改めまして。花宮本丸刀剣男士! |
※時の政府事情。審神者について。刀剣男士と霊力について。などにいろいろ捏造設定あり!! <あらすじ> 花宮成り代わり主が、審神者になって十年目。 字さんのネーミングセンスはひどく、どの刀剣たちも正規の呼び方をしていない。 性格もみんな個性的。 そんな花宮字本丸に見習いとして、転生仲間の火神大我成り代わり主がやってきた。 「六」という新しい仲間が加わったので、自己紹介をすることに・・・。 --------------- 「普通はどこだ!!!」 『あ゛?うちはこれが普通なんだよ。そもそも普通の定義ってなんだよ?』 「そういう解答に悩む質問はやめれ!」 < side 火神 成り代わり主 > えーこのたび、鍛刀もしてないし、見習いルールも破ってないのに、なぜか初期刀ができてしまった火神大我だ。 いちおう審神者名は「火凛」でとおっている。 さて目の前には、花宮本丸の刀剣たちがズラリとならんでいる。 いや、べつにお昼で一同勢ぞろいしているわけではないからな。 迷い込んだ山でたまたまゲットしてしまった三日月宗近に、この本丸のことをしってもらうための自己紹介をすることになったのだ。 タイミングよく、字さんの担当役人もそろっている。 なにより俺の研修はまだまるっと三週間はあるので、うちの三日月がこの本丸の男士と不仲だと困る。 まぁ、みんなひとなつっこいひとたちばかりだから大丈夫だとは思うんだけど、まぁ、顔を覚えてもらうためでもある。 字『花と呼ばれてる。いちおう元神。現人の審神者だ。そこそこ権力も力もある。 火凛が独立した後、なにかあれば、お前が刀剣であろうとかまわずオレを頼れ』 やだなにこのイケメンwww これをなんのためらないも躊躇もなく真顔で言ってのけるなんて、そうできることじゃない。 しかもいざというときがくれば、このひとなら本当に実行してしまうのだろう。 もう字先輩は、性別とか種族とか本当に凌駕してるイケメンだ。 なんかいろんなところで残念な面もあるが・・・ 桜「こんのすけでございます。 この本丸には、政府がクリーンになってから派遣されまして。 花の宮の“神気”に染まり、徐々に毛色が色あせ、しまいに変色してしまいこのような桜色になってしまいましたが。 決して白髪ではないので。くたびれきったこんのすけとは呼ばないでくださいね」 あ、このこんのすけ、苦労してきたんだなぁ。 本来黄色い部分が淡い桜色で、耳やしっぽの先だけが白色のため、全体的に白っぽい。 その首元を飾るのは、手作りと思われる花の飾り。 なんというかこの本丸の住人なら、このこんのすけに一度は「過労による脱色」とか言ってそう。 その分、いまいろいろ悟りの領域にでも足を踏み込んだのか、桜こんのすけはとても達観している。というか、とても理知的でクールな言動が多い。 花担「黒井です。花さんからは鴉ってよばれてますよ〜。刀剣出しの方からはおっさんって呼ばれてます。 主なお仕事は〜花さんのサポートで、ブラック対策課情報部隊所属で〜す。 堀「担当さんはねーうちのこんのすけと一緒にタックを組むと無敵だよね」 花担「いえいえ、そこまでは(笑)」 そういう担当さんは、肩よりほんの少しばかり長めの髪をゴムで縛っているが、そこには白い造花をつけている。 無精ひげのだらしなげな衣装のおっさんだがな。 続いて前に出てきたのは、ここの初期刀だという山姥切国広だ。 「キリだ」 白い布は、ボロではなく、白い生地に裾部分を縁取るように白と銀の糸で花の刺繍がほどこされ、 フードをとめる部分には白い造花の花ノブローチでとめられている。 切「ん?これか?これは兄弟がアイロンをあててくれて、兄弟が仕立ててくれたんだ!」 