有り得ない偶然 SideW
-だれかの短い日々-




バトルしようぜ!


それは僕が“あのひと”のことを知らなかった頃のこと

ただただ 周りの言葉に流され
それが真実であると思い込まされていた日々の一幕

あれはまだ
僕があのひとから“友”だち認定をされるよりも前のこと





【 side 黒子 】





今日は土曜日です。ですが体育館がつかえないため、午後からの部活がないのです。
そうなればやることは決まっていて、みんなに声をかけて、どこかに遊びに行かないか?って話になった。
もちろん僕の天使、火神くんにも声をかけようとした。

だけど声をかけようとしたところで、火神君の携帯に電話がかかってきた。

「あの、火神く…」

トゥルルルルrrrrr・・・・


花『Ciao.Rei』
火『Hello.colleague』
花『…English?』
火『そうっすよ』

花『《レイ、てめぇ、いいかげん日本後話せよバァーカ。ここは日本圏だぞ》』
火『《とかいいつつすぐに合わせて英語にしてくれる先輩大好きです》』
花『《そう思うならオレに楽させろ。日本語で話せよ。転生する前は全部日本人だろお前》』
火『《ならあんたも日本語でドーゾ。 そもそも最初のあいさつイタリア語でしょアレ? 前世が元ボンゴレ幹部のXANXASだからか、かなりイタリアかぶれになってますよ今のあんた》』
花『《せっかく合わせてやってるのに、なんて言い草だ。なら!イタリア語ロシア語フランス語ハンター語どれがいい?お前の好きな言葉でしゃべってやるよ》』
火『《ハンター語はないわwwwと、いうか、そんなことしたら、あんたの言葉誰も理解できませんよ?俺、英語と日本語しか無理っすから》』
花『《わかってるさそれぐらい。どうせお前今“いいこちゃんたち”に囲まれてんだろ?》』
火『exactly! 《そのとおり。だからできるだけ彼らに聞き取れないっ様な単語ばっかでしかも早口でしゃべってんですよ。 日常会話ではあんま使わない単語とか言い回しして、さらにはスラングをまぜまくって頑張ってこうやって会話してるじゃないですか》』
花『《お前はもう日本人やめていいと思うぜ》』
火『《あんたもですよそれ》』

楽しそうに話す火神くんは英語だった。
さすがは帰国子女。

っというか、もれ聞こえる相手の言語も日本語ではないようで、僕には彼らが何を言っているのかさっぱりわからなかった。
これでも英語は可もなく不可もない点数なんですが・・・。
本場の英会話はさすがにききとれませんでした。

ハンターって、聞こえたのはアレでしょうか?今話題のモンスターハンターとか?
ボンゴレっていうのはたしかあれですよね?アサリ。
ザンザスってのはなんでしょうか?

本当に何の話してるんでしょうか?ゲームですか?お昼ですか?
え?もしかしてこれからお相手の方とお昼の約束をしてるんですか。
なにそれ。うらやましい。

花『フハッ!《すっかりお互い転生の影響がでているようで。それで?約束通りこれんだろ?》そのためにかなり鍛えたんだからな』
火『こっちも、です!ワンオーワンしようぜ!です!』

あ。日本語になった。

もしかして火神君の電話の向こうのお相手さんはいわずもがなバスケ選手ですか!?
休みの日までバスケって。
火神君、どんだけバスケバカなんですか!?

っていうか――バスケするなら一緒にやりましょうよ!

花『「しようぜ!です』?なんだそれ《なにその変な日本語?オレの前じゃいつも暴力的な敬語じゃん》』
火『《暴力的な敬語ってうける!あんたの日本語の方がおかしww》』
花『《カラクチってこと。お前、オレに遠慮しないだろ》』
火『《ないですね。だって。アザナさんですから。容赦なんか意味ないじゃないですか》』
花『xxx公園でまってる』
火『すぐ、いく、です』


xxx公園――近いですね。
ようやく聞こえた相手の声。

聞いたことのない声だったので、どうやら僕たちのしらないひとだとわかる。
それをかわきりに電話をきった火神君が、僕たちからの視線の集中砲火を浴びてるとわかると驚いたような顔をした後、「わり!今から用があるから!」そう言ってあわただしく荷物をまとめると部室を出て行ってしまった。

