有り得ない偶然
++ アルナシセカイ ++



[ツイッター・ツキアニ軸] 03話 七夕ホラー編
「春」成り代わり夢主1の世界…『漢字名』。
「隼」成り代わり夢主2の世界…「カナ名」。

アニメ 第5話「過去との邂逅」 より





【タナバタ、バタバタ 前編】
 〜side シュン成り代わり世界〜



七夕――
それは一年に一度会いたい人と会えるという、むかしから伝わる物語

恋「へぇ。今度シュンさん達はお化け屋敷ロケですか!夏ですねぇ(*´∀`)」

すべてはその一言から始まった。
それは七夕の撮影日より、数日前のこと。
プロセラの共有ルームに遊びに来ていた恋の一言で、すべてが凍りついた。

始陽「「…お化け屋敷だと?」」

恋「どうしましたー?ヨウさんにハジメさんはなんで固まってるんですか?」
始「……シュン、事実なのか?」

恋の発言を聞き、顔を青くさせた陽と始が、恐る恐るといった具合で、白い青年を見やる。

始「おい、こらシュンはっきりしろ」

名を呼ばれた隼(inレイ)は、顔を壮絶にひきつらせたまま、視線を合わせまいとするように遠くを見つめていたが、始に再度名前を呼ばれ、おそるおそるとばかりに始をみやる。
それに対し、三人の様子に首を傾げる者、ホラーとか平気か確認し合うものにわかれた。
ただし自分のせいで何かわからないが喧嘩が始まったと思い込んだ恋は、必死に隼を怒らないでと仲裁しようとするが

恋「え、えっと本当みたいですよ。シュンさんとカイさんと、イクとルイでいくみたいで」
始「ちょっとだまってろコイ。
っで?シュン、どうなんだおまえ。まさか・・・」
零「う」
始「シューン?」
陽「たのむから嘘だと言ってくれ!!」

恋の気遣いそっちのけで、始が隼にからみだす。

睨まれてる。睨まれてる!!
その眼力に負けるように、隼はギギギと顔をこちらへとむけた。

零「―――嘘じゃない」

陽「アウトだわそれ・・・」
始「まじ・・・なのか」
春「ハジメ、キャラが崩壊してるよ?」
始「それぐらいゆるせ」

隼によって居心地悪そうにつぶやかれた回答に、陽が絶望したような顔で地面に膝をつき、始は頭痛を抑えるように額にてをやった。

陽「ちょっとシュンサン、その仕事の内容見せろ」

零「・・・・」
始「この設定、少しやばそうだな」
零「ことわれなかったんだ」
陽「・・は?本当にカイとルイとイクとシュンさんの4人のみなわけ?え?どうすんだよあんたこれ!?しかも洋館にひとりいた女の子とか怪しいにおいがプンプンするぞ!」

駆「え、なにこの深刻そうな空気」
恋「ひぃー!み、みなさんとりあえずおちついてください!」
郁「撮影日が怖い(遠い目)」
夜「(苦笑)」
葵「えっと・・・」
新「どういう状態だ?」
涙「喧嘩・・・かな?」

始「ヨウ、説明。シュン、お前は今から俺の部屋で説教だ」
零「う゛・・・あ、アインクローはいやだ!」
春「ちょっと遅かったみたいだよシュン」
始「おらっ!こい!ハル!こいつおさえとけ!」
春「はいはい。王様のいうとおりに」

伸ばされた手が逃げようとした隼の頭をわしづかみ、苦笑をうかべた春が子供を抱き上げるように軽々とシュンの両腕をおさえこみ、三人は部屋を去っていく。
なにがどうしてこうなったとばかりにキョトンとするばかりの周囲から視線を向けられた陽は、重すぎる溜息をついた後、全員をリビングのソファーに座るように指示を出す。

陽「あー、あのな。こないだの休みのことだ。プライベートで王様コンビが俺んち、つまり寺に遊びに来たんだけどな」
恋「まじですか!?うらやましい!」
葵「うわーなんかすごい豪勢な組み合わせ(苦笑)」

陽「まぁ、詳しい経緯とか省くけど。きたんだよ」
夜「ただシュンさんの里帰りにハジメさんがついてきて、京都に遊びに行くついでに、俺たちを訪ねてきてくれたってだけなんだけどね」
涙「仲良しさん?」
海「シュンさんとハジメさんは幼馴染みだって言ってたしな」

陽「っで、だ」

ゲンドーポーズをして眉間にしわを寄せて、陽はもう一度溜息を吐く。
まるで胸の中のうっぷんをすべて吐き出すように、それはひどく重く長かった。

夜「そう。そこからなんだよね。それでね「お寺に来たからには肝試しだー!」なんて言い出してね。・・・ん?あれ?今思うと、それ提案したの誰だっけ?」
涙「・・・ghost?」
恋「ひぃ!?そ、そいうのはしゃ、しゃらっぷで!!!」
夜「あはは。まぁ、幽霊とかじゃなくて、たぶんシュンさんか、ヨウのお兄さんたちがノリで言ったんだろうけどね」
陽「問題は場所だ。俺んち寺だぞ。墓場はすぐそばだ」
海「ああ、なんかオチが読めたわ(遠い目)」
葵「あ、なんか嫌な予感」
新「あーカイさんに同じく。次の展開読めたかも」
恋「やめてー!」

