【ダイジェスト本編】
■序章
友人とデパートに出かけた夢主。おもちゃコーナーで足元にポツンとぬいぐるみが落ちていた。
「きつねかぁ。このタイプ懐かしいなぁ子どもの頃持ってたわ」
夢主がおちていたぬいぐるみを棚に戻そうとひろったとき、まるでそれがスイッチであったかのようにおもちゃがやまづみになっていた棚が倒れてきた。
夢主は思った。
「火災のとき逃げられないからドン●のような山積み棚は危ないってテレビでやってったでしょうが!!!!」
火災のときに逃げられないので、所狭しとある棚の群れは危ない!ってTVで言ってた!!!
むしろ心の声は思うだけではとどまらず、声に出て叫んでいた。
その声は、ドミノ倒しのごとく連続崩壊していく棚の地響きをこえ店内に響いたのだった。
なお、この事故は火災ではない。
地震によるものである。日本の地震対策効果により、「建物は」無事であったことは伝えておこう。
■1 ぬらりひょんの孫
ぬいぐるみを抱えて死んだら、そのぬいぐるみの縁からかきつとして生まれた夢主。
しかしなぜか獣にしては長生きしてしまい、しだいに尻尾が増えていく。自分のなかの妖力が高まっていくのが分かったが、元人間だったこともあり妖力の使い方が分からない。旅先であった力の強い同胞狐に妖狐としての生き方を学んだ。練習がてら人に化けてみたら、その姿を見た鳥羽上皇という人間が「一目ぼれです!好きだ!」と猛烈アプローチをかけてきた。しかもストーカー化したから大変!必死こいて人間のストーカーから逃げる日々。そんなある日であった陰陽師の安倍泰成に夢主は「狐」だと見破られて、鳥羽上皇にとりいった悪狐として東国においやられてしまう。まて!そっちじゃない!ストーカーは自分ではなく人間のほうなのになんて理不尽!泣く泣く逃げ延びた東国では、上総介広常と三浦介義純という人間がなぜか殺そうと追いかけてくる。狐嫌いすぎでは!?と悲鳴を上げる夢主が這這の体でたどり着いたのは、付近一帯が硫化水素、亜硫酸ガスなどの有毒な火山ガスが絶えず噴出する場所。そこで夢主は石に化けて追跡者をやりこすごすことにした。そのまま疲れ果て眠ってしまっていた夢主は知らないことだが、この逃走劇は歪曲して人間の歴史に残り、「殺生石」になった狐として夢主は悪名をとどろかすこととなる。
石に化けたふりをして眠りについていた夢主が後に目を覚ましたとき、次代はとほうもなく流れていた。もはや平安うんぬんは遠に過ぎ去り、兵器を使った巨大な戦争もおわり、次代は昭和に入っていた。前世の知識から昭和がどういった時代か理解をし、知らない時代より前世で身近だった次代にほっといきをつく夢主。
しかし町に情報をもとめておりれば、過ぎた時代の流れに戸惑どうことばかり。そこへ妖怪の総大将を名乗るぬらりひょんに手を伸ばされる。どうして妖狐がこんな明るい町中にいるのかときかれ、ことの経緯を説明すれば、ぬらりひょんは大爆笑。
「おぬしがあの玉藻前か(笑)こりゃぁおどろいたわい!」
「いえ!だから人違いです!むしろトバジョーコー?ってひとが嫌がるわたしを無視しておいかけてきて。あの辺は葛の葉様の領域だったんですけど、陰陽師が多くて。ジョーコーをたぶらかしたとか、謎の汚名をかぶせられおいかけられて…はぁ〜やってらんないですよぉ〜」
あのストーカー珍騒動おいかっけこが、この時代では「殺生石」の物語として長く語り継がれているとしり、鬱になりそうだとうなだれる夢主。
ただし夢主は玉藻前でも九尾でもないので、他の狐伝説は狐違いです!!っと全力否定。
それはさておき、人間はあの伝説を歪曲して伝えるほどいろいろ勘違いをひきおこすし、話を聞いてくれないし、いざ人語で人間に語り掛ければ化け物か悪さをしに来た狐とおいかけられるしまつ。いい加減、前世が人間であったことさえ執着がなくなっていた夢主は、二度と人間の姿になんかならないと決意をした。
「しょうがないやつだ」と、ぬらりひょんがわらいながら、狐のままでいいからと保護をもうしでてくれ、夢主は普通の狐のふりをしつつぬらりひょんのペットとして過ごすことに。
ただし妖狐なのでぶっちゃけ長生きである。普通って何だというレベルだ。"外見だけ普通"の間違いである。
そうこうしているうちに、さらに次代は流れ、ぬらりひょんの子どもである鯉伴が人間と恋に落ち、その子供が生まれた。
奴良家のペットして長年すごしていた夢主は、ふと「孫」の姿を見て、この世界が漫画の世界であることに気づいた。気づきはしたが記憶があいまいで助言はできそうにない。ただしペットとして主人のそばにいることはおかしくない。ので、鯉伴殺害をふせぐべく、鯉伴に日常的に張り付いていた。主にマフラーのふりをして。そうして原作キャラクターたちに衣服のフリをして地味に張り付いては、原作破壊と救済をしていくのだった。
ある時、自分に妖狐として生きる術を教えてくれた狐が、ぬらりひょんの敵の羽衣狐だとしる。・・・っが、きにせずマフラーのフリを続行する夢主だった。
■2 犬夜叉
生存フラグが経ち生き残った鯉伴の襟巻のフリをしてすごしていたある日、激しい戦闘に巻き込まれ――吹っ飛ばされたあげく井戸へおこっちた夢主。
目が覚めるとそこは戦国時代だった!?
