有得 [花悲壮]
〜 W花とその後の後×名探偵コナソ 〜



01.そうだ!京都へいこう
※『』…成り代わりがいる世界側のセリフ
※「」…原作より世界側のセリフ



【 side 原作よりの花 宮 】




やってきた夏の暑い日の、長期連休。
その前日の夜中に今吉さんから電話がかかってきて、なぜか大阪へ行くことになった。

なぜならば、今吉さんがオレの予定を知っていて――

今「なぁ、花 宮。今度の連休暇やろ?」

かかってきた電話。
その第一声は、質問でも確認でもなく、あきらかな断定から始まった。

花「はぁ?ふざけんな妖怪。部活があるにきまってんだろ」
今「えー。うちんとこの桃井が言うとったでぇ。霧崎第一は体育館の修繕の工事で全面使用禁止やって。なになに?ガス管の工事やってなぁ。
っでもって、突然の休みやったから、予定。ないんやろ?」
花「・・・・・・」

電話越しに笑う今吉さんの顔が見えるようだった。
この妖怪がぁ!!!っと思ったのは言うまでもない。

その後、無理やり用事を作ろうとしたけど、原も山崎もあの古橋も瀬戸さえもあいてなかった。
結局、オレはそのまま連休に、今吉にひきづられて――



翌日、数日分の荷物をまとめて、待ち合わせた駅にいけば。
「ほないこか」と、笑顔で新幹線のチケットを渡された。
おいおい、準備いいな。

花「いくらです?」
今「ん?ああ、気にせんでええよ」
花「あんたに借りを作りたくないだけです」
今「だって、ワシが用意したわけちゃうで」
花「は?」

よくみてみぃと渡されたチケットは――【京都駅】まで。
ん?
あれ?

今「まずは京都にいくでー」

あれ?大阪じゃなかったのかよ。
だって今吉さんの実家って京都じゃなくて大阪では・・・。

なぜか、わけがわからないままに、俺は京都にいくこととなったらしい。

今「だってなぁ。これ赤司がくれたんよ。ちょうどワシ、実家に帰ろ思ってたところで。ついでに花 宮を連れて〈無冠〉の奴らに顔をみせにきてくださいってお願いされてなぁ。旅費は出すって言うからついなぁ」

花「・・・・・」

いろいろツッコミたいことは山盛りで。
そのまま嫌な予感がして、スマフォからひとつのアプリをひらく。

目の前でニコニコしている今吉殴りたい。

LINEが起動し、コメントが新しうは言っているものを選択して開く。
グループ名【プラント5】。
これなら誰も来ないわよと言っていた実渕がひらいたものだ。

音を消してたから気付かなかったが、そこには見事に、〈無冠の五将〉たちが集まっていた。

実:やったわね!ついに明日ね!
木:うらやましい。俺もそっちいってもいいか?あ、でも金ないわ(^^)
実:だめよ。鉄平はいつもマコちゃん独り占めできるぐらい近場にいるんだから!たまにはゆずりなさい!
葉:花 宮きたらみんなでバスケやろうぜ!
根:その当人はまだか?
実:既読マーク、一人分足らないからまだ見てないんじゃないかしら
木:きっと旅行の準備で忙しいんだろ。あ、土産よろしくな〜
葉:それよりなんで今吉さんから?
実:むしろどうやってわたしたちのアドレス知ったのかしら?
まぁ、マコちゃんに会えるからいいけど。

――つまりなにか。
この計画はずいぶん前からねられていて、オレ以外の〈無冠〉のやつらは、オレが京都に行くことを知っていたと。

花「・・・・・・」

恐る恐るスマフォから顔を上げれば、目の前にはニコニコした妖怪が

今「妖怪ちゃうで」
花「・・・」

ニィっと口端をもちあげて、うっすらと目を開いてこっちを見てきていた。
はめられたと思ったときには、もうなにもかもがおそかった。

そうしてオレは新幹線に乗せられて、京都へ向かった。





「さぁ、京都へいこう!」

なぁーんて。
CMのマネをする今吉さん。

里帰り?〈無冠の五将〉との手合せ?
ハッ!!そんなん、テメェ一人で行けよ!!!!!

本当にサイアクだ!
くそ!

これもあれも。
すべて妖怪なんかに力を貸す金持ちが悪い!!



赤司のばかやろーーーーーーーーーーーーー!!!!!



ああ、もう。 なんか嫌な予感しかしないのは、なんでだ。








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