夜「うん。でたんだよ」

恋駆「「ぎゃーーーーーー!!」」

陽「つかな。それだけですめばよかったんだ。
幽霊なんてそこらにいるのが普通なんだから、墓場にいてもおかしくない。
問題はその後!
墓場にいた霊がいっせいにシュンのほうを向いたんだ。コントかと思ったが、そんな生易しいもんじゃない。
向けられた視線のせいで、霊感ゼロのヤツラまで寒気に震えあがったほどだ。
皆には黙っていたけど・・・俺、視えるんだ」
夜「視えなくても。なんかヤバイって、あのときはさすがに俺もね本能的におもっちゃったからね(遠い目)」

郁「えっと・・・それってつまり」

陽「シュンさんは――


“ホイホイ”だっ!!!





「「「「「!?」」」」



* * * * *



春「ねぇ、ハジメ。どういうこと?詳しく説明してくれるよね」
始「なんてことはない。こいつは“人外ホイホイ”なんだよ。
冗談じゃなく、シュンを連れて行けば、機材トラブルが立て続けに起こるだろう。
下手すると霊に“呼ばれる”ぞ」
春「ハジメ、それ本当なの?」
始「シュンも視えているし自衛もできるがあのホイホイは洒落にならない。しかも幼い頃からだ。俺ですら何度も見た光景だからな」
春「あは、は。そんなまさかぁー」

零「・・・・・・大丈夫だ!きたやつらはおっぱらうから!“向こう側”に行って!」

始「訂正すると、別に連れて行かれるとかじゃなくて、幽霊たちの領域・・・生息地?っていうのか。“向こう側”にいかないと、こいつ戦えないらしい」
春「だめじゃないそれ?どうするの呼ばれなかったから?っていうか向こう側ってなに?むしろいっちゃったらまずくないそれ?」

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【タナバタ、バタバタ 中編】
 〜side シュン成り代わり世界〜



零「よぉ!ご機嫌いかがかな?」

「「「プロセラでーす」」」

郁「さっそくですが、みなさんは夏と聞いて何を思い浮かべますか?」
海「やっぱ海かな」
涙「あつい。とてもあつい」
零「冷麺そうめん冷やし中華冷汁ゼリーシャーベットパフェアイス。あ、最近色んな味が出ているガリガ」
海「だぁ!商品名はダメだっつうの!つかお前その容姿で相変わらず食い意地はりすぎだろ」
郁「はははは。まぁ、どれもまちがってないですけど。本日お勧めしたい夏はこれ!お化け屋敷でーす!」
涙「わぁ、大きいね」
郁「そう。この遊園地が誇る日本最大級のお化け屋敷はいま、ちまたで大注目の新感覚アトラクション!」

 ・
 ・
 ・

郁「〜っと、いうわけで!今から俺達が実際に、この恐怖の巨大迷宮を体験してみたいと思います。みんな、頑張りましょう!」
「「「おー」」」

「はいカーット!」





カチンと音がなった瞬間、四人から笑顔が消え、ドンヨリとした表情で「これから先どうしよう」と顔を青くさせてうなだれる。
撮影当日、本日は快晴。
心配そうな陽と春、遠い目をして適当にガンバレと手を振る始に見送られ、件の四人はとある遊園地に来ていた。

涙、郁、隼(inレイ)、海の四人は、現在、巨大な建物のゲート前にいる。

日本最大級を誇るお化け屋敷――時間迷宮。

所用時間は一時間もかかるといわれるその巨大なお化け屋敷は、屋外の光景が再現されていて、自分が今外にいるのか室内にいるのかさえも分からなくなってしまうという。
ゴール地点にあるお屋敷は、実際にこの地にむかし建っていたいた建物を私用。
噂によれば、ひとりぼっちでさびしく死んでしまった女の子の霊が、いまもそのお屋敷にいるという。

そんな設定のあるテーマパークのゲート前で、郁、涙、海、隼(inレイ)の四人の行う撮影は、この段階まではそこそこ調子よく進んでいた。
ただし視界に映る空は、時間を追うごとに黒い雲が出てきているが・・・

郁「ワクワクもするけど・・・さ。その、ハジメさんとヨウが忠告してきたのがなぁ」

ゴールは実際に存在した屋敷を移築した古い洋館。
四人はまっとうに、そこまでたどり着ける自信がなかった。
なぜなら、夏なのに今の気温は低くひどく寒気がし、なんというか・・・もう、空が曇り始めていたから。

四人じゃ嫌だと駄々はこねたものの、隼の体質に対してなんとかしてくれそうな肝心の二人(陽と始)は、別に撮影スケジュールがはいっていたためくることはできなかったため、初期通りのメンバーとなっていた。

[仕事なのだから仕方ない。やばいとかんじたらシュンにくっついてろ!引き込まれたらそっからが本領発揮するから]