「アメリカでの知り合いじゃね?」
「外国語だったもんねー」
「それじゃぁ、じゃましちゃわるいか」

火神君も誘ってマジバにでもいこうと離していた一年組。
おいていかれた僕は

黒「すいません。僕もちょっと用があるので」

ペコリとお辞儀をして、脱兎のごとく荷物を持って――



黒「(待っていてください僕の天使ー!!!!!!!!!!!)」


心の中で雄たけびをあげて、火神君をおいかけました。
途中、片付けと着替えを済ませてきた二年生の先輩たちと、監督やマネージャーとあい、声をかけられましたが、そのときの僕はそれどころではありませんでした。





**********





息を切らしてなんとか走っても火神君には追い付きませんでした。
彼らの行先を聞いていてよかったです。
xxx公園にたどり着くと、火神君をさがす。

黒「あ」

いました!
ストバスのコートの中、黒くてまるっとした頭をしたひとと一緒です。
後ろ姿なのでよくわかりませんが、制服ではなく私服だったので、はっきりいって性別が分かりません。
普通の男子高校生をはるかに凌駕する火神君といるせいか、よけいそのひとが小さくみえるから困る。
頭の上に髪飾りがついているので、やはり女の子でしょうか?
いや。それにしては・・・あの着ているシャツはやばい。

黒「な、なんですかあれ?」

ちょ!?あれはやばいです!!

もこっとしたファーの裾がついた黒いジャケット。それは普通。
問題はその下からみえるシャツ。
白い色は普通だ。ふつうなのだが・・・

シャツには、有名なアイドルみゆみゆのプリントがでかでかと施され、「L」「O」「V」「E」「ラブリー萌ー!!!」と、写真プリントの横に派手にかかれた文字がきになる。

はっきり言って、ひいた。


それにもかかわらずあの火神君が僕らにはみせないような笑顔で、変シャツのひとと嬉しそうに話しています。

二人はそうして話しながら、コートのすみにあるベンチの方へ向かった。

あ。変シャツのひとの顔が見えました。
綺麗な顔立ち・・・なんですが、なんですかね?あの特徴的すぎる眉は。
視線がそこにくぎ付けになってしまいますよ。
いえ。べつにムサイとかじゃなくて、すごく和風美人って感じでよく似合うんですが・・・。
すいません眉毛にばっか視線が向きます。
なんですかあのおかめのような、平安時代にいけといいたくなるような。 昔の日本人が美女に求めた部分を抜き取って貼り付けたようなあの眉毛は。なんというか、生まれる時代を間違った美女ってかんじですね。

・・・ん〜?なんでしょう?
どこかでみたことがあるような気がするのですが・・・。

錯覚ですよね。

そうして二人は、仲良くベンチに腰を降ろすと――


いそいそとバスケボールではなく携帯ゲームを取り出した。

え?ゲーム?
ワンオーワンって言ってたませんでしたっけ?
たしかにバスケの試合もゲームっていいますけど、それ、任天●DSですよね!?
デジタルなゲームの方ですよね!?

あのワンオーワンってなんだったんですか!?
あわよくば僕も火神君のバスケに参加させてもらおうと思ってたのに!!!





**********





どうやらふたりがいう対戦っていうのは、ゲームの勝負だったようです。
バスケじゃなかったんですね。
残念です。

ですが、いまさら名乗り出るわけにいきませんし。
僕、今日はゲーム機もってません。

しかたありません。
このままミスディレして草かげに隠れていましょう。
少しだけ、火神君と一緒にいる黒髪の彼に興味がでましたし。


それにしても・・・

火神君、あなたちゃんとした日本語も話せたんですね。
僕たちといるときは日本語下手ですよね?しかも治せないみたいで。がんばってるんですけどねぇ。
あれがわざとだったらすごい演技力ですよあなた。
あれ?じゃぁ、なんで敬語が話せないのでしょうか。


火『勝負!』
花『ことわる』
火『えー!対戦しようって言ったらいいって言ったじゃないですか。ワンオーワンー!ワンオーワン!!』
花『一体一は嫌だ!絶対負ける!せめて3対3だ。ポケモンは入替有りしか認めん』
火『それはそれで俺が負けそうっすね』


