18:扉はひらかれた |
ゾーン そこにたどりつけるのは なにかを求め続けた者のみ そこは限られたものしかはいることのできない領域 たどり着けたとしても その先には巨大な扉があり その先へ行ける者かどうか見定められる 扉の向こうへ行くためには 立ちはだかる者と会いまみえなければいけないという そして ここにも その領域へと手を伸ばすものがひとり―― 古「花宮 好きだぁぁぁぁ!!!さぁ!俺を踏めぇぇぇ!!!」 花『やだ』 古「そうやってプイっと視線をそらす花宮かわいい!!!斜めからみた花宮美しい!なんて絶景!」 マネ「うわぁ〜安定もここまでくるとひくわ」 松「おいおい古橋のやつどんな扉を開けたんだよ」 原「うーん。なんか目覚めちゃったらしいよ」 山「その扉さ、絶対に変態またはMってプレートかかってたんじゃないか。 それに叫ぶ古橋の目見てみろよ。あのハイライトが見事に輝く高校つとした顔で花宮にすがってるあれを」 原「うわーイキイキしてるね」 松「あいつ、あける扉を間違ったな」 マネ「花宮くん、すごい嫌がってる。かわいそーwww」 山「おいマネ。そういいながら楽しそうに写真撮ってんなよ!むしろ助けてやれよ!」 瀬「zzz」 * * * * * 黒「――あんなゾーンはいらない」 花『ん?なんのことだ?』 黒「いえなんでもありません。それより・・」 黒「花さんってチーム戦得意ですよね」 花『なんだ、やぶからぼうに』 黒「どうやってあの個性豊かなチームをまとめあげてるのかと思いまして」 花『キセキのほうが個性豊かすぎだろ』 黒「そこはいまは言わないお約束です。っで、花宮さんはチーム戦は得意ですか?いえ、得意・で・す・よ・ね?Φ△Φ」 花『あ、ああ(汗)まぁ、そうだな』 黒「なんでです?」 花『なんでって・・・自分の力量理解しちゃってるから?』 黒「そこです!なんで力量理解しちゃってるのに、自分の限界以上のプレーを彼らができるかってことです。 花さんの指導のおかげというのはわかりますが、普通は無理でしょ!」 花『あーなんだ。キセキとやりあってやる気無くした奴みたいな?』 黒「はい。それに加え、とくに霧崎のひとって、頭いいじゃないですか。頭いいぶん、損得勘定でしか動かなそうで。バスケ"なんか"とか言って、まじめに部活とかしなそうなイメージがあって」 火「あー霧崎はそういうひと多いっすよね」 黒「力量を理解すると人は、そこで成長をやめてしまうそうです。あきらめることを覚えてしまうので。 なのに花さんは、いまだチームをひっぱっていて、そのチームを伸ばし続けている。 霧崎のチームだって、みんな心から楽しそうで、しかもチームワークが凄いですし…。 やる気ないやつをそこまでにさせる。それってそう簡単にできることじゃないと思いうんです」 花『自分の限界が分かるから、無理はしない。やる気も起きない・・・か。 たしかに、はじめの霧崎はそういう雰囲気あったな。 あいつらは、どうせ負けるとわかっているものに全力を注ぐぐらいなら、もっと効率的に考え、違うものに力を注ぐ。そういう頭でっかちの奴らが霧崎に多いってのは、あながち間違っちゃいないぜ』 黒「の、わりに霧崎は楽しそうにバスケしてますよね。さっきから僕が言ってるのはそこですよそこ!」 火「ん?いや、だからどこだって?」 黒「やる気のなかった人たちをどうやってバスケ大好き青年に変えたかです! 僕はそれだけ花宮さんが的確な指示をだしているんだと思ってるんです」 火「だな!うらやましいぜ。アザナ先輩のチームは、いつもめっちゃ楽しそうにバスケプレイしてるしな。 むしろもうゾーンの先いってそうなぐらい仲良しっすよね霧崎ってwww」 黒「じつは赤司君の疑似ゾーンみたいなかんじで、花宮さんがその頭脳でもって彼らの力を引き出してるとかだったりしますか?それならいろいろ納得が・・・というかぜひ楽しくバスケができる指導方法をうちのカントクにorz(遠い目)」 火「あまいぞ黒子。楽しそうとはいえ、アザナ先輩のことだ。ぜってー霧崎の奴らをしごいてしごきまくって、そのせいで何も考えられなくなった霧崎メンバーをきっとバスケバカに洗脳してるに違いねぇって(笑)」 花『洗脳はともかく。 ゾーン・・・なぁ。 おい火神。あれって、侍でいう、刀(獲物)が届く間合いのことかとおもってたけど、違うのか?