そんな謎の伝言を始よりいただき、四人は、いままさに曇天の空の下、テーマパークの建物と相対していた。
四人の表情はそれぞれだ。

郁「うー緊張する!」
涙「イッくん、大丈夫?」
郁「なんとか。かな。本物の幽霊と出会えたらうれしい!とか本当は言うべきなんだろうけど、ごめんむり。ちょっとさっきから変な視線感じるし」
海「ルイは平気そうだな」
涙「うん。平気。不思議なものって好き」
郁「いや、だってさっきから明らかにこの辺の温度変わってるよ!?」
零「・・・ごめん」

ごくりと生唾を飲む音が、おどろおどろしい門の前で四人の口からもれる。
しかし撮影の準備にいそしむスタッフとマネージャーの大はそんなこと構ってはいられないようで、不安そうな視線が同じアイドルメンバーたちから向けられるだけだった。

そして準備を進めれば進めるほど、空には黒い雲がどこからともなくあらわれて空を覆っていき、季節はずれの冷たい風がヒューとふいては四人の体を冷やしていく。

ふいにバチリと大きな音がして、カメラの電源がおちる。
それに続くように、撮影機材はいたるところで不調を訴えだすしまつ。

郁「なんか寒い」
海「さすがに機材の不調は・・・たまたまだよな?」
零「どうだろう。なんかめっちゃさっきから視線感じるしなぁ・・・」
涙「アウト」
郁「ああ、もう!!これもあれもすべてハジメさんが出掛けにあんなこと言うから!」

大「ん?お前ら元気だなぁ。“ハジメ”ってことは、グラビのやつらお前らになんか言ったのか?」

海「忠告をちょっとされ――って失念していた!シュン!お前ホイホイだったよな?!」
大「ホイホイ?何の話だ?」
郁「はは・・・世の中には知らないほうがいいってこともありますよ(死魚の目)」
海「シュン、ヨウから札はもらったか!?」
零「実はな――

スタッフ「あれぇ、すみませーん。照明の調子が…」
スタッフ「ちゃんとバッテリー替えたのか?」
スタッフ「勿論すよ」
スタッフ「あの、なんかガンマイクの調子も悪いみたいです。さっきから雑音が…」
スタッフ「あれ、画像が乱れてる?え?」

隼「・・・」(遠い目)
郁「シュンさん!息してください!ペアの俺から絶対に離れないでくださいねっ」
涙「イッくん。かっこいー」
海「あぁ……機材トラブルが頻発してるな。これはまずいかんじか?」
郁「なにかいたりすのかな?だれか、なにか視える?」
涙「僕は、みえないよ」
零「同じく視えないけど。なんかいそうなのはわかるぜ」
海「なら、造このお化け屋敷のセットの出来が良すぎたんだろうな。本物もいすわっちゃった感じじゃないか?」

メインであるアイドルたちの会話に、スタッフたちが顔をひきつらせその色を青くさせていた。
しかし当人たちはこれからを考えるのに必死で、スタッフたちにまで気を回してやれるものは誰一人としていなかった。



大「機材トラブルも・・・ただの、偶然じゃないのか?
・・・・・・・・・・まさか、な(汗)」

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【タナバタ、バタバタ 後編】
 〜side シュン成り代わり世界〜



零「投影魔法だ!!そいつはお前の闇を感じ取ってお前の心の中にある姿を映しだしたシャドウだ!!!」

意を決して建物に入ってからしばらくして海は、こどもとであった。
おいかけるように走れば、すぐに雰囲気は祭りの景色になった。

っで、こどもが促すがままに進もうとしたところで、ドカバキギャーと悲鳴なのか殴る音なのか疑いたくなる音が背後から聞こえ、どこかのチュウニビョウじみた声が聞こえたのはまさにその時だった。

海「は?シュン?おまえなんで・・・」

零「離れろカイー!そいつは悪霊だ!!!」
涙「よかった(ほっ)。カイいた」
郁「もういやだ〜(遠い目)。なんでこうわらわらと黒いの寄ってくるんですかぁ!ハジメさんが言ったとおりになってるし!むしろハジメさんがたすけて!!!」

泣きそうな郁にしがみつかれた状態で、白い麗人がお札がびっしり張られた棒を振り回して、彼らに向かって襲い掛かる影と格闘している。

海「あれ?ここってそんな凄いCGみたいなアトラクションあったんだ」

郁「ちがう!ちがうんですカイさん!」
涙「ホンモノ・・・らしい、よ?」

零「お前がいなくなったとルイから聞いてさがしに入った瞬間これだ!」
郁「みんなで探しに来たんですよ。シュンさんが一歩踏み込んだとたん、いままで感じてた視線がいっきに現実味を増して、そしたらぐにゃりって空間がゆがんで気付いたら、人型をした影がいておそってきたんですよ!」
涙「シュン、ホイホイだから」
海「・・・まじか」

海「ハジメの話がまじだとは・・・」

でかけぎわの言葉を想いだし遠い目をしていた海のうでには、もうこどもはいない。
彼女は、鬼気迫るようすで鉄パイプを手に犬歯をむき出しにして笑う狂犬のような隼があらわれるや否や、海のもとから消えていた。
それで海は、少女が(やっぱり)幽霊だったのかときづいたばかりである。