さすがは戦国日本。魑魅魍魎は跋扈しているわ、妖怪たちの気配に満ちているわ、侍はそこらにうじゃうじゃいる。兵器もないのに、あちこちで死の気配が強くする件。夢主はスンっと、酸っぱい顔をした。
どうせ妖怪の総大将ぬらりひょんに拾われなければ、野良まっしぐらだった一人身だ。世界を超えたか逆行したかはわからないが、この先もとにかく生き延びればいい。っと、戦国時代でも構わずすぐにやることを決めた。
戦国時代だけあってあちこちで死の気配が強いので、人間に化けたほうが賢明かと考えたが、人間に化けたらまた変態につかまるかもしれないと、シッポの本数を一本まで隠してただ狐のふりをして旅をすることにした。
道中、やたら強い気配がすること思えば、人間たちの戦場あとと思われる草原で、四魂の玉のかけらというのをめぐって妖怪どもが共食い合戦をしていた。
巻き込まれてたまるかと踵を返そうとした夢主だったが、足元にあった抜き身のさびた刀を踏んでしまい足から血が流れでた。痛さに刀を傷から引っこ抜いていると、大きな音がしたことで共食いを繰り返していた妖怪たちの視線が一斉に夢主をとらえた。
しかも刀を加えた状態の自分。
敵だと思われた夢主は、妖怪たちに襲われるはめに!!
この刀についた血は敵のではなく、自分が踏んだせいで!!!いやいや!うそだろぉ!!と内心叫びながら(刀を離す隙タイミングをのがしくわえたまま持ってきちゃった)ヒーヒー逃げる夢主。
あああ、犬歯がするどすぎて柄にひっかかっちゃってぬけない!!!
うわーん!とぶんぶん刀をふっていたら、自分より弱い雑魚は消滅することができた。
刀じたいは戦場におちていたもので、刃こぼれもひどいしさび付いている。あまり役には立たなそうだったが、もうこうなればやけだ!と、おのれの妖力を刀にまとわせ、襲い来る妖怪たちに立ち向かう夢主。
妖力操作はお手の物。任侠妖怪のごたごたにもつきあった身だ。戦闘にはそこそこ慣れていた夢主は、襲い来る妖怪たちを倒すことに成功した。ただ四魂の玉のかけらを飲み込んだという大物妖怪は、知能が働いたらしく、夢主が戦闘中にさっさと逃げてしまった。そして十分な量の妖怪の血を浴びまくったボロ刀は――――ぶっちゃけ序盤であっさり折れている。当然である。ボロボロだったのだから。しかしのこった先端に急ごしらえで柄のようにボロ布とはっぱを巻き付け、夢主は小刀としてそれをくわえて戦い続けた。結果、小刀は夢主の血も妖力も吸い込んで妖刀と化し、夢主の血と一体化した。夢主の意志で血から形をもってあらわれるようになった。なんて便利機能。
「よし!これで妖怪として半端に弱くても生き抜けれる!」
弱い自覚のあった夢主は、極力戦いたくないなぁ〜とおもったのだった。
っが、しかし。四魂の玉のかけらの側にいたせいか、その気配が残り香のようについてしまっていたらしい。
平穏安心を願う夢主のもとに「かごめ」と名乗る少女が立ちはだかった!
やだ、同族の狐っ子がかごめのもとにいる。しかも骨のブーメランを持ったおねいさんの連れている獣もあれ、キツネでは!?自分も無害な狐なのであなたの仲間にさせてください!と言いたい!だが、もうかごめの旅仲間に狐のお供はいっぱいいた!しかも犬の半妖までいる!!おとものペット枠に隙間がない!!