しかもこれらの飾りが自慢であるらしく「兄弟がつくってくれたんだ!」とそれはもう尊敬が詰まったようなキラキラしした目で、 兄弟刀のすごさをアピールしてくる。 しかも自分がつくったのかのようなドヤ顔で、布をかぶってはいるがその下で嬉し気な笑みをたたえて言いきった。 あれ?布の刺繍をほめればいいのかこれは? なんだろう。このまだ紹介が始まったばかりなのに、この“これじゃない”感は・・・。 堀「ふふ。じゃぁ順序的に、次は僕だね。 僕と兼さんは、別の歴史軸からきたんだ」 月6「はて?」 火「別の、歴史軸?」 堀「簡単にいうと並行世界かな。ね、兼さん」 兼「だな。 んじゃ、ま、改めて名乗るとするかな。 みんなからは兼さんとよばれてる。俺は花の宮本丸が和泉守兼定。 銀髪天パ侍が父、"土方十四朗"の愛刀にして、別の世界の付喪神だ!はは!よろしくな!」 堀「同じく!別の世界から主を追いかけてきちゃいました☆枠外ネタどんとこいやー!〈妖刀村麻紗〉なんかに"土方"さんは渡さない!オタクの呪いから主を守ります!あなたの脇差!堀川国広!ホリってよばれてるよ。よろしくね」 火「はぁ?!」 月6「はて?銀髪てんぱとはこれいかに?」 花『あ、オレ。前世、実は【銀/魂】の土方で、こいつら二人はそのときのオレの刀なんだわ。世界と次元超えてやってきちゃってな。 あ、かまわずとばしてさぁ次どうぞ』 きいてない。 きいてないですよ先輩!!! どうやら字さんは、黒子のバスケの世界に生まれる前に、銀魂の世界にも転生していたようだ。 ひとつ前がマフィアだとしかきいていない。 あんた、本当にいくつ世界を転生してるんだ。 伏「フシ。あるいはフッシーと申す。家事はまかされよ」 カッカッカッ。と、笑いながらも、割烹着を着て、その手には桜餅の乗った盆。 あ、主夫ですね。 その背後からは、茶器セットを大きなお盆に乗せて運んでくる三日月が 月1「チカという。一番目の三日月宗近だ。料理以外であれば、ある程度は俺が教えることもできよう」 ニコイチか。 鶴「次は俺だな。俺は〈ましまろ〉の鶴さんだ。今度から〈ましまろ〉と呼んでくれよwww」 あ、気に入ってるんだあの名前。 鶴「自己紹介といってもあまりないような気もするが、俺は“オチガミ”だ。 怨念と嘆きの声が集まって鶴丸国永という依り代に入り込んでできた。 ・・・・ともいえる。 顕現した瞬間に本丸に満ちていた刀剣たちの瘴気のせいであっさり堕ちたあげく、主をめった刺しにして殺してしまってなぁ。はは、いやぁまいったまいった。 そんな暗闇のどん底から拾い上げてくれたのが、今の主だ。ゆえに俺は主にはくびったけだwww あ、見習いとはいえ、主に怪我一つでも負わせたら・・・・どうなるかは保証しないぜ(^^)」 鶴丸、〈ましまろ〉さんの目が一瞬、赤黒く変色した。 その瞬間は、ぶわりと彼から瘴気があふれでいた。 それを正面から浴びた俺と三日月〈六〉の背に悪寒が走る。レベルがまだ低いせいか、うちの〈六〉は顔を青くさせて動くこともできなかったようだ。 これが末端とはいえ神がだしたものだからたまらない。 おちたあとの神気か・・・ 色んな意味でこわすぎる!!! もちろんすぐにおさえられた瘴気はパッと消えて、〈ましまろ〉さんも普通の鶴丸国永みたいににこにこしていた。 後言いたいんだけど、いまの瘴気や殺気があふれ出したのに、字さんも黒井さんも含めこの本丸の住人が一切反応を見せず、普段通りでした。それはもうまるで何事もなかったように。 月1「これ、ましまろ。客人を怯えさせるでない」 鶴「いやぁ〜見習いと言えど、主への害をなすなら・・・な(笑)」 堀「あははは。まぁ、火凛ちゃんなら大丈夫だってwwwなんたって主お墨付きの子だよ?」 