涙「カイに渡したいものがあるんだ」
海「ん?なんだ?」
涙「はい、これ」

遠くで黒月大やスッタフらを背にかばいながら、「どりゃぁ!!!」「ペルソナ召喚!(あ、できた)」とか騒ぐ隼を呆然とみやりながら、肩から力が抜けたため力が入らず地面にしりもちをつけば、なんだか笑いがこみあげてくる。
そんな海に、思い出したように涙がポケットをあさりそこから、小さな花飾りをとりだし海に手渡す。

赤い椿をもした鈴のついたかわいい髪飾り。

海「これは・・・!?これをどこで!」
涙「えっとね。シュンがたおしたアクリョウ?っぽいやつがおいていった箱から出てきた」
海「・・・ごめん、ちょっと待って。それ、どこからつっこめばいい?」
涙「さぁ?」



* * * * *



郁「やっと帰ってこれた―!!現実世界万歳!」
涙「まぶしい」
海「久しぶりの草のにおい・・・ああ、クロツキさん、称号習得おめでとうございます」
大「その称号じたいいらん。つか、まじでなんであそこでシュンは穴に落ちるんだ。 おかげでまた別の怪異に迷い込んじまったじゃないか」

郁「はは(乾いた笑い)。今回はカイさんが切っ掛けですよ。最初に怪異にひきずられてましたしね」
涙「でも根本は、シュン。シュンがいなくちゃ、ここまですごくはならなかった・・・かも?」
零「ちがう!と言いたいのに言えない。むしろ正解すぎて、申し開きもないというか謝るしかできない!!みんなごめんね!」

郁「そういえば・・・シュンさん。以前にもこうやって怪奇現象に巻き込まれることあったんですか?
なんかすごい手慣れてましたし、ハジメさんもなんか知ってるみたいだったですけど・・・」

零「あ、ああ。以前な。うん。あったなー。(火神の時にも)高校生で」
海「どんなだったんだ?」

零「ハジメとのときは去年夏に内の実家に遊びに来た時、ちょっと古井戸に落ちて“あっち”で無双してきた。
あとは・・・ハジメに会う前の話で。あのときは、夕飯の買い出し中に友達に巻き込まれた形なんだが…気付けば古い廃校舎だ。瘴気や幽霊がごっそり出てなー。
鉄パイプで撃退したもんだよ。
そういや、そのとき先輩も一緒で。その先輩は血涙をながした二宮金次郎像においかけられたらしくて。あ、俺は家庭科室で籠城してた。友達の一人がなぜか塩持っててたすかったんだよ。あと裏庭で井戸から皿を数える女が出てきたな。あのときは怪談がいっしょくたに混ざってたみたいで。因みに空は肉の色だった。
まぁ、俺らより分かれていた相棒や先輩たちのが大変な目に遭っていたけど。
あと、家庭科室で空腹のあまり食事を作ったのは、あの時以来ない経験だな。そういえば今回は腹減らなかったな」

ぐぅ〜〜〜〜

零「あ、いま減った。何食う?」
海「お前、変なところでブレないよな!!!」

郁「うわーヨウが聞いたらシュンさんの置かれた状況に倒れちゃいそう…」
海「そもそも鉄パイプでどうにかなるもんなのか幽霊ってのは?」
涙「今回と、同じ?」
零「おう!俺特性の札はってた!(ドヤ)」



* * * * *



新「きいてくださいミカヅキさん」
陽「俺はもうだめだ」
朏「なんでそいつ泣いてるんだ?」
葵「おちつてよヨウ。ほら、もうここには怖いダンジョンなんかないよ」
朏「ダンジョン?ゲームか」
夜「いや、ちょっとちがくて。はは・・・」
葵「ゲームじゃなくてですね。現実のことなんです。ヨウのグループのリーダーが、その・・・ちょっと非現実的なことをやらかしちゃったんです」
夜「実は―――」

朏「・・・霊刀のにっかり青江とか聞くけど…鉄パイプなんて初めて聞くぞ」
葵「鉄パイプ…霊刀鉄パイプ?斬鉄剣ならぬ斬パイプ?」
新「ありがたがられるのか?それ」
朏「むしろそのダンジョンに迷い込むっていうのはなんの設定だ?現実で幽霊がいたり、怪奇現象になった場所がダンジョンに変化するなんてあるわけないだろ」

「「「「デスヨネー」」」」



* * * * *



ガタ
ガタガタ ゴト

始「なんだそれは」
春「シュン、それどうしたの?」
零「“向こうノ世界”からドロップしてきた。飼おうとおもうんだが」
春「え・・・それを?・・え?ドロップってなに?」

〈みかん〉とかかれたダンボールをかかげるシュン。
どうやら今度のお化け屋敷が変化したダンジョンのその最下層で見つけたらしく、そのまま拾ってきたのだという。
最下層なのに宝箱じゃないのかよ!というツッコミはスルーである。
ふたはガムテープで固定されているが、ひっかいてもとれず、きりつけても叩いても焼いても傷ひとつつかないので、おもしろがって持ちかえってきたという。
しかもこのダンボール、なかになにかがいるのか、たまに動く。