どうなる夢主は!?
■3 怪〜ayakashi〜/モノノ怪
かごめ一行の仲間になれなかったあぶれ妖狐の夢主。かごめの仲間でなくとも妖怪である夢主は生きていかないといけない。生きていくためには、他の妖怪との衝突がさけきれない!なにせ戦国時代だったので!
そうしてなんとか一匹と刀とで必死に戦国時代を生き抜いていたら、戦闘術も妖力も妖刀も力がアップ。しかし気を抜いていたせいであるとき超大型妖怪にぱっくりと食べられてしまった夢主だった。
くわれた!っとおもって視界がまっくろになったが、目を開けるとそこはまた別の世界だった。
別の世界だと思ったのは、世界に四魂のかけらの気配がなかったせいと、ずいぶん空気が静かだったせいだ。
人間の戦のせいで荒れはてた大地や、勝どきの声、鎧を身に着けたみすぼらしい人間たち、血に飢えた妖怪たちの気配がない。
人の気配をたどっていけば、そこには町が広がっていて、そこで時間軸も世界も違うのだと気づいたのだ。
町はしっかりとした石畳で整備され、そこにいる人間たちはワンピースやスーツをきていて、列車もはしっていた。
ここまでしっかりした町中で、尻尾が一本とはいえ野生の狐がいるのはとても目立つことに気づき、あわてて側にいたネコに化けた。長年の実践の影響で人以外にも化けれるようになったのだ。協力者は前の世界で変身能力や幻術を駆使する幼い子狐妖怪 七宝である。「ありがとう七宝!おかげで今助かってる!」夢主は今は遠き世界に感謝よ届けと祈った。
「…え。にゃんこ様たち、化け猫なんですか?え?殺された恨みをもつネコが集まちゃった?あらま。そりゃぁ災難なこったで。自分、お手伝いしましょうか?」
妖力の扱い方とか化け方なら教えられるし。
そんなこんなで、側にいたネコさんたちとともにネコの集会に参加したら、猫さんたちに妖力ん使い方を指導する羽目になった夢主。ネコ達と妖怪だけの通れる裏路地をとおり、人間たちが住む次元とは別の場所で猛特訓!そこの猫又さん、手ぬぐいをかぶって踊ってる暇ないですよ!妖力が練れてません!尻尾の先までボワボワ!っとなるようにこう力をこめて!!!
とか指導をしていたら、ある日赤いベストを着たにゃんこさんが人間の幽霊を連れて帰ってきた。
猫ビックリ。
狐もビックリだよ。
その後、人間の幽霊を起点に化け猫たちが集結して、一匹の巨大なあやかしに変化を遂げたところで、彼らは人間に報復をしにいくと人間界に戻っていった。
夢主は猫たちの出来を祈りながら妖怪街を離れ、どこへ行こうかとのんびり歩いていたら――
「お前がこの界隈の噂の真か」
と、ぬぅっと影が覆いかぶさってきて、何事かと夢主が増えりかえれば、そこには背負子に奇抜な恰好をした薬売りが立っていた。しかもこの薬売りは目がいいらしく、夢主を一目見てネコではないと気づいた。「おたくは、なんの、あやかし、ですかい?」と聞かれ、もはや只の猫出ないとわかっているなら人語で話しかけても大丈夫だろうと、夢主は「人間が好きになれないので町を離れようと思ってたんです」とつたえた。
その夢主に、「ふむ。行く場所がないのなら、あっしときますか?」と手を差し伸べられ、「ちょうど旅に話し相手が欲しかったんですよ」と薬売りは笑った。いくあてもなかった夢主は薬売りについていくことをきめ、変化をとき、定番の首回りに襟巻の振りをして張り付いた。
そうして一匹と一人の旅ははじまり、ぶっちゃけふたりよりも退魔の剣と夢主の呪いの血の小刀のほうが仲良くなっていた。
刀たちは今日もなにをかたりあっているのか、仲良くカチカチ鍔をならしている。
「あなた、もういっそわたしの弟子になりませんか?」「狐だけど、むしろ祓われる側の妖狐だけどいいの?」「退魔の剣がいいと言っているのでかまわないでしょう」「いいんだそれで」
薬売りと一匹は今日も時空を超えて、あっちへこっちへ薬を売りながら、あやかし退治にいそしんでいる。
そして狐で妖狐なはずの夢主はなぜかあやかし退治の退魔術をおそわるはめに。
結果、血をあびまくった妖小刀は、夢主が術式を刻み込んだことで、簡易的なちょっとした退魔の剣に再誕した。薬売りの退魔の剣がカチカチと嬉しそうに歯を鳴らしていた。
退魔の小刀をくわえて、今日も薬売りの補佐をして小さい妖を切り捨てるそんな狐な夢主と、薬売りのまったり妖怪退治珍道中はまだまだ続いていくのであった。