この鶴丸国永、中身は長谷部か? 堀「――とはいえ」 火「うん?」 堀「気を付けてねふたりとも。うちの鶴さん、主が紙で指を切っただけでもすぎぐに暴走するからwww」 笑ってるけど・・・いや、その情報もっと早く教えてくれよ! もう研修初めて一週間ぐらいたってるじゃん! あぶねー。 この鶴丸国永にかんしては、ふだんは驚きを供給しつつも聞いていたよりもおとなしいなというイメージだった。 それが実は“おちている”とか。 これ以上瘴気に飲み込まれたりしないように、護りの加護の強い刀のそばにいることがおおいらしい。 そのぶん落ち着く場所にいるとそこからうごかなくなるため、鶴丸はほかの鶴丸国永より大人しくみえるだけだ。 おとなしく縁側で茶をしつつ周囲をのんびり眺めるのが好きなおだやかな刀。 ――にみえて、ひとたびキレルと目は赤くなり、表情はきえうせ、ほんらいの鶴丸国永らしい雰囲気のかけらもなくなるそうだ。 あとできいたははなし、この鶴丸国永は花ノ宮や自分の身内(花宮の認めたものや本丸の住人)以外には、 視界に相手が入ってもみえていないかのようにふるまうレベルで、他人には興味がないらしい。 だから斬ってすてることもいとわないし、字さんの言うことしかきかない。 ましてやそんな彼の主である字さんが、少しでも怪我をすると、その現況を抹殺しにかかるとか。 だから狂犬っていわれるのか。 つか、笑い事じゃないだろそれ。 こわい。この本丸色んな意味で怖すぎる。 いままで自己紹介とかなく、あっさりなにごともなく普通の刀剣男士(ちょっと性格が個性的なだけ)とおもって暮らしていたのに。 いろんなところに地雷があった!! 火「あなたは、本物のマシュマロのようにホンワカした鶴丸でいてください」 切実にな。 俺の心の平穏のためにもぜひ。 だが 鶴「ん?ましまろとはほんわかしてるものなのか?」 鶴丸は、ましまろがたべものであることさえしらなかったようだ。 花『おら次いけ!次!あと何人いると思ってんだ。感想はいいから、さくっといけ』 鶯「主、短気は損気だぞ。 鶯丸。主は俺を〈ウグピッピ〉とよぶな。・・・・ふむ。忠告だ。そなた、火凛よ。"大包平を求むもの"に気をつけよ。」 火「へ?」 鶯「まぁ、気にするな」 火「いや気にしろよ!つか、そんな微妙な言葉だけ残して放置とかやめろ!!」 鶯「む。そうか?俺は"色がちょっと近い"とは思うがそれだけだ。なぁに神気の違いがあからさまゆえ、"間違える者"もおらぬと、忠告したあとから気づいてな。まぁ、今の言葉は忘れてくれ」 火「いや、よけいきになるから!意味わからないからな!?」 蛍「だね。ウグさんは、どうも主の気質を一番受け継いでるみたいで―――言葉が少ない(真顔)。いや、本当に。それでたまに俺たちもすごく困るんだよ」 愛「逆に主はたまにメチャクチャ長くしゃべるときはしゃべるけどなwww」 花『ほっとけ』 火「そういえば霧崎の先輩たちが、ホクロの人と花さんがはなしてるのをみて、単語だけで通じあってるとか。頭のいい奴の会話はわからんとよく言ってたなぁ〜」 花『頭はよくないぞ?勘がいいだけだオレはな』 火「さすがチートwwww」 堀「やだぁ〜主ほっぺふくらまして拗ねてるwwwかわいwww」 兼「はいはいふてくされないふてくされない(笑)」 切「言われてみれば、たしかに。ウグさんが一番主に似てる気がする」 堀「まぁ、そこはしょうがないよ。だってウグさん、会話のしかただけでも意味深なところが主に似てるのに。なにか僕たちとは違うものが見えてるみたいなんだよね〜(笑)」 火「What!?い、いまなんつった?」 堀「え。ウグさんって“普通じゃ見えないもの”がみえてる・・・ってはなし?」 火「やめろよぉ!!