おまえらの話聞いてるとなんかニュアンスが違う気がすんだけど』 さすがに間合い(殺すため)に、バスケのチームワークは関係ないよな。なんでチームワークがでてきてんだよ?(コテン) 花『え。なに?ゾーンにはいるとみんなで集団リンチしたくなるのか?それとも気分が高揚してみんなで・・・』 火「STOP!!!stop the crap!!それ以上はだまれ!です!!首傾げても駄目です!!かわいくみせてもあんたが言ってることグロイから!!R18Gって規制がかかっちゃいますから!バスケの話っすよ!!(汗)」 黒「ならば!!火神君、出番ですよ!」 火「うっす!えーっとZONE(ゾーン)っていうのは、バスケが大好きな奴がいける集中力MAX状態の・・・えーっとなんて言うんだろうな。あ!いい単語あったわ。簡単に言うとMAX・・限界を超えたバスケバカの領域っす」 黒花「『・・・なんて説明だ』」 火「そこにはいるともう野生の勘がめっちゃききます。あと、周りが見えなくなるぜ」 黒「つまりそれぐらい集中力がたかまるってことです。 ――バスケ限定の、ですが(ボソリ)」 花『ゾーンってのはわかった。バスケバカの間合いだな』 黒「あんたもなぜ簡素にまとめたし!?いつもの天才的頭脳の花宮さんのセリフじゃない!!」 火「そうっす!まさにそれだ!・・です」 黒「火神くんまで!?」 火「っで、ゾーンをこえたゾーンってうのが」 黒「僕、説明の邪魔でしたね。うん。ごめんなさい」 花『・・・オレ、頭よくないぞ?』 黒「いえ。僕が言いたかっただけです。そしてツッコミありがとうございます花宮さん!それをまっていた!!」 火「ったく。おい黒子。いつものキャラ、どこにおとしてきたんだよ」 黒「すいません火神君。このメンバーでバスケしたせいで高揚感がぬけきらず。あ。ゾーンのその先のゾーンについてですよね。どうぞどうぞ、語ってください」 火「ちゃちゃいれんなよ」 黒「はい」 花『っで?その限界集中力の向こう側には何があったって?』 黒「ゾーンのさらに先の・・・が、またさっきより変な呼び方されてるだとぉ(◎_◎;)」 火「アザナ先輩、あんまネーミングセンスないんだ。黒子、つっこんでやるな。へたするとお前まで変な名前付けられるぞ」 花『水色が眠気を誘うお前は睡眠誘導色少年だろ?』 火黒「「すでに変な名前がついてた!!!!」」 火「話を戻すッスけど・・・」 花『ああ』 火「(ほっ) 先輩も見てたと思う。誠凛と楽山との試合。あの最後に発揮されたのが、俺の、ゾーンのその向こうにあったものだ、です。 ゾーンは深い縦型のプールみたいなんすよ。集中すればするほど深く沈んでく。 そしてたどり着いた底には、扉がある。 扉の前にはも、も・・門番?gatekeeperっていうか、ひとがいて、扉(gate)の先にあるものが本当に理解していないと扉は開かない。 俺の場合は黒子がいた。扉の向こうには誠凛の仲間がいた」 黒「つまり究極のチームプレーをする。それがゾーンの向こう側にあるものだったんです。それがゾーンという存在の答えだと、僕たちは考えています。 扉をくぐる前のゾーンは、個人の集中力を上げた結果ひきだされた限界領域。 扉をくぐらないかぎり、そのプレイヤーの潜在能力は上がりますが、それは“個人の”限界を超えただけ。だからその段階では一人の能力が上昇しただけなんです。そこにチームプレーは存在しない。キセキが、ひとりよがりのプレーになりがちな理由は、だれも門をくぐれなかったからでしょうね」 火「はは。そう考えると、赤司の疑似ゾーンは、ゾーンの向こう側の本物のゾーンに近いっちゃぁ近いよな。 ・・・よく俺ら、あんなのに勝てたなぁ(遠い目)」 黒「で、ですね。ゾーンの説明をしているからこそでしょうか。今更になって、赤司君のゾーンの脅威に気づきました」 火「あれで本物のゾーンじゃねぇんだぜあれ」 黒「もし、疑似ゾーンではなく、彼まで本物のゾーンにはいってしまったら・・・ああ、なんておそろしい。僕等、よくぞ彼に勝てたものですね」 火「だな」 花『なぁ』 黒「?どうかしましたか花宮さん。なにか考え込んでいたようでしたが」 花『あ、いやバスケ的集中力、もとい個人の潜在能力を引き出す範囲がゾーンってのはわかった。そこには扉があるんだよな?あと門番』 火「おう!