「なぁ、薬売り、もとい離師よ。また化け猫じゃん!?化け猫はやってんの?ここ前回より前の時間軸じゃん。だからか、あいつ一匹でえぐい妖力なんだけど。わかるぅー明治より前の日本って妖怪大国なんだよなぁ。あやかしたちの力強さが半端ないんだよなぁ。あの化け猫もこれでもかってぐらい恨みつらみ食って、妖気が増長してるし。あれ、さっさと真をききださないと離師でもやばくね?」
「わかってるなら襟巻のふりはやめて結界はるのあなたも手伝いなさい!そうそう長くはもたない!」
「結界は無理!!攻撃を斬るならできる!」
「ごたくはいいから早くやれ!」
「はいよ!」
■4 D.Gray-man
薬売り「離師」がハイパーモードになってあやかしを斬ったとき、空間さえも裂けた。そこにおっこちてしまった夢主は、気付けばまた時空を超えていた。そして転生もしていた。今世は本当にただの狐だった。なのに人間が落としたナイフを拾ったら、それがイノセンスだった!しかもこのナイフ前世の相棒だ。なんだ、相棒、お前も転生していたのか。
そんな相棒な小刀をくわえて+退魔術式でアクマを祓う狐が爆誕!
AKUMAを〈人の念から生まれたもの〉と認識したことで、夢主の退魔術が炸裂!AKUMAって力技で祓えるらしいぞ。へぇー祓えるんだ。教団員の目は点になっている!!
「魔は祓うもの!!」
「狐さん、それ体に絶対悪いからぺってしなさい。ペッって」
「うん。ぺってする。AKUMAはくいちぎれないみたい。かわりに斬るわ。千切りにしよう!」
かじってもAKUMAは祓えないが、相変わらず血に収納できるイノセンスな小刀さんでなら斬れるAKUMAとか摩訶不思議すぎる。
そこのアレンってやつ斬っていい?我が相棒の小刀さんが斬りたいって言ってるんだけど。あ、だめ?そっかー残念。
■5 陰陽大戦記
式神とは、闘神士が闘神機と呼称する召喚機械で式神界より呼びよせ、契約を結ぶことで闘神士に従える荒ぶる神々と精霊の総称。通常は節季を司る大自然の神々として行動する。季節の運行を表す二十四節気の名を冠した二十四の種族に分かれ、それぞれ「運命」「信頼」「根性」「加護」などの様々な意味を象徴している。能力をどこまで引き出せるかは闘神士の力量しだいである。現実世界に実体化するには闘神士の「気」を必要とする。また、契約者の言うことに基本的には忠実であり、どんな悪行でも分け隔たりなく実行する。人と同等の思考を持ち、友情を深め合うことなども可能である。(by Wikipedia)
イノセンスを破壊されたあげく伯爵たちによって殺された夢主が、新たに誕生したのは式神界。
姿は相変わらず狐で、ただし普通の獣ではない。尻尾の数もずいぶん前と同じくらいの本数に戻っていたし、力も小刀も健在だった。
※以降データ消失
■6 夏目友人帳
攻撃を受けて死んだと思ったら、ひとと妖怪たちが争うことがない穏やかな世界にいた。――平成現代。他の世界の平成では、妖怪たちはみな日陰者扱い。明るくなりすぎた世界では妖怪たちはとても生きづらかった。
なのにどうだろう。ここが田舎ということもあるのだろうが、妖怪は笑いながら、そっと人間によりそいながら、太陽の下で暮らしている。
「ああ、君は契約がなくても側にいてくれるんだね」
妖怪たちとしがらみなく過ごす夏目をみて、戦うたびに、望みのために呼びだすでもなく平和な光景に滂沱な夢主。そのまま歓喜極まって夏目にだきつこうとしたせいで朧もといニャンコ先生が勘違い。夏目を食って力をつけようとする妖狐だとおもわれ、追い払われてしまう夢主。
しかたなくかれらのテリトリーか離れ、襲い来る妖怪や人間を襲っている穢れをまとう妖怪とかを祓いつついどうしているうちに、人間たちと妖怪たちに噂が広まっていく。
妖怪たちからは祓い屋の式だとおもわれ敵認定され、祓い屋たちからは力の強い神の使いかなにかで捕獲したいとか思われ追いかけられる羽目に。
しかもだんだん尾びれはびらびらとひろがり、「あれは悪逆の限りを尽くして封印された狐である」「年月封印が緩み出てきた」「封印した相手を呪い殺そうとさまよっている」「依り代である刀を壊せば狐も死ぬ」とか。「退魔の剣で斬られそのまま刀に封印された悪狐」とか、「妖刀は血を吸いたくて、狐の死体に取り憑いて操っている」とかとか…どんどん謎な推測が付属して変な噂となって広がっていくしまつ。どんな生き物だよ自分は!?