ふたりともメチャクチャ真剣ですねぇ。

ソフトの色と聞きなれた音からすると、ポケモンですかね?
BW2・・・でしょうか?
そうなるとソフトの色からして、黒いひとがブラック2。火神くんがどうやらホワイト2みたいですね。
っていうか、いまどきBW編ですか。
もうXY発売してましたよね?スレチガイとかもう誰もすれ違うことがなさそうですね。


花『って!!また炎かよ!しかもテメェのレシラムまで《ほのお》属性じゃないか! お前、どんだけ火属性好きなんだよ。
フハッ!いや、今回の火神という名といい、火に縁があるのかお前は?』
火『偶然ですってば。ホワイトキュレムの見た目が好きで買ったけど、ゲットして図鑑見るまで気付かなかったんですよ。 まぁホワイト2自体は火属性ばかり好きになりましたが。 それ言ったらアザナ先輩も花 宮の名の通り、植物系多いじゃないですかー。 マラカッチとかリーフィアとかエルフーンとかドレディアとか!手持ちのメインが植物じゃん! しかもキュレムを一撃で倒すマラカッチっておかしいから!!』
花『ああ。そういえば…あのときは70回ぐらいキュレム死んではリセットを繰り返したな。本当にさ、一撃瀕死とか。伝説って弱いよなぁ』
火『いや、それがまずおかしい』
花『オレの家でサボテンに花が咲かなければオレの手持ちにマラカッチはいなかったがな』
火『愛が重すぎるwwww』


そ、それは、愛が重いですよ。

でもその気持ちよくわかります! いや、むしろ愛に勝るものはないって感じでしょうか?
ボクの火神君への愛へと同じですね!わかります!
ふむ。あの黒髪のひととは気が合いそうな気がします。
そのうちあの彼ともぜひ話してみたいですね。

それにしても火神君は火属性ですか。
らしいですね。
名前にあっていてとてもよく似合います。


火『あ、交換で進化って・・・ちょ!ちょっとまった!ア、アザナさんの手持ちにマロマユオタマロ君いるぅ!しかも名前が《ハナミヤJr》って!!!ブッフォッwwwww先輩自覚ありだった!!ぶふまゆげぇ!!あはははははは!!!』
花『お前だってエンブオーの眉が似てんじゃねぇか。ちなみにオレのオタマロ、原に無理やり交換させられたんだよ。かわりにオレのモノズに《はらベル》と名付けて交換してやったがな。交換ポケモンだから名前変更は不可だ。ザマァないな』
火『ひー!!ベルってあの【復活】のベルか!?ブフッ!!に、にあいすぎる!!いやむしろそっくり、だ!!!アザナさんも霧崎の先輩たちステキすぎますwwwwあっはっは!!あーうける。あー笑った』

なるほど。似せた人の名前を付ける。ありかもしれません。
ではさそっそく。僕も家に帰ったら、エンブオーに「タイガ」と名付けましょうか。

最初にもらったポケモンをポカブにしたあのときの僕、グッジョブです!

あのときまだキセキの世代に捨てられた記憶が離れなくて、ツタージャが緑間君、ミジュマルが青峰君に見えて、思わずポカブにしてよかった!
ありがとう緑間君!青峰君!



―――ガガガッガガガガガガガ・・・!!!!

おっといけない。浮かれている間に、今度はなにやらはげしく痛い音がひびいてます。

花『だぁーーーーー!!!やめろ!!あああ!!!オレのダイケンキー!!!』

ついでに相方さんの方からも悲鳴が聞こえます。
あのひとはミジュマルをはじめに選んだんですね。植物にはいいですよね、水。

花『もうやめろ!まじやめろ!!お前のギギギアルが怖いわ。そのギアソーサーでオレのポケモンたちがどんだけ敗けるんだよっ!打撃弱いって知ってるだろうが!!』
火『ギアソーサーってゲットしたときの初期技?なんですけど、このガガガッていうモーションが好きでレベル上がっても絶対忘れさせたくないんすよね』
花『忘れさせろ!まじで!電撃を浴びるよりそっちのほうがオレにはきついんだよ!もうそのガガガッていう音がトラウマだっ』
火『俺はマラカッチのちょすいが嫌ですよ。それで怒涛の逆転勝ちされたんですから』
花『マラカッチへの愛は家のサボテンへの愛だ!』