こわいだろうが!違うものってなに!?字さんかよぉ!!!」 堀「まさにそれ」 火「え?まじ?アザ、じゃなくて、花さんと“同じもの”みえてるのか、よ? そ、それって噂の・・“オオカネヒラ”は空想の産物じゃないかというほど語るってあれと勘違いしてるとかじゃなくて?・・・え、みえるの?なにが?つか字さんよりとかそっちなのか」 蛍「うちのウグさんはあんまりオオカネヒラについて言わないから、普通の鶯丸がわかんない」 兼「ああ、そういえば。うちのウグさんは、オオカネヒラ〜って鳴かないな」 青「(ニッコリ)うちの本丸で一番主の気質を強く継いでるのは間違いなく彼だよ」 鶯「まぁみえるといえばみえるが・・・ん?それがどうかしたか?」 火「はぁ?!なんだそれ!?まんま字さんかっ!?」 花『護神刀いるから大丈夫だろ』 鶯「そもそもこの本丸に悪いものは入ってこれぬし。問題ない」 石「はは。もうわたしの仕事がなくなるほどにはこの本丸は安全地帯だよ?」 火「・・・・相変わらず字さん、あんた変だな」 花『失礼だなぁ。幽霊とかオーラぐらいみえるやつはみえるだろうが』 鶯「ああ、みえるな」 火「みえるかっ!!そもそも花さん、ひとの判別をオーラでするのやめて、いい加減ひとの顔を覚えろよ!写真撮ったあとだれがだれかわかんなくなってるし。一緒にいるやつがめっちゃ不憫だから」 鶯「顔をみて・・・」 字『顔をみて・・・』 火「そこで心底意味が分からないという顔をして首をかしげるなそこの二人!!!」 月4「ふふ。これはこれは(目を細めてうっそりと微笑み)」 堀「さらに明らかになる主のチート具合wwww」 石「うーん。“気”で判別もできないことはないけれど、普通はやはり顔や姿を確認してから判断するものかな。さすがのわたしでも彼らほど“いろいろ”は、みえてはいないよ」 青「そうだねぇ。ものごとを判断したりはさすがにないかな。“気”のことだよ」 月2「みえなくてけっこう。俺は今のままでよい。あー饅頭がたべたい」 岩「お前は黙っておれ」 月2「そうはいかぬよ。次は俺たちの番であろう。のう、岩の兄上よ」 岩「はぁー・・・・」 濃い黒の着物に、頭の髪飾りと一緒に「二」の名札をキョンシーのようにつけている三日月宗近と、 疲労感が半端なく頭痛を抑えるように頭を押さえてうめいてる岩融。 岩「フタと共に顕現された。主にはたまに〈ピンク〉とよばれるが、まぁ〈岩さん〉と呼んでくれ。 基本こいつの世話が俺の仕事であるな。フタがどこぞやで転がっていたら言ってくれ。回収しに行く」 月2「三日月宗近。二振り目ゆえ〈フタ〉という。好きなことは寝ること」 岩「はぁ〜・・・いたしかたあるまい。俺がこやつを紹介してやろう。 フタは、チカに甘やかされて育ったせいで、だらけきっていて、布団と炬燵からめったに出てこない。 動いているときは基本茶を飲でるときでな」 袖で口元を隠してコロコロ笑っている黒の三日月に対して、とてもにじみ出る疲労感が半端ない岩融からは何度もため息が漏れていた。 岩融の赤疲労ってもうデフォなんじゃないかと思わず、フタを見てしまった。 そういえば、今更気づいたけど、この本丸の刀たちは、なぜ自己紹介が字さんにつけられたニックネームの紹介からなんだろう。 山姥切国広なんか、本来の名前を一切口にしてないぞ。 あったのは〈キリ〉という呼び名と兄弟自慢・・・。 あっれぇ? このまま進んじゃうと、ニックネームばっかり教えられちゃう? 横をちらりとみれば、ノーマルカラーの顕現したての俺の三日月宗近が、興味深そうにこの本丸の三日月たちの様子をうかがっている。 あ、洋服の色は、俺が見分けるためにかえてもらってるので、きにしちゃだめだぞ〈六〉。 