逆です!退魔の剣を使って妖怪退治をしているのであって、この体は操られてない!!あああ、頼む誰か話を聞いてくれ!そもそも本体は刀じゃなくて狐の方だって!あと悪いこと何もしてない!血にも飢えてないよぉ!
周囲のうわさと勘違いのせいで、さらに夏目に近づけなくなった夢主だった。
だが、あまりにおかしな方向に噂が広まることに限界に来た夢主は、ついに助けを求めて夏目のもとにむかったのだった。
さぁ、広まった噂を回収することはできるのか。むしろ人間あるいは妖怪たちと、夢主は仲良くなることはできるのか!?
「ひとまず夏目くん!そのやばすぎる瘴気祓っていい!?つか、どこでそんなやばいもん拾ってきたの君!あきらかに君の命食ってるよそれ!朧って君のボディーガードじゃないの!?」
「あれ?この狐、聞いていたよりいいやつだったり?」
「なんで夏目君はそんなにマイペースなの!!君今死にかけてるよ!!ボディーガードネコ早くきてぇ!!」
■7 結界師
噂を覆し、夏目と夏目の周辺の子たちにふりかかる妖怪関連の禍をせっせと祓いつつくらしていたら、ある日うっかり別の神様の神域に入り込んでしまった夢主。侵入者を不快に思った神により弾き飛ばされた夢主は、遠い場所まで吹き飛ばされたのだった。
その場所には上から出ないとわからないほど町全体を覆うような巨大な結界があり、何かを封じているようだった。しかしその結界の中にも小さな小さな祠や神社はあり、それぞれにべつの神たちがおり、結界とは別にその場を守護をしている。
夢主の落下先にはたまたま社があった。祀られていたのは稲荷神。稲荷神は本来は穀物・農業の神だが、現在は商工業を含め産業全体の神とされ、日本で最も広範に信仰されている神の一つである。小さな社からしてどうやら地元の企業が会社を建てる際に作ったようだ。しかしその社に神は不在で、そこにあった御神体に夢主はスコーンと入り込んでしまった。落下の勢いが強すぎて止まれなかったともいう。
さらには力の強い狐な夢主と、稲荷神は相性が良かった。むしろよすぎるぐらいで夢主は、入り込んだ御神体から離れられなくなってしまった。
ただしそのおかげで、まれに訪れるくる参拝者に拝まれると力が増していくのを感じる夢主だった。とはいえ、無神論者の多い現代日本である。本気で進行している者はなく、ただ儀式的に挨拶をしたり、ちょっと気になる程度でみにくる者ぐらいがせいせいだ。ただ暇をもてあましていた夢主は、せっかくなのでと、自分を拝んでくれた者がいるのだからと、この近場の"わるいもの"だけは祓うことにしたのだった。
そして数年後、夢主の存在は、夏目のところと同じように妖怪祓いとして妖怪からか嫌われ悪評がひろまってしまった。夢主の力が強すぎた結果である。妖怪たちは懲らしめまくったので敵認定されているが、ここでは人間の結界師たちには仲間と思われたもよう。噂を聞いてやってきたという結界師の少年などは、人でないにもかかわらず自分の話を真面目に聞いてくれる。それがうれしくなった夢主は、前世の記憶を頼りに久しぶりにヒトガタに変身して、人間とさらなるの交流を図ろうと試みる。
「いやぁ〜化けるのひさしぶりだわ〜。あれ?うわーまじか。人間に化けたとたん御神体と縁がきれれただとぉ!?もっとはやくこのご神体から切り離してほしかった!!!」っというわけで自由になった夢主は、結界師の少年に願った。「自分を君の領域に連れて行ってくれ!なんなら結界もおはらいも手伝っちゃうよ!」元神様のご利益はいかがな!っと、ウィンクを☆つきでなげた。
少年と相棒らしい犬の霊は投げキッスを華麗によけた。
契約してくれたら、召喚に応じていついかなる場合でも君のもとに飛んでいけるよ!悪魔祓いも退魔もござれ!なんなら狐だけど、自分は武術が得意なので、悪いものや、君が嫌うものは八つ裂きの刑にしてあげるよ!それとも別の加護もつけようか。人間は健康とか一族繁栄が好きなんだよね?それもつけよう!どうだい。今ならなんでもつけちゃう!お買い得だよ。元神様なんてそうそういないよ。自分なんてどうだい?
