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17. 師と弟子 |
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※「」…TOA世界の住人の台詞 『』…トリッパーの台詞 side ルーク
◇月◆日 今日は意気揚々と筆を執る 旅休み中の時だ。 ルー「なんだコレ」 「ルーク様と遠那ちゃんを護身するお札です」 ルー「オフダ?」 からオフダという紙切れを俺と遠那は渡された。紙幣とはまた違う材質らしい。 ルー「こんな紙っ切れで身守れるのかよ」 ヒラヒラとオフダとやらを揺らす。まだ石っころとかのがらしく見える。 「では…ものは試しに彼に札を投げてください」 ルー「ガイとかでいいいのか?」 「ええ。ガイでちょうどいいかと。むしろ適任ですよあれこそ!」 ルー「ふーん。そういうものなのか」 「ええ!ええ!そういうものなんですよ」 異様にはしゃいでいるの動作を見て…投げる真似をする。 すると ガイ「ぎゃふッ」 瞬く間にオフダとやらは形を変え、ガイの体に巻き付くように延びた。そのままガイは両腕と胴体を拘束された状態で倒れ込む…突然なのと受け身が取れない故に顔面強打したのは可哀想だとは思った。 しかし何より ルー「すっっげぇぇナニアレ譜業かっ」 遠那『わっわ!なんです今の!?伸縮して拘束しましたっ』 あ、ガイは俺が叫んだ「譜業」で、もがいていた動作を止めた…さすがの譜業馬鹿だ。 いやの場合譜術や譜業とはまた違うんだろうなっ。 わかってはいるけど思わず言ってしまった。 でもそれを誰にもとがめられなかったので、内心ほっとしつつ、オフダとやらの威力の強さにびっくりした。 「あれは特殊なお札でして、体を拘束したり身を守る壁になったり魔物が身近に迫ったときの目安にもなります」 やりかたを教えますねとは笑う はっきりいって、倒れてうめくガイをみたときの笑顔が一番うれしそうだったのは気のせいだろうか。 「ペルソナは教えて出来るものではありませんが、これならルーク様も遠那ちゃんも扱えます」 ルー「って何でも出来んだな」 「…いえ、これは私の師匠が教えてくれたのです」 遠那『師匠?』 にも師匠がいたのに驚く。 たしか…リグレットとかいう女だっけ? あ、でもあっちは「教官」だったよな。それって「師匠」ってのとはまた違うやつなのかな ルー「んじゃ、の武術はその師匠に習ったのか?」 「武術は…独学になりますね。師匠は薬やモノノ怪…魔物に関してでしょうか。」 ルー「(もののけってなんだ?まぁいいか)へぇ家庭教師っぽいな」 (武術は独学って言ってたな。んじゃあの女はダアトのしきたり教えてたんか?) さっき会ったミニスカの年増のひと…。ハイヒールで戦えるってそれだけですげぇと思ってたけど、がしっかりしてるのって、やっぱりダアトで軍に属してからなのか。 あれ?ならなんでさっきの奴ら、ひとのはなし一切聞かないで襲ってきたんだ? そういえばジェイドの奴も軍人だったよな? あれ? しきたりとかって何が正しいんだ? ルー「なぁ。の師匠ってさ」 「奇抜な格好をした変な人でしたよ」 ルー「へ?」 「――武術も術も、旅をしていたので家庭ではなく実地でした。でも師匠は生きるすべを教えてくれたんです。野宿の過ごしかたや商売術や薬草野草の知識を教えていただきました」 ルー「旅か〜。やっぱつえぇのか?なぁなぁどんな人なんだ」 きいたら一瞬驚いた顔をされたが、次に見れたのは優しい笑顔。 が笑いながら自分のことを話してくれるのは初めてだ。 触発され興味が沸いてくる 「そうですね――見た目中性的で浮き世離れした不思議な雰囲気ですが、性格は人をからかうのが好きな茶目っ気ある人です。よくからかわれました」 俺でいうヴァン師匠とはまた違うタイプらしい… ヴァン師匠はヒゲで顔がおおわれてるしな。女性みたいな男ってどんな師匠だろう。 「師匠」っていってももいろいろいるんだな。 そう思っていたら、トーナまで「師匠がいる」と言い出した。 遠那『わたしにもお師匠様がいますが、さんのは師匠というよりお兄さんみたいですねそのひと』 「そうかもしれない。遠那ちゃんのお師匠さんはどんなひと?」 ルー「え。トーナにも師匠がいるのか?」 遠那『ハイッいますよ』 俺には兄弟はいねぇ。近いところじゃガイとナタリアか。 でもたぶん。おれたち幼馴染たちの関係は、やっぱりが言うような…なんか楽しそうな関係とは違うんだろうな。 トーナだって、お師匠様っていう奴のほかに、あいつの会話からはたくさんの名前がよく出る。周囲のことが好きなんだな〜って、トーナの顔を見ればおれにだってそのくらいわかる。 二人とも友達や知り合いのことを語るときは嬉しそうで。 二人が語る俺の知らない世界はとても楽しそうだった。 ちょっとだけ。ちょっとだけ…やトーナがうらやましいと思えた。 ただし。 そこからによる師匠の愚痴や、トーナのお師匠様を讃えるマシンガントークが始まったのにはまいった。 ああ、でも。話を聞いてよけいに、こんなに愛されてるふたりの「お師匠様」が・・・羨ましく感じた。 一頻り会話を楽しみ使い方を習うとオフダを何枚か貰った。 に言えば定期的に渡してくれるという。 は大切なお師匠様からもらった知識を使って、身を守る。 トーナは尊敬というか崇拝するお師匠様の教えを守っている。 おれは… おれはどうなんだろう。 師匠の言うことばかり信じて、他に何もしてないんじゃないか? だれも傷つけたくはない。でも身を守らないといけない。戦うためだけに剣はあるのか? わからない。 師匠に教わったこの剣で、おれはなにをすべきななんだろう。 みんなの師匠とおれの師匠。 師匠の教えとおれ。 皆の師匠とその教えと――いかし方。 おれは今師匠もガイもだれも教えてくれなかったことばかりをしている。 いまは一人じゃない。 師匠だけじゃなくて、もトーナも“オレ自身”をみてくれている。 ああ、そっか。 なんだ。簡単なことだ。 ルー「じゃぁ、今のおれには、トーナやがもう一人の師匠だな」 剣だけがすべてじゃない。 師匠は一人じゃないといけないってわけじゃない。 なら、今この時だけでもいい。二人に教えてもらってもっと世界を学ぼう。 そうしたらいつか二人が師匠の話で語っていた『他のことも」わかるようになるかもしれない。わかったら、きっと、おれも二人の笑みの理由がわかるかもしれない。 あまりに二人が楽しそうだったから。 二人の弟子になって、二人の見てきたものを少しでも知りたくなった。 それを知れたらおれのつまらないだけの世界は少しは広がるだろうか。 おれも二人の側で笑えれればいいな。 ―――そう、思った。 |