花宮字と刀の出逢い1 (山姥切編) |
※この段階で作者は未プレイ 時の政府事情。審神者と家族について。刀剣男士と霊力について。などにいろいろ捏造設定あり!! <こまかいこと> 花悲壮の花宮は複数の前世もちである! ※すでに二ケタ分は転生しているが、↓は必要な個所だけは抜粋 ・【大神】チビテラス 成り代わり ・【銀魂】土方十四朗 成り代わり ・【家庭教師ヒットマンREBORN!】XANXAS 成り代わり ・【黒子のバスケ】花宮真 成り代わり --------------- <初期刀 山姥切国広 の場合> とある時代。とある少年が高校を卒業と同時に姿を消した。 少年の友人達は、彼に会うため家を訪れたが、少年の姿はどこにもなく、寂しげに佇む彼の母親が友人たちを迎えるだけだった。 彼の母親いわく 「ええ、私も会いたいわ。でも、もう会えないの。だってあの子は・・・」 母親は悲しげに長い睫毛を揺らして瞳を閉じ、その憂いを払うようにゆっくりと開くと 「国家転覆を私が指示いたしましたので、期をうかがうためにそのまま姿をくらましたの」 それはそれは素晴らしい笑顔でお告げになったのであります。 なんだか彼女の息子ならやりそうだと思った少年の友人たちはその母親の言葉を信じ、少年が行方をくらませたことも気にせず日々をすごしました。 そのときの本当の状況を伝えるとするなら、霊力があるという理由で少年は国に拉致された・・・失礼。未遂で終ったので、“かけた”が正しいでしょう。 拉致にいち早く気付いた少年の母親が激怒し、時の政府に喧嘩を売ったのである。 いわく―― 「やっておしまい字さん(ニッコリ)」 『了解ですお母様。後ほど未来の政府をきちんと解剖してまいります(にっこり)』 という、別れの挨拶であった。 ノリのよい親子である。 この時代のこの段階では、審神者に選ばれたものは、二度と現世に戻ることができないルール(仕様もとい、ただの能無し。はたまた政府にそこまで能力がなかったというべきかもしれない)だった。 それから数年後の未来では、なぜか審神者への政府の対応が優しくなり、現世との行き来を可能としたのだが。 まぁ、その話は、べつのときにでもゆっくりおはなししよう。 今は、この新しく審神者として働くことになった少年のお話をしようと思う。 この新米審神者、名を花宮字(ハナミヤザナ)。 霊力が高いと時の政府に拉致されかけたが、それも当然で、神様やらいろんなものに転生しまくっていた子である。 霊力どころか神としての名残で神力もあったりするが、本人がそれをどこぞやの陰陽師のごとく技として出したり何かに使うことはできず、ただ彼の魂の内にひそかに存在しているだけだった。 アマテラスの神気を持ったままの少年が、本気を出して隠そうと思えば、彼が人外であったなどとだれも気づくことなど不可能だ。むしろ本気でなくても軽く隠されてしまえば気付ける者はいない。 なにせ彼が転生を重ねた数は1ケタをあっさりこえ、オーラなどの使い方にも年季がこもっているプロだ。しかも最高神アマテラスである。 ゆえに彼が、これから出会う付喪神よりもはるかに上の神であるなどと、たかが人間が気づくわけもなく。 少年の時代における未来の政府は、うっかり彼を審神者にしてしまったわけである。 そうしてある意味最高神が、付喪神を束ねる審神者になることとなったわけが・・・さてさて、この先、いかような出来事が待ち受けているのか。 とりあえず未来の時の政府とやらは、確実にぼこぼこにされるのは間違いない。 こんのすけ「ここに、かの者たちが人の形となったときのカタログが」 花『なんでこんな細かいんだ?』 こ「最近の審神者仕様です」 花『オレよりおしゃれさんが多くね? あ。このフードの子、いいな。なんかはぎたい」 こ「はぐ・・・Σ(´□`;) すでにブラック本丸になる宣言のような発言が・・・いやいやしっかりするのですこんのすけ!きっと錯覚だ!」 審神者としてのあらかたの流れを教わった花宮は、動くチュートリアルことこんのすけを紹介され、さっそく刀選びとなりました。 しかしこの五振りから、見た目と勘にたよるのは面白くありません。 なにせ花宮にとってはこれからずっとそばにいる最初の一振りです。 花宮はこんのすけに、五振りの詳細および説明書をよこせと告げたところ、こんのすけがパンフレットを持ってきて細かく説明を始めました。 