零「ハジメぇ〜、飼っちゃダメか?」
始「却下」
零「えー」
春「ねぇ、動いてるよ!」

拾う。
そして動く。

その様子をみてきた春の顔が引きつった。

始「・・・ガタガタいってるぞ」
零「〈刈り取るもの〉みたく不穏じゃないから大丈夫だ。多分」
始「〈刈り取るもの〉―――自体がなんなんだ?え?シュンよ(にっこり)」
零「ペルソナにでてくる死神さんっす」

始は眉間にしわを寄せていたが、隼のその言葉にさらに顔をしかめた。
そしてすぐにビシリ!と扉を指差し――

始「いますぐ元の場所に返してこい!」

零「え。徹底的に攻略してきたからあの世界行けない」

ピッロ〜ン♪
謎のダンボール箱は、返却不可の札を取り出した。
謎のダンボール箱は、隼から離れたがらない。
謎のダンボール箱は、壊せない。

“ディアボロ”が、魔法のない世界の仲間になった!

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【会いたいという願いと 前編】
 〜side 春 成り代わり世界〜



こちらは魔力が普通にあるとみんなが認識してる――花宮成り代わり主が、弥生春に成り代わってしまった世界。
涙、海、郁、隼がお化け屋敷の取材に行くことになる数日前、寮はワイワイとにぎわっていた。
隼がスケジュールを見ながら「お泊りのようだよ」と笑うのを、横から春(iinアザナ)たちがのぞいていく。

隼『ふふ。お化け屋敷かぁ。優雅じゃないなぁ。せっかくの七夕なのにね』

始『かわいそうだなお前たち』
郁『王様に痛ましい物を見る目で見られた!?』
海『お化け屋敷なんて怖くないぜ。夏の風物詩みたいでいいんじゃないか?』
涙『涼・・・だね』
駆『陽とかが一番そういうの向いてそう!でもたしか陽は七夕には別の予定はいってたよね』
海『いや〜それにしても泊りがけけのロケかー。俺、最近海に釣りとか山にサバイバルとかの撮影しかなかったから、屋内メインなんて久しぶりかも』
駆『あはは・・・その、海さんにしかできなさそうな撮影だよね』
恋『いや〜!海さんの撮影内容にだれかつっこみをいれてー!!!』
涙『こういうのはお坊さんの仕事だよね』
陽『自分で入れろよ恋。
そもそも俺、お祓いとかしたことないからついていっても無駄だと思うぞ涙』

隼『大丈夫。陽のかわりに僕がいくからね。怖い物はこないようにおまじないをかけてあげよう(*´ー`*)/』

郁『うわーなんかその一言で凄い安心感と不安感を同時に感じた』
海『すごい!魔王が頼もしく感じる!』
隼『かーい、僕はいつだってまじめさ。そんなに驚かすようなことはまだ言ったつもりはないよ』

新『“まだ”?』
葵『いつかどこかであのひとなにかするつもりだ』

隼『こーら、そこ幼馴染みコンビ。聞こえているよ?』
葵恋『『ひぃー!?笑顔が怖い』』

涙『でも・・・陽が選ばれなかったの、なんでだろう?』
始『たしかにな』
駆『本職なのにね』

字『ふふ。さぁて。なんでだろうね。
たまたまめぐりあわせがよくて“だれか”と“だれか”の縁がむすびついたのか。
それとも。スタッフのひとがお化けに耐久性がありそうな“寺の息子”を使うより、一般人の方がリアクションがいい撮影がとれそう。とかおもったのかもしれないね』

駆『あれ?いま、なんか春さんの言葉が意味深に聞こえ・・・』
始『運も力のうち。他の仕事がかぶってたんだからしかたないさ』

陽『なぁ、みんな聞いてくれ』

夜『どうしたの?』
陽『さっきから寺の息子、寺の息子って連呼してくれちゃぁいるが、それはあくまで実家で!
この際、はっきり言うが、俺、霊感とかないから!・・・うん、結構マジで(真顔)』

夜『陽が真顔なんて!』
涙『え。ないの?』
恋『そういわれるとwwwむしろ隼さんの方がありそうwww』
郁『まぁ、意味深すぎるしなあのひと』

始『隼か・・・おしいな』

夜『おしい?』
駆『どうして?“らしい”のまちがいじゃないですか?だって雰囲気が一番魔王・・・』

始『たしかに一番妖しい雰囲気バリバリだしてるのは、隼だが。
世の中もっとおかしなやつはいる』
隼『ひどいなぁ始は。
まぁ、僕も少しは“そういったこと”はわかるつもりだけど、そういうのはちょっと分野違いかなぁ。
“視えないもの”関係は、春の方が得意分野だよ』
始『そうそう。世の中の摩訶不思議の代名詞隼より。変人と胸を張って紹介できるこいつこそ、“やばい”から』