ま、も、もん?gatekeeperとかgateも感覚的なもんだから、ほかの奴にはわかんねぇかも。 あ、あとゲートキー…門番が黒子かはかぎらねぇなwww 青峰の門番はやっぱり黒子だって言ってたから、キセキの門番はたいがい黒子かも」 黒「ですが、そこまでたどり着けるのはキセキの世代ぐらいだっていわれていますし、そうすると、いまのところ門にたどりついたひと(=キセキの世代)たちの門番は、僕、なのでしょうね。僕個人としては、なんともいいがたいかんじですが」 火「キセキの奴らは黒子に印象を強く左右されたバスケでもあったわけだから、黒子が門の前にいる。っていうのは、俺はよくわかるぜ。 俺もそうだしなwww ま。キセキ以外の奴らが、扉まで行けたとか、扉の前に誰がいたまでは想像もできねけどな(笑)・・・・・あ、今吉さんなら他の奴の門番わかったりするのかも?」 花『それ、空いてるな』 火黒「「ん?」」 花『オレの扉、いつもカッポーンと解放しきってるだけど、これしまってたほうがいいのか?』 黒「カッポーンってなんですカッポーンって・・・って、んん?」 火「カッポーンってなんで鹿威しwwwwって、あれ?」 黒「花宮さん、今なんて言いました?」 花『ん?パッカーン?』 火「いや、擬音もさっきとちげぇ!!」 黒「・・・花宮さん、えっと・・・さっき扉があいてるって・・・」 花『ああ、そっちか。あまりにいいつっこみなんでてっきり扉の開放音をもう一度聞きたいのかと』 黒「いえ、それはもういいです」 花『あいてるな』 黒「・・・・・・」 火「・・・・・ま・じ・か」 花『あいてるな』 花『っで。人類超越したくなかったら、しめた方がいい?』(コテン) 火「いや、だからそんな不安そうな目でみるなですぅ!!!アザトイ・・・orz」 黒「真さんがやったのなら僕は鼻血を出しましょう。ですがあなたは却下だー!!!・・・・いえ、かわいいですけどね。 ところで花宮さん、その開いた扉まで行くのはどんな感じですか?火神君が言ってたようなプールみたいな感じですか?」 花『そうだな。 目を閉じて、自分の感覚が研ぎ澄まされてくのを感じる。 そのまま深く深く、海の底へと沈むように・・・底に降り立ったら、次は歩く。足が進むがままにいけば門がある感じだな。ただしその門は空いている。扉の向こうには、大切な奴らの顔が見える ・・・っと、想像の仲間でチームのことを思い出すってことは、まぁ。それはつまりチームメンバーに日々感謝しているオレの深層心理によるイメージかと思ってたんだが。 なるほど。あれがゾーンの向こう側の究極チームプレーとつながるわけか。 想いの力は誰にも負けない!ってやつか。 その青春的な感覚は初めてだな。 てっきり、いつも考えてるやつの顔が浮かぶ場所かと。女々しすぎるから、試合の時は、極力扉の向こうに行かないようにしてたんだが。 オレの仲間への愛が重すぎるが故の深層心理ってわけじゃないのなら、扉に踏み込んだままで、そのうちうちのやつらに指示出してみるか。 ん?って、どうしたお前ら?』 黒「・・・」 火「・・・」 黒「火神君」 火「黒子・・・」 黒「赤司君よりもっと怖い人が身近にいたんですね。常にゾーンはいってるとか。 自由に入れるとか・・・「バスケが大好きなひとだけがはいれる」っていう前提条件はいったい何だったんでしょう」 火「oh・・・赤司の疑似ゾーンでもきつかったのに。天下のチームプレー代表チームが本物のゾーンとか・・・・・勝ち目ねぇ」 花『バァーカ。なに言ってんだよ。 いつもの「勝てないぐらいがちょうどいい!」って叫んでたやつはどこいったんだ?』 火「だって先輩がやっぱりチートだった。っす」 黒「勝てそうもないですよぉ」 花『なぁーに、まだやってもいねぇ試合を勝手に想像して落ち込んでんだよ。やってみなきゃわかんないだろ』 黒「やだ。ゲスなオタマロンなのに、キュンときた」 花『お前、相変わらずオレへの扱いが悪いな。ま、そんな辛口が言えんなら大丈夫だな。 ――なら、・・・来いよ。二人がかりでな』 花『フハッ、遊んでやるよ』 * * * * * あなたのその扉はいつもひらかれているらしい。 なによりも時間が尊いものであると、あなたは知っている。 なによりも日常こそが素晴らしいのだと、誰よりあなたは理解している。 