そこで刀剣たちがはじめて人型になると知ったのですから、花宮を拉致しようとした政府のいい加減さがよく理解できるというもの。 そして花宮が選んだのは、山姥切国広という刀だった。 理由は五振りの中でひとりだけフードをかぶっていたためらしい。 そうして花宮はその装飾が、刀の装飾によるものだと知ると、刀をより鍛え、いつかあのフードをはいでみせると闘志を燃やした。 切「山姥切国広だ。……何だその目は。写しだというのが気になると?」 花『その目って、フードの下からよく目えるな。とりあえず、オレがこれからお前のハニワになる花宮字(ハナミヤアザナ)だよろしくキーリ!』 切「ハニワ?キリ?って、なに?・・・・・・あ、名前」 花『いや、最初はヤマって呼ぼうと思ったんだけど。ヤマンバギリクニヒロって長いし、他にも山からはじまる刀剣男士がいると聞いたからな。だからお前、中間をとって“キリ”な。“ギリ”よりいいだろ。これで他の山姥切りとお前という存在を区別できる』 切「・・・別の俺と区別・・・・はっ!?(なにほだされそうになっているんだ俺は!)そ、そうじゃなくて!ハニワってなんだ!?」 花『ん?だから時の政府が言ってた奴だろ。オレはその時の政府とやらの黒服連中に、霊力あるからヘイカモン!って連れてこられて、親と縁を切れと言われて、そのまんまわけわからず連れてこられて、とにかく刀を一本選んで主としてハニワになれてと言われたんだ』 切「いや、まて・・・なんだそのいろいろ強引なのは。あんたも強引だけど、その政府とやらも相当だな。というよりハニワじゃなくて審神者だ。字はこう書く」 花『・・・・・・・・す、すまないキリ!』 切「は?」 花『実は字もしっかり理解していた。まぁ、はじめハニワって聞こえて、「こいつら何言ってんの?バカ?バカなの?ハニワになれってオレを土で固めて焼く気?」って、政府をバカにしたのは事実だけど。いまのは名前に対するお前の反応があまりに面白くてからかっただけだ。まさかそこまでお前が真面目に名前で悩むとは思わなくて。 よろしく頼むキリ。オレのことは花宮と呼んでくれ』 花宮は山姥切国広という長い名前より、キリというのが気に入ったらしい。 たしかに、ギリと呼ばれるよりはいいかもしれないと、そのとき山姥国広は無理やり納得したのだった。 こうして彼花宮字は、しょっぱなからルールブックを無視して、真名とよばれるべき本名を名乗り、あげくの果てに山姥切にニックネームをつけたのだった。 その後、本丸にいくぞーと意気込んだ花宮だったが、ふとその部屋を出るとき足を止め、背後についてくる山姥切の方を振り返り―― 花『あ、そうそう、勘違いすんなよ。たしかに花宮字は真名だが、オレにはお前らの力なんざきかねぇから』 切「ちからが、きかない?なにをバカな。主とてしょせん人であろう?」 花『人、ねぇ。あー・・わかってないとおもうから言っておくが、オレ、アマテラスな』 切「は?アマテ・・・アマテラスぅ!?」 花『そういうことだ。 たかが真名ごときでオレを服従させられると思うなよ(ニィ〜ヤ)・・“若造”が』 彼は【黒バス】の花宮成り代わりらしく、それはそれは悪童の様にニヤリとあくどい笑顔を見せた。 それとともに一瞬放たれる神気。 しかも山姥切国広限定にそれはむけられて解放されているらしく、部屋の外で刀を連れてくるのを待っているこんのすけが飛び込んではこない。 あまりの清らかでいて壮大な神気にあてられ、名を名乗った審神者をどうこらしめてやろうかと無表情の下で考えていた山姥切は、 背筋に走る悪寒を止められず、自分の血の気が引く音に耳を傾けるしかできなかった。 こ「主様。やはり山姥切国広にしたのですね」 花『ふはっ!またせたなこんのすけ。では本丸とやらにいこうか。案内たのむ』 こ「まかせてください!」 切「・・・・・・」 こ「はて山姥切殿。顔色が優れませんよ?どうかしました?」 切「いや、なんでも・・・」 花『キリ』 切「はいぃ!?」 花『言・う・な・よ(にぃっこり)』 ニッコリと笑った主に、青い顔をして山姥切はコクコクと激しく首を縦に振って頷いた。 後日、彼を一目見てすべてを理解した者以外、こんのすけにも彼の素性をしらされることはなく――― そのまま時は流れ。 かの審神者花宮のことを巡って、たびたび刀剣たちにより悲鳴が上がるようになるのは・・・ 少しばかり先の話である。 |