有り得ない偶然 Side2
++ Bleach ++
03. その駄菓子屋、鬼門につき
※オリキャラ「灯宮遊真」が登場します
-- side夢主2 --
・・・私は顔を引きつらせた。
目の前にあるのは浦原商店という店。
今、私の腕を掴んでいる友人(クラスメイト)の灯宮遊真により連れて来られたのだ。
「ここの
駄菓子屋さんの人が、すっごく味のあるカッコ良さなのっ」
お菓子大好きの彼女は、この店の人に出会い片思いをしているらしい。
(よりによって、何故
浦原商店・・・っ)
わたしはこの店がただの駄菓子屋でないことを知っている。
(極力接しないようにしていたのに―――っ!!)
この度4度目のトリップでは・・・初の平凡な位置にいた。
そんな私は『自称・漫画の世界ウォッチング人』として、一護達とはクラスメイト。それだけだ。
原作には関わらず、みてるだけ。
そんな立ち位置をキープしていたはずなのに!!
ただの一生徒としていただけなのに・・・。
なんなのこのあからさまなフラグは!?
本音を言えば一護やルキア達と仲良くなりたい。
が、しかし!
原作に関わる気は、本当に本当に、一切なかった。
だから彼らとの関係はクラスメイトという友達未満の状況を徹してきた。
(なのに、物語の確信に近しい人物に予想斜め上な所からぶち当たるとは・・・!!)
「こんにちはぁ〜鉄裁さぁん!」
「おぉ、遊真殿。お待ちしておりました」
(しかも鉄裁サンという―――!)
友人の片思いの相手だと思われる人物を見て、目玉が飛び出そうなほど驚いた。
いや、この店に該当しそうな男は他にも3人いる。
先ほどの遊真の表現だとジン太ではなさそうだし、店長の浦原さんは、私や遊真みたいな一般人に顔を見せなさそうだ。
・・・と、なればおのずと絞れてしまう。
やっぱり・・・このひとしかいないんですけど。
そして、案の定、その絞れた人が彼女にとってドンピシャだった。
と、いうことになる。
鉄裁さんでしたね。
うん、なにもつっこむ気はないよ。
だって人の好みってそれぞれっていうからね・・・アハハ。
「おや、そちらの方は」
「あ、私のクラスメイトで」
「神崎です」
やっと気づいてくれたらしい。
いや、むしろ気づいてくれなくても良かったんだけど・・・。
紹介されたからには、関わりたくなくとも挨拶をしておく。
名前を名乗りながら、ペコっと頭を下げる。
「そういえば、今日は雨ちゃん達は?」
「今、外にいますぞ」
わたし、ほとんど部外者と化していますが・・・それにしても遊真は本当に鉄裁さん好きだな〜と、少し孫でもめでるような気分で見ていた。
いや〜。和むね。
っと、そこで――
「お茶でも如何ですかな」と、鉄裁さんが動こうとした時
私達の後ろの引き戸がガラリと開いた。
「ちわーッス」
・・・聞き間違いだと思いたい。
なぜかわたしの背後から、物凄く聞き覚えのありすぎる声がわたしの耳に入った。
(う・・・そ・・)
“開く”ということは、客が来たということ――。
わたしはその声が、知らない声だと・・・自分に暗示をかけるように思わず内心で繰り返してしまった。
が、世の中そうはとんやがおろさないもので、扉が開く音とともに入ってきたのは、予想違わず一護とルキアだった。
(なんってタイミング・・・!)
なにもわたしがいるというときに、こんな主人公組を揃って来るなんて美味しい状況にならなくてもっ!
いや、ここが浦原商店というだけで、原作キャラ達と会う確立は物凄く高かったんだけどね・・
「あれ、黒崎君と朽木さん?」
「まぁ」
「あ?灯宮・・・・と」
先客がいたと気付き2人は目を丸くする。
ルキアに至っては即座にお嬢様モードで返答した。――流石だ。
そして一護は私を見て困った顔をした。
(そういえば一護って、名前覚えるのが苦手なんだっけ)
「あ、えっと神崎です」
「そ、そうだよな。・・・悪ぃ。名前覚えんの苦手で」
「いや、転校してきたの最近だし。気にしないで」
(むしろ、空気扱い大いに結構、大歓迎だよ!!)
表には一切見せず、内心はもっと空気にしてくれとさえ思っているくらいだ。
わたしのことなんか、気にする必要はない。
だけど一護は、包帯の巻かれた私の腕を見ると眉を寄せた。
しまった。
傷のせいで彼の印象に残ったのか・・・
「そういや、腕は大丈夫か?親父もまた診るって言ってた」
「ありがとう。痛みはそれほどでも・・・縫うだけで済んだし」
(あっちの世界のモノノ怪や・・・シャドウとのほうが、戦闘によっては血反吐吐いたり傷も酷かったし)
な〜んてこと思っているわたしは、きっと普通の人から少し考え方がずれているのだろう。
様々な経験による怪我慣れした私を一般人と思っている2人は、私ののんきな考えとは裏腹にまっとうな身体機能を持っていたらしい。
「なぁ、一護。縫う・・・普通なら軽傷のような発言ではないのではないか?」
「現場と治療を見た俺もそう思ったし。担当した親父も女の子なのに、痕になるって本人より痛ましそうな顔してたぜ」
一護とルキアは、おもわずだろうが素に戻って小声でそんな話していた。
そして、そんな中・・・遊真は純粋な疑問を口する。
遊真さん!あなたはいい意味で純粋だ!
おかげでわたしから興味がうまくそがれたことに、内心ほっとする。
これ以上、深く関わりたくないからね。
「黒崎君達も駄菓子買いに来たの?結構意外だけど」
その質問に2人は大いに焦る。
「エっ?!あ、俺達は店長に・・・・って」
しまった、と一護は反射的に答えた口を噤むが、しっかり遊真には届いたようで、彼女は目を嬉しそうに光らせた。
「へぇぇ!私、まだ会ったことないよ」
「そ、そう・・・なんですの?」
「うん!黒崎君達はここの店長さんと知り合いな――――」
んだね!
という遊真の言葉は紡がれなかった。