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01. やる気のない君の旅立ち |
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とある世界で死んだ“彼女”は、何度も転生を果たすこととなった。 “彼女”だったものは、やがて“オレ”になった。 はじまりのとき、死んだ“彼女”の名は――― () といった。
side 男主人公な『夢主1』お元気ですか? だれですか? どうでもいいですね。 女だったり男だったり、ポケモンだったり、鹿だったり、電子生命的な人外だったり。 そんな転生しまくりな『夢主1』こと、『 ()』です。 オレはもう何十回も記憶を引きずったまま生まれ直し、合計で何歳になったのか覚えてないほど人生を繰り返した。 ちなみに、ひとつ前の前世は、某ジャ○プ作品【家庭教師ヒットマンREBORNE!】のXANXASだった。 ただし原作世界ではなく、たぶんとても酷似た別の世界なんだとは思う。 なぜなら、主人公たる沢田綱吉のお隣の家にXANXASたるオレが住んでいて、あげく主人公たちからは「兄さん」と呼ばれ、なぜか懐かれていたのだから。 懐かれたせいか、とくに原作のようなマフィアによる珍事は…腹黒く育った綱吉と凪により、それはもうあっさりスルーで終わったのだった。 結構平和だった。 平和だった……んだけどね。 「…あぅ?」 気づいたら赤ん坊でした。 ――なぁ〜んてのは、よくあること。 ただ今回はいつもと違って、側には双子として生まれた少女がいたことが今までとの大きな違いだろうか。 その少女(とはいえまだ赤ん坊である)が、癇癪のごとき大きな声で泣いていた。 おかげでパチリと目が覚めた。 はじめオレはよくわからなくて、現状を理解するまでぼぉ〜としていたものの、すぐに転生したのだと気付いた。 死んだ原因は不明だが、オレは転生にはなれているので、あっさり“今”をうけいれることにした。 とりあえず、新しい母から母乳をいただきながら、今後のことをぼんやりと考えていた。 今は赤ん坊であるからには、それらしく振る舞う必要がある。 ・・・というか、いっそこのまま好き勝手生きていいんじゃないかオレ。 あ、仕事、しなくていいんだ。 前世は仕事ずくめでいろいろ忙しかったのを思い出すに、ステキライフが待っていることは間違いなさそうだ。 いいなぁそれ。 そんなこんなで、まったり寝たい時に寝て、遊びたいに遊んで、みたいときに野生ポケモンみにいったり。 そうやって過ごしていたら、あっというまに十歳になった。 その間に、この世界がポケモン世界であることを知った。 場所はイッシュ地方。 ――って、どこだろう?聞いたことある気がしないでもないけど。よくわからん。 過去に別のポケモン世界に転生したことがあるけど、なんだかドタバタした人生すぎて地名までは覚えてない。 むしろ当時の記憶なんて、サトシと旅したなぐらいのことしか覚えてない。内容とかはかなりあいまいだ。 しかも「ポケモン」といえば、ひとつ前の前世で綱吉らとやったゲームの金銀の記憶しか残ってないんだけど。 記憶は日々褪せていく。なくしたわけではなく、どこかには残っているのだろうけど。 まぁ、それだけ長く生きたってことだな。 現状としては、ここはイッシュ地方である。 この地方はカントーやジョウト、ホウエンとかからはとても離れていて、転送装置なんていいもんは普及していないし、他地方の情報なんてほとんど入ってこないときている。 いわば陸の孤島。戦国時代の鎖国をしていた日本のごとく、他地方の人間なんか来た日には、“外人”をみる日本人のアレである。 文化的には、いままでのポケモン地域をアジアとするならば、ここはアメリカ圏といったところだろうか。 高いビルの並ぶ都市が多い地方であるのは間違いない。 まぁ、そんなわけで、いつだかの前世の世界にもポケモンというゲームはあったが、オレはジョート編までしかやったことがないため、オレが生まれたこの地方のポケモンはどれも真新しく感じて―――絶望した。オレは151匹世代の人間だったから。 この地方人型に近いポケモンが多くてグロイ。 虫ポケモンなんかは、やたらとでかくていかつくてトゲトゲしていて、こわいです。いっちゃぁ、わるいが、オレは蜘蛛が嫌いなんだ。あとゴツゴツトゲトゲしたものより、できればフワフワでモコモコしたものに囲まれていたい。