字『もう。やだな〜ふたりとも。みんながおびえちゃってるよ。
それにオレは、むかしから“視える”だけだよ。そんなに胸張られても困っちゃうよ(*´∀`)テレ』

葵『あ』
新『そういえば』
恋『いた!たしかに!ここにいたわ。“みえるひと”いたー!』
涙『春、みえるんだ?』

陽『つか幽霊とかいるのかよ!?』

字『さぁ?でも始の服に憑いてるし、オレの魂の半分とは言うけど、ロジャーだっていうなれば幽霊のようなものだしね。というか守護霊だから、霊ってついてるしあてはまるのかも。うん。やっぱりいるね』
恋『そういう具体例きちゃうんですか!?それ具体例ですよね!?いるって証明しちゃてますよね!?』
新『凄い納得。ロジャーさんって、普通じゃない普通じゃないとは、常々思ってたけど』
葵『ああ、やっぱし新も思った?というか、ロジャーさんが幽霊・・・つまり人間だったってことだよね?それでいま守護霊』

陽『はー・・・なんというかマジでいるんだな〜(驚きのあまりほうけがお)』
恋『お、俺、いま心の底から驚いてるよ。むしろ春さんが怖い!!』
涙『わくわく(棒読み)。春、幽霊ってどういうのものなの?』
葵『そこ聞いちゃうの!?』

字『うーん。人間の思念て地球上のどの生物よりも強い感情を持つからか、たまに残っちゃうんだよね。より強い思いが現世に。
それをみんな幽霊って呼んでるんだよ』

恋『せっかくの七夕なのに。そんなのに挑まなきゃいけないなんて。四人とも!頑張ってください!』

隼『!そうそう七夕っていえば♪
やっぱり織姫と彦星だよね。春は会いたいひとかいないのかい?』
涙『なんで春?』
隼『ん〜なんとなく、かな』
始『え?こいつにいるのか?そういう奴。・・・いるのか春?』
字『さぁ?オレ、誰かに会いたいの?』
始『しらん』

字『オレのことはわかってるくせに、隼もおかしなことを聞くね。
そういうのはね、オレよりむしろ海にきいてごらん。“七夕は会いたい人に会える日”ってことになってるからね』

恋『だからなんで今度は海さん?春さんからきて海さんって、二人に何が?これは!ズバリ事件の予感?』
駆『むしろなんか伝言ゲームみたいになっちゃてるよ!?』
隼『こらこら、こーい。これは七夕の夢ある出逢いのお話であって、ゲームじゃぁないよ』
葵『七夕、かぁ・・・いわれてみると七夕って悲しいですよね。その日以外は離れ離れなふたりなんて』
字『え?そう?だって仕事しないで恋に盲目になってたんだから仕方ないよね。カミサマなのにさ。“カミサマ”なのにさ。』
恋『二度言った(゚Д゚;)』
涙『・・・・春、顔、こわいよ?』
新『春さん怖い。まるで“カミサマ”になにか恨みでもあるみたいですよー』
字『そんなことないよ(´v`)』

(((目が笑ってない・・・)))

始『なるほど。ロジャーさんが彦星で、春が織姫か』
字『あはは。なにそれ〜(ヾノ・∀・`)ナイナイ』
海『・・・始よ。お前、何でその配役にした?』
隼『うーん。春からロジャーさんを離したら・・・死んじゃうね?(笑)どうしよっか』
恋『はい、それアウトー!!!』
駆『だめです!絶対に織姫と彦星を引き離しちゃ!だめな配役ですよ!春さん死んじゃいます!!』
新『わぉ。残心的な配役』
葵『こら新!春さんも笑ってないでなんか言ってやってください!!』

字『えーっと・・・離しちゃ・・・いやん(苦笑)』

始『ぶっwwwww』
隼『あはっはははっははははははhwwwwwwwwwwwwwwww』

陽『おいおいあんたら。笑い事じゃないだろ。春さんもなんでその単語をチョイスするかな』

『『『だって面白いから』』』

陽『それで自虐ネタはしるなよ!』
海『陽、こいつらは笑ってナンボの笑人形なんだ。あきらめろ』
涙『織姫と彦星・・・かぁ。春だと、おっきいおひめさまだね』
夜『和むところじゃないそこは(苦笑)』
恋『あんたらおかしいよ!おかしすぎる!!ロジャーさん離したら春さん死んじゃうじゃないですか!一年に一度あうどころか二度と会えなくなっちゃいますって!』
駆『ウァーン・゚・(ノД`)春さんしっかり!!』

隼『あはは、ごめんね。でも笑いは寿命を延ばしてくれるんだよ?
ほら、みんなもさっき充分笑ったでしょう?やったね(*´∀`)/これでみんなも寿命が延びたよ♪』
始『そうそう。人生は楽しんだ者勝ちだ』
字『そうだねぇ。だって“怖いことが起こる”なら、その前に笑っておいた方がいいでしょ?』

『『『『『え?』』』』』

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【会いたいという願いと 中編】
 〜side 春 成り代わり世界〜



字『会いたいひと、か』
隼『君に、それを聞くのは酷だったかな。ごめんね"花"。あ、素でいいよ?今は誰もいないし』

字『フハッ。気にすることはないだろ。別に"春"の口調もわざとじゃない。あれはもう十何年も今世の父の口調をまねていたからなぁ。
まぁ、いまとなっちゃぁ、どっちもオレだな』