つかこの本丸が特殊なだけだから、あまり見本にしてはいけないと思う。むしろまねしないで!! コ「懐刀、いえ、ぺーぱーないふというらしい新しい刀種であります。ココマルでございます!〈ココ〉とお呼びくだされ。相棒はこんのすけです」 桜「ココマル様ぁ!このこんのすけも貴方様を心の友と思うております!!」 コ「こんのすけー!」 桜「ココマル様ぁ!」 ぎゅっと抱擁を交わすもふもふちびっこず。 桜こんのすけは、いつものクールをはぎとって感動に涙していた。 石「さて、次は私だね。 私は石切りとかいて、砌(みぎり)という名を主にもらっているよ。 ああ、なにか悪いものにからまれたらすぐに言ってくれたら祓ってあげるよ。 ・・・・・・っと、言えればいいんだけどね。 そのときは私ではなく、他の石切丸にたのんでもらえるかい?なにせ私はこの本丸では役に立たないし」 火「くらっ!?この石切丸めっちゃ暗いんだけど!! なんか泣きそうな顔をしたかと思ったらきのこ栽培し始めちゃってるんですけど!?」 兼「いいねぇいいね。キレのあるツッコミとか“銀さん”を思い出すぜ」 火「そういう枠外ネタはおいておいて。なぁ、こじらしてるみたいだがいいのかあれ」 堀「うーん、彼の場合はしかたないかな。うちの本丸、主が霊気でも妖気でもなく神気もちじゃない? あまりにその神気量と濃度が異常でね、石切丸は自信を無くしちゃってるんだ。 実際はたぶん他の本丸より加持祈祷の力も強いし、刀の切れ味もすごくいいんだけど。 本人がもうあれでね(苦笑)」 鶴「ちなみに祈祷部屋の隅では日が入らないからなwww本当にきのこが栽培されているぞ」 火「まじかよ!?冗談で言った比喩だったのに・・・」 やはり普通とはちょっと違う石切丸らしい。 大丈夫かこの本丸。 狐「小狐丸。二振り目ゆえ、綽名は特にない。嫌いなものは兼さん」 堀「髪の長さで競ってるみたいで(苦笑)」 火「つか、この本丸、みんな和泉守のこと“かねさん”ってよぶんだな」 切「癖?」 雪「わたしは呼んでませんよ」 雪「というか、次はわたし・・・・・」 順番からして、次は江雪左門字だ。 だが、その江雪、目がいつも以上にうつろだった。 雪「彼ら古参と同じように名乗るのか。名乗らなければならないのですか。 わたしは・・・花の宮に〈パッツンエユキ〉と呼ばれています。 ええ、ご存じのとおり居候の身ゆえ。強く言えず。パッツンです。パッツンですが、な・に・か? 和睦?会話で筋肉野郎どもがどうこうできるなら、わたし、こんなところにいませんよね?ね?」 火「え?こうせつじゃ・・・」 雪「もう、諦めました」 江雪は、最後は死んだような目で、「何も聞くな」とばかりの強い視線をむけてきたた。 ちなみに俺は、はじめから学校で「江雪」が「コウセツ」って名前だってならったから、ちゃんと理解してるぞ。 ただ先輩たちが「エユキ」って呼んでるから、たまにつられちゃうだけで。 まさか気に食わない綽名だったとはおもわなかった。 謝るべきか、とは思っていたが、どうやら江雪左文字に関してはこのままでいいらしい。 なんと仮契約の他人の刀剣のため、あまりフルネームで呼ばないようにわざとしているのだとか。 だが、パッツンはさすがにひどいと思うぜ。 その後、三番目の桜色の三日月の苦労話がでてきた。 彼が赤疲労なのはもうデフォなのだろうか。 月3「三日月宗近、三番目ゆえ〈ミイ〉とよばれている。火凛に六つよ、よろしく頼むぞ」 月2「そやつはかたっくるっしい三日月ぞ」 月3「あなや、フタよ。なんてだらしのない恰好を。ほら、曲りにも客人の前ぞ、しっかりせぬか。 こやつのことはともかく。自分は、普通の三日月だと思いたい」 まじめゆえに、色々切実だった。 