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映画軸02.調査!ギルドと騎士 |
| ※歴史や詳細設定は物語に合わせ一部捏造があります!正史ではありません!ナイレンがキャナリ小隊にいた。キャナリ小隊で昔軍用犬を育てていたなどは捏造です。ご注意を! それは人と獣の「戦争」が起きる前のこと。 昔、貴族も平民も関係なく実力だけでその部隊に配属されたものたちがいた。 自由の象徴である青空色の鎧に、どこまでもはばたいていけるように白い翼の紋章を胸にいだいたーー誰かの理想を体現した騎士たちが。 彼らは「戦争」で死んでしまったが、彼らが残したのはなにも周囲への悲しみだけではない。 民衆の支持だけではなく、いたるところに彼らが残し、ちりばめられたのは「沢山の絆」だった。 その一つが軍用犬だ。 軍用犬の育成を最初に行ったのは、アレクセイが集めた青い騎士たちの小隊だった。 ========== NOT side ========== シゾンタニアの喧騒が広がる酒場の片隅で、紫の外套を羽織った男が、正面に座った赤い髪の子供に魚を細かく切ってフォークをむける。 「はい、あーん」 『あむ!』 「おいしい?」 『うま!』 小さな子供は差し出されたフォークにくらいつくように机のうえに身を乗り出し、パクリとくらいつく。 それにニコニコしながら、レイヴンはモグモグと口を動かす子供に食事を勧める。 「よく噛んで食べるのよルーくん。じゃぁ、あとはこれ」 『や、やめろ!レイヴン。その赤いものをオレに押し付けんなっ!!』 「だめだめ。ニンジンも食べないと大きくなれないのよ。そんなんじゃ。まぁたオレがドンに怒られちまうじゃないのよ。そういえば、ルー君てばこないだあの叔母さんちの食料庫からすべてのニンジン捨てようとしてたんだって?勇気あるわねぇ。“あの”叔母君相手に。」 『レイヴンが酷いんだってドンにちくるぞ』 「え〜。なんのことかしらぁ? あーだめよだめ。そんなにかわいいしおらしい態度とっても。目の前のニンジンは消えないの。ニジンたべたら次はこっちのチキンあげるのになぁ」 『レイヴンがいじめるって言ってやる!!』 「ねぇ、ルー君。貴方のよくしる“赤いチーグル”いるじゃない」 『と、突然なんだよ』 「ルー君があんまりにも好き嫌い激しいと、売るかんね」 『え』 「うん。“ジェントルデスノ”に」 『ひゃっ!?』 「まぁた、やつらに毛をむしられたくなかったら、さぁ、おたべ」 シゾンタニア。とある酒場にて。 ニコリとさわやかな笑顔をむけるレイヴンに、嫌いな食べ物を目の前に突き付けられガンバッテ回避しようと奮闘する赤毛の子供の姿があった。 今日も元気らしくその赤毛の頭頂部でアホゲぴょこぴょこしている。 しかし子供の奮闘むなしく、その勝負はいともたやすくレイヴンによって決着がついてしまう。 赤毛の子供はフォークにさされたニンジンをもちあげつつ、プルプルと震えている。それでも頑張って口に入れたところで、もはや子供のアホ毛はしょんぼりとしなびてしまっている。 レイヴンの手のひらで踊らされ、口先八兆であっさり丸め込まれ、しかたなく嫌いな食べ物をたべるはめになってしまっている。 だが、これは通常運転である。 そんな親子のようなやり取りを見せているのは、レイヴンと連れの子供ルークだ。 この赤毛の子供の世話はレイヴンにとって当然のようなもので、そこがいかつい男たちが集まる無法地帯だろうがおかまいなしだ。 しかし傍でその様子を見ていた男は、すでにいい加減にしろとため息をついている。 男の名は、メルゾム・ケイダ。このシゾンタニアにおけるギルドの首領である。 子供は数週間前からこのシゾンタニアに滞在していたが、そのルークと出会ってからレイヴンはかわってしまった。 ルークがこの町にいることを知らなかったようで、道端でバッタリ再会するまでレイヴンは、のらりくらりとすべてをかわすが常に隙がない男といった印象を周囲に与えていた。 「天を射る矢」のナンバー2だけあり、そんなレイヴンをきれる男と認識していたメルゾムだったが、いまは“ドン・ホワイトホースの使い”なんて肩書が嘘のように、レイヴンはひたすらかいがいしく子供の世話に全力を向けている。 「はぁ〜・・っで?」 『もぐもぐ?』 「もうメルゾムの旦那ってばせっかちなんだから!そんなんじゃぁかわいこちゃんに嫌われちゃうぜ。あ!?ほらルーくん、ソースがバッチッチよ〜」 ほ〜ら顔を拭こうね。そんなどこの保母さんだとつっこみたくなるような様子のままレイヴンはメルゾムのため息をスルーする。 しかしルークが食べ終わりその顔を拭き終わると、ルークが頷いたのを確認してから懐からいくつかの資料を取り出した。 