字『で?やたらとこだわるな隼。オレに何を言わせたい?』
隼『いや、只の興味本位だよ。僕たちの知らないいろんな世界を知っている君は、何か一つのモノに心を残したりしないのだろうか。ってね』
字『本当に……今思うと、オレはちょっとばかし、長く生きすぎたな。
あまりに長く生きたから、もう・・・誰に会いたかったのかさえ、わからない。
生まれ変わり続けるのは魔女との契約によるもの、対価交換の代償。だから魂は死ねなくとも、オレは生まれた世界でやがて死ぬ。そしてまた何処かで生まれる。同じ世界で生まれたことは一度もない。それを永遠と繰り返している。
いつかは置いていくとわかっている。もう同じ世界に戻ることはないとわかっている。
そうなってくると、“心残りは”しなくなるのさ』
隼『花…』
字『きにはしていない。
それよりも、“今”こうして“オレの名”を呼んでくれるひとがいる。

オレはね、それだけで十分なんだよ』


隼『七夕だよ?少しは“願っても”いいんだよ?』
字『いいんだよ。だってオレは―――』

幽霊みたいなものだ。



* * * * *



海『明日は七夕かぁ』
隼『やぁ、海。眠れないのかい?そういえば、さきほど幽霊講座ってのを受けたんだけどね』
海『お前は、なにをうけてるんだ?』
隼『“今日”は眠れない海のため、だよ』
海『は?』
隼『春の見解では』
海『講座って、春かよ』
隼『うん。その春いわく、幽霊とは強い想いの残滓。ゆえに想いを残した過去へ常に思いをはせているから彼らはその場所へ戻ろうと、過去への道を探して足元ばかりを見ているからうつむいているんだそうだ。
だからうつむいている子には声をかけちゃぁいけないそうだよ。
僕からしたら、下を向いているのは、何か思うところがあるからだと思うのだけれどね。彼らは一様にみせられないなにかをもっているから。誰とも目を合わせないために下を向いているのだと思う。
春は笑って僕の意見を聞いてはくれたけどね、明確な答えはくれなかったよ。
「そうかもね」って笑って、“自分も幽霊みたいなものだ”って言うんだ。
うつむいてないから違う!って言ったんだけど、きいてくれなくてね』
海『なんだそれ?』
隼『うん?春も幽霊みたいな存在だから、幽霊の気持ちがわかる・・・って、そう言いたかったのかもね』
海『何が言いたいんだお前は?いや、“お前ら”は』
隼『実は、春から伝言を預かってたんだ。「君が思う子は過去に囚われた子なの?」だ、そうだよ』

海『・・・・・・明日が七夕だからか』

隼『夢を見るんでしょう?明日行く場所は、そういう記憶に感化されやすいらしいよ』
海『はは。そうか(*´ー`*)、春だな。本当に怖いなあいつの“勘”は』
隼『僕もよくわからないけど、そういうことらしいね』

苦笑を浮かべる海に、隼は肩を竦めつつ頷く。
隼は、何とも言えないような顔をしている海の頭を挟み込むようにつかむと、自分の額と彼の額をくっつける。
驚く海に、隼は笑う。

隼『春からそんなこと言われちゃぁ、後が怖いからね。魔王様からとっておきの「おまじない」だよ』



* * * * *



字『“海の想い人”ってのは、そんな怖い物じゃない気がするんだけどー。うーん。なんで超直感が警告を鳴らしてるんだろう?』

始『どうした春?』
字『あ、始。いやね、さっき、隼から幽霊について教えてくれって電話がきて、答えたんだけどね。
うん。なんか海がピーンチ!な、展開になりそうな気がして。
おもわず隼に魔王様のおまじないをしてあげてって頼んだところなんだよ』
始『そうか』

始『っで?』
字『ん?』

始『結局のところ、お前は、誰に会いたかったんだ?』
字『うーん。みんなそれを聞くのはなぜかな?本当に思い浮かばないんだけどね。
あ、そうだ!いるいる会いたい人!』

叶うならば――


字『家事○もんにあって料理を伝授してほしい!!(真顔)』


始『・・・・・・は?』
字『だから家○えもんだよ始!オレでさえ思いつかない掛け算レシピ!あれすごいよね!凄いひらめきだよ!一度試してみたんだけど、うん、まぁ、味の話は置いておいて。その発想はどこから来るのか感心しちゃう!一度会って、ちょっと家事について熱く語りあいたい!』
始『そ、そうか・・・』

始(つか味のことはスルーなのか)



* * * * *



字『結局のところ。ねぇ、ロジャー。オレのセカイ。オレは誰に会いたかったんだろうねぇ』

―――さぁてな

字『だよね(苦笑)。
とち狂ったり、こわれたり、継ぎはぎだらけになったりして・・・
それでもこうやってまだ生き延び続けた魂だ。
もうたくさんの記憶が零れ落ちてる。
大事なものは、なんだったか』

字『唯一、忘れられないのは、ロジャー。あんただ。あんたの首が胴体から離れた瞬間を、あの雨の日の光景を、オレは生涯忘れられないだろうな。
ああ、そうか。
オレはあんたに会いたくて、あんたの魂をオレの中に閉じ込め、転生道中も連れまわしている。
いうなれば、オレが会いたかったのは、"心残り"はあんただよロジャー』

