彼らにオチはない |
なんだ。お前ら、字とキャンプにいくのか。 まぁ、頑張れよ。 ああ、花 宮家とはよくいろんなところいくぜ。 うちと花 宮家があつまると、山なし、オチなし・・・まぁ、だいたいこんなもんだよ。 え?うちでのキャンプはどうかって? どんなかって言われてもなぁ、特出したことは特にはないな。 あ、そうだ食材なんだが。 バーベキューのときを例にだすと そうだなぁ、あのときはやきそばをもってきてなくてなぁ――― 【 side 宮地 清志 】 清「お前いっそのこと曲芸師になれ」 幼馴染みの家とうちの家、総出で、バーベキューにいくのは毎年恒例の行事だ。 河原につけば率先してバーベキューの準備をするのは、おれの幼馴染みだ。 こいつの名は花 宮字。 おれの一つ下だ。 ちなみにアザナは、森の奥地でも生きていけるのではないかと思われるほど芸達者で、どこか幼い雰囲気のほんわかとした和風清純派の外見をおおいにうらぎる爺くさい性格のうえ、外見の真逆をいくみごとなまでのアウトドアな奴である。 そのアザナが手際よく、慣れた様子で、テントを組み立て、キャンプ用やらバーベキュー用やらの道具を出していく。 しかしそれに気づいた大人たちが「たまには自分たちにやらせてよ」と、その仕事を奪っていく。 こうしてるのをみるとアザナよりも大人たちの方が、こういった休みのときはしゃいでいる気がする。 そうして父親たちが和気あいあいとテントをはったりかまどや鉄板を用意したり、火もしっかりつけている間、奪われた荷物のなくなった掌を見たままやることがなくなってとまどっていたので、呆然とするアザナの頭をたたいて川に行こうとでも誘う。 こっくりと頷いてついてきたアザナとおれは、荷物の中から釣竿を取出し、少し奥へといってのんびり魚を釣りにいった。 宮母「準備できたわよ!さぁアザナちゃ〜ん、あとお願い!!」 うちの母がうれしそうに手を振ってきたので、釣れた魚をの入ったバケツをもって二人でもどる。 そこまでくると次こそが、アザナの出番だ。 ハイと包丁を渡されたアザナは、まるまるとしたニンジンやらキャベツ、玉ねぎ・・・っと、バーベキューに必要な材料を簡易まな板にのせると、まずはさーーーーっというかんじでにんじんの皮をむいていく。 そこからキャベツやかぼちゃをある程度の大きさに刻むと―― ニンジン、たまねぎ、ピーマンを頭上に高々と投げる。 それと同時に、いつのまにか二本に増えた包丁をお手玉をするように、アザナは放り投げる。 サクサクサクトサトサトサと音がしている。 アザナが包丁を投げれば、それだけで空中で野菜がほどよく刻まれていく。 落ちてきた包丁がアザナの手に戻ってくるまでの間に、刻まれた野菜は鉄板の上に落ちていく。 それにいつもどおり歓声と拍手があがる。 ノリのいいというか、見慣れた光景だから、ヤンヤヤンヤとのんびりした声だ。 それに相変わらずスゲェなと思っていれば、かたまりでドンと置かれていた肉が、よそ見をしている間に食べやすい大きさになって皿に盛られていた。 本当にいつのまに? とりあえず 清「アザナぁー。この魚もくおうぜ!塩焼きにしよう」 字『ヤマメ、イワナ、ニジマス・・・すべてクエルモノオンパレード。きょー兄。あんた相変わらず最高だ!』 宮母「わーおいしそう!あんたやるわね!」 宮父「さすがぁ。ミコっちゃんや俺がやっても食べれそうな魚って釣れないんだよな。おまえすごいな清志」 花父「だねぇ。ウチの家族は基本動物に嫌われてるみたいだしね〜。おれも魚釣れたためしないよ。真咲さんやアザナなんか、魚が近づくと逃げるし」 花母「ふふ。清志君はあいかわらず釣りがうまいわねぇ。アザナさんなんか絶対魚寄ってこないもの。かわりに素手で捕まえてくるわよね」 清「熊か!?」 花父「いやいや。そんなアグレッシブなものじゃなくて、えーっと。あれってたしか罠をはってるんだよね」 宮母「さすが頭脳派。清志。