「ドンにも“主”にも言われてるからね。ちゃんとおっさんだって仕事はするのよ」 そう言ってテーブルの上に置かれたのは、すでにルークがしらべあげたことをまとめた資料と地図だ。 『今回の調査にはレイヴンは不向きだったからオレのほうで先に調べさせてもらった』 「ありがとねルー君。ハイ次!」 『もぐもぐ…うう、甘いまずい。味が野性みにあふれて・・・・泥臭いぃ〜〜〜のにあまい・・・・うえ・・・もぐもぐもぐ・・・うん、まずい。お、オレが調べた限り、もぐ・・原因は遺跡だ。待ってレイヴン!人参が増えてる!う・・・まずい・・・もぐ・・・えっと、なんだっけ。原因。そう原因だけど、エアルの異常発生そのものが人為的なことで引き起こされている可能性がある』 人参を口に入れてはまずいまずと泣きながらもくちにいれて、その先にあるチキンのためにもぐもぐしながら頑張るルークが、地図と赤いエアルと紅葉の影響を説明する。 『すでにここからここまで範囲が広がってる。この範囲の敵は動物に。こっちは植物に影響が出てる。当然メルゾムも知ってると思うが、誰しもがこの赤い森の先にある遺跡が原因ではないか?と推測してだろうが、正解だ。原因は遺跡内部にある。とはいってもオレが調査できたのはここまで』 「いや、助かる。ここまで詳細な情報は俺たちでは得られてない。奥にいくほど魔物が強くなっているんでたどり着けねぇんだ。 驚いたな。もうここまで浸食が広がっていたのか」 『奥に行くほど強くなるということは、奥に原因があるということ』 「超自然なことなのか。遺跡の誤作動による異常か。それとも超古代文明人から現代人への警告か。はたまたその現代人の作為的なものか」 『"我々"はこれを「人為的」に引き起こされた現象だとふんでいる』 「ルーク。おめぇがそういうっていうことは、それは"戦士の殿堂"の意見か?」 『おばうえに調査報告書を渡したらそう返答があった』 「"犯人"はなんでこの町の近くでことをおこしやがるんだか。やってられねぇな」 「…それ、逆じゃない?この町の近くの遺跡で。ではなく、この町に近いからあの遺跡だった。ーーつまり犯人はこの町の人間の可能性が高い。って、ことはなぁい?メルゾムの旦那、誰か思い当たる?」 「ちぃ。まじで人為的な線が濃厚になってきやがった。こっちでも調べるから少し待てレイヴン」 ふと気付くと資料に隠れて見えなかったが、メルゾムの皿の上にいつの間にか人参がいくつか乗っている。 肉と酒しか頼んでないのになんだこれは。 なにげなくメルゾムが視線をルークへやると、さっと視線をそらした。皿に乗せた瞬間は誰も見てないといほど素晴らしい手腕だというのに、こいつ嘘が下手だった。あからさまである。 横を見ればレイヴンは地図を見つつうんうんうなりながらドン・ホワイトホースへの報告どうしようと、頭をかきながら何かを考えこんでいて気づいていない。 しかたないこれくらいは情報提供料のかわりに食ってやるか。 ドン・ホワイトホースには孫がいるのだという。自分にも孫がいたらこんな感じなのだろうか。 メルゾムは少しおかしくなりつつ、苦笑一つうかべ、皿の上の赤色を肉と一緒に飲み込んだ。 メルゾムは肉と一緒にかっこんだものを嚥下すべくあごを動かし、しっかり味わった。 ニンジンは生焼けでもない。しっかり焼かれているし、泥臭さも香草でぬかれている。むしろ「このニンジンのソテー、いがいと美味いな」とちょっと思ったのだった。 メルゾムは子供がなんで好き嫌いをするかわからず、大きな体を揺らして首を傾げた。 思うことはひとつ。 ここのニンジンはそれほどまずくはないと思うのだが。 今後の方針、各所属先への連絡内容、この町の動き、騎士団の動きなどを話し合い、そうこうしているうちに、店の中が突如騒がしくなった。 何事かと思ってメルゾムがそちらへ視線を向ければ、若い騎士が他の客たちとけんかをしている。 赤毛の双子の騎士は、あきれたように起こったような表情をし、喧嘩の中心になったロンゲの黒髪の青年とは無関係を装っている。 騎士服を着ている時点でアウトだろうとは 『がもう、本当に原因が思い当たるのですみませんとしかいえないレベルでうちのもんがすみません』 「待ってルー君。うちのもんって、そっちのギルドの誰かがしでかしたことなの!?」 「はぁ!?なんだと!おま!ルーのやつ戦士の殿堂のやつだろう!?」 『うう・・・人参まずい・・・・いや、人間がまずい。じゃなくて、いや殿堂は関係なくて。人の子が。あ、これもいや、ちがって。あのギルドは関係なくて・・・やらかしそうな「メチャクソ正義感強い子」に心当たりがあって』 「る、ルー君。それってまさか」 「おい、ルー。お前、ただでさえ自分のもってる人脈どんだけでかいかわかってんのか?」 『ひぇ。帝国と人外に及びます』 |