火『それにしてもオタマロってなんか可愛いですよね』
花『は?人面魚なんかきもいだろうが。オレなら進化後のガマガルやガマゲロゲの方が好きだ。原のやつらが進化させるなって言わなければ、即進化させてたわ。ついでにすでにゲット&進化済みの別の奴。かわいいだろーオレのガマガル』
火『え。なにそのカエル。キモイっす。進化形前のオタマロの方がだんぜんカワイイ』
花『いや、キモイのは人面魚だろ?カエルかわいいのに』

火『・・・』
花『・・・』
火『本当に手持ちといい、好みといい、俺たち真逆ッスよね』
花『だな』


そうですね。
聞いてるだけでもそのとおりだと思いますよ。
ソフトといい、手持ちといい、本当に真逆ですよね。


あ、どうやら、また戦闘をはじめたようですよ。
今度は複数戦みたいですね。

花『・・・〈そらをとぶ〉で一匹上へ逃がす。ダイケンキには〈なみのり〉。なみのりを使うならマラカッチに〈ちょすい〉させて回復後に〈はなびらのまい〉だな』
火『ひぃー!!!やめてください!!死ぬ!死ぬっですっ!!!先輩のそのコンボ範囲が広すぎてつらい』
花『そう思うなら炎攻撃とかギギギギ!ってのやめろよお前!オレのポケモンはベトベトン以外は打撃と炎にめちゃくちゃ弱いって知ってんだろうが!!』
火『あ!シンボラー〈サイケこうせん〉で!!』
花『ぎゃー!!!ダイケンキー!!手加減しろよ!お前も!!』
火『そう言いながらあんたのマラカッチの今の一撃でこっちは瀕死だっての!!あんたが手加減しろ!』


火『アザナさーん。そろそろXYの方の交換しましょうよ』
花『・・・オレのYはニャオニクスとピカチュウ大量にいるだけだぞ』
火『ニャオニクスにキヨニィって名前やめてくださいこのブラコンがwww』
花『キヨニィのこどもいる?ふつうに名前変更してないからニャスパーのままだけど』
火『ニャスパーとニャオニスクで家族形成してるwwwwいる、ですwwwww』
花『モコモコ帝国作ろうかと思って』


ちょwwww
も、モフモフ帝国って・・・なんですかソレ!

考えたこともなかったですけど、いいですねソレ。
ちょっとみてみたい。
ぜひ実現してくださるとありがたいのですが・・・。

あ、でも。そのためには、僕も彼と顔見知りにならないといけませんね。


花『なぁ、お前ってさー全部のポケモンに名前つけてるよな』
火『可愛いじゃないですか。あんたのネーミングセンスはダメです。らんか01、らんか02って、これ乱獲で捕まえた順でしょうに。むしろもう名前じゃない。ポケモンにあやまれ』
花『オレのはレギュラー以外に愛はない。図鑑埋めるためだけだし。
っで?なんで、Xの手持ちメンバーでバシャーモとブラッキーはアダ名付いてないんだ?お前らしくなくね?』
火『そりゃぁーそうでしょうよ。バシャーモ(もといアチャモ)はXY期間限定配信。ブラッキーは誕生日にポケモンセンターで貰いにいったやつですし。アダ名付けようと姓名判断師のところ行ったら【ケチのつけようもない素晴らしいニックネームだ!】と華麗に断られました』
花『華麗にwww固定かwwww 』


「らんか』って可愛い名前と思った僕のトキメキをかえせぇ。
ネーミングセンスぅ・・・orz
これはない。
ひどすぎです!


そこでふと火神君がなにかを思い出したように、黒髪の彼に自分の画面を見せて――


火『時にアザナ先輩。ルカリオ、バイバニラのどちらかにクロって名付けたいんすけどどっちが黒子っぽいですか?ゲッコウガも捨てがたいけどゲッコウガにはもう名前付けちゃったし』

あれ?ぼ、ぼくですか!?

花『黒子?あーえっと、お前の今の相棒だっけ?たしか11番の水色くんか。
オレ、あんまりあいつのこと知らねぇ。っていうかなんでバイバニラ?しかもルカリオとって、どういう基準だよ?』
火『黒子はバニラシェイクが好物なんです。あとグロウパンチとか、はどうだんっぽい掌底が得意なんですよああみえて』
花『ふ〜ん。そっか』





花『だってよ?お前はどっちがいいんだ?』





黒「え?どうして…」
火『うわ!?く、黒子!?いつのまに』


ちょっと悩むようなしぐさをしたあと、彼はなんのためらいも躊躇もなく僕に視線を向けたのでした。
たしかに草陰からふつうに身体乗り出して見てはいましたが、ミスディレしてたのに!!!!