その後は、負のオーラを主たる字さんにむけつつ、こちらには穏やかなロイヤルスマイルを向ける一期一振りが、ニックネームを全力否定し。 色が違うのかそうでないのかわかりづらい編かしかつけなかった四番目の三日月が、腹黒っぷりをしっかり見せつけ「自分は働きたくないなぁ」と朗らかに笑った。 そろばんをもった五番目の三日月が、四番目の態度にぶちぎれていた。 いつもニコニコしていて本丸の良心のようだとおもおっていたニッカリ青江はどうやら、字さんがブラック摘発した本丸からおられかけていたのを奪ってきた刀剣だと知った時は驚いた。 あとは花宮先輩がキセキの「赤司征十郎」がきらいすぎて、明石国行のことを「カシ」と呼んでいることが判明したり。 明石、愛染、蛍、太郎もまたブラックからの引き取りだったとか。 笑い上戸にして誉桜をちらしまくる別世界の刀剣男士が二振りいる時点でもあれなのに。 全員がいろいろツッコミどころ満載の本丸だった。 ――っというか。 火「一番ツッコミどころが多いのは先輩っすけどね」 そもそもさっき言ってた神様とかなんなの? 人間やめてたの? もう俺はきっと何も驚かない。と思う。 花『ま、そんなわけで』 火「いや、どういうわけだよ!」 花『新しい三日月の歓迎会も兼ねて、今日は宴でもやるか』 堀「わーいいですね!じゃぁ、僕と兼さんで畑に行ってきますね」 伏「拙僧は準備をいたそう。主、手伝いを頼めるか」 花『ああ。当然だ。はじめからお前にだけにやらせるつもりはない。あいつよく食うしな』 岩「ほらフタいくぞ。俺たちは主たちの邪魔にならぬように」 月2「寝て待つとするか」 岩「いや。この誉桜の撤去だ」 月2「あなや」 切「俺も手伝う」 鶯「なら俺と青で、山に狩りにでもとりにいってこようか」 青「そうだね」 一「私は六殿を案内いたしましょう。火凛殿もこちらへ」 その後、とっても美味しい晩餐会となりました。 【オマケ】 火(結局今の状況って・・・つまり六はレイの初期刀だけど。字さんの本丸内に滞在中は六体の月がいますよー的な? 綺麗どころが六人というか。三日月が複数って、もうそれだけでとんでもなくすごいことじゃね?) 火担「なに、難しい顔してるんですか!はやくしないとなくなっちゃいますよ!」 火「おっとやべ」 花『やべぇじゃねぇよ!赤井、なんであんたがいるんだ!?』 花担「わぉ」 鶴「はは、こりゃぁ驚いた!」 火「あっさりスルーしてた。赤井さんかいまの!?いつから・・」 火担「いやですね。結構前からいましたよ」 花『たしかに三日月の歓迎会をするとはいったし、いつもより量は作ったが。はぁー、本当にいつ来たんだよあんた』 火担「においにつられて、今です。愛染様にいれてもらいました」 花『タローさんの次はお前かい!愛染なにしてくれてんの!?勝手に不審者入れちゃダメって言ったよな!?』 伏「かかかか。よい食べっぷり。どんと食べなされ!まだまだあるからな!」 鶴「いやぁ〜それにしても火凛の担当殿はよく食べるなぁ」 月3「よきかなよきかな。良く食べる子は育つというしな」 兼「さすがの俺でもあの量は」 石「いや、それより彼女はいつからいたんだい?」 堀「そうだね。むしろ平然とうちの飯がっつきに来るのやめてもらえます?」 鶯「おや。うちの堀川が笑ってないなんて。これはこれは」 明「あかんですわ。見てるだけで吐きそ…う゛!」 蛍「国行はもっと食べないとだめ!」 火担「火凛さん、この料理美味しいですねぇ(モリモリ)」 火「ですよね(もりもりもり)」 火担「良い飯どころ見つけました(モリモリ)」 花・花担『「食いすぎ!!」』 なんか俺の担当の美人女性役人さんも大食いだった。 ナルホド。 同類か。 思わずみつめあったと、互いにガッシリと手を握り合った。 |