加護の押し売りだった。
結界士の少年がそれをどう受け取ったかは……。
■8 呪術廻戦
狐を祀っていた社の神様になった夢主は、おうちに帰ろうと鳥居をくぐったら、別の世界にトリップしていた。
別の世界だとわかるのは、鳥居をくぐった先が自分の社でなかったためである。かつ、人間の負の感情が目に見える形でうごめいていたためだ。この異形のものは、呪霊とよばれるらしい。
「人間ってのはこんな生物まで生み出すほどに日々ストレスマッハな暮らしをしているんだな」
呪霊を生み出す日本人に心底同情した夢主だった。自分は狐でよかったなぁとさえ思った瞬間だった。
そして、この世界でも当然夢主の目に“呪術”や“呪霊”は普通に自分の目に映り込むし、なんならMy小刀生み出せたし、祓えた。ついでにいうと前世から引き継いできた能力はすべては使えたし、この社にいる限り参拝者の祈り声は耳に届いてる。
一人一人が固有の呪力と技を持つ世界…だからってなにも以前の能力がそのまま復活するとはだれが思う?+退魔の術に神様の力が加わってさぁ大変。いろんなもの、とくに邪気を軽々祓えるんですが。信仰心の力こわっ!これのせいで呪力がないのに祓えるんですが。まって!これ明らかに呪力じゃない。妖気でもないよ!やだぁ、いつのまにかガチで神様になってた!これ神気なんだけど…どうしよう!?――な、夢主が、前回人間になるすべを学んだ応用いかして人間のふりして術師になって"窓"になる。
「へぇ、君が噂の。「上層部」や「総監部」の老人どもがその座にすわるよりはるか昔から前から存在していた弱い術師や窓をサポートする特級術師"キツネ"――最近またその後を継いだ術師がいるって聞いたけど」
「始めまして五条悟。噂の"キツネ"さんです(継いだもなにもずっと自分一人ですがwww)」
「ふーん、君がねぇ。よっわっそー!噂なんてあてにならないね」
「ねぇ、五条さん。自分がいうのもなんですが、最強と高をくくっているとそのうち足元救われますよ?そういう術師いっぱいみてきたんで自分(ニッコリ)」
「あ?なんだよお前?喧嘩売ってる?」
「喧嘩は売ってませんし、買いません。ただ、面白い感じで"キツネ"について語り継がれてるなーと思って。その話の"キツネ"だと、"キツネ"の二つ名をもらった存在が最強ってことになりますよね?最強自負するひとからしたらその立場を継いだ存在は目の敵でしかないだろうなぁと少々思いまして。そのところどうです最強さん」
「やっぱ喧嘩売ってんじゃん。買うよ?」
「そういえば、五条さんは神様って信じます?話をそらした?さてどうでしょう。
あ、その顔は信じてないですね。宗教の勧誘でもないのでその顔もやめてください。自分は承認欲求もありませんし、お金にも困ってません。
本当の神様ってのは案外近くにいるって話です。いや、呪霊と勘違いされがちですが。まぁ信じようが信じなかろうが、それは個人の勝手なんでどうでもいいんですけど。本物の神様って何が力になるか知っていますか?信仰心ですよ。なので…気を付けてくださいね。呪霊と間違って本物に手を出さないように」
「は?まさかお前自分が神だとでも言いたいわけ?自意識過剰はお前のほうじゃないの」
「それはどうでしょうか。大丈夫です!自分が神だとしても自分にとって五条さん一人の祈りがなくとも、日本全国の稲荷神への祈りの量に比べたら、一人の信仰心なんてないもおなじなので!」
「なにが大丈夫なのかわからないけど。なんか、お前本当にむかつくね」
「ありがとうございます。そして短気は損気ですよ」
「そもそもさー、"キツネ"くんってば本当に強いの?僕の目には呪力なんてないように見えるのに、術師も窓も一般人もまもるとか。君にできるの?」
「《狐》ですからね。呪術がなくても問題ないのでご安心を」
「なにそれ意味わかんない。嫌味?」
「いえ、ただの事実と経験ゆえですかね。
基本的に"キツネ"というのは窓のサポートが仕事です。事務作業ができればいいですよ!他はついでです」
「…あ、"キツネ"ってそういう系…」