彼はなんと僕に気付いてくれました!
相棒の火神君でさえ僕に気付いていなかったというのにです!





**********





――それが僕、黒子テツヤと花 宮さんとの出会いでした。
まさかそこから本の趣味やら身長で意気投合して、互いに《友》と呼び合うようになるとは、このときは誰が想像したでしょうか。


ちなみに自己紹介で名を名乗られてもしばらく彼が、●●●先輩が言っていた“悪童”だとは気付きませんでした。
毎日のように●●●先輩が、霧崎のバスケ部員にだけは近づいちゃだめだと言っていたのに。
イメージが違いすぎたせいでしょうか。
それとも火神君が信頼してたから、“絶対悪”のイメージがある“悪童”と、目の前の彼がイコールで結ばれれなかったのでしょうか。

僕らはまだ会ったことがありませんが、誠凛バスケ部には、もうひとり木吉という先輩がいるそうです。
●●●先輩が言うには、“悪童 花 宮真”が、その木吉先輩の足をラフプレーで壊したのだとか。
だから誠凛のバスケ部員である僕らは、“悪童”を憎んでいたわけで・・・。

あれ?
ハナミヤ マコト?

でも

黒「すいません。もう一度名前をお伺いしても?」
花『あ゛、 花 宮 字 だけど。どうかしたか?』


ハナミヤ アザナ。


あれ?なにか・・・。だれか、おかしくないですか?


僕の考えを読んだように、花 宮さんがニヤリと口端を持ち上げて笑っていた。
火神君に、わけのわからないこの胸のもやもやを訪ねようとそちらへ視線を向ければ、彼は満足そうにいつになく嬉しそうに笑って。そして――

火『黒子ぉー!あいつの洗脳が解けたんだな!』
黒「え?えーっと、どういうことですか?」

嬉しそうに飛びついてきた火神君にぎゅうぎゅうしめられて・・・
死ぬかと思いました。
力と体格差を考えてください!

花『その違和感を忘れるな黒子』
黒「違和感を?」
火『誠凛中のみんなが、アザナ先輩の名前を“花 宮真”って間違えてるから。 催眠みたいななにか広まってるって、気付いたんだよ。それでアザナさんが誠凛を気にかけてくれてて・・・』
黒「洗脳?まさか、そんな・・・。いったいだれが」
花『ほら手を出せ黒子。いつまで地べたに座ってる気だ?』
火『あ、わり黒子!大丈夫か?』
黒「あ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」

僕を火神君が腕を離したせいで今度はしりもちをつきました。
そんな僕に花 宮さんの手が伸ばされ、その手を取ってしっかり立ち上がります。
どういうことですか?そうたずねようと顔を上げた僕と目が合うと、花 宮さんはその印象的な深い色合いをした瞳を細めフッと穏やかに笑った。



花『その小さなきっかけが、やがてすべてを覆す大きな波紋となる――きっとだ』



花 宮さんは僕より身長が低いくせに。
笑い方や、しぐさまでもが、なんだかすごく大人っぽくて。
なぜか負けたような気がしてしまうのはなぜでしょうか?

ちょっとくやしいです。

それにこどもあつかいされるの、本当は好きじゃないんですよ。
だって、僕だって平均身長はあるんですから。
でもいいです。
特別ですよ。
許してあげます。

だって。そんなに優しい顔で・・・。
こうやって頭を撫でられるのも、まあ、わるくないなって思っちゃったんです。





 


:: オマケ ::

主人公はオレらの手の内にきた。
こうなればお前の願いによる呪縛などききはしまいよ?
ここからだよ。
オレらの試合(バトル)は始まったばかりだ。
オレたち成り代わり組みと、トリッパーたるお前のとのな。

さぁ、どうする? ―――●● ●●さんよぉ。

運命は、お前かオレたちか。
どちらのイレギュラーに冠を渡すのか。
フハッ!ああ、でも知ってるか?
神の祝福ってのは、いいもんばかりとは限らないんだぜ。





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