あんたも少しはみないなさいよ」 清「うっせ」 字『だいじょうぶですよキョーママ。清志は頭いい方だから。髪の色とか外見でいろいろ言われるから点数だけでも見返してやろうって魂胆だっけ?』 清「いや魂胆とかじゃねーよ。お前と勉強したたらよくなっただけだっての」 宮父「そういえば槍とか銛の代わりに棒を投げれば何かにあたるよなぁ。アザナちゃん、勘いいからなぁ」 宮母「安心しなさい。あんたの頭のできはよく理解してるから」 清「ああ、そう」 字『ああ。それにしても・・・立派だ。立派な脂身。こっちは塩で、あ、こいつてんぷらにしたい』 清「すげぇー目がかがやいてるんだけど。ってか、てんぷらはさすがにそれは無理だからな」 花母「そうねぇ」 宮母「環境汚染のこともあるし。っていうか、そこまで大量の油は持ってきてないわよ」 清「いやいやおふくろたちさ、そこまでしてやるなよ。普通に塩焼きでいいだろ」 宮父「それでなにをつくるんだ?」 花父「あ!アっちゃん!お腹減った〜!やきそば食べたい!」 字『え。焼うどんがいいってキョーママが言ってたから今日はもってきないけど』 宮父「なんだって!?焼うどん!?斜め上の回答だと!?」 花父「セイコちゃん。こういうときは焼きそばじゃないの?」 宮父「そうだそうだ!おい、セイコ。普通はどこへいった!!」 宮母「普通普通うっさいのよ!アザナくんの手料理が食べたかったのよ!!」 花母「焼きそばにお肉たっぷりでお願いねアザナさん。豚肉はちゃんと持ってきてあるから」 花父「アザナ。アザナ。あっちゃん。はいこれ。どうせみゃぁーじたちこんなことだとおもって、おれもってきたよー。焼・き・そ・ば・・・・・・の麺」 花『父さんナイス』 宮父「ナイスだミコっちゃん!」 花母「ちょっと清子さん。貴女のご飯のセンス悪いのなんかならないの?」 宮母「あんたの趣味より絶対ましよ!」 花母「あらぁ。なんのこと?」 花父「ははは。そんな嫌いな笑顔が黒いおれの奥さんこわーいなぁ」 宮父「それを笑顔でほのぼのいう深琴が一番こわいわっ!!」 宮母「なにってあんたがアザナちゃんに着せてる服のセンスよ!!」 清「あー・・・それはおれも思うわ」 花母「アザナはいいのよ。だって似合ってるもの」 なぁ〜んて騒がしくしながらもさくっと料理は完成していき、その日の昼は天ぷらにはならなかったが、とれたて魚の塩やきと、焼きそばをたべた。 :: オマケ :: 宮「――っと、いうわけなんだけど。持って行かないと、基本材料は現地調達だ。それでもお前らウチの字とキャンプいくのか?」 霧「「「「現地調達」」」」 宮「現地調達だ。ちなみに字は食べるためなら、魚だけじゃなく問答無用で兎だろうが鳥だろうが熊だってさばくぞ」 花『キャンプかぁ。泊りがけは久しぶりだな。山だと星がよりいっそうきれいなんだろうな。できるだけ森の奥地まで行こうぜ!それで秘境の温泉とかもついでにはいろうな!あ、猪鍋もいいよなぁ。そうだ!包丁といどかないと!』 霧「「「「・・・・・・」」」」 松「あ、わるい。俺、その日、もう予定あったわ。頑張れよお前ら」 山「松本ぉぉぉぉ!!!」 原「ひどいまつもっちゃん!!」 古「この裏切者がぁ!!」 瀬「わかった。松本。お前への土産は、花 宮が剥いだ猪の毛皮だな」 松「おまえらなぁ。そんな死にそうな顔で迫ってくるなよ」 宮「まぁ、血の惨劇も。そのうち見慣れるさ。がんばれよ」 霧「「「「ここは現代日本だっ!!!」」」」 花『ん?そんなの知ってるが? でも山には何が出るかわからないから準備だけは万端にしていかないとな』 原「ひぃー!!!もういやぁ!!!」 山「・・・TVでさ。芸能人が無人島で2泊3日とかで対決してるのみるけどさ、自分たちが体験するとは」 古「ザキ。俺たちのは無人島じゃなくて、ただのキャンプだろ」 瀬「古橋。いつもより目が死んでる」 宮松「「ナムサン」」 ←BackUTOPUNext→U |