ああ、151匹世代のポケモンにムショーに会いたくなって仕方なかった。ジョート地方のモフモフポケモンでもOK。 だってこの地方、かわいいポケモンが少なくて、グロイの多いんだもんよ。おおいに泣いたね。 いつか、もし。有り得ないけど。あったとして、オレが旅立つことになんてなったら、イッシュ地方じゃなくてかならずカントー地方にいこうと決意した。 チャンピョン?ジム?どうでもよくね?だってオレは別に、ポケモンゲームの主人公じゃないんだから。 ―――と、思っていた時期がオレにもありました。 「さぁ、三人とも。このなかから一体ポケモンを選んでね」 アララギ博士の助手だという大きな帽子に金髪、眼鏡をかけた少女が、オレたちに向けて三つのモンスターボールが入った容器をむけてきた。 (はてさて。なぜにオレは旅立ちのときをむかえなきゃいけないんだろうな) 10歳になった年。 ひとつ、ふたつばかり年上(長生きしすぎて年齢を数える習慣がなくなっているためオレからすると曖昧。周囲はちゃんと彼の年齢をわかってるはず)の幼馴染みが、プラズマ団に積年の恨みを晴らすべく、妹さんのポケモンをとりかえすために立ち上がった。 まわりにひっぱられて、気が付けばオレも旅をすることとなった。 ちなみにこの世界というか、この地方では、旅に出る認可が下りるのは10歳ではないらしい。 そして旅立ちは11〜15歳と、子供たちの感覚でいくようだが、随分と遅いようだ。 オレ達の場合は、旅する気が全くなかったオレによる「旅に行くぞ!」という旅立ちではなく、オレの双子の兄弟による「旅に出たい!」発言が十歳を目前にして日々連呼されたためだ。 母も父もせいぜい14歳を過ぎてからと思っていたようだが、オレたち双子は、もとより原作のゲームやアニメもカントー派。イコール旅立ちは十歳だとばかり思っていたので、オレの片割れは赤ん坊時代を抜かせば、異世界での生活をことのほか楽しんでいたため、しばらく前から旅の準備をしていた。なので14歳からと言われてガーンとしていた。しかしそこは彼女らしく、カントーやらの情報や旅の安全性などなど物的証拠をもって親の説得に挑んだ。そうしてはれてオレたちは10歳で旅立つ許可をもぎ取ったというわけだ。 そんなわけでオレと片割れと…プラス1の旅は決行した。 「これでいままでよりプラズマ団の手がかりに近づけたらいいんだがな」 「やっと!やっとこの日がきたー!夢にまで見たポケモンとの旅!!私もポケモンもって旅に出れるんだね!」 「・・・ああー。さようなら、オレのヒキコモリ人生。そして茶を飲むことを至福の喜びとして堪能できていた平和な日々。さようならオレのモコモコグッズのつまったMyルームよ」 ヒュウは連れ去られた妹さんのチョロネコをさがしている。 だから彼は、しばらく前に一度旅だったのだ。自分で卵からポケモンを育て、その相方といままでプラズマ団のことを追っていた。 だけどオレたち双子が旅に出るなんて聞いた日に突然戻ってきて、「お前たち二人だけで旅立たせるなんてそっちの方が心配だ!」と、このたび、ともに旅をすることになった。 本来ヒュウは、ポケモンをもらうつもりはなかったらしいが、三体いるからとアララギ博士がヒュウにも一体受け取るように許可を出したとのことで、こうしてベルから選択を迫られている。 さらに、チラリと横をみれば、妹か姉かどちらか不明なオレの双子の兄弟が、歓喜に身を震わしている。 こいつ、名を 。 転生人生がはじまる原因となった事故で、共にいて共にあの世界からはじき出された元友人だ。 なお、そんな相手でありながら、今回は血のつながった兄弟という間柄だ。 そんなわけで、これからオレと彼女のポケモン世界の旅が始まる――らしい。 振り返って思ったのですが――公式に合わせると、BW2は難しい設定していますね。 BWの主人公は当時14か15歳くらい。男主はこのBW2までの公式史上初のイケメン設定だとか(笑)。 それはさておき、BW2はBWの二年後。 しかもBW2主人公よりライバルのヒュウは少し年上。 公式では、ヒュウは歴代のライバルでは初めて御三家を博士から貰っておらず、自分でタマゴから孵したトレーナーであるとか。 いろいろ今回は曖昧な感じが難しいです。 この【君は白でオレは黒】ではそこらへんを適当に設定を捏造していきます。 【君は白でオレは黒】では、決まった年に旅立つ設定はなく、公式に従いヒュウは少し年上というのに従い一歳違いにしました。 まったくゲームと同じ設定ではないことをご了承くださいorz |