「っというわけで、神様への祈りは不要ですが、五条さん!ぜひ!!全力で上層部を制圧しませんか?できれば事務できる子をはやく雇ってこっちに回してください。上層部のクソどもはそういうとこ全く動かないんですよ!自分的には、事務作業ができれば呪霊だろうが術死だろうが非術師だろうが、くそがつく性格最悪の爺だろうが、年齢がやばかろうがどうでもいいです!事務作業ができる子を"キツネ"と我々窓は常に募集していますので!」
「それはさておき」
「上層部をくそって言った。しかもあっさりスルー!?…いい性格してるね君」
「ここからが本題です五条さん。
存分に好きに暴れていいですよ。なんなら気に食わないジジババ抹殺してもOKです。御三家?ああ、あれもなくなっても問題ないですね。上層部も死んでもたかが人間が数人消えるぐらい、事務処理の手間の一つでしかありませんし。ただの処理の一環ですよあんなの。そこもこの自分がしっかりサポートいたします!なんなら貴方のその手からこぼれたおちた命も拾いに行きますのでご安心を!現にあなたのお友達も後輩も無事でしょう?事務処理はお任せください!窓が術師たちのサポート役なら、そう、この"キツネ"こそ窓たちのサポーター。窓を救うヒーロー!名付けて!御祓いもできちゃうスーパー事務員サンとはオレのこと!Microsoftは任せな!」
もはや法律は既に存在していて、かつ根付いているので、そこに不要な人間が座る必要はない。人間を入れ替えても法じたいはかわらないので!殺人も世代交代もなんでも事務処理として処理してしまいますよ!っと、なんてことなく語ってみせる夢主。
この夢主、ぶっちゃけ宿儺とも対面したことがある平安時代前後からいるほんまもんの神様だ!
そして神様なのに窓を自称し、窓なのに術師も事務作業も救っちゃう!徹夜が当たり前の激務な窓たちを救う最強サポーターである。
安心しろ!最初の前世で事務員だった気がするからマイクロソフトは覚えなおせば使いこなせる!…ハズ。そしてマクロもガチでつかいこなしてみせた。
「え。宿儺の指を食べちゃった子がいるんですか?よくおなかこわしませんでしたねぇwww」
「それ僕も思った。それより、そういうことも"キツネ"くんにとっては笑いごとなんだね。そういとこが"キツネ"に選ばれる理由だろうね〜」
「いえ、選ばれた。というより、そもそも"事務処理全般の最強サポーター"作ろうって言ったの自分なんで」
「ん?」
「"キツネ"は一度も世代交代してないって話ですね」
「実のところ、狐だから"キツネ"って呼ばれているだけで、あれ二つ名でもなんでもない事実ですし。あ、五条さん、早く××の報告書出してください。伊地知くんが三徹目に入りそうなんで大至急お願いしますよ!あと上のジジババが、さっき言ってた虎杖くんの死刑要求してきてますどう処理します?」
「え。ちょ、まって。六眼でみた世界より、いま情報量が多くて僕ついていけないんだけど!?」
「なにしてるんですか五条さん、あとあなたちゃんと学校の先生らしく授業もしてください。生徒たちから不満の声が届いています」
「まって!本当に待て!え!?"キツネ"っがなんだって?え、授業?」
「ああ、はい。自分は狐ですからねぇ」
「うん"キツネ"って術師だよね。それはしってるけど」
「そう、狐なんでそろそろ千年以上生きてますかね」
「……え?」
「だから言ったじゃないですか。神様って本当にいるよって」
「…………………え」
■9 電脳コイル
もはや神様の領域に足を踏み込んでいた夢主。
そんな夢主が「窓」の子を助けようとし、呪霊が放った攻撃を弾き返そうとしたところで、なんと術が衝突しその衝撃で次元に裂け目ができてしまった!呪霊にあまり対抗手段のない窓の子と低級呪術師をかばいつつ呪霊を倒すことに成功はしたが、夢主は次元の裂け目に落っこちてしまう!?夢主が次に目覚めた先は、なんと電脳空間だった。状況がいまいち理解できないものの、メガネを通さないと見えないワンコが飼い主の女の子を「狭間」から守ろうとする現場に遭遇。とっさに黒いもやもやしたものが"よくないもの"と判断した神様夢主は、小刀を具現化して駆け出した!
わるいものはきっちゃううぞ!!!
ナマハゲではない。狐で、神様で、サポート術師である。
夢主は現実と電脳区間の境界をつなげさせないために、電脳世界で悪しきを切って斬りまくる!
