
|
原作軸 01. 海軍将校の逃亡 |
|
その話を聞かされたとたん。 オレは窓のサンに足をかけていた。 ◆ side リース 「いま、いくつじゃったかな?」 なぜか上から回ってくる自分のもの以外の仕事に追われたそんなある日、祖父モンキー・D・ガープはニコニコと嬉しそうな笑顔でオレの執務室にやってきた。 祖父が満面の笑顔でここにやってくるなど、今までの経験上あまりいいことはない。 しかも手にはなにやら紙袋が複数。 嫌な予感はさらに強くなる一方だ。 今度は何の用だろう。 まさかあの紙袋すべて、後始末用の書類とかいわないよな? 代筆か?それはそれで・・・そんな量イヤだ。 だけどなぜか今日は、第一声が「すまん」じゃなかった。 なんで年齢なんか聞くんですか? ああ、もう!オレ、今日で5日も徹夜していて死にそうなんですけど。 そもそもオレの仕事はとっくに終わってるんですよ。 『は〜・・・22です。 孫の年も忘れたんですか?ボケたなら、即刻帰れこのジジイ』 「お前ももういいとしじゃな」 『そうですね。 そういうあんたは、人の話をききゃぁしねぇぐらいいい年のようで』 カキカキカキ・・・オレは書類に目を通して、次々にペンをいれていく。 嫌味で押収してみるものの。まったく効果なし。むしろじいちゃんの耳にはオレの言葉は聞こえていないのだろう。 ならばこちらも同じ態度でかえさせてもらおうじゃないか。 そう思って、じいちゃんの話を右から左へ流す勢いでスルーすることを決めた。 相変わらずじいちゃんはそんなオレの様子など気にもせず、勝手に人の部屋のソファーでくつろぎながら、なぜかモジモジとしている。 きもい。 そしてこういうときのじいちゃんは絶対、何かオレにとって悪い情報しか持ってこない。 まじ、帰れ。 「じゃろ。お前はわしに似て顔もいいし。もてるじゃろうし」 『もてるかどうかはさておき。じいちゃん、いえガープ中将…本当になんの用ですか?』 オレがペンをとめ、胡乱げに顔を上げてじいちゃんを見ると、視線が合ったことを喜ぶようにパー!と待ってました!と顔を輝かしてなにやら「そうじゃろうそうじゃろう」とウキウキと紙袋の中から暑さ10cmの紙の束を――三つほど取り出した。 「まだあるぞい」と言って、バンとそれを机の上においてニカッと笑顔で 「いい見合い相手を」 ガタン!! 『この書類を提出してきます!!』 何人分!?てか何センチ×何束あるんだよそれ!? とつっこみたくなったほどの紙束をみて、オレはじいちゃんがすべてを言い切る前に自分の刀を持って窓から飛び降りた。 もちろん書類に関しては言い訳で、あとで誰かが取りに来ることになっていたのでおいてきた。 「この子なんか可愛いと思うんじゃが…ってリース!! うっぉぉぉおい!!リーーーースーーーーー!!またんかぁ!!」 『だれが待つかこのくそじじい!!』 こうしてオレは全力疾走で海軍本部を駆け抜けると、気配を断って建物の影に隠れ、そのまま今にも出向しようとしていた船に飛び乗った。 突然飛び乗ったにもかかわらず追い出されずこともなくすんだのは、この数年で階級を上げた成果だろう。 真剣まじめな顔をして「極秘任務につき途中まで同行させて頂きます」なんて上官ぽく威厳あるようににらみを利かせて言えば、海軍の『正義』の文字を背負う身としては下っ端集団の彼らはあっけなく乗船を許可してくれた。 そこでまんまとじいちゃんをまき、イーストブルーまで送ってもらうと、途中で降りて、自分の能力を使っていっきに故郷フーシャ村まで跳ぶことにする。 実は剣の師匠とエース以外は、オレが能力者であることを知らない。 なのでここで身に着けていた海楼石を外して、能力を使ってしまえば、この島以降からのオレの消息はそうたやすくはつかめないだろう。 さぁ、逃げるぞ。 見合いなんかやってられるか。 しかもあの人のもってくる【かわいいこ】という基準がなにかおかしい。 依然見せてもらった【可愛い子】は、どこかのオカマ王国にいそうな筋肉の多いごっつい子がおおかった。 却下だ却下。 それにオレはまだ22歳。 まだまだ自由でいたいお年頃だ。 そもそもオレは好きな人がいるんだーーーーー!!! ・・・そういえば、原作でいうなら今ってどの辺だろう? まぁ、いっか。 オレが原作に介入するとは到底思えないしね。 そんなわけで、海軍本部から逃走中なオレ。 2010.11.11 作成 2014.03.18 投稿 |