そんな貴方だから、大切なものは、いまだと貴方は笑って語る。 一分一秒。 ただの日常。 そこにあるものが大切で、それがたったの一度きりしか来ないものだと、貴方は誰よりも知っている。 だからだろうか。 貴方は自分の腕の中にいれたものをこぼすまいといつも必至だ。 心の奥底にあるというその扉は、まるで貴方そのもの。 いつもひらいているという扉。 両開きに開いた扉は、まるで腕を広げて大切なものを迎え入れようとしている貴方そのものだ。 原「うげぇ・・・なにそのポエム。古橋きもい」 古「うむ。今日の花宮観察日記も完璧だな。題して、今日の花宮。彼は時間の扉の門番でずっと孤独にその場で時が流れるのを見守り続けたという設定で書いてみた」 原「っぶwwwそ、それどこの美少女戦士のプ○ートwwwwwww花宮が○ルートってwwwいや、そこは木星の守護戦士でしょ(真顔) 名前がなんかいいじゃんあのポニーテルの。まぁ、リナリーちゃん(女版花宮)のツインテールもいいけど」 山「なに、おまえのそれは・・・え?原ってテールフェチ?」 原「もう!ちがうよー。だって“マコト”って響きよくない?。“花宮まこと”ってなんかしっくりくるし、どっかにいそうじゃん」 古「む。それもそうだが。だが俺が語りたいのはポニーテルのまこちゃんじゃない!今・日・の・花・宮・だ(キリッ)」 松「今日?そういえば、今日花宮はたしか・・火神たちと、遊びに行くって」 古「ああ、もちろんついていったとも!こっそりとな。そこで花宮たちがゾーンのはなしをしてたんだ」 山「いや、もうそれストーカーだろ」 原「それで今回のポエムの題材が、花宮と扉な、わけか」 古「両開きの扉って、人が腕を広げて出迎えてるみたいに見えないか? ああ、これから両開きの扉をみるたびに花宮を思い出して、ああ、尊い。扉素晴らしい。花宮にそのままギュってだきしめてもらいたい」 松「・・・・・・」 山「おまえちょっと、音楽室いってこいよ。あそこ両開き扉だから」 原「うわぁー古橋ちょっと毎日花宮ポエムつけるのやめなよ。そのうちそれを証拠に訴えられちゃうよ?それ裁判に持ち出されたら勝てないよ(汗)」 古「両の手を開いて俺たちがかけつけるのをまってる花宮。ああ、そうか。ここに聖母はいた」 山「こいつやべぇ」 瀬「zzz」 松「・・・えーっと宮地さん(セコム)の電話わっと」 火「古橋さん安定だなぁ。 でも・・・・その愉快な設定があながち間違ってないんっすよねwww」 :: オマケ :: 火「ねぇ、アザナ先輩。アザナ先輩が最も大事なものって何ですか?」 花『フハッ!なんだよ今更』 火「ありますよね。先輩には」 花『そんなもの』 ―――“この両手に収まりきるすべて”に決まってんだろ。 花『なぁ〜んてな』 火「ほんと身内と認めた人にはあまいというか、家族や仲間大事ですね。このツンデレさんめwww」 花『オレを緑間と同じくくりでまとめんじゃねーよ!!!』 火「電波は拒否なのか。本人電波のくせに。 そいえば、ゲ・ス・が・な・いΣ(´゚д゚`) さっきだって「なんてな」のあとにいつもくるはずの「バァーカ」がないだとぉ!? はっ!?先輩、扉をくぐるときゲス置き忘れて、ピュアの扉くぐっちゃったんだないっすかwwww」 花『もういい加減扉ネタから離れろよ』 転生を繰り返すその人だから 彼はひとの生きる "一瞬" を誰よりも知っている。 生と死を繰り返えしては、置いて逝き、置いて逝かれるということを見続けてきた。 だから彼の言葉はひとつひとつ重みがある。 だからこそ、自分が守ると決め、懐に入れたものを大事にする。 それが彼にとって、手放したくないものだ。 そのひとは"知っている"からこそ、誰よりも――― 家族や仲間(誰かとともにあれる時間)に飢えている。 火「そんな先輩だからこそ、チームプレーを問うゾーンの門に扉はなかったんだな」 花『はぁ?なんだよそれ意味わかんねぇ』 火「だって先輩が一番大切なのは常に仲間。そんなひとに仲間の大切さを問う必要なんてないだろ。ってことっすよ」 花『ふは。なにをいまさら』 ほら、そこでさらっと笑える貴方だから。 なんでもないことのように、それこそが“当然のこと”と断言できることが、どんなにすごいか知ってますか? だからこそ、貴方の扉はいつもひらかれている。 U←BackUTOPUNext→U |