やらわけられる際などは、 春は頭上に「?」をとばしまくっていた。
地図が見えないのだから彼らが言っている意味も分からないはずなのだが、 そこは魔王隼さえ驚愕させる彼の“勘”が本領発揮した。

字『外に行くならあっちの方に誰か行ってくれないかな?たぶん黒田があっちの方にいると思うんだ』

目隠しで見えないはずの目を山の方に向けて、「あっちの山の上?」っと指差す春。
これにより始を筆頭に、山のルート探索チームが組まれた。
もちろん春は危険を考え、留守番が決定づけられている。

恋『春さんをひとりにして、なんだか知らないところに連れてかれちゃったり、海に落ちたら困るんで!動かないで下さいよ!絶対ですよ!!』
字『ねぇ、オレのあつかいひどくない?普通に大丈夫なのに』
陽『春さんの普通がいちばん信用ならないんだ!』
隼『はは。だいじょーぶだよ。春のことは僕がしっかりみてるから。それより・・・』
海『そうだな・・・』
字『だね。オレ、自分より凄い不幸体質の人初めて見たよ』
葵『あはは(苦笑)・・・うん。まぁ。あれですよねやっぱり』

『『『『かけるぅ・・・』』』


駆『だ、大丈夫ですよ!だからみんなしてこっちみないで!!!』



その後――
無事(?)に始冒険体が戻ってきたのは、彼らが海が素潜りで捕まえてきた魚を焼いて食べたその後のことであった。

字『・・・つまり無事にみんな帰還できたってことだよね?』
始『ああ。春の眼鏡以外はな』
駆『春さん、俺、空飛びました(遠い目)』
字『えらいえらい。よく頑張ったね』

隼『え、なんだい。空を飛びたいって?なら僕がその願いをかなえてあげ』
海『やめんか!!』



涙『もしかして、はじめから隼の魔法にたよればよかった?』

『『『『『その手があったか!』』』』』

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