もう必要ないものだな。俺もお前も死ぬときは一緒だ。運命共同体だからな。しかたない(笑)

字『それもそうだ。
結論からすると、もう会いたい人には会ってました♪ってことかな、これ』

字『あーじゃぁ。別に気楽に考えようか。"弥生花"として今の人生で、気軽に会いたい人…あ!気軽じゃないけどいるな。
本気で家事え○んに会いたい。
相手はオレとは異なるジャンルの芸能人なんだけど、どうしたらいいと思うロジャー?』

―――しるかボケナス。
字『だよねぇ〜』

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【会いたいという願いと 後編】
 〜side 春 成り代わり世界〜



字『おっ!っかえりー!!!どうだった?会えた?会いたい人には会えた?』

海『うわぁ!?って、春か。あ、ああ。まぁな』
隼『春!僕もしっかり活躍したよ。ほめてくれていいんだよ?
さすがは海の想い人だよね!“彼女”はうつむいてはいなかったね。しっかり前を向いていたよ!僕は“彼女”のおかげで海のもとに行けたしね!
いやぁ〜ついでに“彼女”の姿を模倣した“悪い子”の方には、僕からとっておきのぬいぐるみをプレゼントしておいたよ! そう!僕の愛をたっぷりこめたツキウサを!』
始『・・・なんなんだお前のそのテンションは?』

隼『結論から言おう。とっても楽しいホラー現象と遭遇したよ(*´∀`)b』

始『なにが、あった?』
海『さ、さぁ?俺はただ女の子と病院まで歩いていただけで。悪霊?に殺されそうになったところを隼が助けてくれただけでいまいち?』

隼『説明しよう!海にかけたおまじないの効果が強すぎたみたいで、うっかり僕と“彼女”は異次元に落っこちました!』

始『まぁーたお前次元に穴をあけたのか』
涙『あ、でも、今回は隼、ちゃんと閉じてたよ、穴』
郁『こんな非現実的なことをさらりと日常のように会話することがおかしいと・・・思わなくなっている自分もずいぶん慣れたなぁーと思うキョウコノゴロ(苦笑)』

字『よかったね隼。“彼女”がいないと、穴の始末を忘れるところだったんじゃない?』

隼『ははは。よぉーくわかったね春。実はそうなんだよ』

恋『笑い事じゃないぃーΣ(´□`;)!!』
始『そうだな。以前、次元に穴を開けたままで、女神にえらい怒られたことがあったからな』
海『むしろ、俺のしらないところでそんなことが・・・』
駆『それで今回はなにがあったんです?』

隼『うんそれがね。海のもとまで案内してくれようとした幽霊の“彼女”と一緒に、迷宮みたいなところに落ちちゃって。 そこにはなんと“別世界の僕”が、鉄パイプを振り回して、オバケと戦っていたんだよ!大たちもいてね。
なんだかワイワイとしておもしろそうだし、あまりに“僕”がかっこいいものだから、僕らは“もう一人の僕達”の後をこっそりついていったんだ。
いやぁ〜、向こうの僕はかっこいいね。別世界とはいえ、あれも“僕”だろうし。ああやって剣を振り回したり、カードでなにかを召喚したり、なんだか僕もできそうな気がするよ』
海『お前は、今のままで十分だ。これ以上は奇行に走るな』
隼『おや、ふられてしまったようだね。残念だよ。
でももうすんでしまったことだしね。結局彼らがすべて倒してくれるものだから、僕たちは見てるだけで出番がなくてねぇ。暇だったから、思わず“向こうの僕”に対抗して、僕はディアボロを召喚してみたんだ』

『『『え』』』

隼『うちにいる子じゃぁないよ。別の子で、名前は“ディアボロん”だよ。なんと女の子なんだ!
それで、ひととおり面白いものをみせてもらったからね。彼らがラスボスっぽい魔物に挑んでいる間に、その部屋の出口に、ディアボロさんを、僕の方が凄い召喚ができることのアピールに置いてから、現実世界に戻ったんだよ。
いやぁ〜。ちょうど目の前で、“彼女”とは違う病弱な女の子にアチラに連れて行かれそうな海がいて、びっくりしたよ。
僕と一緒にいた“彼女”があわてて引き留めてくれたからよかったものの』

字『そっかー。そんなことがあったんだね。でもみんな無事でよかった』

隼『そうだろうそうだろう。僕の武勇伝がよくわかるだろう?』
海『いや、いまの話を聞く限り、お前何もしてないからな!頑張ってたの“別のお前”だろ!』
始『・・・・隼』
隼『ん?なんだい始』

始『おまえ、なんてうらやましい!!次は俺も誘え!』

隼『もちろんだよ(にっこり)』
恋『やめて愉快犯!!ノリノリにならないで!助けて春さん!!』

字『たすけをよぶならド○えもんっていわなきゃ、ダメだよ?』

駆『なんか違う!』
始『春、お前。ここのところ「○○えもん」って名前にこだわりすぎだぞ』
字『えへへ。ねぇ、ところでアイドル権限駆使して、○事えもんに会うのは無理かな?』

後日。マネージャー月城ががんばり、グラビが「◇する人、◆するひと」の番組に、参加できたとか、できなかったとか・・・

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