■10 TWIN SIGNAL
電脳空間から抜けられないでいた夢主は脱出のため故意に「狭間」に突撃してみた。結果、世界を超えたのだった。ただし、そこも相変わらず電脳空間ではあった。
その世界の現実空間では、ロボットがあちこちで働いている。最近話題なのはヒトガタロボットHFRだ。
人間そっくりのHFRは、世界にも数体しか存在せず、その全てはシンクタンク・アトランダムと呼ばれる研究機関によって製作・管理されている。シンクタンク・アトランダムの製作したロボットは「A-ナンバーズ(アトランダム・ナンバーズ)」と呼ばれている。
その最新型もとい末っ子の名をシグナル。シグナルは【A-S SIGNAL】である。
その彼が、日本のとある片田舎トッカリタウンにて誕生したらしいと電脳空間で噂を耳にした夢主は、研究機関で管理されてるようなシリーズロボットがなぜそんな片田舎で。と首をかしげる。どうやらHFR製作の世界的権威でもある音井信之介が田舎にひっこんだあとに作られたらしい。
電脳空間で相変わらず狐の姿でウィルス狩りをしていた夢主は、さらに面白い話題をゲットする。なんとそのHFRが人間の子供と兄弟のように過ごし、かつその子もどのくしゃみで外見が変わるというのだ。これは見に行ってみるべきだと、興味半分で覗きに行ったのだった。
「くしゃみで変形って、たぶんでも音井博士がそいつを作った場所も悪かったんじゃないかな。片田舎だっていうし、それほどいい施設がそろっていなかったせいかで欠陥が組み込まれちゃったんじゃないかなぁ」バグなら自分も排除手伝いできるかも。と思った夢主だった。
「このバグうける(笑)全部ミニシグナムとか」
バグのあるシグナムの体の中にうまくもぐりこんだ夢主が見たのは、バグの巣窟――ミニシグナムの姿をしたバグの大群だった。おもわず爆笑し、刀をおとしてしまうしまつ。
「だれ!?って、え!?きつねぇ!?どっからきたの」
「君が音井博士の孫の信彦かな?自分は放浪AIっていうか勝手に電脳空間で生まれた自我で、勝手にいろんなところにはいりこんで、勝手に悪い物を祓ってる電脳空間の祓い屋とでもなのっておこうかな。君のところのロボットにとんでもないバグがあるからと聞いて狩りにきたんだけど。いやぁ〜これは予想外だね(笑)」
バグの量が多すぎた。
ちょうど人間の少年音井信彦がシグナムの中になんらかの電気信号などをもとに入り込みバグとりをしようとしたところに遭遇した夢主は、目の前に広がるバグの群れに笑いが止まらなかった。
バグとり後も信彦とシグナムのそばにいるともっと面白いことがありそうだと、音井博士に許可を得て、側にいることをきめた夢主。
シグナムもといAナンバーズの秘密や音井博士の研究データを欲するやからからの攻撃やプログラムを徹底的に排除していく電脳のボディーガードな狐さんの誕生である。これぞファイヤーウォール。ただしこの狐は火はふかない(笑)。
■11 ロックマン エグゼ
小刀をくわえた狐が、わるいウィルスをやっつけてくれるらしい。
そんな噂が流れる。
「そのお札や狐はなんていうソフトですか?」「どうもソフトじゃないらしいよ」
野良AIもとい放浪AIな夢主は、またもや次元を超えて別の電脳空間で活躍中。ぶっちゃけまだ電脳空間から出れなくないままである。
そうして夢主は、日々ウィルスやバグをきりさき、電脳空間の平和をまもっていた。誰が作ったかわからない放浪AIにいろんな研究者が捕獲を試みるが、当然夢主はそれさえもかいくぐり走り続ける。人間につかまりたくないが、悪いものは祓ってやろう。という思考が根付いている元神様な狐夢主だった。
だが逃げ続けていた夢主だったが、あるウィルスが原因でロックマンたちと事件に巻き込まれるはめに…。
「なんと!?ネットくんとロックマンにそんな秘密が!?いやいや安心してください光博士。自分は無害なただの狐ですのでね、ええ、当然みんなには黙ってますとも」
「普通の無害な狐はまず人語をしゃべらないよ。そもそも君は本当に誰が作ったAIなんだい?」
「前もどこかで誰かに伝えたんですが、その辺説明が面倒くさいので"勝手に電脳空間で生まれた自我"もとい電脳空間の防衛本能だとでも思って下さいな」
「めんどうくさいって。つまりは本当は制作者いるってことだよね狐君?」
「やだなぁ光博士。野暮って言葉御存じですか?」
「君、そうとう人間臭いよ。よく言われない?」
「言われますね〜(笑)とはいえロックマンのように人間のデータから生まれたわけじゃないですよ」
狐な電脳の守護は今日も0と1の世界を駆けまわる。
人間にとって良いことしかしてないので、捕獲禁止で!